ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える
![]() | ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える (2012/07/03) 真柄 昭宏 商品詳細を見る |
満足度★★★
付箋数:20
「橋下徹 = 小泉純一郎 + 竹中平蔵 + α ≠ 菅直人
橋下徹には、 “理念を実現するためには殺されてもいい” という
小泉純一郎のような覚悟、政治任用スタッフを活用して
決定に持ち込む竹中平蔵のような実務能力、
それに小泉・竹中時代以上に進んだ、ツイッターなど
最新の情報コミュニケーション技術を活用する
コミュニケーション能力を構成要素とするリーダーシップがあり、
その対極に首相を務めた菅直人がいる。」
本書の著者、真柄昭宏さんは、小泉政権時代に、
竹中平蔵さんの大臣政務秘書および参議院政策担当秘書を
務めた方です。
真柄さんは、本書の冒頭で「2015年の日本」に考えられる
2つのシナリオを用意します。
1つは、衆参両院で中央集権派・デフレ増税派が勝利し、
消費減退から、再びデフレが深刻化した日本。
1ドル=60円台が目前で、日本から製造業が消える可能性さえ囁かれ、
財政破綻のシミューレーションが話題となるシナリオです。
もう1つは、衆参両院で分権派・成長派が勝利し、
改正日銀法に基づく新総裁と首相の協定に基づき、
物価上昇率は2%近傍、円相場は1ドル=100~130円になるシナリオ。
政府はデフレ脱却を宣言し、国民の関心は道州制へ向かいます。
真柄さんは、最初のシナリオに沿って
首相になりそうな政治家は数多くいるが、
あとのシナリオに沿って首相を務められそうな政治家は数少なく、
その数少ない政治家の1人が、橋下徹さんだと考えています。
本書では、変革するリーダーとして、
小泉純一郎さん、竹中平蔵さん、橋下徹さんの3人を比較。
その比較をもとに、橋下さんが、国政入りし、
首相になった場合をシミューレーションします。
また、小泉政権時代の情報発信ツールが「小泉メールマガジン」
だったのに対し、現在の橋下さんは、双方向で即時に情報が広がる
ツイッターを駆使することを挙げ、新たな政治の可能性をを探ります。
ツイッターは、東日本大震災で双方向コミュニケーションの
威力を十分に発揮しましたから、橋下さんのような方が政治の場で使うと、
確かに、大きなうねりを生むかもしれません。
冒頭の恒等式「橋下徹 = 小泉純一郎 + 竹中平蔵 + α」の
「α」の部分がツイッターなどの情報コミュニケーション技術を
表しています。
本書は、竹中さんの秘書として実務を担当した真柄さんらしく、
政治の裏側のリアルな話が多数出てきます。
ただし、その部分のイメージが強いので、
橋下さんの政治手法の検証としては、少し物足りなさも感じます。
中盤では、「主役は竹中さん?」と思えるぐらい、
竹中さんの凄さが際立って描かれていてます。
それはそれで面白く読むことができますが。

小泉さんと橋下さんに共通するブレーンは誰か?
「私にとって経済政策の師匠であり同時に改革の同志でもある
嘉悦大学の高橋洋一教授は、小泉純一郎と橋下徹の両方に
政策の提言をしたことのある人の1人である。」
このブログでも、何冊も著書を紹介したことがある高橋洋一さんが、
小泉さんと橋下さんに共通するブレーンのようです。
2012年3月に「日本経済の真相」を紹介した時の
表紙に書かれていた高橋さんの肩書きは「元財務官僚」でした。
しかし、今、手元にある2012年7月刊行の
「グラフで見ると全部わかる日本国の深層」を見てみると、
表紙の肩書きは「大阪市特別顧問」となっています。
一度は、表舞台から抹殺された高橋さんでしたが、
戻って来ましたね。
これから橋下さんに任用され、高橋さんが活躍するのが楽しみです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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