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巨大翼竜は飛べたのか

巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学 (平凡社新書)
巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学 (平凡社新書)

(2011/01/15)
佐藤 克文 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

子どもの頃に見た、恐竜の絵本や図鑑の中には、
地上をのし歩く恐竜と共に、
空には巨大翼竜が滑空する姿が描かれていました。

  ・ケツァルコアトルス(最大の翼竜)
    推定翼開長10メートル、推定体重70キログラム
  ・プテラノドン(一番よく知られた翼竜)
    推定翼開長7メートル、推定体重17キログラム

あれ?
翼開長はそんな長さとして、なんで体重はそんなに軽いの?

きっと、私の他にも翼竜の体重の軽さに
違和感を覚える人も多いはずです。

しかし、この推定体重の軽さこそが、
現在主流となっている説において、
翼竜が空を飛べたとされる理由のひとつになっています。

さて、本書の著者、佐藤克文さんは2009年4月に、
巨大翼竜の飛翔能力に疑問を呈する論文を発表しました。

その結果、世の中の翼竜ファンの逆鱗に触れ、
罵詈雑言を浴びせられたようです。

本書は、その論文にいたる過程を説明したもの。

といっても、佐藤さんは古生物学者ではなく、
バイオロギングサイエンス(動物が記録する科学)の
パイオニアとして有名な研究者。

研究の対象は、ウミガメ、ペンギン、アザラシ、
ミズナギドリ目鳥類などの水圏に暮らす生物。

  「海に住むこれらの動物は日々どのように暮らしているのだろうか?
  現場で彼らを直接観察するのは難しい。
  そこで、小型の記録計“データロガー”を動物に直接とりつけ、
  動物自身にデータをとってきてもらうやり方が生まれた。」

これがバイオロギングサイエンス。

そして、オオミズナギドリの羽ばたく周波数と体重の
相関を調べるうちに、巨大翼竜について、
いままでの常識に反する、古生物学者を唖然とさせるような
仮説を思いついたそうです。

  「それは、あくまで現生鳥類の比較研究から得られた
  実測データに基づいて、論理的な過程を経て
  たどり着いたものだ。」

本書は、翼竜ファンをガッカリさせるかもしれませんが、
それ以外の方にとっては、知的好奇心を刺激する
素晴らしい一冊。

前著「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ」も抜群でしたが、
本書もそれに匹敵する面白さ。

実は、翼竜について書かれているのは、
全6章中、最終章だけです。

しかし、前著の部分否定から始まり、
カメやマンボウ、ヒメウ、オオミズナギドリを追いかけ、
最後に翼竜の仮説に各章の知識が見事につながっていくのは、
読んでいても気持ちいい。

この本から何を活かすか? 

佐藤さんが所属する「東京大学大気海洋研究所
国際沿岸海洋研究センター
」は岩手県大槌町にあります。

同町は東北地方太平洋沖地震、
およびそれに伴い生じた津波によって被災しました。

現在、佐藤さんは研究活動を進める際にお世話になった
大槌町の皆さんを支援するために、個人的に募金を行っています。

本書や「「ペンギンもクジラも」を読んだ方なら、
その趣旨に賛同できるかと思います。

まずは、こちらのページの佐藤さんの文章を読んでいただき、
その用途などを理解したうえで、ご協力をお願いいたします。

募金のお願い
大槌便り(3/30~4/1)

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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