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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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円高の正体

円高の正体 (光文社新書)
円高の正体 (光文社新書)

(2012/01/17)
安達誠司 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

  「結論から言いましょう。
  現在の日本にとって、円高は明確に“悪”です。
  その意味では、“良い円高”も“悪い円高”もありません。」

簡単な話し、円高では海外から安くものが買え、
円安では輸出産業が儲かります。

立場によって、円高はメリットにもデメリットにもなる。

ですから、庶民の味方を装うマスコミは、
御用経済学者を使い、円高は生活者とって
歓迎すべき状況であると喧伝します。

しかし、一番重要なのは、日本全体にとって
円高は良いのか、あるいは悪いのかを判断する視点です。

本書の著者、安達誠司さんは、円高が日本にとって良いのか、
悪いのかを、たった1つのグラフによって明快に説明します。

それは、日本国全体の収入の合計を示す「名目GDP」と
ドル円レートの推移を示すグラフです。

このグラフでは、円高が進むと見事なくらいに連動して、
日本の名目GDPが下がっていることが読み取れます。

つまり、円高は日本全体への正の効果より、
負の効果が大きいということです。

本書は、いろいろな立場の人が、自分に有利になることを言って、
いったい何が本当なのか分かり難くなっている為替について、
全体的な視点から、非常にわかりやすく解説した本です。

本書の結論は、非常にシンプルです。

  「現在、日本の企業や人々を苦しめている円高ならびに
  デフレを食い止めるには、日銀によるマネタリーベースの供給を
  さらに増大させることしかありません。
  具体的には、1ドル=95円なら28.8兆円、1ドル=115円なら78.8兆円の
  お金を日銀が追加で投入することです。」

本書は誰にでも理解できるように、初歩レベルの為替の解説から入り、
一歩一歩論を進め、この結論に至ります。

途中の論理の組み立ては見事で、非常にスッキリしたものです。

また、安達さんは本書のコラムで、カリスマと呼ばれる
「伝説のディーラー」は始末が悪いと批判しています。

  「実際、彼らが中長期的な見通しを披露するのは、
  引退後か、もしくは逆に大勝負で負けてクビになった後
  という場合が多いものです。」

これ、どう読んでも藤巻健史さんの批判ですね。

しかし、実は本書で主張されている内容は、藤巻さんの主張と同じ。

どちらも円安が日本を救うというものですし、
かつて「1ドル200円で日本経済の夜は明ける」という
藤巻さんの本がありましたが、本書でも1ドル=200円になったら、
日本の景気は回復するしかないと述べられています。

個人的には、冷静に為替のロジックを学びたいなら安達さんの本、
面白さを求めるなら藤巻さんの本という使い分けをしたいと思います。

この本から何を活かすか?

アーティストが一瞬にして、「6倍儲かる」方法

本書では、2011年に話題なった某民法テレビ局の
「韓流推し」について、為替レートの問題が関っていると
指摘しています。

テレビ局側が、2007年以降の円高ウォン安で
安く韓国のコンテンツを買い付けることができたので、
韓国の番組を推しまくったと。

これは、売る側の韓国の番組やアーティストから見ると
もっとオイシイ状況です。

例えば、韓国のアーティストが日本でデビューすると、
マーケットは人口比で考えると、3倍になります。

そして為替レートは2007年頃にKRW/JPY=1.3だったのに対し、
2012年ではKRW/JPY=0.7なので、日本での売上げを
韓国での売上げに換算すると、約2倍に相当します。

つまり、韓国アーティストが日本でデビューし、
うまく人気が出れば、韓国内だけで活躍するよりも
2倍×3倍=6倍儲かるということですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.  
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