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オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解くオタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く
(2012/06/08)
トビアス・J・モスコウィッツ、L・ジョン・ワーサイム 他

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満足度★★★
付箋数:23

おい、おい、今のがストライクかよ!
野球を見ていると、よくそんな場面があります。

審判だって、人の子。
どんなに優秀な審判だって、毎回、正確に
同じ判定ができるわけではありません。

では、どんな時に審判の判定にバイアスがかかるのでしょうか?

  「審判は、重要な場面ではとくに、
  ゲームに介入しないように骨を折る。」

つまり、場面の重要度によって、
審判のストライクゾーンは変わるということです。

  「ストライクゾーンは、
  ノーボール・ツーストライクのときがいちばん狭く、
  スリーボール・ノーストライクのときがいちばん広い。

  スリーボール・ノーストライクのときのストライクゾーンは、
  ノーボール・ツーストライクのときに比べて
  188平方インチも広くなる。

  これはびっくりするぐらいの違いだ。
  たまたまそんな誤審になったなんてありえない。」

これは典型的な「不作為バイアス」。

何かをしてマイナスの結果がもたらされるよりも、
何もしないでマイナスの結果の方がマシと考える心理です。

バッターがツーストライクまで追い込まれているのなら、
ストライクゾーンを広めにとって、アウトへ。

スリーボールまでカウントが進んでいるなら、
ストライクゾーンを狭くして、フォアボールへ。

要するに、審判は無意識のうちに自分の判定が
ゲームの流れを変えないような、
空気を読んだものになっているようです。

本書では、私たちがスポーツを見ていて、
なんとなく感じていた事や、
通念として言われていることが本当かどうか検証します。

検証のベースになるのは、統計分析と行動経済学。

著者はシカゴ大学ビジネス・スクール教授で
行動ファイナンスが専門のトビアス・J・モスコウィッツさんと、
スポーツ・イラストレイテッド誌ライターの
L・ジョン・ワーサイムさんのスポーツ好きのお二人です。

  ・ファンもリーグも、審判のミスジャッジを願っているのはなぜか?

  ・ヘッドコーチたちが、自分のチームの勝つ可能性を
  下げるような判断を下すのはなぜか?

  ・オフェンスよりもディフェンスのほうが大事って本当なのだろうか?

  ・2割9分9厘のバッターが3割のバッターよりも
  ずっと希少なのはなぜか?

  ・なぜ、ステロイドに手を出してしまうのか?
  
  ・プレーの前にタイムをかける作戦は本当にうまくいくんだろうか?

取り上げられている内容は、どれも興味深いものばかり。

ただし、題材とされるスポーツは、
メジャーリーグベースボール(MLB)、NBA、NFLなど
日本人の私たちには馴染みの少ないスポーツが中心です。

まあ、外国人が日本のスポーツを統計分析していも
それはそれで違和感があるので、あまり出てくるスポーツ選手を
知らなくても、本書はこれでいいのかなとも思いました。

「ヤバい経済学」のスティーヴン・レヴィットさんが、
大相撲で7勝7敗で千秋楽を迎えた力士の勝率を調査し、
公表したことがありましたが、個人的にはその結果よりも、
なんで日本人が調べないのかなと感じたこともあるので・・・

この本から何を活かすか?

  「MLBの選手が次の打席でヒットを打つ可能性を予測するとして、
  次のうちどの指標を使うのがいちばんいいだろう?

    (a) 過去5打席の打率
    (b) 過去5試合の打率
    (c) 過去1ヶ月の打率
    (d) 今シーズンに入ってからの打率
    (e) 過去2シーズンの打率 」

本書の著者は、過去10年のMLBの選手を全部調べ、
これら5つの指標で、どれがいちばん予測に適しているかを検証しました。

結果は、本書を読んでのお楽しみ。

この検証の結果は、投資信託を選ぶ際にも参考になると、
書かれていますから、参考にしない手はありませんね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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スポーツファンなら必読:オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

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| 本読みの記録 | 2012/10/13 22:36 |

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