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大震災の後で人生について語るということ

大震災の後で人生について語るということ
大震災の後で人生について語るということ

(2011/07/30)
橘 玲 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「東日本大震災の後にさまざまなことを考え、一冊の本を構想しました。
  本書はじつはその前半部分で、日本社会を覆ういい知れぬ不安の正体を
  “人生設計のリスク”という観点から説明したものです。
  これまで書いてきた文章と重複する部分もありますが、
  それはこれが私の人生設計論の完成形だからです。」

橘玲さんは、本書のあとがきでこのように書いています。

ここから次の2つのことがわかります。

1つ目は、本書には続編があるということ。

2つ目は、本書は過去の橘さん作品の集大成であること。

本書は、「臆病者のための株入門」、「貧乏はお金持ち」、
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」などの作品で
語られたことが繰り返されていますから、
橘ワールドを初めて体験するには、本書は打って付けの一冊です。

集大成であるが故、過去の作品を読んでいる方には、
正直、新鮮味に欠けるかもしれません。

しかし、これは本書の続編に進む前に、
まずは本書で橘さんの世界観を復習する必要がある
ということなのかもしれません。

  個人の人生は、金融資本と人的資本で構成される。

  金融資本は、少なくとも国家のリスクと切り離しておく。
  人的資本は、伽藍からバザールを目指す。

こらが橘さんの人生設計に関する基本的な考えです。

ちなみに、伽藍とは物理的にも心理的にも閉ざされた世界。
今までの日本的な学校やサラリーマン社会を象徴しています。

それに対し、バザールは開かれた空間で、
参加するのも、参加しないのも自由。
「評判」がその人の価値を決める、今のネット上のような世界です。

橘さんは、人生をバランスシートで考えていますから、
金融資本と人的資本は資産として並列です。

しかし、人的資本面で伽藍を飛び出しバザールを目指すのは、
考え方を一瞬で切替えられたとしても、
それを実現するには、かなり時間がかかります。

一方、金融資本を国家のリスクと切り離しておくのは、
住宅ローンがある人以外には、非常に簡単なことです。

だからこそ、まずは金融資本を磐石な所に置き、
時間をかけて人的資本でバザールを目指すのが、
様々なリスクに晒される私たちにとって、
最適な人生戦略なのだと思います。

この本から何を活かすか?

橘さんは、世界の株式市場をまるごと保有する投資法として、
2011年3月に東証に上場した「上場MSCI世界株」(1554)を
紹介しています。

最近のETFの特徴ですが、この「上場MSCI世界株」も
単元株は10株なので、現在の株価なら手数料を含め
8000円程度で世界の株式を保有することが可能になります。

このように最低単位が8000円ですから、毎月投資金額に応じて、
10株、20株と、定時定数の買付が可能なところが魅力。

これも、金融資本を国家のリスクと切り離すひとつの方法ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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