活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

「大発見」の思考法

2011年02月26日
科学・生活 0
「大発見」の思考法 (文春新書)
「大発見」の思考法 (文春新書)

(2011/01/19)
山中 伸弥、益川 敏英 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:20

タイトルに「思考法」とつきますが、
思考法のノウハウを伝える本ではありません。

こういう良書がもっと読まれれば、
学生の「理工系離れ」にも歯止めがかかるのに・・・
と思わせる素敵な対談本です。

対談したのは、既にノーベル賞を受賞した理論物理学者と
将来、ノーベル賞の受賞が確実視される生命科学者。

お一人は益川敏英さん。

2008年に「CP対称性の破れ」の起源の発見により、
ノーベル物理学賞を受賞しました。

分かりやすく言うと、クォークが自然界に少なくとも
6種類以上ある事を予言した「小林・益川理論」での受賞です。

受賞の感想を求められ「大してうれしくない」と
へそ曲がりなコメントをして話題になっていましたが、
本書を読む限り、非常に気さくな感じの方です。

もう一人は、山中伸弥さん。

iPS細胞の生みの親で、アメリカのノーベル賞といわれる
スカラー賞を2009年に受賞しました。

iPS細胞は、「細胞の時計の針を巻き戻す」とも表現される
人工多能性幹細胞。

病気の原因解明と創薬、再生医療の分野で
活用が期待されています。

お二人とも非常にビックな科学者ですが、
世代や研究分野が違うこともあり、
素人が聞いても十分理解できる内容になっています。

世紀の大発見は、どのようになされたのか?
どんな幼少期を過ごし、やはり勉強はできたのか?
普段はどうやってアイディアを考えるのか?
プライベートでの趣味は?

お二人が、互いに聞きたいことを聞いているので、
一般の読者にとっても興味の尽きない対談です。

  「僕は家で風呂につかりながら、カッコ悪いけど、
  クオークが四種類あってもうまい理論は組み立てられません、
  という論文を書くことにしようと、心に決めたんです。(中略)
  4次元モデルに見切りをつけて、
  湯船から立ち上がった瞬間、あっ!と閃いた。」

  「(iPS細胞は)意外と簡単に作れてしまったんです。
  マウスの皮膚の細胞に特定の四つの遺伝子を放り込んだら、
  それだけで細胞が初期化されてしまったのです。」

これが、それぞれの大発見の瞬間。

本書には、これがノーベル賞科学者なの?
というような意外な話しも数多く登場しますが、
お二人に共通するのは、考えることを楽しむ姿勢。

本書は、科学の本当の面白さを伝えてくれます。

この本から何を活かすか?

  抽象化と具体化、二つのアプローチ

益川さんは、思考法について次のように説明しています。

  「(計算方法だけでなく)思考法にもいえることですけど、
  二通りのやり方がある。

  一つは、ものごとをできるだけ具体化する方法。
  具体例を使って解法を見つけ、その性質を使って
  元の問題にアプローチするというやり方です。

  もう一つは、徹底的に抽象化し、シンプルにする。
  そうすると夾雑物がなくなって、操作しなきゃいけない
  概念や数が少なくなってくる。」

私は、この2つのアプローチでは抽象化することが苦手。

抽象化したら? 上位概念は? メタで考えたら?

本を読んだ後も、このように考えてみたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 
関連記事

気に入ったらシェア!

ikadoku
この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント0件

コメントはまだありません