活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略


GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略

満足度★★★★
付箋数:26

  「2018年春頃から一気に顕在化してきた
  米中貿易戦争、私は、その本質を
   “貿易×テクノロジー覇権×安全保障” 
  の戦いであると見ています。
  貿易戦争自体は表面的には比較的早期に
  収束する可能性がある一方、
  テクノロジー覇権と安全保障に関する
  戦いは長きにわたると予測されます。」

その米中でテクノロジーの覇権争い
をしているのが、「GAFA」と「BATH」。

GAFAとは、言わずとしれた、グーグル、
アップル、フェイスブック、アマゾン
の米国4社のこと。

これに対して、BATHとは中国のバイドゥ、
アリババ、テンセント、ファーウェイ
の4社を指します。

これらの米中メガテック企業8社は、
テクノロジー企業と言うより、
プラットフォーマーと呼ばれる、
独自の経済圏を築く企業です。

その覇権争いが、米中貿易戦争の根底に
あるのです。

本書は、8社を分類・比較・分析して、
各社の今後の動向と、米中新冷戦の行方を
占う本です。

 「アマゾン」対「アリババ」
 「アップル」対「ファーウェイ」
 「フェイスブック」対「テンセント」
 「グーグル」対「バイドゥ」

著者は、『アマゾンが描く2022年の世界
が好評だった、立教大学ビジネススクール
教授の田中道昭さんです。

田中さんは、本書の分析によって次の5つが
見えてくると説明しています。

 1. 「プラットフォーマーの覇権争い」
  が読める

 2. 「先駆者利益を創造する存在となった
  中国勢の動向」が読める

 3. 「同じ事業ドメインから異なる進化を
  遂げる理由」が読める

 4. 「産業・社会・テクノロジー・
  あるべき企業の未来」が読める

 5. 「日本の未来」が読める

テクノロジー覇権争いには加わることが
できなかった日本ですが、間違いなく、
こらら米中のメガテック企業の影響は
日本にも及びます。

その意味では、日本企業が今後取るべき
戦略についても示唆を与えてくれます。

本書で興味深いのは、分析する際に、
既存のフレームワークを使わずに、
独自のフレームワークを用いていること。

SWOT分析、PEST分析、3C分析などの
よく知られたフレームワークだけでは、
国家にも匹敵する規模の企業の全体像は
押さえることができないようです。

そこで本書では、孫子の兵法を基にした、
「5ファクターメソッド」という
フレームワークを採用しています。

5ファクターとは、孫子の兵法で
戦いをデザインするとされる、「道」
「天」「地」「将」「法」の5項目です。

「道」とは、企業としてどのように
あるべきかのグランドデザイン。
各企業の戦略目標に当たります。

「地」とは、外部環境を踏まえた
タイミング戦略のこと。

「地」とは、地の利を指します。
市場・業界構造のことです。

「将」と「法」は、戦略を実行に移す
際の両輪で、リーダーシップと
マネジメントに該当します。

前著の『アマゾンが描く2022年の世界』も
実は、5ファクターメソッドの分析を
用いて、まとめたものだったようです。

GAFAを模倣する格好でスタートした
BATHでしたが、局所局所で見ると、
本家を十分に脅かすところまで来ている
ことが本書の分析でよくわかります。

ルールを変えるプラットフォーマーの
覇権争い後の未来を見通すために、
本書は、是非、読んでおきたい一冊。

この本から何を活かすか?

本書では、最後に5ファクターメソッドの
基になった孫子の兵法からの一文、
「兵は国の大事なり」を掲載しています。

[原文]
 孫子曰く、兵とは国の大事なり。
 死生の地、存亡の道、察せざるべから
 ざるなり。
 故に、之を経るに五事を以てし、
 之を校ぶるに七計を以てし、
 その情を索む。
 一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、
 四に曰く将、五に曰く法なり。

本書を読んで、もう一度、孫子の兵法を
学び直したいと思いました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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