グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
(2010/11/22)
辻野晃一郎 商品詳細を見る
満足度★★★★
付箋数:20
私は、ソニー製品を買わなくなってから、久しくなります。
最近では、グーグルの提供するサービスや、
アップルの製品に、かつてのソニー製品が持っていた、
魅力を感じます。
きっと、そう感じるのは私だけではないでしょう。
なぜ、ソニーはかつての輝きを失ってしまったのか?
どうして、グーグルやアップルは
創造的なサービスを生み続けることができるのか?
本書を読むと、その理由がよく分かります。
本書ではソニーで活躍後、グーグルの日本法人社長を務めた
辻野晃一郎さんのビジネス半生が語られています。
と同時に、残念ながら下り坂にあるソニーと、
飛ぶ鳥を落とす勢いのアップルやグーグルとが対比され、
日本企業が国際化できない課題も浮き彫りにします。
辻野さんは、大学卒業後ソニーに入社し、
VAIO、スゴ録などの大ヒット商品を生み出しました。
2006年に22年間勤めたソニーを退社した後、
ヘッドハンティングされて、2007年からグーグルに入社。
2009年1月にグーグル日本法人代表取締役社長に就任。
そして、グーグルがグループ一体経営を強化するため
日本法人の社長職を廃止したのを機に、
2010年4月に同社を退社したという経歴の持ち主です。
割かれているページ数は、ソニー時代のことが3/4、
グーグル時代が1/4という割合。
以下、ソニー時代の印象的なエピソードです。(一部省略)
「(ソニーは)半ば見切り発車で新商品発表会を行い、
アップル追撃の切り札としてウォークマンAシリーズなどの
ウオークマンの新しい生態系をアピールした。
しかし、そうした我々をあざ笑うかのように
アップルは同じ日に彼らの次の戦略商品である
ipod nanoの発表をぶつけて来た。
彼らの新製品を一目見た瞬間、私は敗北を悟った。」
大きな時代の変化の真っ只中で、
ソニーとグーグルという2大企業で活躍した辻野さん。
その辻野さんが感じた、私たちに最も必要なことは、
「変化を積極的に受け入れる態度」です。
これは、個人でも、企業でも、国でも同じとのことです。

辻野さんは、ソニーがソニーらしさを失った一つの原因が、
「設立趣意書」にある創業の理念や原点から、
現在のソニーが外れることが多くなった点にあると考えています。
同様にグーグルについても、今後、「10の真実」から
外れることが多くなれば、
その時が成長への赤信号になると記しています。
これは創業者のDNAがどれだけ受け継がれているかということ。
すでに盛田昭夫さんと井深大さんを失ったソニーと、
サーゲイ・ブリンさんとラリー・ペイジさんが
現役でバリバリやっているグーグルを比べるのも酷な話しですが、
やはり創業者がいるといないでは、大きな違いがあるのでしょう。
これは、アップルのスティーブ・ジョブズさんの
例を考えても当てはまりますね。
そう考えると、グーグル創設者のお2人が
いつまで会社に残るかが、今後もグーグルが成長を続ける
鍵のように思えます。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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