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ikadoku

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「震災大不況」にダマされるな!

2011年08月18日
経済・行動経済学 0
「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す
「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す

(2011/06/25)
三橋貴明 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

  「日本の歴史を振り返ると、震災後に復興し、直後に緊縮財政や
  金融引き締めで恐慌になるというパターンが繰り返されてきた。
  だが、民主党政権の場合は、肝心の復興さえまともにやらずに、
  増税やTPPなどのデフレ促進策を進めようとしている。
  その点で、若槻内閣や橋本内閣よりも確実に罪深い。
  民主党政権の愚行を止めるためには、まず国民がその実態を正しく
  知らなければならない。それが、本書を書いた理由である。」

本書は、経済評論家・三橋貴明さんが、
震災のどさくさに紛れて、自分たちの利益のために、
日本に不利益な政治的意図を達成させようとする人たちの
欺瞞を徹底的に暴いた本です。

  第1章 日本復活を妨げる経済のウソ
  第2章 震災日本の市場を狙うアメリカ
  第3章 日本人が知らない世界の大変化
  第4章 復興から日本の「黄金の10年」が始まる

三橋さんが、今回ターゲットとして批判するのは、
民主党、財務省、増税論者、緊縮財政主義者、構造改革主義者、
円安派、中国派、社会主義遵奉者などなど。

これらの人たちが、震災を理由に火事場ドロボウ的に、
都合のいい方向に世論を導こうとしていると
三橋さんは指摘します。

1年間限定で復興増税を主張する大前研一さんも
批判の対象となっていました。

それでは、三橋さんは、復興予算の財源を何に求める考えなのか?

それは、増税ではなく、国債発行。

国債の乱発が日本の破綻へつながるとの考えに対しても、

  「日本経済は破綻などしない、むしろデフレから脱却するためには、
  国債を発行し、公共投資を拡大すべきだ。増税などしてはいけない。」

と反論しています。

本書を読む限り、数多くのデータを用いた三橋さんの主張は
部分部分では、非常に説得力があります。

また、私も震災復興を機に「日本の黄金の10年」が
本当に始まって欲しいと思います。

しかし、それが国債発行、公共投資拡大で実現する姿は、
どうしても私には想像できませんでした。

この本から何を活かすか?

  「東日本大震災の被害総額は20兆円だった。
  これは対GDP比4%に相当する。」

マスコミでよく使われる、このフレーズ。

20兆円、4%の数字の正しさはさておき、
この表現のおかしいところはどこでしょうか?

答えは、ストックとフローの混同。

  「家計も企業も政府も同じだが、お金にはストックという
  過去の経済活動で蓄積されたものと、
  実際の経済活動そのものであるフローの2つがある。(中略)
  なぜかマスコミでは、日本の国家経済について語る際に、
  故意なのか意図せずなのか、ストックとフローを混同した
  議論がまかり通っている。」

被害総額はストック。一方、GDPはフロー。

つまり、ストックである被害総額を分子とする場合、
分母もストックである国富の総額にすべきということです。

「国富の1%を失う被害を受けた」
という表現が正しいようです。

これだと、インパクトに欠けるので、
マスコミでは使われないという訳ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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