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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

静かなる大恐慌

2012年10月27日
経済・行動経済学 0
静かなる大恐慌 (集英社新書)静かなる大恐慌 (集英社新書)
(2012/09/14)
柴山 桂太

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満足度★★★★
付箋数:27

グローバル化、グローバル化、グローバル化・・・

私たちは幾度となくこの言葉を聞き、日本経済が再生するには、
今後、更なるグローバル化が必要だと刷り込まれています。

しかし、日本や世界にとって、本当にグローバル化は
正しい選択なのでしょうか?

実は、世界は過去にもグローバル化を進めた時期があります。

それは今からおよそ100年前。
これが第1次グローバル化の時代。

その時は、行き過ぎたグローバル化に歯止めがかからず、
最終的には第1次世界大戦と大恐慌によって終りを迎え、
その後50年以上、世界は脱グローバル化の方向に進みました。

  「グローバル化は、一度始まったら一直線で進む不可逆的な
  プロセスではない、ということ。
  歴史を見る限り、グローバル化はある時点で、
  必ず反転する局面を迎えるということ。」

本書の著者、柴山桂太さんは、私たちが最近まで当たり前だと
考えていた「第2次グローバル化」は終りを迎えたと言います。

グローバル化の行き着く先は、社会の不安定化と経済の脆弱化。

今回の転機は2008年のリーマン・ショックでした。

そして、大きく振れた振り子が揺り戻すように、
世界は今後数10年にわたり、脱グローバル化の方向に進むと
予想しています。

グローバル化は経済成長と引換に、大きな不安定さをもたらします。

逆に言うと、世界は不安定さを「はずみ車」のように動力として、
経済を成長させていたとも考えられます。

不安定はリスクであり、リスクはリターンの源泉ですから、
投資の原理から考えても、納得がいきますね。

しかし、個人でも、企業でも、国家でも、
許容できるリスクには限界があります。

世界経済が、許容以上のリスクを取った結果が、
リーマン・ショックなのでしょう。

本書では、経済からの単一的な視点ではなく、
政治、歴史、思想など複数の視点から、
現在進行中の「静かなる大恐慌」を立体的に捉えます。

そしてコナンドラムだらけの世界経済の1つ1つの動きを、
見事につなぎ合わせ、そのつながりを可視化しています。

柴山さんの語り口は、あくまで冷静ですが、
バラバラだった点と点がつながり、
今まで見えなかった像が浮かび上がってくる様は、
上質な推理小説を読んでいるような興奮があります。

これから脱グローバル化が進む中で、
日本はハードランディングを避けられるのか?

そして、グローバル化とセットで求められていた、
従来の「小さな政府」ではなく、
「大きな政府」を目指すべきではないのか?

柴山さんの本では、中野剛志さんとの共著、
グローバル恐慌の真相」も良かったですが、
本書はそれを上回る良書です。

グローバル化が当たり前だと考えていた私に、
世界を深く読み取る視点を与えてくれました。

この本から何を活かすか?

グローバリゼーションに対して、警鐘をならした思想家が、
カール・ポラニーさん。

グローバル資本主義の危険性を著書「大転換」の中で
指摘しているようです。

古典的名著と言われていますが、内容が難しいことと、
その600ページ超の分厚さから、私は読むのを避けていました。

この本は、どう見ても読むのを挫折しそうなので、
まずは図書館から借りてみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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