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トレードオフ

トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか
トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか

(2010/07/06)
ケビン・メイニー(著)、ジム・コリンズ(序文) 他 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:26

本書の概念は非常に簡単。

ビジネスで成功する秘訣は、「手軽」か「上質」の
どちらかの軸で他を圧倒すること。

ポイントはこの2軸しかないことにあります。

ちなみに、「上質=経験+オーラ+個性」、
「手軽=入手しやすさ+安さ」という式で表されます。

そして、「手軽」か「上質」はトレードオフの
関係にあること。

つまり、「手軽」と「上質」の両方を
追い求めることは不可能であることを意味します。

二兎を追うことができるような気がするのは、
単なる「幻影(ミラージュ)」。

思い切って、どちらか1つの軸で勝負しない限り、
どちらも平凡な「不毛地帯」に陥ってしまうというもの。

本書では、この「手軽 or 上質」という
シンプルなフレームワークで、
様々な事例の成功や失敗の原因を考察します。

例えば、スターバックス20年目の迷走。

スタバは2007年頃から大きな壁に突き当たっていたようですが、
本書では次のように分析しています。

  「シュルツとその後を継いだCEOたちは当初は
  上質なコーヒーショップを目指していたが、
  拡大路線をきっかけに、実際には手軽な店という
  正反対な方向へ進んでしまった。」

また、難しいのは、当初は「手軽」か「上質」の
どちらか一方の軸で抜きん出ていても、市場環境の変化で、
その優位性が失われてしまう可能性があること。

競合他社によって自社の優位性が脅かされた時でも、
安易にもう一方の軸に飛びつくと、
「不毛地帯」に行き着く可能性が高いことを
考えなければなりません。

いずれにせよ、軸がブレて中途半端になるのが、
一番ダメということです。

本書は、「上質をとるか、手軽をとるか」と
あえて単純化し、分かりやすくしています。

当然、現実はそんなに単純ではないという
反論も予想されます。

しかし、それでもいいんです。

本書が選んだ軸が、「手軽さ」ですから。

この本から何を活かすか?

本書の著者は、USAトゥデーのテクノロジー記者を
20年以上務めたケビン・メイニーさん。

多くのテクノロジー企業のCEOや起業家たちを
取材してきた経験が、本書に生かされています。

ただ、本書の内容は素晴らしいのですが、
1点だけ釈然としない所があります。

それは、表紙にあるジム・コリンズさんの名前が、
あまりにも大きいこと。

確かに、コリンズさんは「ビジョナリー・カンパニー」などで
有名ですが、本書ではあくまで序文を書いたに過ぎません。

せめてメイニーさんの名前と同じくらいの大きさにしておかないと、
コリンズさんの著書と勘違いして売れることを
誘っているような感じさえします。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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