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ikadoku

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超光速ニュートリノとタイムマシン

2012年02月01日
科学・生活 0

世紀の大発見がもたらす未来 超光速ニュートリノとタイムマシン
世紀の大発見がもたらす未来 超光速ニュートリノとタイムマシン

(2011/11/30)
竹内 薫 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

2011年9月23日、名古屋大などが参加する
日欧国際共同研究グループ(OPERAチーム)は、
物質を構成する素粒子の一種であるニュートリノが、
光の速度より速く飛んでいるとする観測結果を発表しました。

その衝撃的な実験結果は、マスコミでも取り上げられ、
専門家の「これによってタイムマシンが可能になる」といった
発言をとりあげ、過熱報道されました。

本書は、その報道を受けての
サイエンス作家・竹内薫さんの緊急出版。

パート1では、報道の裏にある科学者たちのホンネを明かし、
パート2では、タイムマシン実現の可能性を解説します。

この実験、もともとは一大学院生の博士論文のための
研究テーマだったそうです。

しかし、とんでもない実験結果が出てしまったため、
指導教官がOPERAチームの精鋭に助けを求め、
世界でも優秀な科学者達がよってたかって、
学生実験の結果を、3年かけて精査したようです。

それでも、ニュートリノが光より速いという結果は揺るぎなかった。

そして、OPERAチームはあえて理論的な解釈を加えず、
次のように他の物理学者へ、追試をするように振りました。

  「ものすごく気をつけて実験をやったんだけど、
  やっぱり超光速という結果しか出ませんでした。
  だから、世界中の実験物理学者のみなさん、
  どうか同じような実験をやってみてください。」

事実上、これを厳密に追試できるのは日本とアメリカだけ。

私たちシロウトからすると、早く追試をやって、
もっと研究を進めて欲しいと考えがちすが、
竹内さんが想像する、科学者のホンネは違うようです。

  「でも、ぶちゃけ、この追試って誰もやりたくないんじゃ
  ないでしょうか。多分、追試を“振られた”恰好の
  日本やアメリカの実験チームは、頭にくると思うんですよね。」

なぜ、世紀の大発見の追試を誰もやりたくないのか?

それには次のような理由があります。

まず第一に、追試をするにはお金と時間がかかること。

第二に、追試をやったグループはどんな結果が出たにせよ、
何の功績にもならないから。

きわめて慎重な追試を行ない、OPERAグループと同じ結果が出ても、
相手がノーベル賞を獲るための手伝いにしかならない。

逆に、OPERAグループの発表を否定する結果が出ても、
それはそれでお金と時間の無駄にしかならない。

つまり、追試のためのモチベーションがあがらないようです。

  「今回の超光速の実験結果も最終的に結果が確定するのには
  10年かかるでしょう。」

ニュートリノが光より速いという実験結果は、
物理学の根底を覆す発見かもしれませんが、
完全に決着するのは、かなり先のことになりそうです。

この本から何を活かすか?

ニュートリノが、本当に光より速くても、
タイムマシンが簡単に作れるようになるわけではありません。

しかし、理論的にも実用的にも、
物理学者がまじめに取り組むタイムマシンがあります。

ワーム・ホールを使ったタイムマシン、
宇宙ひもを使ったタイムマシン、
時空の歪みを作り出すタイムマシン・・・

これらのタイムマシンが、本書のパート2で紹介されていました。

私たちが、SFの中でよく見るタイムマシンは、
自由に時間旅行を楽しめるイメージがありますが、
理論上できる可能性があるタイムマシンには、
ある重大な制約があります。

それは、「タイムマシンとは、そのタイムマシンを稼動させた
時間までしか戻れない」ということです。

ちなみに、未来に行くタイムマシンは、
相対性理論で考えると、今でもできちゃうようですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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