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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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重力とは何か

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)
(2012/05/29)
大栗 博司 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

  「本書を書くときに思い浮かべたのは、卒業以来会っていない
  高校の同窓生でした。私とは違う道に進み科学からは
  遠ざかっているものの、好奇心は相変わらず旺盛で、
  道筋だてて説き起こしていけば理解してくれる。
  そんな友人に30年ぶりに再開して、私が大学で勉強し、
  大学院で研究を始め、今日まで考えてきたことを
  語るつもりで書きました。」

本書は「重力」をガイドとした最新の「宇宙論」にいたる物語。

身近な重力の話から始まり、相対論、ビックバン理論、
量子論、超弦理論からホログラフィー原理までを解説します。

私は、たびたび宇宙論の一般向け解説書を読みますが、
「本書を最初に読んでおけば、もっと理解できたのに・・・」
と思えるぐらい、圧巻の説明力でした。

その説明力は、池上彰さんにも匹敵します。

社会や政治に関する説明の達人が池上さんなら、
宇宙論に関する説明の達人は本書の著者・大栗博司さん
と言ってもいいレベルだと思います。

例えば、「事象の境界線」は次のような例で説明されています。

  「宇宙のどこかにあるブラックホールを、宇宙飛行士である私が
  調査しに行くとします。私の上司であるあなたは、地球を出てから
  ブラックホールに入るまで1日に1回、必ずEメールで状況を
  報告するように命じました。」

この設定では、ブラックホールに近づくにつれ、
メールでの報告は、どうなったでしょうか?

宇宙飛行士は、決められた通り、必ず1日1回メールをします。

しかし、届くメールは1日1回だったものが、2日に1回、1週間に1回、
1月に1回と徐々に回数が減り、やがて全く届かなくなります。

それは、強い重力を持つブラックホールに近づくにつれ、
外から見た時間は遅れてゆっくり進むからです。

そして、光が脱出できなくなるシュワルツシルト半径に入ると、
メールも出ていけなくなります。

この様子を外から望遠鏡で観測すると、
宇宙船は次第に動きが遅くなり、シュワルツシルト半径の外側で、
ほとんど止まっているように見え、その内側に入った途端、
(光が脱出できないので)忽然と姿が消えます。

それは、あたかも地平線の向こうに消えてしまったかのように。

このシュワルツシルト半径で区切られた境界線のことを
「事象の境界線」と呼ぶそうです。

本書は後半の、特に大栗さんの専門である超弦理論や
多次元宇宙のパートになると、抽象的な概念も多くなり、
読んですぐに理解できない部分も出てきます。

しかし、文系の人でも理解できるように、最大限丁寧に
説明されていますから、きっと最後まで読み通せるはずです。

必要なのは、ほんの少しの好奇心。

宇宙論に興味はある。でも難しそうだから・・・
と考えていた人にとっては、うってつけの一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

2011年に国際研究チーム「OPERA」が、
ニュートリノが光速を超えたとの実験結果を発表しました。

しかし、2012年になってから実験ミスだったと、
その発表を撤回しました。

また、2012年7月には欧州合同原子核研究機関「CERN」が、
万物に質量を与えると考えられてきた「ヒッグス粒子」とみられる
新粒子を発見したと発表しました。

ここ1、2年、宇宙論が熱く、
新たなステージに入ったことを予感させますね。

かつてアインシュタインさんの意に反するように
量子論の研究が進みました。

今度はホーキングさんが期待しなかった方向へ、
最新の宇宙論は進もうとしているのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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