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日本経済の真相

日本経済の真相
日本経済の真相
(2012/02/15)
高橋 洋一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

高橋洋一さんは、テレビや新聞などのマスコミが流す情報は、
真実の「97%」が隠されていると言います。

例えば、政府の予算。

官僚がつくる予算書は約2000ページあるそうです。

しかし、マスコミの記者はこんな膨大な資料に
目を通している時間はありません。

だから、記事にするときに使うのは、
2000ページを約50ページにまとめた要約資料。

これが、ページ数にすると全体の3%に相当します。

この要約資料をつくるのも、もちろん官僚です。

ですから高橋さんは、官僚は自分たちに不都合な情報は載せずに、
やりたいことが必然であるかのように思える、
ごく一部のわかりやすい部分だけをまとめていると指摘しています。

だから、真実の「97%」は隠されているという訳です。

元財務官僚であり、今でも2000ページの予算書に
目を通している高橋さんだからこそできる指摘ですね。

実際に、高橋さんが霞ヶ関にいた頃、

  「マスコミの脳は“小鳥の脳”だから、
  これくらいの情報を食わせておけばいい」

というフレーズを、よく耳にしたそうです。

本書では、マスコミが流す22個の「俗論」に対し、
その「真相」を暴き、解説します。

それでは、本書からいくつか「俗論」と「真実」を紹介します。

  1. 「俗論」 異常なまでの円高、打つ手なし
     「真相」 解決は簡単。円を刷れば円安になる

  7. 「俗論」 ユーロ崩壊を防ぐにはギリシャを救済すべし
     「真相」 破綻は当然。ユーロ離脱が建て直しの条件

  11.「俗論」 日本国債がデフォルト、暴落する
     「真相」 CDSを見よ。10%の下落は十分ありえる

  12.「俗論」 復興財源の確保に増税もやむなし
     「真相」 増税は愚策。100年国債を発行せよ

  19.「俗論」 公務員改革、大阪都構想には高い壁
     「真相」 改革は大阪から始まる

例えば、日本はよくギリシャと比較されて、
明日のギリシャとならないために、
増税すべしという論調が多く見受けられます。

しかし、高橋さんは、その国の破綻の可能性は、
国債の格付けではなく、マーケットからの評価である
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を見よと言います。

日本国債のCDSは1.4%程度。
フランスより低く、ドイツや英国と同程度です。

これは70年に1度程度、日本国債がデフォルトする
確率があるという市場の評価です。

一方、ギリシャのCDSは90%以上で、本当に破綻に近い状態。

そして、日本をギリシャと同じ状態と喧伝する裏には、
官僚の増税へ誘導したい思惑があると高橋さんは指摘しています。

本書での高橋さんの解説は、非常にシンプル。

問題の核心を衝いていますから、長々と説明していなくても
非常にわかりやすい解説となっています。

この本から何を活かすか?

ニュースにダマされず、本当の経済が読めるようになれば、
お金持ちになれるのか?

高橋さんが、本書で真相を暴くのは、
あくまでも世の中の情報を「新しい視点で見る作法」を示すため。

  「お金に換算しづらいが、知的な話しを楽しんで、
  自分で考えるという習慣をつけたほうが、
  はるかに人生は豊かにできる」

ですから、高橋さん自身も、経済の知識を
資産運用に活かすことは難しいと考えているようです。

だからと言って、私は、なにも投資をしなくて
いいとは考えません。

経済理論と実際のマーケットがどう違うのかは、
身銭を切って市場の中に入っていかなければ、
いつまでたってもわからないと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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