活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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文芸オタクの私が教える バズる文章教室


文芸オタクの私が教える バズる文章教室

満足度★★★★
付箋数:25

非常に興味深い本ですが、
中身の良さをタイトルが的確に
表していません。

本当にターゲットとして人と、
実際に手に取る人期待のズレが、
ちょっと心配な本でした。

本書は、「バズらせる」ことを目的
とした文章術の本ではありません。

目的は、楽しく文章を書くこと。

それを続けることで、結果として、
バズることがあるかもしれません。

  「バズることを目的として、バズらせる
  方法もあるでしょう。いかにもバズり
  そうな、ちょっと過激なことを書くほうが、
  手っ取り早いと思われる方もいるかも
  しれません。(中略)
  でも、そうやってもしバズらせることが
  できたとしても、中身をともなわなければ、
  一過性のもので終わりやすい。
  一時的なブームで終わらせないためには、
   “みんなに好きになってもらえる文章” 
  を書けるようになることが、一番の近道
  だと私は思っています。」

では、どうしたらみんなに楽しんで
もらえる文章が書けるようになるのか?

それは文章の上手い人気作家の表現方法
を真似ることが近道です。

では、どの作家のどの部分を真似たら
いいのでしょうか?

本書の著者、三宅香帆さんは、
ものすごい文芸オタクです。

「本を食べて生きる女です。」と
自己紹介しているほど。

そんな三宅さんは、著名作家、人気作家、
アイドルからネット上のインフルエンサー
まで、人を惹き付ける文章を書く人の
表現方法を研究してきました。

本書では、それを法則として言語化した
た文章術を紹介します。

1つ取り上げると、村上春樹さんの
文章からは、読みたくなる「リズム感」
を学びます。

題材として『ダンス・ダンス・ダンス
の一節が引用されています。

そのリズム感を参考にした、文章の
修正例は以下の通りです。

 【ビフォア】
  10年前に買ったバッグが破けてしまった
  ので買ったお店に持っていったら、
  昔のモデルだから修繕できないと
  断られた。新しいバッグを買わなければ
  と思うが、忙しくてなかなかめぼしい
  バッグを見つけられない。

 【アフター】
  バッグが破けてしまった。10年前に
  買ったものだ。買ったお店に持っていくと
  「昔のモデルだから、直せへんよ」と
  言われてしまった。うーん、新しい
  バッグを買わなければ。でも、忙しくて
  なかなかめぼしいバッグが見つけられない。

村上春樹さん風かどうかはさて置き、
確かにリズム感が出て、読みやすい文に
なっています。

本書では、このリズム感を出す法則を
次のようにまとめています。

 1. 同じ語尾を3回繰り返す。
 2. 長い文章を、二文、三文に切ってみる。
 3. 似た意味の文を、音数を増やして
  連続させる。
 4. 後半部をそろえて、連続させる。

本書では、このように人気の文章家の
作品を、表現単位で詳細に分析して、
素人でも真似できるようにモデル化
しています。

モデル化されたのは、49の表現方法です。

星野源さん、森鴎外さん、林真理子さん、
開高健さん、三島由紀夫さん、秋元康さん、
J・K・ローリングさんなどなど。

古今東西の人を惹き付ける文章の
秘密を分析して、解説しています。

正直、それを読んでいるだけで面白く、
本書の目的を忘れてしまうほどです。

バズることだけを目的としていない、
本当に読んでいて楽しい文章を書きたい
人に、本書が届くことを願います。

この本から何を活かすか?

口語のセリフは、三浦しをんさんの
「口語過剰モデル」を使います。

  「台詞の見せ方を極端にすると、
  その人らしさを強調することができる。」

これはモノまねするときに、特徴的な
部分をデフォルメするのと同じ要領です。

セリフは、表現を盛り気味にした方が、
イキイキと伝わるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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