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サバイバル組織術


サバイバル組織術 (文春新書)

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、いくつの組織に所属していますか?

全く組織にも所属していないという人は
まずいないでしょう。

なぜなら、人間は群れをつくる社会的動物
だからです。

組織には、大きく2つの種類があります。

1つは、家族や町内会などのコミュニティー
(共同体)です。

これは血縁や地縁などで結びついたもので、
私たちはこの組織に自然に組み込まれます。

もう1つは、会社や行政機関、大学などの
アソシエーション(結社)です。

こちらは共通の目的や利害、関心を持つ
人々が形成する組織です。

本書は、後者、アソシエーション型組織
でのサバイバル術を説いた本です。

著者は、知の巨人と呼ばれる佐藤優さん。

なぜ、組織の中で意識的にサバイバルする
必要があるのでしょうか?

それは組織の理論のために、時に個人は
潰されてしまうことがあるからです。

  「 “組織” は、時に私たち “個人” に
  理不尽な仕打ちを行います。
  なぜなら、組織の目的は、基本的には
  組織自体の維持・存続であって、
  そのためには組織の一部に過ぎない
  個人を犠牲にすることは “合理的な判断” 
  とされるからです。
   “組織にとって、いかなる個人も入れ替え
  可能である” 、これが組織と個人を
  考えるうえでの大原則です。
  そのなかでいかにサバイバルするかが、
  本書のテーマです。」

本書は、日本の小説やテレビドラマの
シナリオを教材とした、ちょっと変わった
サバイバル術です。

なぜ、実例ではなく、小説やドラマを
題材としたのでしょうか?

それは、組織に関わる問題の多くは、
マニュアル化できないものだからです。

そして、実際に起きたケースでは、
情報量が多すぎて、そこから教訓を抽出
することが難しいからです。

一方、優れた文学作品には、組織と個人の
本質的な姿が、凝縮して詰め込まれています。

無駄な枝葉が取り払われているため、
その姿が浮き彫りとなっていて、
私たちが教材として使うにはうってつけ。

そこからリアルで実践的な内容を学ぶ
ことができるのです。

ただし、日本の小説やドラマと言っても
あまりに数が多すぎて、良質なものも
あれば、あまり良くないものもあります。

そのため、良質な小説やドラマで、かつ、
サバイバル術として活かせるものを選ぶ
必要があります。

その目利きとなるのが、小説やドラマ、
あるいは漫画まで知り尽くし、
同時に組織の裏表にも精通している
佐藤優さんです。

 第1章 いかに組織を生き抜くか
  →『坊っちゃん』、『
 第2章 人事の魔力
  →『官僚たちの夏 (新潮文庫)
 第3章 極限のクライシス・マネジメント
  →『不毛地帯
 第4章 忠臣蔵と複合アイデンティティ
  →『忠臣蔵
 第5章 軍と革命の組織学
  →『真空地帯
 第6章 昭和史に学ぶ
 第7章 女性を縛る「呪い」
  →『私という運命について
 第8章 生活保守主義の現在
  →『逃げるは恥だが役に立つ
   『東京タラレバ娘
 第9章 現場で役に立つ組織術

第6章や9章は特定の教材としての
小説やドラマはありません。

これらの章は歴史や佐藤さんの実体験から
学ぶことになります。

この本から何を活かすか?

「リスク」と「クライシス」は、
どのような違いがあるのでしょうか?

どちらも危機管理に関する言葉ですが、
意外とその違いが知られていません。

リスクとは、「悪いことが起きる可能性」
で、計量化できる概念です。

発生確率も計算でき、ある程度予測も
可能なので、マニュアルで対応可能です。

一方、クライシスは予測不可能な危機のこと。

非常に稀な現象で、前もって予測することが
難しく、一度でも起こると甚大なダメージを
被ることになります。

こちらは予防ではなく、発生した際に
ダメージを最小限に留める対策が必要です。

本書でクライシスの題材としているのは
山崎豊子さんの小説『不毛地帯』です。

この本は、絶体絶命のクライシスに
直面した人間の物語です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 組織・社内教育・コーチング | 05:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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