活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

媚びない人生

2012年07月13日
人生論・生き方・人物・哲学 1
媚びない人生
媚びない人生
(2012/05/25)
ジョン・キム 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:25

私は、本書を通じて貴重な体験をしました。

以下、私の認識の変化です。

1. 「媚びない人生」が売れていることを知る
2. 本書を入手して読む → 刺さる言葉の多い本だと感じる
3. 著者のジョン・キムさんについて調べる → 経歴詐称を知る
4. 本書を再読する → 刺さったはずの言葉が陳腐に感じられる

今まで、誰かの経歴詐称のニュースを聞いても、
あまりリアルに意識できず、だから何が変わるの?
という感覚がありました。

しかし、実際に本書で体験してみると、
経歴詐称は驚くほど影響が大きいことがわかりました。

ジョン・キムさんは、ハーバード大学客員「研究員」のところを、
ハーバード大学客員「教授」と名乗っていたそうです。
やまもといちろうさんのブログ参照

そもそも、私が読んだ本書の経歴には、
ハーバード大学法科大学院visiting scholarと書かれていますから、
別に私自身が騙されたわけではありません。

ところが、最初に読んだ時に、あれだけ刺さった言葉が、
経歴詐称の事実があったことを知った後で読み返すと、
見事なまでに刺さらなくなっています。

更に、無意識のうちにアラ捜しまでしていて、
最初はスルーしていた表現が、がぜん気になるようになりました。

  「もとより本当に権威のある人は、権威を振りかざしたり
  することはしない。権威がない人が、自分の職位なり何かによって、
  それを頼りにとりわけ権威に弱そうな人たちをうまく見つけて
  振りかざす。権威を振りかざす人は自身が権威に弱いので、
  自分に似た人たちを見つけるのは、実にうまいのである。」

この文章も、最初は全く気になりませんでしたが、
読み返してみると、キムさん自身のことを言っているようにも
感じました。

  「周りに評価されたり形容されたりする中で、
  社会的に生きやすい自分を作り上げていくのだ。
  私はそれを、ペルソナと呼んでいる。」

これも、キムさん自身がペルソナ(仮面)を被っていたんだ、
と妙に納得。

本書は、慶応大学のキムゼミ最終講義「贈る言葉」をまとめたもの。

自分を強くするための「内面からの革命」が語られています。

  「社会に革命を起こすことは難しく、時間がかかるものだ。
  しかし、内面の革命は今この瞬間にスタートできる」

別に私自身が、キムさんに騙されたわけではありませんが、
できれば、本書を読んだ後も、経歴詐称のことなど、
何も知らなかった方が幸せだったかもしれません。

この本から何を活かすか?

子どもが幼稚園の頃、よく感じたことがあります。

ウチの子は、女の子なのに、ぜんぜん喋らない。

それに対し、友だちの子は、次から次へと言葉が出てきて、
大人でも驚くような表現を使って喋っていました。

ウチの子と比べて、よく喋る子をすごいなと感心しながらも、
あることに気がつきました。

5歳前後の年齢の子は、よく喋るほどウソをつく。

ひとつでもウソがあると、言葉すべての信頼性がなくなります。

キムさんの経歴詐称で、そんな懐かしいことを思い出しました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント1件

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名無しさん

言葉と人

はじめまして

この著者の詐称はハーバードのものに限らないようです
ikadokuさんは直接詐称の被害に遭っていないにしても
この本の初めの方の版や宣伝では詐称の経歴に基づいていたわけで
売れたきっかけとして(あるいは売れた理由のほとんど全部が)詐称された経歴があり
ikadokuさんは売れている(話題になっている)本だから購入したとすれば
やはり間接的に詐称の被害に遭っているということになるのかもしれませんね
同じ言葉でもその人がどういう人でどういう人生を送ってきたかによって意味がまったく変わるという実験としてはとても貴重な本かもしれません

2012年07月19日 (木) 09:56