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ノーベル賞でたどる アインシュタインの贈物

2011年05月16日
科学・生活 0
ノーベル賞でたどる アインシュタインの贈物 (NHKブックス)
ノーベル賞でたどる アインシュタインの贈物 (NHKブックス)

(2011/02/24)
小山 慶太 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

1905年、ドイツの物理学雑誌「アナーレン・デル・フィジーク」に
一風変わった論文が掲載されました。

著者はスイスの連邦特許局に務める26歳の若い物理学徒。

論文のタイトルは「運動物体の電気力学について」。

一般的に科学論文には、そこに発表された研究成果が
生まれる下地となった相当数の参考文献が必ず列挙されます。

しかし、驚くべきことにこの論文には、
参考文献が何一つ挙げられていませんでした。

それは、この論文が先人たちが積み上げてきた
既存の物理学の体系を根底から覆すことを意味しています。

この驚異の論文を発表した26歳の若い物理学徒こそが、
現代物理学の父、アルバート・アインシュタインさんです。

本書は、壮大なアインシュタイン・ワールドをまとめた
異色の科学史。

著者は、わかりやすい科学史を書くことで定評のある小山慶太さん。

専門的な知識がなくても、科学研究の魅力や
躍動感が十分に伝えられています。

  「アインシュタインを主役に据え、彼の研究に関連する業績で
  ノーベル賞を受賞した科学者たちを脇役に配し、
  現代物理学で驚きと感動をもたらすダイナミックなドラマを
  できるだけ平易に読み解いていこうと思う。

  また、そこからアインシュタイン理論の汎用性とスケールの大きさに、
  あらためて光を当てるつもりである。」

アインシュタインさんは、直接の師も弟子も持たなかったといいます。

しかも、科学史に燦然と輝く革新的な論文は、
アインシュタインさん1人の手で書き上げられたものばかり。

しかし、その業績は多くの科学者に受け継がれ、
関連した研究から数多くのノーベル賞受賞者が生まれました。

私にとっては、アインシュタインさんといえば、
相対性理論やブラウン運動などの基礎物理学の
イメージが強いものでしたが、その業績はテクノロジーの世界にも
大きな影響を及ぼしているようですね。

現在、様々な分野で応用されるレーザー開発も
アインシュタインさんが1916年に発表した「放射の量子論」という
論文が元になっているそうです。

このレーザー関連だけでも、14人ものノーベル賞受賞者が輩出。

そして、アインシュタインさん遺した業績は、
これから実証や更なる研究が待たれる「贈り物」として、
21世紀以降にも引き継がれています。

アインシュタインさんの宿題を解いた研究者が、
未来のノーベル物理学賞受賞者になることは間違いないと
小山さんは本書で指摘しています。

この本から何を活かすか?

アインシュタインさんといえば、「神はサイコロを振らない」として、
量子が確率論的に振舞うとする量子力学には、
執拗なまでに反対していた事でも知られています。

しかし、「放射の量子論」では、確率的な量を計算し、
理論展開しているので、あたかも「神はサイコロを振る」ことを
容認しているかのような印象を受けるそうです。

量子力学と相対性理論を合わせた理論の記述。

この現代物理学に残された課題もまた、
アインシュタインさんの贈り物と言えそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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