活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方


正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方

満足度★★★★
付箋数:24

  「現在の日本は、政治家や官僚、
  マスコミなどの “文系バカ” に
  牛耳られている。しかし逆に言えば、
  数学的思考や数学的発想を身につけて
  いれば、世の中に蔓延するあいまいさや
  ニセ情報、といったものを見抜く
  ことができ、本当のことがわかって
  くる、ということだ。」

本書は、東大数学科出身の元財務官僚、
高橋洋一さんによる「数学アタマ」を
つくるための本です。

高橋さんは、論理的で歯に衣着せない
物言いをするので、個人的には好きです。

ただ、さすがに日本は「文系バカ」に
牛耳られているというのは、
言い過ぎかなとも思いました。

それは私も妻も理系ですし、
友人も理系出身者が多いからです。

しかし、本書がベストセラーになって
いるところをみると、やはり世の中、
数学が苦手な人や文系出身者が多い
ということを改めて実感しました。

日本では、文系:理系の比率が
7:3とも言われていますから、
実際に理系は少数派です。

本書の内容は、理系出身からすると
「なに当たり前のことを言ってるの」
と感じることもあるはずです。

しかし、純粋な理系出身者は、
経済学や会計を学んでいない人もいるので、
本書は文系・理系問わず役に立ちます。

では本書から、世間の常識を覆すことを
いくつか紹介しましょう。

  「厚生労働省の発表通り人口が8800万人
  に減少した場合、それがGDPの成長率に
  もたらす影響は最大で0.7%だ。
  つまり、人口の増減はマクロ経済指標
  にはほとんど影響はない。
  人口の増減と1人あたりのGDPの増減は
  ほとんど関係ないのである。」

GDP自体はもちろん人口に比例しますが、
1人あたりで割ったGDPは人口の増減に
影響しないのは、当然といえば当然です。

更に、高橋さんは出生率低下による
少子化も問題なしとしています。

  「結論から言えば、出生率は自然の
  摂理であって、1を割ることは珍しく、
  1.5くらいでも問題はない。
  政府は目標として出生率1.8を掲げて
  いるが、本気で対策をとることはない
  だろうし、その必要もない。
  国民の幸せは人口の増加ではないからだ。」

もう1つ、日本の年金問題について。

年金は破綻するのか、あるいは、
自分は本当にもらえるのかと心配して
いる人も多いことでしょう。

しかし、高橋さんは、この年金破綻論も
無知による誤解であると言い切ります。

  「年金破綻論は、すべてBSを途中で
  区切って読むことから起こる誤解である。
  (中略)日本の公的年金制度は、
  成熟するにつれて保険料と給付が
  一致していき、不足が解消されていく
  仕組みである。したがって、不足額が
  大きいからといって不安に思う必要は
  ない。」

会計知識のない人に限って年金の破綻を
口にするようです。

年金制度が安定するかどうかは、
負担する人数・受け取る人数と
いった「人数」の問題ではなく、
「金額」の問題。

高橋さんは、年金の不足額がいくら
あるのかではなく、その不足が増えて
いかなければ、大きな問題はないと
言ってます。

本書では、マスコミで喧伝されている
「ウソ」を暴き、数字で考えることの
重要性を教えてくれます。

難しい数式などは出てこないので、
数字が全く苦手な超文系の人でも、
数学的思考法の身につけ方について
分かりやすく学べる本です。

この本から何を活かすか?

高橋さんは、「リスク」という
言葉を正しく使えていない人が
多いと指摘しています。

リスク=危険という意味ではありません。

  「リスクとは、確率計算がしっかりと
  してある可能性のことを言う。
  つまり、確率の数値を必ずともなう
  言葉がリスクである。さらに言えば、
  本来リスクに “危険か安全か” 
   “良いか悪いか” といった価値的な
  意味はない。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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