働き方の教科書

伝説の外資トップが説く 働き方の教科書
(2011/12/09)
新将命 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:24
「ここ数年の間に、私は何冊かの本を上梓しました。
なかでも、『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』が
“人”のマネジメントを、『経営の教科書』が“企業”の
マネジメントを扱ってきたのに対し、本書は“自分自身”の
マネジメントについての深堀りを狙いました。」
本書は、新将命(あたらしまさみ)さんの「教科書」シリーズ第3弾。
新さんは、シェル石油、ジョンソン&ジョンソン、フィリップスなど
グローバルカンパニー6社で、社長職を3社、副社長職を1社経験した、
まさに「伝説の外資トップ」の名にふさわしい経歴をお持ちの方です。
しかし、当たり前のことですが、こんなに凄い経歴の新さんでも、
新社会人の時代や中間管理職の時代がありました。
いったい、どのような働き方をすると、
会社のトップまで上り詰めることができるのでしょうか?
まず、最も大切なことは、明確な目標を立て、
その期限を設定することです。
「45歳までに企業の社長職に就く」
これは、新さんが32歳の時に立てた目標です。
当時、新さんは日本コカ・コーラに務めていたそうですが、
「日本一のマーケティングマン」になるという当面の目標と共に、
社長になるという最終目標も立てました。
そして、社長になるために必要な資質や条件を
紙に書き出したそうです。
新さんがリストに挙げた社長の要件は、全部で14項目。
この内、合格点をつけられたのが「体力」と「英語力」のみで、
「判断力」や「洞察力」、「コミュニケーション能力」など
残り12項目は、合格点には程遠い自己評価となりました。
しかし、新さんは45歳までの13年間で、
残りの12項目を1つずつクリアしていけばよいと考え、
そこで働き方の指針が決まったそうです。
やはりどんなポジションにいても、社長になると明確な目標を
持っていると、仕事上での判断する視点が異なりますし、
プライベートでも時間の使い方が違ってくるのだと思います。
また、新さんは成功の要因を次の式で表しています。
成功=(情熱+人間力+仕事力)×運
重要度が最も高いのは「運」で、次が「情熱」、
3番目が「人間力」で最後が「仕事力」という順番です。
この中でダントツに重要なのは、掛け算になっている「運」ですが、
新さんは、「運」は向こうから勝手にやって来るものではなく、
自分でリスクを取って「運んで」くるものであると解説しています。
本書は、経営者やリーダー向けではなく、
一般のビジネスパーソン向けに書かれているので、
新さんにしか書けない独自の切り口が少ないように感じますが、
ジックリ読むと、その見識の深さが伝わってきます。

新さんの本では、さりげなく英語表現が学べます。
さすがに、元NHKラジオ「やさしいビジネス英語」の
土曜サロンを担当していただけのことはありますね。
本書で印象的だったのは、次の言葉です。
「Insanity is to continue to do what you are doing today
and expept better results tomorrow.
(狂気とは、今日やっていることと同じことをやり続けて、
明日の結果が今日よりもよくなることを期待することである)」
あなたは、同じことをやり続けていませんか?
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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