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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ブラック・スワンの箴言

ブラック・スワンの箴言
ブラック・スワンの箴言

(2011/09/09)
ナシーム・ニコラス・タレブ 著  望月衛 訳 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:18

ハッキリ言います。

私は、本書は高く評価され過ぎていると思います。
それはナシーム・ニコラス・タレブさん自身についても言えること。

  「これから書く箴言は、どれもある意味
  プロクルーステースのベッドにかかわるものだ。
  知識の限界、つまり自分には観察できないもの、
  見えないものや知らないものに直面すると、私たち人間は
  人生や世界を、わかりやすくてありふれた考え、
  目立つところだけ焦点を当てた紋切り型、特定の用語、
  出来合いの講釈に押し込もうとする。」

本書は、「ブラック・スワン」がベストセラーになり、
過激な発言で話題の多い、タレブさんの箴言集。

箴言とは、いましめとなる短い句。

  ・対立するのが一番怖い相手は誰かといえば、自分自身だ。

  ・バカを破産させたかったら情報をくれてやればいい。

  ・信仰は「信じること」だと思っている人たちに
   信仰はわからないし、信じることもわからない。

  ・氷と水の中間なんていうものはない。でも、生きていると
   死んでいるのの中間の状態はちゃんとある。雇われの身だ。

  ・だいたいの人は、見えない、あるいは聞こえない状態を怖がる。
   自分で考え、自分で想像すると、
   同じことばかり繰り返してしまうからだ。

本書には、このような箴言が392本掲載されています。

それでは、タレブさんは、一体、何を戒めたいと思っているのか?

それは私たち誰もが、気づかないうちにやっていること。

合理的思考の罠です。

私たちの脳は、多すぎる情報や複雑な事象に対処するときに、
すでにわかっていることに結び付けて、
思考をショートカットしてしまう習性があります。

いわゆるヒューリスティックと呼ばれる認知バイアス。

起きている事象を、自分の知っている枠組みに押し込むときに、
適当なサイズに脚を切って、本当は存在しないものを見てしまう。

この行為が、冒頭に紹介したタレブさんの発言の中にある
「プロクルーステースのベッド」の話につながるわけです。

ちなみに、これはギリシャ神話の一つで、
「プロクルステスの寝台」とも呼ばれます。

ギリシャのアッティカ半島に住んでいた
追いはぎ泥棒プロクルーステース。

彼は旅人を捕まえ、自分の隠れ家に連れていくと、
豪勢な晩餐を与えた後、鉄のベッドに寝かせます。

そして、旅人の身長が寝台よりも長ければ、
はみ出た分だけ脚を切り落とし、
短ければ、綱で引っ張って寝台の長さに合うまで
体を引き伸ばします。

このことから、「プロクルーステースのベッド」とは、
ある基準や約束をこちらの勝手な事情で決めてしまって、
無理矢理それに相手を従わせることを意味する言葉として
使われています。

本書の箴言は、いずれも皮肉たっぷり。
おもいっきりタレブさんの世界に浸ることができます。

これを翻訳した望月衛さんは、やっぱり凄いですね。

さすがに過去にいくつものシニカルな作品を
翻訳しているだけのことはあります。

この本から何を活かすか?

ここで一つ種明かし。

本当は、私はこの記事の冒頭に書いたように、
本書や、タレブさんの評価が高過ぎるとは、
まったく思っていません。

それは、本書の中の次の箴言に従って書いたものでした。

  「人に読んで欲しい本があるなら、
  あの本は高く評価されすぎだと言えばいい。」

効果のほどは、どうでしたか?

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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