スターバックス再生物語

スターバックス再生物語 つながりを育む経営
(2011/04/19)
ハワード・シュルツ、ジョアンヌ・ゴードン 他 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:28
スターバックスは、いかにして復活することができたのか?
スターバックス物語、第2幕。
「2007年、スターバックスは道を見失った。
成長に固執するあまり業務から目をそらし、中核となるものから
離れてしまったのだ。一つの決定や戦略や個人が悪かったのではない。
セーターの糸が少しずつほつれていくように、
崩壊はゆっくりと静かで漸進的だった。」
どんな企業でも、成長し規模が拡大するにつれ、
創業時の想いが薄まるジレンマに悩まされます。
それはまさに、グローイングペインズ。
スタバも例外ではありません。
知らず知らずのうちに、コモディティ化が進んでいました。
不幸だったのは、スタバらしさが失われ、
その影響が出始めた時期に、金融危機が起こったこと。
「そこで2008年1月、多くの人を驚かせて、私はCEOに復帰した。」
スティーブ・ジョブズさんが復帰して、見事にアップルは復活しました。
ユニクロには、柳井正さんが復帰しました。
そして、スターバックスにはハワード・シュルツさんが復帰しました。
本書は、シュルツさんが戻ってからのスタバの改革物語。
外部から見ていると、金融危機後の米国の景気回復と共に
スタバも苦労なく復調してきているように見えましたが、
そんな生易しいものではなかったようです。
全米7100店舗の一時閉鎖、600店の撤退と12000人の解雇。
ソルベットでの失敗。
そして、インスタントコーヒー「VIA」の発売。
実際は、大きな苦悩を抱えながらも、
苦しい決断と実行を繰り返すことで、次の成功の扉が開きました。
それは、市場からの信頼を取り戻すというよりは、
自分との戦いにおいて、本来目指すべき姿、
つながりを育む経営を思い出し、
次第に自信を取り戻していったようにも見受けられます。
この復活劇で、スタバの株価は、2008年12月から
2010年12月の2年間で約400パーセント上昇しました。
本書では、シュルツさんの様々な想いが詰まった
ジェットコースターのような2年間が語られています。
「スターバックス成功物語」と共にファンには必読の書です。

本書を読むまで、スタバのインスタントコーヒーなんて、
と思っていました。
80年代後半、シュルツさんが、細胞生物学者のドン・バレンシアさんと
出会って始まったスタバのインスタントコーヒー開発。
2007年にバレンシアさんが他界すると同時に完成した、
淹れたてコーヒーのような風味を持ったインスタントコーヒー。
それが、バレンシア(ValencIA)さんにちなんで命名された「VIA」。
インスタントにしては値段が高いようですが、
一度「スターバックス ヴィア」を飲んでみようと思いました。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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