女子高生ちえのMBA日記
2010年12月14日

女子高生ちえのMBA日記 ― 社長だもん、もっと勉強しなきゃ!! (女子高生ちえの社長日記)
(2010/09/17)
甲斐莊 正晃 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:18
「もしドラ」が思ったより良かったので、
同じ萌え系表紙の本書にもチャレンジしてみました。
ここでいうチャレンジとは、人目を避けてとか、
家族に見つからないようにということを含みます。
本書は、「女子高生ちえ」シリーズ第3弾。
ヒットした「もしドラ」の2番煎じかと思いきや、
こちらのシリーズが最初に出版されたのが2007年6月。
「もしドラ」が2009年12月刊行ですから、
こちらの方が萌え系ビジネス書の先駆なんですね。
主人公の山本ちえは、都内のカトリック系の
女子高に通う高校2年生。
父親の急死により、山本産業の二代目社長に就任し、
女子高生と社長という二足のわらじを履いています。
ちえが社長を務める山本産業は、携帯電話などに組み込む
超小型スピーカーなどを製造しているメーカーで、
恵比寿にある本社のほか、国内には湘南と岡崎に工場があり、
海外の台湾工場も完成が迫った、社員数1000人程度の会社です。
経営の素人であるちえのメンター役は、
ドラム教室で知り合った経営コンサルタントの下柳薫と
ちえが飼う、話ができる黒猫ワンタ。
つまり著者の甲斐莊正晃さんが、
ストーリーの中では下柳薫として、
1日を振り返る相談相手としては黒猫ワンタとして、
2役で登場し、ちえを導いています。
今回、ちえは下柳薫の紹介で、都内にあるMBAスクールに
聴講生として1年間通うことになりました。
MBAで教わったことを、早速、山本産業で実践するちえ。
そうこうするうちに、山本産業ではリコール問題が発生します。
不良発生の原因が解明できず、対応が後手に回り、
経営の一大危機に直面する山本産業。
女子高生社長として、マスコミにもてはやされていたちえも、
リコール問題で、一斉にバッシングを浴びることに。
解決の糸口がつかめないちえでしたが、
MBA教室で、この問題をリアルケーススタディとして
扱うことになり、ビジネススクールの仲間と共に、
この難局に立ち向かうことになります。
本書は、さらっと読めますが、MBAでの授業風景などは、
慶應義塾大学ビジネス・スクール(KBS)の協力を得て
書かれていますから、しっかりした内容になっています。
会社が舞台なので、「もしドラ」よりも実践的。
ライトノベルのテイストで、ビジネスケースが
学べるので、非常に手頃な一冊ですね。

私は「女子高生ちえ」シリーズを読んだのは、
今回の「MBA日記」が初めてでした。
第1弾と第2弾を読むかどうかは微妙です。
ところでよく表紙を見ると、第1弾、第2弾、そして本書の
イラストがそれぞれ違うことを発見。


同じシリーズで、1度ならずとも2度までも
イラストの担当を変えるのは珍しいですね。
ちえの顔もぜんぜん違う。
これはどういう意図で変えているんでしょうか?
最初のイメージが大事なので、途中でイラストを変えるのは
あまり得策とは思えませんが。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
- 関連記事
-
- ザ・ベロシティ (2010/12/18)
- 女子高生ちえのMBA日記 (2010/12/14)
- ドラッカーの講義 (2010/11/10)