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続・悩む力

続・悩む力 (集英社新書)
続・悩む力 (集英社新書)
(2012/06/15)
姜尚中 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:18

大ベストセラーになった「悩む力」から4年。

本書はその続編で、再び、姜尚中さんは、
100年前に生きた夏目漱石さんとマックス・ウェーバーさんの
「悩み」に、今を生きるヒントを見出そうとします。

それでは、前作からの4年間で、何かが変わったのか?

  「東日本大震災以降、日常のありふれたしっかりとした光景が
  何やら液状化し、溶け出していくような感覚に襲われることは
  ないでしょうか。(中略)こうしてみると、私たちはどうやら、
  “液状化する近代(リキッド・モダニティ)” を生きていると
  いえるのではないでしょうか。」

震災を機に、価値観が変わったという話をよく聞きます。

姜さんも震災を契機に、夏目漱石さんらの「悩む力」が、
以前にも増して必要になったと考え、続編を執筆したようです。

ところで、夏目漱石さんが小説の中で描いた悩みとは、
一体どんなものだったのでしょうか?

姜さんは、100年後の今読んでも強い共感を抱く悩みのネタとして、
次の5つを挙げています。

  ・「お金」
  ・「愛」
  ・「家族」
  ・「自我の突出」
  ・「世界への絶望」

漱石さんの小説には、これらの悩みがバラバラに登場するのではなく、
絡み合い混在する形で、物語の中に現れてくると、
姜さんは指摘しています。

個人的には、これらの悩みは今の時代だから、
以前にも増して必要になったと言うよりは、
人間の持つ普遍の悩みだからこそ、100年後の今、
漱石さんの小説を読んでも、共感できるのだと思います。

また、本書では、悩みぬいた末の「二度生まれ」をすすめています。

これは、漱石さんに影響を受けた、アメリカの心理学者、
ウィリアム・ジェイムズさんの言葉です。

  「人は生死の境をさまようほど心を病み抜いたときに、
  はじめてそれを突き抜けた境涯に達し、世界の新しい価値観とか、
  それまでとは異なる人生の意味といったものを
  つかむことができるというのです。

  彼は  “健全な心” で普通に一生を終える “一度生まれ” よりも、
  “悩める魂” で二度目の生を生き直す “二度生まれ” の
  人生のほうが尊いと言いました。」

姜さんは、過去の幸福論が通用しなくなった
液状化する現在においては、「二度生まれ」によって、
新しい幸福を追求する必要性を説いています。

本書は、悩める人にとっては、大きな力になると思いますが、
あまり悩みのない私にとっては、
正直、前作同様、あまりしっくりきませんでした。

この本から何を活かすか?

  「恐ろしいことに、多くの人は例によって問題意識ももたずに
  何となくそれを受け入れ、鈍った感覚のまま、
  何ごともなかったように過ごそうとしているように思えてなりません。
  これをまた漱石が見たら、何と言うでしょうか。」

悩むことを否定するわけではありませんが、
私は問題意識を持つことと、悩むことは別だと思います。

また、悩まないからといって、悲惨な出来事から
目をそらしているとも言えません。

悩まないことは、姜さんからすると、
底の浅い楽観論のように映るのかもしれませんが、
それでも人生を存分に生きることは可能だと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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