地頭力を鍛える
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
(2007/12/07)
細谷 功 商品詳細を見る
満足度★★★★
いきなりですが、最初に紙、ペン、時計の3つを用意して、
次の問題にチャレンジしてみてください。
問題:「日本全国に電柱は何本あるか?」
ルール:制限時間3分(厳守)、電卓・PC等使用不可、一切の情報参照不可
この問題に挑戦することが、
本書の核心に迫る一番の方法です。それでは、3分スタート!
さて、私は
地頭力(ジアタマリョク)とは、何か?
フェルミ推定とは、何か?
これを知りたくて、本書を手にしました。
本書で定義する、地頭力とは、
特定の知識に依存することなく、自分で考え抜いて、
問題解決ができる能力を指します。
持って生まれた頭の良さでは、ありません。
そして、この地頭力は、
・「結論から」考える力 - 仮説思考
・「全体から」考える力 - フレームワーク思考
・「単純に」考える力 - 抽象化思考
の3つの思考力と、
そのベースとなる論理思考力、直観力、知的好奇心
から構成されると、著者の細谷功さんは説明しています。
そして、フェルミ推定とは、冒頭の問題のように、
つかみどころのない算出困難な数値を短時間で概算させる
問題で、ノーベル賞物理学者エンリコ・フェルミさんの
考案によるものです。
細谷さんは、今後、地頭力が最も必要とされる能力と考え、
それを鍛えるための最適の方法として、フェルミ推定を、
その活用方法も交えて、本書で紹介しています。
巻末には、フェルミ推定の練習問題も掲載されています。
冒頭の問題を見て、闘志を燃やすパズル好きの人には、
避けて通れない1冊です。
私の知的好奇心は、大いに、くすぐられました。 この本から何を活かすか?
本書では、フェルミ推定が特に必要なタイプとして、
「検索エンジン中毒」、「完璧主義」、「情報コレクター」、
「猪突猛進」、「セクショナリズム」、「経験至上主義」
の6つを挙げています。
私は最初の「検索エンジン中毒」に当てはまります。
ということで、もちろん私も冒頭の問題に挑戦してみました。
その結果を本書に記載されている「地頭力チェックリスト」
で見てみると、
私は、地頭力B級(10満点中7点)
チェックリストは、ここには記載できないので、
ぜひ本書を入手して、確認してみてください。
(今回の記事は下の「Lead More・続きを読む」に、実際の電柱の統計数値と、
私の思考プロセスを書いておきました。興味のある方は、ご覧ください)
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
1.日本の面積と単位面積当りの電柱本数を推定して割って求めよう
2.日本の面積は見当がつかないから、北海道の面積から推定しよう
3.北海道の面積も知らないから、ひし形と考えて推定しよう
4.きっと、400km×400km÷2=8万平方キロくらいだろう
5.日本の面積は、北海道の面積の6倍くらいっぽいから
8万×6=48万平方キロとしておこう
6.ヤバイ、もう時間が半分過ぎてしまった!
7.電柱は100m四方に、4本くらいかな?
8.ということは、0.1×0.1=0.01平方キロ当りに4本
9.でも、都会と田舎は違うよな~、山もあるし
10.とりあえず、田舎は0.01平方キロ当りに1本にしておこう
11.きっと、都会は全国の3割程度しかないから、
全国平均は、4本×0.3+1本×0.7=1.9本
面倒だから0.01平方キロ当り2本にしておこう
12.すると、48万平方キロ÷0.01平方キロ×2本=9600万本
13.そういえば、電柱って電力会社と電話会社の2種類なかったっけ?
14.あ~時間切れ、まあいいや、9600万本にしておこう
統計データによると、日本の電柱の本数は「約3300万本」だそうです。
細谷さんの身近なコンサルタントの方たちが、この問題を試した結果は
大体500万本~5000万本の間に収まったとか。
答えの近さよりも、その考えるプロセスが大切と、本書では
説明されていますので、あまり近い値ではありませんが、
まあ良しとして、次の問題に挑むことにします。
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