1秒もムダに生きない

1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方 (光文社新書 525)
(2011/06/17)
岩田健太郎 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:24
「僕は本書で、“○○をすればうまくいく時間管理術”を
説くつもりはありません。違う語り方をしたいと思っています。
いや“時間管理”とか“タイム・マネジメント”という言葉ですら
できるだけ使わずに時間の使い方について考えてみたいのです。」
本書は、「1秒もムダに生きない」ためのノウハウを公開するのではなく、
「1秒もムダにしない生き方」とはどのような生き方かを
考えさせられる本です。
著者は、感染症界のエースとして超多忙な日々を過ごしながらも、
執筆も精力的にこなし、多くの趣味を持つという岩田健太郎さん。
私は今回、はじめて岩田さんの本を読みましたが、
軽快で個性的な文章を書く方ですね。
岩田さんは、緊急性と重要性から考えた
「プライオリティー・リスト」は作らないと言います。
では、いったいどの仕事(タスク)から手をつけたら良いのか?
岩田さんも当初は優先順位を決めて、タスクをこなしていたようですが、
いろいろ模索した結果、次のような結論に至りました。
それは、「今一番やりたいことを、やる」。
従来のプライオリティー・リストをわざわざ作らなくても、
自分の気持ちに素直に行動していれば、
プライオリティー・リストからは大きく逸脱しない順序になると。
そして、今一番やりたい仕事をノリノリの状態、
つまりスイッチが入った状態で、一気にこなしてしまうのが効果的。
しかし、「今一番やりたいこと」からやるためには、
ある条件が必要です。
それは、「2ヶ月前の法則」。
いくら、やりたい仕事で高いパフォーマンスを示せても、
期限の迫った仕事をいくつも抱えていては、
締め切り優先にならざるを得ません。
ですから、今一番やりたいことからやるために、
締め切りは、2ヶ月前倒しにするのが岩田さん流のやり方。
一般のビジネスパーソンが、すぐに岩田さんの手法を真似て、
いきなりすべての締め切りを2ヶ月前倒しするのは難しいので、
少しずつ締め切りを前倒ししていくのが現実的でしょうか。
2ヶ月前とは言わなくても、2日前、2週間前に前倒しできれば、
多少なりとも締め切りから開放され、
ノレる仕事から手をつけることも可能となります。
本書は、好みの分かれる本だと思います。
後半は「時間とは何か」を考えさせられる
ちょっと哲学的な内容になっているので、
時間管理の方法や捻出方法を知りたい方には合いません。
しかし、既存のタイムマネジメント本では満足できない方には、
大事な何かが得られるかもしれません。

岩田さんは、英語・スペイン語・フランス語・イタリア語
・中国語・ドイツ語・ロシア語を学んでいるそうです。
あくまでも趣味、空いた時間のパスタイムとして
のんびりと語学を学んでいるとのこと。
教材は、NHK第2放送のラジオ番組を使っているようです。
私は、今年の夏の台湾への家族旅行で、
中国語が少しでもできたら、もっと楽しめたのに
と実感したところです。
この感覚を忘れないうちに、NHK語学講座の
中国語のテキストを買ってきたいと思います。
これが私の、「今一番やりたいこと」です。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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