世界経済「大動乱」を生きのびよ

世界経済「大動乱」を生きのびよ 預金蒸発を防ぐマネー術
(2011/12/20)
藤巻健史 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:20
なぜ、藤巻健史さんの本は売れるのか?
本当は、どれぐらい売れているのか正確にはわかりませんが、
藤巻さんが新刊を出すと、たいていアマゾンでもリアル書店でも
ベストセラーとしてランクインします。
私はいつも、それが不思議でなりません。
確かに、朝日新聞の土曜日版beにて、弟の藤巻幸夫さんと共に、
長年連載していましたから、知名度はあります。
しかし、書いてある内容は、毎回同じこと。
そして、生涯現役トレーダーとして腕の見せ所である、
マーケットの予想は、当たった試しがありません。
藤巻さんが勧める通りに投資をして、
痛い目にあった方もいると思います。
おまけに、三橋貴明さんや上念司さんなどの新しい世代の論客からは、
「マッキーが、またオオカミが来ると叫んでる」と
完全に馬鹿にされる始末です。
それでも、新刊が出る度に多くの人が藤巻さんの本を買い、
読んでしまうんですね。
それは、藤巻さんの講演会でも同じ現象のようで、
藤巻さんの次男ヒロシさんは、次のように語っているます。
「お父さんの予想は、ずーっと外れているのに、集客力だけは抜群だね」
やはり、家族からこんなことを言われたエピソードを披露し、
その人柄が滲み出ているところが、藤巻さんの最大の魅力。
そんな訳で、私は藤巻さんのファンを長年続けています。
さて、本書は「週刊朝日」に連載されたコラム
「案ずるよりフジマキに聞け」の2011年1月~12月までの記事を引用し、
それに最新の解説と分析を加えた本です。
藤巻さんの主張は、どんなことがあってもブレませんから、
いつもの円安興国論が展開されています。
過去に、藤巻さんの本を読んだことがある方なら、
だいたい想像がつく内容ですね。
本書で、藤巻さんが力を入れて解説していたのが、
国債暴落に備えた「ミニ債券先物」の取引です。
「東京証券取引所は09年3月23日に“ミニ債券先物”を上場しました。
しかし、これまでは取り次ぐ証券会社がありませんでした。
したがって個人では取引ができなかったのです。
しかし、11年秋、証券会社が何社か取次ぎ業務を開始しました。
これで個人でも“ミニ債券先物”が取引できるようになりました。
これは充分、勉強に値する商品です。
国際暴落が始まるまでにぜひ使いこなせるようにしておいてください。
自分の財産を守る最高の手段になると思います。」
日本の財政は制御不能(アンコントローラブル)と考える
藤巻さんらしいアドバイスです。
ちなみに、国債暴落を予想して取引するなら、
もっと手軽な「国債先物CFD」という選択肢もあります。

藤巻さんは、いつものように米国経済には強気で、
本書でも「米国株」を海外分散投資の手段として勧めています。
私が米国株で最も注目するのは、
2012年2月1日に米証券取引委員会に上場申請したフェイスブック。
最終的にどうなるかはわかりませんが、
フェイスブックのIPO後の初期の値動きも、
グーグル上場時と同じようなマーケットの反応になると
私は予想しています。
10年に1度の一大イベントなので、
私は「記念買い」してもいいと考えています。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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