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専門家の予測はサルにも劣る

2012年08月04日
経済・行動経済学 0
専門家の予測はサルにも劣る 専門家の予測はサルにも劣る
(2012/05/23)
ダン・ガードナー

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満足度★★★
付箋数:25

  「将来について思い悩む人が、よくこんなことを口にする。
  “先は不透明だ。昔とは違うよ”

  セリフの前半は正しいが、後半は間違っている。
  将来はいつの世も不透明なのだ。
  今、私たちが直面している将来も、100年前の人が直面した将来も。

  だが、過去を振り返る時、後知恵バイアスが働くため、
  “昔は今とは違って、未来を読むことができた”
  という勘違いをしてしまう。」

最近のビジネス書でも、「東日本大震災」という枕詞をつけて、
「不透明」になったと語られていることが多いですね。

そして、不透明と言われることが多いから、
未来を予測する専門家が求められ、誰もがその発言に注目します。

しかし、本書の著者、ダン・ガードナーさんは、
専門家の予測は、それほど当たっていないと指摘します。

本書では、誰もが信頼する高名な専門家の予想が、
外れている事例を数多く紹介します。

では、なぜ、その分野を研究する専門家であるにも関わらず、
予想が当たらないのでしょうか?

  「予想が当たらない原因は、“現実世界の本質” と
  “人間の脳” にある。」

理由は単純。人が予測できる以上に世界が複雑だから。
将来を決定するファクターが多すぎるからです。

例えば、一見、簡単そうに見える「為替」の予想だって、
教科書的な解釈だけでは、その動きを読めませんし、
プロも予想を外しまくります。

それでは、どうして私たちは、当たらない専門家の話に
耳を傾けてしまうのでしょうか?

  「つきつめていくと人間が生まれつき持つ、
  不確性を嫌う性質にある。」

だから私たちは、分かりやすく単純化された話を、
つい信じてしまうのです。

「円が高くなるか安くなるか分からない」という人より、
本当は外れていても「これから円高になる」とズバッと言う人の方が、
コメンテーターとしては人気が出るのです。

私たちが気をつけるべきことは、専門家の予測でも、
間違う可能性があることを前提に聞くこと。

古代ギリシアの哲学者ソクラテスさんは、
自分が無知であることを知っていたから、賢人と呼ばれました。

世界的に有名な投機家のジョージ・ソロスさんは、
人間は間違いを犯す存在であるという「誤謬性」を
信条にしたから、巨万の富を築き上げることができました。

また、いくら予測が当たらなくても、仮説を立て、
先のシナリオを考えること自体は必要なことです。

大切なのは、シナリオから外れた時のプランを
前もって用意しておくことと、予想が外れた場合は、
当初のシナリオに固執せずに、状況に応じて行動することです。

この本から何を活かすか?

  「現実的には予測について、説明義務はほとんどない。
  予測が当たらなければその人の評判に傷がつくはずだが、
  そうなることはめったにない。」

ガードナーさんが指摘するように、
専門家がテレビなどで発表する予測も、
それが当たったかどうか、検証する人は稀です。

だから、ほとんどが言った者勝ちの状態。

私が、どんなに為替の予想が外れ続けようと、
藤巻健史さんの発言に注目するのは、藤巻さんが評論家ではなく、
実際にその予測に基づく取引をするポジションテイカーだからです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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