活かす読書

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人を自在に動かす 武器としての「韓非子」


人を自在に動かす 武器としての「韓非子」

満足度★★★★
付箋数:25

著者の鈴木博毅さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

原泰久さんが、週刊ヤングジャンプで
2006年から連載している漫画『キングダム』。

アニメ化、映画化もされ、近年では
類を見ない大ヒットとなっています。

描かれている時代は、紀元前3世紀、
中国の春秋戦国時代の末期から、
秦が統一を果たすまで。

主人公は、下僕から這い上がっていく
武人の信ですが、もう1人の主人公は、
若き秦王の政です。

紀元前221年に史上初めて秦王政は、
中国統一を成し遂げ、始皇帝となります。

その始皇帝が、「この著者と会えるなら、
死んでも悔いはない」とまで言った、
人物と書がありました。

それが中国戦国時代の法家である、
韓非が書いた『韓非子』です。

『韓非子』は、初めて中国を統一した
最強帝国で採用された、人心掌握の
ための法と術の書です。

本書は、『韓非子』を「リーダー論」と
「イノベーション論」の観点から再構成し、
ビジネスで活用できるように解説した本。

著者は、『実践版 孫子の兵法』なども
執筆しているビジネス戦略の専門家、
鈴木博毅さんです。

『韓非子』は冷酷な君主の書とも言われ、
『老子』とは真逆の思想に思えます。

しかし、俯瞰的に見ると、『韓非子』と
『老子』には共通する点があるようです。

  「『老子』は、人間の不安定さを
  ある種の深みと捉える要素があります。
  道(タオ)に従う者、タオから離れる
  者がいることで、栄枯盛衰が起こると
  考えました。
  一方、『韓非子』は人間が不安定で
  気まぐれ、すぐに脇道にそれて
  私欲をとげようとするからこそ、
  法と術で人間を制御すれば、最強国家
  への統治術となると考えたのです。」

共通しているのは、人間が不安定な
ものであるという前提です。

この前提は、紀元前であろうが、
今の時代であろうが全く変わりません。

更に言うと、混沌として先が読めない
今の時代だからこそ、『韓非子』の
冷徹さがリーダーには求められます。

ただし、『韓非子』はその鋭さゆえに、
扱いには知識と経験が必要とされます。

本書は、『韓非子』から現代のリーダー
が活用すべき点を抽出し、現代語訳と
実例をあげて解説しています。

キングダム』の政の思想の背景に、
この『韓非子』の考えがあったと
想像しながら読むと、非常に腹落ちする
ところがありますね。

 第1章 人が動くには法則がある
 第2章 爆発的エネルギーを生み出す
    韓非流「活人術」
 第3章 人を自在に動かすリーダーに
    なる方法
 第4章 転落するリーダーの5つの特徴
 第5章 部下のやる気を潰す上司、
    やる気を3倍に高める上司の違い
 第6章 集団にパワーを生み出す
    イノベーションの正体
 第7章 『韓非子』が指摘した、
    繁栄が続く6つの心理

もし、あなたの所属する組織が、
硬直していたり、衰退が始まっていると
感じたなら、本書のリーダー論は
非常に参考になると思います。

リーダーには、愛情があるからこその、
冷徹さが求められている点は新鮮。

人を動かし、真のイノベーションを
起こすには、何ばあってもぶれない
愛情と冷徹さを併せ持ったリーダーが
必要なのです。

この本から何を活かすか?

リーダーが掲げた約束を、真剣に守ろうと
しなければ、部下はしらけます。

  「結果を出した者に必ず報いること。
  ルールを破った者を必ず罰すること。
  2つの約束に、リーダーがどれほど
  真剣であるかが人を動かすのです。」

ルール違反を許してしまうと、
そこから組織の乱れは生じます。

リーダーが、不正に対しても、
成果に対しても公平に判断を下すことで、
部下は安心して動き始めるのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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