活かす読書

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王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎


王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎 (ブルーバックス)

満足度★★★★
付箋数:25

人類の最も偉大な発明の1つに、
「文字」があります。

文字によって文明は発達し、
過去の歴史は綴られてきました。

ただし、文字による歴史の記録は、
完璧ではありません。

歴史の記録が部分的に欠落していたり、
飛躍があったり、あるいは意図的に
闇に葬られてきたこともあります。

しかし、現代のわたしたちは、
その文字によって記録されなかった
欠落部分を埋める技術があります。

それが「DNA解析」です。

もちろんDNAで歴史を解明するには、
分析に使うサンプルが必要です。

そして、そのサンプルの身元が、
ハッキリしていれば、より正確な解析が
可能となります。

この条件を満たすのは何か?

  「2010年以降、DNAに刻まれた
  歴史を読み解く試みが多数なされ、
  論文として報告されてきた。
  その対象となったのは、家系が克明に
  記録され、なおかつ遺体(遺骨)が
  なんらかのかたちで保存されてきた人
  たち、すなわち “王家” の人々である。」

本書は、王家の遺伝子にまつわる物語を
縦糸にしながら、その解析を可能にした
生命科学の最新情報も織り交ぜて、
解説した本です。

著者は、同志社大学特別客員教授で、
東京大学名誉教授の石浦章一さんです。

これまで歴史の謎とされてきたことを
DNA解析という生命科学の力によって
解き明かすミステリー。

本書を歴史と科学の両方を学べる、
1粒で2度美味しい本と捉えるか、
二兎を追ったどっちつかずの本と
捉えるかは、読み手次第です。

私の場合は前者で、生命科学の技術解説
の割合が多いのが丁度よく感じました。

さて、本書が解き明かす歴史の謎は
以下の通りです。

 第1章 駐車場から掘り起こされた遺体
  ─行方不明だった国王の秘密
 第2章 DNAは知っている
  ─遺伝子で何がわかるか、何ができるか
 第3章 リチャード3世のDNAが語る
  「身体改造」の未来
  ─デザイナーベビーを可能にする
   24の遺伝子
 第4章 「ツタンカーメンの母」は誰か?
  ─ミイラに遺されたDNAからわかったこと
 第5章 「エジプト人」とは何者か?
  ─DNAが語る人類史
 第6章 ジョージ3世が患っていた病
  ─歴史は科学で塗り替えられる
 第7章 ラメセス3世殺人事件
  ─DNAによる親子鑑定の可能性とその限界
 第8章 トーマス・ジェファーソンの
  子どもたち
  ─DNAだけがすべてか?

第1章の主役となるイングランドの
レスター市の駐車場から掘り起こされた
遺体は、リチャード3世のものでした。

リチャード3世は、薔薇戦争の最後の闘い
である、ボズワースの戦いで戦士した
イングランド王です。

リチャード3世は、戯曲で描かれている
イメージが広く浸透しています。

戯曲を書いたのは、英語を用いて創作
した最も偉大な作家と称される
ウィリアム・シェイクスピアさんです。

シェイクスピアさんが描く
リチャード3世は、醜悪な悪役です。

貪欲にして冷酷、脊髄が曲がって
脚をひきずった不具の王。

完全な「極悪非道な王」として
描かれています。

しかし、本書ではDNA解析によって、
530年の時を経て、稀代の悪役の
本当の姿が明らかにされます。

シェイクスピアさんによる描写は、
かなり創作だったことが判明しました。

この本から何を活かすか?

ファラオの象徴となった「黄金のマスク」
の持ち主である、ツタンカーメンとは、
いったい何者だったのか?

エジプトの歴史でも、ツタンカーメン
には、多くの謎が残されいます。

この謎も、2010年のDNA解析によって、
一部が解明されています。

ツタンカーメンは誰の子なのかは、
ほぼ特定されています。

今後、さらなる研究と解析が期待されます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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