活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2019年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2019年07月

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やってはいけない不動産投資


やってはいけない不動産投資 (朝日新書)

満足度★★★
付箋数:24

  「悪い業者の誘いに引っかかり、
  投資に失敗して大損した――。
  そんなニュースを聞くとき、正直、
  どんな感想を抱いているだろうか。
  どん底に落ちた人たちを心の中で
  小バカにしていないだろうか。
  欲の皮を突っ張らせたしっぺ返しで、
  自業自得だとでも思っていないだろうか。
  そんな考えがあるようなら、
  すぐに改めたほうがいい。
  自分は大丈夫、手を出さないから
  関係ない、なんて思っている人に
  限って、まんまと不動産業者の
   “カモ” になるからだ。」

本書は、ウソにまみれた不動産業者の
勧誘テクニックから、儲けのカラクリ
までを暴き、解説した本です。

著者は、朝日新聞記者の藤田知也さん。

本書で扱う最も有名なケースは、
経営破綻したスマートデイズ社の事件。

同社は、敷金・礼金不要の女性専用
シェアハウス「かぼちゃの馬車」を
展開していました。

ここと手を組んで不正融資を行って
いたのが、スルガ銀行でした。

スルガ銀行は、2018年10月に金融庁
から半年間の一部業務停止命令を受け、
決算では1000億円超の損失を計上。

創業家は500億円近い融資の返済と、
70億円近い損害賠償を請求され、
100人超の行員が懲戒処分されました。

  「それとは対象的なのが不動産業界だ。
  スルガ銀行が資料の改ざんを黙認
  したり指南したりしたとはいえ、
  実際に預金通帳や源泉徴収票を
  偽造しまくったのは不動産業者に
  ほかならない。」

驚くべきことに、スルガ銀行不正融資
に関わった、不動産業者に対して、
行政処分が下された例はなかった
といいます。

不動産業界は今もなお、不正も悪さも
やったモノ勝ちです。

  「不正やウソでダマすのが “オッケー” 
  だとすれば、悪さをするほど儲かる
  業者は、これからもウソの “罠” を
  仕掛け続けるだろう。
  実際、不正がバレた悪徳業者たちは、
  何のおとがめを受けることなく、
  看板をかけ替えるなどして次の獲物を
  虎視眈々と狙っている。」

では、あらゆる手段を使ってくる
不動産業者に狙われているターゲットは、
どんな層なのか?

簡単にダマせる、投資のことを知らない
素人だけなのでしょうか?

実は、不動産業者の餌食になる人の
属性は一様ではありません。

一流企業に勤めるエリートでも、
交渉能力がある保険の営業マンでも、
年収500万程度の普通の会社員も、
カードローンを抱える公務員も。

性格的にも、共通した特徴がある
わけではありません。

しかし、唯一共通していたのが、
不動産投資に走る動機です。

それは、「将来の備えとなる蓄えを
つくりたい」というもの。

この現役世代の将来への不安が、
地獄への入口につながっているのです。

本書は、若干、偏りがあるものの、
不動産投資に興味があってもなくても、
知っておいて損のない内容です。

 第1章 「長期保証」で油断させる
 第2章 「今がチャンス」と錯覚させる
 第3章 「リスク」から目をそらす
 第4章 「不正」には気づかせない
 第5章 「高利回り」と見せかける
 第6章 「ウソ」は堂々とつく
 第7章 それでもまだ投資したい人のために

この本から何を活かすか?

  「明日午前中にカーテン行きます。
  終わり次第連絡するので、現地調査
  入れてもらってもいいですか」

これは不動産業者が銀行の融資担当に
宛てたLINEの一文です。

「カーテン行く」とは、入居者がいる
ように見せかけるために、空き室に
カーテンを付けに行く工作のこと。

本書には、「不動産業界 “ウラ” 用語」
索引も掲載されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 投資 | 05:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣


仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣

満足度★★★
付箋数:24

あさ出版の星野さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

あなたは、出社したら最初に何をしますか?

このように聞くと、「メールチェック」と
答える方が多いと思います。

しかし、朝一番の仕事がメールチェックと
いうのは、仕事がいつまでも終わらない人
の特徴です。

  「仕事が早く終る人は、出社したらまず
  コーヒーを淹れ、仕事が終わらない人は、
  即メールをチェックする」

実は、メールのチェックをいつ行うかで、
仕事の進み具合は大きく違うもの。

朝一からメールチェックを始めてしまうと、
緊急度や重要度を考慮しないまま、
着信順の対応となり、気がついたら、
ラリーの応酬になっていることもあります。

仕事をコントロールするのではなく、
メールに振り回されている状況。

一方、仕事が早く終る人は、朝出社したら、
コーヒーを淹れます。

これはコーヒー限定の話ではなく、
紅茶でもいいですし、ストレッチをする
のでも構いません。

要するに、仕事に入るための儀式を行い、
頭や心を仕事モードに切り替えて
いるのです。

最初に意識して切り替えを行うことで、
1日の良いリズムを作り出すことが
できるので、結果として早く仕事が
終わるのです。

本書は、いつも仕事が終わらない人から、
仕事が早く終る人に変わるための本です。

著者は、人財育成コンサルタント、
上司向けコーチの吉田幸弘さんです。

吉田さんは、これまで研修や講演、
コンサルティング等を通じて、
3万人超の方々に、時間術や仕事術などの
アドバイスを行ってきました。

本書は、その中で特に効果が高かったもの、
評判が良かったものを中心に、
仕事を早く終わらせるコツや考え方を
まとめたものです。

毎日、仕事に追われてばかりで、
いつまでたっても終わらない人は、
往々にして、真面目で気配り上手。

だからこそ、無意識のうちに自分自身で
どんどん仕事を増やしてしまうのです。

次に挙げる特徴のある方は要注意。

 ・断ることが苦手で、どんなに
  忙しくても仕事を請けている
 ・周囲のことを考えてていねいに
  仕事をしている
 ・相手のために無理な納期でも対応する
 ・資料を案件ごとに、こと細かに
  作成している
 ・責任感が強く、他人に仕事を振らず、
  自分で抱え込み過ぎてしまっている

実は、自分では良かれと思ってやって
いることが、残業を生み出しています。

仕事を早く終わらせるには、仕事を
手がける順番や、考え方、判断の軸を
ちょっと変えるだけ。

そのちょっとの積み重ねが、
決定的に大きな差を生んでいるのです。

本書では、仕事が早く終る人の習慣と
いつまでも終わらない人の習慣を
対比して、42個のスキルを紹介します。

最初に「仕事を増やす人」になって
いないかどうかのチェックができる、
「自己診断テスト」が掲載されています。

まずは、このテストをやってから、
本書を読むことをオススメします。

自分の現在の状態に知ることが、
仕事メタボの改善を図る第一歩です。

42個のコツの中には、常識で考えると、
「それって本当?」と思えるものも
あります。

しかし、常識的に行動している人の
ほとんどが、仕事が終わらな人なので、
常識に反するコツを実践する方が、
正解なのでしょう。

この本から何を活かすか?

あなたは、仕事上で悪いことが起こったら、
急いで報告しますか、それともひと息
ついてから報告しますか?

一般的には、悪い出来事ほどすぐに
報告すべきと教えられます。

しかし、できるだけ早く報告することと、
急いで報告するのは、ちょっと違います。

情報を整理しない状態で報告しても、
かえって混乱を招くことがあります。

仕事が早く終る人は、スピードだけを
求めずに、情報を集め整理して、
できるだけ早く報告しているのです。

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| 時間術 | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバード・スタンフォード流 「自分で考える力」が身につく へんな問題


ハーバード・スタンフォード流 「自分で考える力」が身につく へんな問題

満足度★★★★
付箋数:26

  「あなたは、初めて訪れた異国の地で
  原因不明の病気にかかり、現地で医師に
  診察してもらうことになりました。

  この医師が信頼できる人かどうか、
  質問して見極めようと思います。

  できる質問は1つだけ。
  なんと質問しますか。」

こういう問いを出されると、
私たちの脳は、自然と答えを出そうと
考えはじめます。

と同時に、日本の教育を長く受けてきた
私たちは、つい「正解」を求めてしまう
傾向にあります。

この問題に「正解」はありません。

ただし、考えるヒントはあります。

  「その質問をすることで得られるものは
  何か、徹底的に考えてみてください。」

この問題は、いかにして効果的な
質問をつくるかを求めています。

効果的な質問をするには、次の8つの
ステップを踏むといいようです。

 1. 状況を理解する
 2. 質問を書いて、書いて、書きつくす
 3. ステップ2で書き出した質問を
  「クローズド」と「オープン」の
  2タイプに振り分ける
 4. 「クローズド」は「オープン」に、
  「オープン」は「クローズド」に、
  それぞれ変える
 5. それぞれの質問をすれば何が
  わかるのか、考える
 6. それぞれ質問した場合の最悪の
  シナリオを考える
 7. 何のために質問するのか、
  目的を考える
 8. ステップ7の目的に合った質問を選ぶ

冒頭の問題では、信頼できる医師か
どうかを見極めることがミッションです。

この場合、「信頼できる」とは具体的に
どういう意味かを考えることが、
大きなポイントになります。

さて、本書は「自分で考える力」を
身につけるための本です。

正解のない問題に対して、オリジナルな
答えを出すためのトレーニングを行います。

著者は、慶應義塾大学、聖心女子大学、
ビジネス・ブレークスルー大学講師の
狩野みきさんです。

狩野さんは、長年、大学などで
クリティカル・シンキングを教え、
どうすれば学生たちが、自分なりの答えを
出せるのかを探求してきました。

そこで出会ったのが、ハーバード大学の
教育プロジェクトと、スタンフォード大学
の、クリエイティビティを伸ばすための
授業でした。

これらの大学のメソッドを、狩野さんの
授業の中に取り入れると、大きな効果が
実感できたそうです。

本書は、この2つの大学のメソッドを
ベースにした、思考を鍛える問題集です。

トレーニングを行うに当たって、
守るべきルールが4つあります。

 その1. 「正解アンテナ」はかなぐり捨てる
 その2. どんな答えでもOK
    合っているか間違っているかではなく、
    説明できるかどうかを考える
 その3. 回答は紙やスマホに書き出す
 その4. ヘンテコな問題を楽しむ

これからの時代、答えのある問題は、
AIが簡単に解答を導き出してくれます。

私たち人間に問われるのは、AIにできない
正解のない問題に、答えることです。

他の人と同じように考えるのではなく、
オリジナルなアイディアが求められます。

そうした自分だけのオリジナルな思考力を
磨くためには、フツーの問題をフツーの
やり方で考えてもダメ。

本書では、突出した思考を呼び覚ます
ために、ヘンテコな問題がたくさん
用意されています。

用意されている問題は全部で15問あります。

一気に読み切るのではなく、1日1問程度の
ペースで、しっかり時間をかけて取り組む
のがオススメです。

この本から何を活かすか?

もう1問だけ、本書から紹介しましょう。

  「あきらめたらそこで試合終了だよ」

これは井上雄彦さんの漫画『SLAM DUNK
の安西先生の名言です。

問題は、このセリフの根拠を考えること。

SLAM DUNK』の中での根拠を調べる
必要はなく、一般論として、この「結論」に
どんな根拠があれば説得力が出るかを、
考えます。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 05:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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航空のゆくえ 自由化の先にあるもの


航空のゆくえ: 自由化の先にあるもの (ちくま新書)

満足度★★★
付箋数:18

1903年12月17日、ライト兄弟が開発した、
ライトフライヤー号は、世界で初めて
有人動力飛行に成功しました。

それからわずか6年後、フランス人の
ルイ・ブレリオさんは、ドーバー海峡の
横断飛行に成功します。

航空の歴史は、技術発展の歴史。

当初、飛行距離が国内に留まっていた
ときは問題ありませんでしたが、
飛行距離が伸びて他国にまで及ぶと
新しい問題が生じるようになりました。

そこで初めて、「領空」という概念が
登場します。

ときは、第一次世界大戦。

そこで、爆撃機などによる攻撃の脅威を
抑えるために、「排他的領空主権」、
自国の領空を完全かつ排他的に支配する
という考えが登場しました。

その後、パリ条約(国際航空条約)
によって、領空主権が国際法として
明記されたのは、1919年のことでした。

今から100年前のことです。

航空はこれまで、どのような歴史を辿り、
これからどんな未来に進んでいくのか?

  「本書が試みようとしたのは、
  航空の変転が世界の変化と同じ歩調
  であることから、航空のあり方を
  詳細に検証することによって、
  世界の今後を展望しようという
  ことである。」

著者は、国際公法を専門とし、
空港勤務も経験された柴田伊冊さん。

空港勤務時代には、航空機事故対応、
運用管理、法令審査などを歴任した
方です。

本書は大きく二部で構成されています。

前半は、第二次大戦後の復興期から
自由化の時代まで現代史を俯瞰した、
「Ⅰ 航空現代史」。

後半は、アメリカ・ヨーロッパ・
アジア・太平洋の各地域の航空の
現状を分析した「Ⅱ 世界の再構築」。

以前は、レガシーキャリアと呼ばれる
フルサービスを提供する、大手航空会社
が独自の路線を運行していました。

それが20世紀後半に入ってから、
共同運航便(コードシェア)が活用される
ようになって、航空会社の経営は
大きく効率化されることになります。

更に、1960年台に入り、英レイカー航空や
米サウスウェスト航空によって、
いわゆるローコストキャリア(LCC)の
ビジネスモデルが確立しました。

LCCの登場以降、運賃の多様化で運航が
柔軟になり、国々が地域として一体化し、
多国間での航空の自由化が進みました。

当初、LCCの安全性やサービスを疑問視
する人も多かったと記憶していますが、
今では、LCCは選択肢の1つとして、
当たり前の存在になっています。

本書では、これまでの航空の発展史を
丁寧に紐解き、エアラインの世界から
地球の将来までを展望します。

 Ⅰ 航空現代史
 第1章 混乱と荒廃の世界に秩序を打ち立てる
 第2章 自主性を確立する
 第3章 国際航空を航空協定の変遷からみる
 第4章 自由を追求する
 Ⅱ 世界の再構築
 第5章 新たな世界の模索
 第6章 アメリカが自由を普及させる
 第7章 ヨーロッパのための自由
 第8章 アジア・太平洋地域のその後
 終章 航空の近未来

本書の内容は、かなりマニアックです。

ただし、そのマニアックさが、
いわゆるエアライン好きな方の好みに
合うとは限りません。

一度、書店で手に取って中身を見てから
購入を判断することをオススメします。

この本から何を活かすか?

現在、私たちが飛行機で自由に他国と
行き来できるのは、それぞれの国との
「二国間航空協定」があるから。

この航空協定では、5つの空の自由が
扱われています。

 1. 上空通過の自由
 2. 技術的な着陸の自由
 3. 相手国への運行の自由
 4. 自国への運行の自由
 5. 相手国から第三国への運行の自由

こういった背景があって運行されて
いることは、普段飛行機に乗るときには、
全く考えたことはありませんでした。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事も部下の成長スピードも速くなる 1分ミーティング


仕事も部下の成長スピードも速くなる 1分ミーティング

満足度★★★
付箋数:23

  「 “生産性が上がり” 
   “部下が結果を出しやすくなり” 
   “部下の成長スピードが上がり” 
   “さらに部下の、そして自分自身の
  仕事が速くなる” 
  そんなマネジメントができたら最高
  だと思いませんか?
  この本が、そして私が提唱する
  “行動科学マネジメント” が目指すのは、
  まさにそんなマネジメントなのです。」

本書は、部下の行動を変えて、
より実績を出せるようにするための本。

その手法として「1分ミーティング」が
用いられます。

著者は、行動科学マネジメントを日本に
紹介して普及に務める、石田淳さんです。

 始業直後の「朝礼」(毎日)
 営業会議(月1回)
 チーム会議(週1回)
 リーダー会議(週1回)
 終業直前の「夕礼」(毎日)

これは一般的な営業部で実施される
会議例ですが、これに加えてスポットで、
実施される会議もあることでしょう。

会社の生産性を下げている原因の
1つが会議の多さです。

「毎日毎日会議ばかりで、うんざり」
と思っている方も多いと思います。

実は、無駄な会議が多いことには、
部下のみならず、多くのリーダーや、
マネジャーも気づいています。

しかし、それが「習慣」として、
実施され続けているのが実情です。

では、その習慣でやっている
無駄な会議をどのように変えるのか?

それが、本書で石田さんが紹介する
「1分ミーティング」です。

  「私が提唱する部下との接触機会、
  日々のコミュニケーション・・・
  それは基本的には、リーダー、
  マネジャーと部下による
   “1対1のミーティング” という
  かたちのものです。」

1分ミーティングの実施形態は、
以下の通りです。

 1. 時間は「1分」回数は「毎日」を目指す
 2. 「場所」はどこでもいい
 3. 「名前」を呼び、相手の「目」を見る
 4. 会話の中心は「今日は何するの?」

最初から毎日実施はハードルが高いので、
週1回の実施から始めて、最終的なゴール
として、毎日の実施を目指します。

1分ミーティングの目的は、3つです。

部下の行動を把握、部下の価値観を確認、
信頼関係の構築です。

この内、毎回の1分ミーティングで
確認するのは、「部下の行動の把握」
のみです。

残りの2つは、接触機会を増やして、
毎日のコミュニケーションを取る中で、
自然とできあがっていくようです。

では、1分ミーティングで部下が発言した
その日の行動計画で、成果に結びつかない
ものが出てきたらどうするか?

その場合、「うん」とか「なるほど」と、
決して相槌を打ってはいけません。

また、「それはやらなくていい」などど、
否定もしてはいけません。

正しい対応は、「・・・他には?」と、
流してしまう。

否定ではなく、「消しこんで」しまいます。

これを行動科学マネジメントでは、
「行動の消去」と呼ぶようです。

本書は、短時間で仕事が効率化して、
部下の成長スピードが上がることを
目指します。

手間もお金もかかりませんから、
部下の行動を変えて成果を出すために、
試してみたい手法です。

この本から何を活かすか?

部下のやる気を出すには、どうしたら
いいのでしょうか?

実は行動科学マネジメントでは、部下の
やる気を出すことや、積極的させることに
フォーカスしません。

モチベーションや意識、心構えといった
相手の内面には踏み込みまないのです。

まぜなら、人の内面を変えるのは、
難しいからです。

そのかわりに、「行動」を変えること
だけに専念します。

成果に結びつく小さな行動を
積み重ねることで、実績というゴールに
たどり着くことを目指します。

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| 会議術・ファシリテーション | 05:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ人は騙されるのか-詭弁から詐欺までの心理学


なぜ人は騙されるのか-詭弁から詐欺までの心理学 (中公新書)

満足度★★★
付箋数:23

  「もちろん本書は騙す側に味方
  しようというものではない。
  騙される側、いや、そうした恐れの
  ある側の立場に立つ。様々な怪しげな
  言動につけ込まれる際の心理過程が
  理解できれば、 “安易に言いくるめ
  られないためには、騙されない
  ためには、いかに注意すべきか” 
  ということも明らかになるだろう。」

著者の岡本真一郎さんはこのような
希望を書いています。

しかし、そうは言っても本書は、
これから詐欺を働こうと考えている
輩にとっても、騙しのテクニックを
体系的に学べる教科書になります。

これまで経験則でやってきた詐欺師に
とっては、自分の手法の効果を高める
手助けになるかもしれません。

さて、いくら注意喚起されても
なくならない「オレオレ詐欺」。

オレオレ詐欺に、引っ掛かってしまう
理由として、「脅し」の効果があります。

これは「防護動機理論」として、
知られています。

オレオレ詐欺師たちは、防護動機理論
を使って、高齢者を騙しているのです。

防護動機理論の説得効果は、
2つの要因に分解されるようです。

1つ目は、脅威評価。

このまま不適切行動をしているときに
もたらされる結果の深刻さ、および
その生起確率と、不適切行動を続ける
ことによる報酬との差で評価します。

2つ目は、対処評価。

説得されたやり方に従うことで
達成できる効果と、それが自分で実行
できるという感覚と、自分が実行する
のにかかる負担の差で見積もられます。

これら2つの要因で「防護動機」が、
決定されます。

例えば、脅しで「禁煙」を迫る場合。

脅威評価は、病気の深刻さとその確率
の見積もりから、喫煙によるストレス
解消の見積もりを差し引いたもの。

対処評価は、禁煙によって病気の
危険性がどの程度減らせるという
見積もりから、禁煙する苦痛の度合い
を差し引いたものになります。

喫煙による病気の危険性を軽く見る
人には、喫煙がガンや心臓病などの
リスクを高める客観的なデータを
見せます(脅威評価)。

これまでさんざん吸ってきたので、
今更禁煙しても無駄と考える人には、
今からでもやめれば、リスク軽減に
相応の効果がある客観的なデータを
示します(対処評価)。

騙しのメカニズのベースには、
このような説得の原理が働いています。

 第1章 説得する
   ー そのメカニズムを探る
 第2章 宣伝する
   ー 広告に惑わされる
 第3章 騙す
   ー 日常生活に潜む危険
 第4章 言い逃れる
   ー 詭弁を弄する政治家たち
 第5章 信じ込む
   ー フェイクニュースが跋扈する

本書の第4章と5章は、岡本さんの
政治的な見解がかなり入っています。

ここは好みが別れるところですが、
言語心理学からの冷静な分析とは、
言えない部分もあるように感じます。

この本から何を活かすか?

日本の「オレオレ詐欺」を英訳すると、
「ore ore」または「It’s me scams」
となります。

また、これとは別にアメリカにも
「grandparent scam」という
表現があります。

これこそ、まさにオレオレ詐欺と同じ。

騙すときに使われているテクニック
もそれほど変わりはありません。

政府や自治体から騙されないように、
注意喚起されているにもかかわらず、
全く減らないのはアメリカでも、
日本と変わらない状況ようです。

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プレゼン・コンシェルジュが教える 社会人1年目の「アピり方」


プレゼン・コンシェルジュが教える 社会人1年目の「アピり方」

満足度★★★
付箋数:20

  「本書は新社会人、または社会人歴の
  浅い方がビジネスマナーだけでなく、
  プラスアルファの言葉がけや行動で、
  周囲から一目置かれる存在になって
  いただくための本です。」

パッと見ただけでは、新社会人向けの
ビジネスマナーの本のように思えます。

しかし、よくよく読んでみると、
期待を超える仕事の仕方、さり気ない
アピールの仕方が盛り込まれています。

それは、著者の天野暢子さんが、
プレゼンコンシェルジュとして
活躍する方だからなのかもしれません。

社会人は存在自体が、一種のプレゼン。

普段からの自然なアピールの仕方が、
後々に効いてきます。

  「私は新卒で中堅の広告代理店に
  就職し、新聞の広告スペースを
  買いつける担当をしていました。
  大手代理店との枠取り競争の中で、
  経験の少ない私の要望をどうしたら
  聞き入れてもらえるかをつねに
  考えていました。そして、その中で
  さりげないけれど、光り輝くすてきな
  方々の言動を研究してマネし、
  仕事を勝ち取ってきたのです。」

アピールし過ぎると、周りから見ると、
イタかったり、鼻についたりします。

さりげないアピールの力加減が大事。

ただ、その力加減が新社会人には
難しく感じてしまうものです。

例えば、研修などの何十人もが
集合する場合の「正しい席の着き方」。

講師にやる気を見せるために、
最前列に座ることが正解でしょうか?

  「前に立つ司会者や講師などの
  スピーカーからよく見えるのは
  最前列ではありません。
  真下や最前列は案外見にくいもので、
  2~3列目あたりの中央がよく見えます。
  自分をアピールして覚えてもらいたい
  なら、会場に真っ先に行って、
  その席を確保しましょう。
  そして、話は相づちを打ちながら
  聞きます。」

ここまでなら、普通のマナー本です。

本書には、これにプラスアルファの
さり気ないアピりポイントを加えます。

  「話している人のほうに椅子ごと
  体を向けて座る」

そんなに張り切って発言しなくても、
周囲とのちょっとした違いが、
講師からするとかなり印象に残ります。

また、何回も続くセッションなら、
毎回同じ席に座るようにします。

  「目立つ外見でなくても繰り返し
  同じ席に座るだけで、群衆の1人
  ではなく、キラリと光る
   “いつもあの席の人” として
  印象に残すことができるのです。」

ちょっとした座り方の工夫で、
相手に与える印象は大きく異なります。

社会人として研修に参加する機会は
いくらでもありますが、この積み重ねが、
数年経つと更に大きな差になるのです。

本書では、89のビジネスマナーを
紹介しています。

少し社会人経験のある人なら、
そんなの常識と思うかもしれません。

しかし、そこから一歩踏み込んだ、
「アピりポイント」までは、
できていない人が多いと思います。

自分は同期や同僚と比べて、
アピールできていないと思う方は、
参考にして欲しい本です。

この本から何を活かすか?

2019年6月4日、「闇営業問題」で
吉本をクビになった入江慎也さん。

本書では、「できる人の持ち物」の
エピソードで、入江さんを紹介しています。

  「入江さんは携帯電話の充電ケーブルを
  通信キャリア全社分を持ち歩いている
  とのことです。携帯電話の電池切れで
  困っている先輩にいつでもお貸し
  できるので感謝され、それがきっかけに
  信頼関係ができて、ときに食事を
  ごちそうになったり、仕事を任せて
  もらったりしていったのだそうです。」

振り込め詐欺グループとの関与は別にして、
こういた細かい所への気配りはさすがです。

人脈作りの達人の、なせる技なのでしょう。

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1秒でつかむ儲けのツボ


1秒でつかむ儲けのツボ (青春文庫)

満足度★★★
付箋数:21

著者の岩波貴士さんより献本頂きました。
ありがとうございます。

  「あなたは “金のタマゴを産むニワトリ” 
  を持っていますか?
  実はこの問いに “儲けるために必要な
  重要なヒント” が隠されています。
  なかなか稼げない人は “お金持ち” 
  になりたいと考えます。
  ところが、本当にお金をたくさん
  稼いでいる人は “仕組み持ち” に
  なりたいと考える人なのです。」

継続的に儲かっているビジネスには、
必ず「儲けの仕組み」があります。

ただし、それはパッと表面から
見ただけではわかりません。

よくよくそのビジネスを紐解いて、
裏側を見て、初めて「儲けの仕組み」が
わかるのです。

「儲けの仕組み」がわかると、
業種が違っていても応用が利きます。

むしろ違う業種の方が、「儲けの仕組み」
を真似しやすいのかもしれません。

本書は、様々なビジネスの裏に隠れている
「儲けの仕組み」を解説する本です。

岩波さんが、10年以上書き溜めてきた
ビジネス情報の中から、選りすぐりの
ネタを集めました。

そして、「個人が発信できる時代」
になっても、そのまま使えるように、
アレンジして紹介しています。

本書で紹介されている「儲けのツボ」は、
全部で72個。

これだけあると、あなたのビジネスでも
使えるネタがきっとあるはずです。

では、本書から1ネタ紹介しましょう。

なぜ、「まさかの美味しさ」を提供
するより、「値段のわりに美味しい」
レストランの方が繁盛するのか?

 <1秒でつかむ儲けのツボ>
  ビジネスに必要なのは、儲けにつながる
  「絶妙なレベル」の追求と、
  「ありふれた商品」を目指すこと

本書には、このように要点をスパッと
「1秒」でつかむための短いフレーズが
各テーマの最後に用意されています。

「値段のわりに美味しい」レストラン
の裏には、人間の心理を考えた絶妙な
レベルが調整されていました。

人は、過去の記憶を過大評価して
しまう傾向があります。

最初に「まさかの美味しさ」を
経験すると、それが過去の記憶と
なったときに、実際に感じた以上に
過大評価して記憶されてしまいます。

そのため、2回目以降の来店では、
「あれ? それほどでも・・・」と、
徐々に評価が下がってしまいます。

一方、「値段のわりに美味しい」
レストランが目指すのは、
第一印象も第二印象も第三印象も
変わらない、そこそこ美味しい均一さ。

そのように絶妙なレベルに調整すると、
「いつ行っても美味しい」となり、
常連客を増やすことになります。

確かに、私も物凄く美味しいと
感動した店に、次に行ったときには、
「それほどでもなかった」と思った
ことが何度もありますね。

本書は、1テーマが2~3ページに
まとめられていて、ビジネスエッセイ的
に気軽に読むことができます。

隅から隅まで読んで勉強しようと
頑張るよりも、コラムを読む感覚で
ページをめくった方が、新しい発見が
あるかもしれません。

これも、「値段のわりに美味しい」
レストランと同じで、事前期待と中身の
絶妙なレベル調整なのかもしれません。

本書は小さなアイディア辞典として、
手元に置いておいて、アイディアに
行き詰まったときに読むのもありです。

この本から何を活かすか?

本書の巻末に、「思考の幅を広げる情報源」
として27の書評ブログが掲載されています。

当ブログもその中の1つとして、
ご紹介いただいております。

岩波さん主宰の「日本アイディア作家協会」
の「書評ナビ」のサイトでは、
紙面には掲載できなかったブログを含め、
リンク付きで書評ブログが掲載されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| アイディア・発想法・企画 | 05:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた


実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた (PHP新書)

満足度★★★★
付箋数:25

2008年から大阪府知事を4年弱務め、
その後、自らが掲げる大阪都構想の
実現のため、大阪市長へ転身した、
元政治家の橋下徹さん。

政治家としては、約8年間の活動でした。

この間、橋下さんは敵ばかりの組織内で、
いかにして改革を成し遂げたのか?

  「本書では、僕が大阪府知事、
  その後に大阪市長として八年間、
  どのように人や予算や物事を動かし、
  実行してきたか。
  その裏側と、僕がそのときに心がけて
  いたこと、学んだことなどをつぶさに
  述べました。」

橋下さんが、リーダーとしてこだわって
きたことは、「実行力」です。

アイディアだけ、口だけのリーダーでは、
人はついて来ません。

本書は、あらゆる規模の、あらゆる組織の
リーダーが参考にできる、橋下さん流の
リーダー論です。

橋下さんの人事の要諦は、反対派を
遠ざけずに、あえて側に置くこと。

この人事配置には、「よりによって
あの人を腹心の部下に?」という衝撃が、
敵・味方の両方に走ります。

そして、意見を封じ込めるのではなく、
言いたいことは言わせて、思う存分、
徹底抗戦させます。

その上で、納得できる反対意見を
取り入れて、より良い修正案を作る。

ただし、多様な意見を取り入れながらも、
「最後は従ってもらう」ことを方針と
します。

この方針は、反対派の不満を和らげ
ながらも、最終的にやりたいことを
実行する際に有効です。

そして、リーダーは小さい問題点には
目をつぶり、現場が気づいていない
大きな問題点を見つけ出し、解決する。

現場で実務がわかり過ぎてしまうと、
それが当たり前となってしまい、
かえって本質が見えなくなります。

専門家としての思い込みや予断が
生じてしまうからです。

リーダーは、その本質的な課題を
見つけ、決断・実行することが仕事。

ただし、現実的には絶対に正しい
解がない場合も多々あります。

そんなときは、誰もが決められない
ことを決断して、リーダーの責任で
実行に移すことが重要です。

また、部下の固定観念をぶち壊すために、
「絶対にできない」と思っていたことを
実行します。

これを最初にドカンとやって、
組織に大きな衝撃を与えます。

大阪市の例では、大阪城の庭園で
実施した、レッドブル主催の
「モトクロス競技大会」の実施が
これに当たります。

多くの職員は、イベント実施前には、
「こんなこと、絶対にできない」と
言っていました。

しかし、イベントが成功すると、
「市長、来年もやりましょう」と言う
ほどの、意識変貌をもたらしました。

一度、絶対にできないと思っていた
ことができてしまうと、他にも
「できない」と諦めていたアイディアが
出てくるようになります。

部下の意識改革をするなら、
小さな改善を積み重ねるのではなく、
メンバーに衝撃を与えるようなことを
実現させるのが、橋下さん流の
マネジメントです。

マインドさえ変わってしまえば、
あとは部下が自ら動き始めるのです。

最終章の大阪都構想は別にして、
本書は、世の中の多くのリーダーが
参考にできる本だと思います。

橋下さんへの好き嫌いはあるかも
しれませんが、嫌いな方こそ、
読んで欲しい本です。

この本から何を活かすか?

どうしたら、リーダーとしての明確な
ビジョンを持てるようになるのか?

  「僕は毎日、主要な新聞五紙などを
  読み、様々なニュースに対して、
   “自分はこう考える” という持論を
  頭の中で構築する作業をしています。」

これが何に対しても、自分の意見を
持てるようになるための練習です。

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| リーダーシップ | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1日の仕事を3時間で終わらせるダンドリ術


1日の仕事を3時間で終わらせるダンドリ術

満足度★★★
付箋数:19

  「私が会社を辞めて独立し、税理士業を
  始めたのは2005年です。そして今から
  13年前の2006年頃、税理士として脂が
  乗ってきた私は、1日16時間以上仕事を
  していました。
  しかし今は、1日のうち3~4時間しか
  実質的に仕事をしていません。
  これは誇張でもなんでもなく、
  本当のことです。」

本書は、仕事、環境、行動を徹底的に
見直すことで、1日の労働時間を8割減らす
ことに成功したノウハウを公開した本。

著者は、『「仕事が速い人」と
「仕事が遅い人」の習慣
』なども執筆
している、税理士の山本憲明さん。

このように紹介すると、山本さんは、
税理士で自営しているからできたのでは
ないかと思うかもしれません。

しかし、職種や働く形態に関わらず、
仕事の効率化は可能だと、山本さんは
言います。

  「ほとんどの人は “ムダな仕事” や
   “やらなくていい仕事” で時間を
  浪費しています。また、 “これを
  やらなきゃ” という仕事も、
  よくよく考えてみると単なる
   “思い込み” だったりします。
  私の経験上、 “これをやらなきゃ” 
  と思っていた仕事の大半をやめて
  しまっても、何の問題もありません
  でした。」

本書では、ムダな8割を捨てて、
重要な2割だけに集中することを
目指します。

そのために、最初にするのは
「考え方」を変えることです。

「やらなくてはならない」と思っている
仕事の大半は、実は単なる思い込み。

実際は、今やっている多くの仕事が、
「機械にまかせる」、「人にまかせる」、
「その仕事自体をやめてしまう」の
いずれかの方法で手放すことができる
と山本さんは説明します。

最初に、「やること」を決めると、
仕事がどんどん増えてしまうので、
先に「やらないこと」を決めます。

今やっている仕事を棚卸しして、
ムダな8割と重要な2割を把握します。

レコーディングダイエットのように、
2週間から1ヶ月くらいの期間、
詳細な行動記録をつけながら
仕事をすることが勧められています。

これは仕事だけでなくプライベート
でもやってみると、日頃なんとなく
やっているムダなことが浮かび上がり、
やらなくなっていきます。

例えば、ことあるごとにスマホや
SNSをチェックしてしまう人。

チェックするたびに記録するので、
それが面倒で回数が自然と減って
いくようです。

また本書では、働いてお金をもらう
時給感覚とは、逆の考えを持つことを
推奨しています。

それは、「時間を使ってお金を得る」
のではなく、「お金を使って時間を
増やす」という考え方。

この考え方に変えると、今までよりも、
良質な人生が送れるようになる。

個人的には、本書のノウハウよりも、
考え方の方が役に立ちました。

 第1部 仕事と人生の「ムダな8割」
    を徹底的に手放す
 第1章 身のまわりの「ムダ」を洗い出す
 第2章 あなたのまわりは「ムダなモノ」
    だらけ
 第3章 あなたの1日は「ムダな時間」
    だらけ
 第4章 あなたの頭の中は
    「ムダな気持ち」だらけ
 第5章 あなたの仕事を邪魔する
    「ムダな言葉」を手放す
 第2部 「重要な2割」を徹底的に磨く
 第6章 言葉の使い方を変えて思考を磨く
 第7章 仕事の使い方を磨いて
    仕事の質を上げる

この本から何を活かすか?

本書で、手放すことが勧められて
いたのは、以下の言葉です。

 「だと思います」、「○○みたいです」、
 「いいんじゃないの」、「とりあえず」、
 「考えてみます」、「忙しい」、
 「申し訳ありません」などなど。

こられは、つい使ってしまいがちな、
仕事の邪魔をする言葉です。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リラックスのレッスン~緊張しない・あがらないために


リラックスのレッスン~緊張しない・あがらないために

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは人前で話すときに、
緊張する方でしょうか?

緊張したときに、一番やってはいけない
のが、「緊張しないように」と思うこと。

人はそう思えば、そう思うほど、
一層緊張してしまうものです。

もし、あなたが緊張するタイプなら、
本書は大きな助けになります。

実は、私は緊張しない方法を
探そうと思って本書を手にした
わけではありません。

書店で見かけて、ホワッとした感じの
水色の表紙に惹かれて、なんとなく
手にしました。

しかし、期待しないで読んでみると、
結構これが、実用的な本でした。

  「演劇の歴史は長いです。
  昔から、緊張する俳優はいて、
  それをどうしたら緊張しなくなる
  だろうかと、世界中の演出家や俳優が
  試行錯誤してきたのです。
  演劇界には、リラックスするための
  膨大な知恵と技術の蓄積があるのです。
  その財産と、僕自身の発見と経験を
  加えて、リラックスするための方法を、
  俳優志望ではない一般の人にも、
  分かりやすく伝えることにしました。」

私は、俳優になるような人は、
もともと緊張しないタイプの人だと
思っていましたが、実際はそうでは
ないようですね。

本書の著者は、演出家の鴻上尚史さん。

本書には、鴻上さんが長年蓄積してきた、
リラックスするためのノウハウが
詰め込まれています。

人が、なぜ緊張するかというと、
それは「自意識」があるから。

自意識とは、「自分はどう見られて
いるのだとうか」とか「自分はうまく
やれるのだろうか」という、
自分に対する意識のことです。

これが、わたしたちの身体を強張らせ、
意識を混乱させるのです。

厄介なことに、自意識は「忘れよう」、
「無視しよう」と考えるほど、
大きくなってしまいます。

残念ながら、自意識を完全になくす
ことは不可能です。

そこで本書で勧められているのが、
「与えられた状況」に集中する方法です。

与えられた状況とは、話すセリフに
含まれる情景や様子、情報のことです。

例えば、あなたが結婚式のスピーチを、
新郎の友人代表として頼まれた場合を
考えてみましょう。

大事な場だから、絶対に失敗できない
と考えると、余計に緊張します。

さらに、みんなの表情を見て、
イマイチな反応だと、もうダメだと
思ってしまいます。

そんなときは、スピーチで語る
新郎のエピソードの内容に集中します。

それが部活のエピソードだったら、
リアルに思い出して、内容を五感で
感じながら話すのです。

頭で情景を思い出すでけでなく、
五感で思い出しながら語るほど、
自意識は自然と薄らいでいきます。

「与えられた状況」に集中すると、
人々の視線から自由になれ、
楽に生き生きと話せるようになる。

また、人前で緊張してしまう人は、
「人前で話すことに自信がない」のと、
「話す内容に自信がない」のとの
区別が曖昧になって場合が多いようです。

もし、話す内容に自信がないのなら、
その内容には集中できないので、
緊張してしまうのは当たり前です。

本書は、ここで紹介できなかった
ノウハウも含めて、個人的にはかなり
新しい発見のある本でした。

私は人前で、それほど緊張するタイプ
ではありませんが、人にアドバイス
する際には、参考になると思いました。

この本から何を活かすか?

  「じつは、 “あがり症” の人は、
  他人への関心が薄い人が多いのです。」

例えば、スピーチの順番待ちを
している場合。

自分がうまくできるかを考えるのでは
なく、できるだけ他の人にスピーチに
耳を傾け、徹底的に「観察」します。

他人を観察すると、自意識から離れ、
他人のスキルを取り入れるチャンス
にもなるようです。

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| 心に効く本 | 05:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人を自在に動かす 武器としての「韓非子」


人を自在に動かす 武器としての「韓非子」

満足度★★★★
付箋数:25

著者の鈴木博毅さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

原泰久さんが、週刊ヤングジャンプで
2006年から連載している漫画『キングダム』。

アニメ化、映画化もされ、近年では
類を見ない大ヒットとなっています。

描かれている時代は、紀元前3世紀、
中国の春秋戦国時代の末期から、
秦が統一を果たすまで。

主人公は、下僕から這い上がっていく
武人の信ですが、もう1人の主人公は、
若き秦王の政です。

紀元前221年に史上初めて秦王政は、
中国統一を成し遂げ、始皇帝となります。

その始皇帝が、「この著者と会えるなら、
死んでも悔いはない」とまで言った、
人物と書がありました。

それが中国戦国時代の法家である、
韓非が書いた『韓非子』です。

『韓非子』は、初めて中国を統一した
最強帝国で採用された、人心掌握の
ための法と術の書です。

本書は、『韓非子』を「リーダー論」と
「イノベーション論」の観点から再構成し、
ビジネスで活用できるように解説した本。

著者は、『実践版 孫子の兵法』なども
執筆しているビジネス戦略の専門家、
鈴木博毅さんです。

『韓非子』は冷酷な君主の書とも言われ、
『老子』とは真逆の思想に思えます。

しかし、俯瞰的に見ると、『韓非子』と
『老子』には共通する点があるようです。

  「『老子』は、人間の不安定さを
  ある種の深みと捉える要素があります。
  道(タオ)に従う者、タオから離れる
  者がいることで、栄枯盛衰が起こると
  考えました。
  一方、『韓非子』は人間が不安定で
  気まぐれ、すぐに脇道にそれて
  私欲をとげようとするからこそ、
  法と術で人間を制御すれば、最強国家
  への統治術となると考えたのです。」

共通しているのは、人間が不安定な
ものであるという前提です。

この前提は、紀元前であろうが、
今の時代であろうが全く変わりません。

更に言うと、混沌として先が読めない
今の時代だからこそ、『韓非子』の
冷徹さがリーダーには求められます。

ただし、『韓非子』はその鋭さゆえに、
扱いには知識と経験が必要とされます。

本書は、『韓非子』から現代のリーダー
が活用すべき点を抽出し、現代語訳と
実例をあげて解説しています。

キングダム』の政の思想の背景に、
この『韓非子』の考えがあったと
想像しながら読むと、非常に腹落ちする
ところがありますね。

 第1章 人が動くには法則がある
 第2章 爆発的エネルギーを生み出す
    韓非流「活人術」
 第3章 人を自在に動かすリーダーに
    なる方法
 第4章 転落するリーダーの5つの特徴
 第5章 部下のやる気を潰す上司、
    やる気を3倍に高める上司の違い
 第6章 集団にパワーを生み出す
    イノベーションの正体
 第7章 『韓非子』が指摘した、
    繁栄が続く6つの心理

もし、あなたの所属する組織が、
硬直していたり、衰退が始まっていると
感じたなら、本書のリーダー論は
非常に参考になると思います。

リーダーには、愛情があるからこその、
冷徹さが求められている点は新鮮。

人を動かし、真のイノベーションを
起こすには、何ばあってもぶれない
愛情と冷徹さを併せ持ったリーダーが
必要なのです。

この本から何を活かすか?

リーダーが掲げた約束を、真剣に守ろうと
しなければ、部下はしらけます。

  「結果を出した者に必ず報いること。
  ルールを破った者を必ず罰すること。
  2つの約束に、リーダーがどれほど
  真剣であるかが人を動かすのです。」

ルール違反を許してしまうと、
そこから組織の乱れは生じます。

リーダーが、不正に対しても、
成果に対しても公平に判断を下すことで、
部下は安心して動き始めるのです。

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| リーダーシップ | 05:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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Creative Selection Apple 創造を生む力


Creative Selection Apple 創造を生む力

満足度★★★
付箋数:23

iPhoneやiPadをはじめ、世界中の人々を
魅了するアップル製品。

アップルのユーザーは、今や20億人に
近いとも言われています。

人々を熱狂させるアップル製品は、
一体、どのように開発されているのか?

天才集団のヒラメキによって、
製品開発されているのでしょうか?

  「この本は、私がアップルで過ごした
  15年間についての記録であり、
  アップルに流れる創造のエッセンスを
  抽出するチャレンジである。
  すぐれたソフトウェアを開発する
  ために私が取り組んだこと、
  当時のエピソード、職場で気づいた
  ことなどを盛り込んだ。
  スティーブ・ジョブズ相手に行う
  デモがどんな感じだったか、
  iPhoneのタッチスクリーンが現在の
  形になったのはなぜか、あるいは何が
  アップルのものづくり文化を特別な
  ものにしているかを知りたければ、
  ぜひ読み進めてほしい。」

著者のケン・コシエンダさんは、
かつてiPhoneソフトウェア担当の
主席エンジニアでした。

ブラウザのSafariやiPhoneやiPadの
タッチスクリーン式キーボードの
開発を中心的に行った方です。

本書では経営幹部ではなく、
一人のクリエーターの独白として
アップルのモノづくりが語られています。

そこで明らかにされたのは、意外にも
地道な改善の繰り返しでした。

他社が真似できないような、ひらめきが
アップル製品を非凡なものにしている
わけではないことがわかります。

  「問題を一気に解決する天才的な
  ひらめきを待つことではなく、
  実際、 “ユーレカ” の瞬間が訪れる
  こともめったになかった。(中略)
  私たちはチームの一員として、問題
  の特定、設計、デモ(試作レビュー)、
  製品出荷と一歩一歩前に進み、
  前途有望なコンセプトをピックアップ
  しては改善方法を模索した。」

インスピレーションも必要ですが、
それは勤勉さなしでは報われません。

ダーウィンの進化論に基づくような
地道な選択の繰り返しによって、
アップル製品は洗練されていきます。

より良いものを繰り返し選び取って、
改善を続けることが、凡案を
驚異のアイディアに昇華させる秘訣。

これをクリエイティブ・セレクション
と、本書では呼んでいます。

この選択的改善のプロセスこそが
アップルの創造力の源泉です。

また、コシエンダさんは、
アップルのモノづくりに欠かせない
要素を以下の7つにまとめています。

 1. インスピレーション
 2. コラボレーション
 3. テクニック
 4. 勤勉さ
 5. 決断力
 6. テイスト
 7. 共感力

これらの要素を組み合わせて試作品を
作り、ひたすらデモを繰り返す。

それがアップルの創造力を生みます。

本書は、Safariの開発プロセスや、
iPhoneのタッチスクリーンの開発秘話を
中心に話が進みます。

そして、ジョブズさんへのデモの
様子も克明に書かれています。

アップルの開発現場のリアルな
空気感が伝わってくる本としては、
なかなか貴重です。

アップルのコアなファンはもとより、
アップルのモノづくり興味がある方には、
かなり響く一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

  「アップルでは、会社全体がミーティング
  やチームを小さい単位にとどめることに
  よって、効率が保たれるとともに、
  最小の人員で最大の成果を上げるという
  強い基本方針があった。」

アップルのミーティングは少数精鋭で
話し合って結論を出します。

その成果物として、デモが行われ、
ジョブズさんが決断を下すサイクルが、
繰り返されていたようです。

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| アイディア・発想法・企画 | 05:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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内向的な人のためのスタンフォード流 ピンポイント人脈術


内向的な人のためのスタンフォード流 ピンポイント人脈術 (ハフポストブックス)

満足度★★★★
付箋数:24

あなたは、「外交的」な性格でしょうか、
それとも「内向的」な性格でしょうか?

もし、「内向的」と自覚があるなら、
本書は必ず参考になります。

内向的とまでは言えなくても、人づき合い
が苦手だったり、人脈づくりが得意では
ない方には、読んでほしい本です。

名刺をパンパンに膨らませ、出会った人に
次から次へと話しかけまくり、会合が
終わった後も、飲みに行って人脈を築く、
「人脈モンスター」と呼ばれる方がいます。

しかし、「人脈モンスター」が活躍する
時代は、もう終わりを迎えています。

なぜなら、SNSの発展により、個人が組織に
頼らなくても、「本当に会いたい人」と
人脈を築きやすくなったから。

また、インターネットやテクノロジーの
進化で、個人が1人でできることが格段に
増えたからです。

  「人づき合いが苦手でも良い。
  誰とでもつながれるSNSが広がった
  からといって、みんなとつながら
  なくてもいい。 “人脈” という、
  得体の知れないものを追いかける
  よりも、自分の内面とじっくり
  向き合ったほうがいい。
  限られた好きな人たちとピンポイント
  でつき合っていくだけで、うまくいく
  と私は確信しているのです。」

著者は、世界最大級のニュースメディア、
ハフポスト日本版の編集長を務める、
竹下隆一郎さんです。

竹下さん自身も、極度の人嫌いで、
内向的な性格の方です。

そんな性格だからこそマッチしたのが、
本書で紹介される「ピンポイント人脈術」。

これは、竹下さんがスタンフォード大学
で学んだ、「じっくり考える人」向けの
人脈術です。

ピンポイント人脈術には、「キャリアを
自由に設計できる」、「新規プロジェクト
がうまくいく」、「組織を変える」
という3つのメリットがあります。

本書で紹介される、スタンフォード流の
「ピンポイント人脈術」は、次の7つです。

 1. まずは7人の「好きな人」を見つける
 →「正しいこと」よりも「好き」の感情
  を優先させ、7人とだけつながります。

 2. 「うん、でもね」「そうは言っても」
  を口にする人は相手にしない
 →賛成か、反対かをハッキリ言わない
  「Yes、But」人間は避けます。

 3. 名刺交換をせずに会話をはじめる
 →名刺に書いていない情報で会話をする
  ために、スモールトークのネタを3つ
  A4用紙1枚に書いておきます。

 4. 自分だけの「ビジネスコーチ」をつける
 →1週間で30分のコーチングを受ける
  時間を設ける。ピンポイント人脈で
  つながった人に頼んでもよい。

 5. 抽象的な話で会話と思考の幅を広げる
 →具体的な話は解釈の幅を狭くするので、
  ときには抽象的な問題提起をして、
  想像力をかき立てます。

 6. 「紙とペン」を使って引きつける
 →相手の目の前で、紙とペンを使った
  具体的なモノで表現して印象に残す。

 7. 不良が活躍する時代、「小さな変革者」
  を探す
 →会話によって物事を進める破壊願望が
  ある人や、1.1倍の改革を続けている人
  を見つけてつながる。

これらの「ピンポイント人脈術」は、
外交的・社交的な性格でなくても、
できることばかりです。

これまで、内向的であることにハンデを
感じていた人にこそ、実践して欲しい
人脈術です。

内向的な人にとって、大事な少数の個人と、
深い関係を築いた方がうまくいくのは、
本当に救いになると思います。

この本から何を活かすか?

  「不良でのし上がっていく奴は、
  口がうまい。勉強ができる人は名刺や
  書類などの “文字” で戦っているけど、
  不良は “会話” で勝負している」

これは本書で紹介されていた、歌舞伎町の
異色のホストクラブ経営者として知られる
手塚マキさんの言葉です。

私は、本書で初めて手塚さんを知り、
興味が湧きました。

せっかくなので、手塚さんが書いた本、
裏・読書』を読んでみようと思います。

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頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て


頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て

満足度★★★
付箋数:22

著者の小川大介さんより献本頂きました。
ありがとうございます。

多くの親は、子どもに「頭のいい子」に
育って欲しいと願います。

しかし、親が育ってきた時代の「頭のよさ」
と、これからの時代の「頭のよさ」が
違うことに、多くの親は気づいていません。

今の親世代が、子どもの頃、頭のよさは、
「知識量」「問題処理の速度」「正確さ」
の3点で測られていました。

つまり、「みんなができること」を
「みんなよりも多く、速く、正確に」
できることが求められていました。

しかし、時代は変わりました。

これからの時代、「みんなができること」
は、AI(人工知能)が誰よりも多く、
速く、正確に処理してくれるように
なります。

そのため「みんなができること」よりも、
「誰にも負けない自分ならではの強み」を
持つことが、求められるよになります。

これからの時代における「頭のいい子」
とは、「自分の強みを社会で発揮できる」
子と言えるのです。

では、そんな子にはどうしたら育てる
ことができるのでしょうか?

その親の疑問に答えるのが本書です。

著者の小川大介さんは、中学受験のプロ
として、これまで5000組以上の面談を
行ってきました。

その中で、見つけた子育ての秘訣を
本書で公開します。

最大の秘訣は、本書のタイトルにも
なっている、「見守る」子育てです。

多くの親は、親の目から見て教育に
よさそうなものを「与えすぎ」ている
と小川さんは指摘しています。

具体的には、小学生のわが子の放課後
の時間を、習い事で埋め尽くしている
ケースです。

与えすぎは、子どものエネルギーを奪い、
伸び悩み、苦労する傾向になりがち。

習い事は、詰め込みすぎずに、
子どもが夢中になれるものに絞って、
「一点豪華主義」にした方がいい
ようです。

忙しすぎると、心が動かなくなるので、
子どもには自由に考えを巡らせる
時間を与えるべきと小川さんは言います。

ここで言う、「一点豪華主義」とは、
1つの習い事にお金をかけるという
意味ではありません。

かけるべきものは、お金ではなく、
「親の関わり」です。

また、「与えすぎ」はよくありませんが、
本書では「与えたほうがいいもの」も
3つ挙げています。

1つ目は、「勉強するのが当たり前」
という考え方。

勉強したら、世の中についてわかること
が増えて、毎日が面白くなると親自身が
理解し、子どもに伝えることが大切です。

2つ目は、「情報を取り入れる技術」。

知りたいという気持ちを満たすために、
自分で必要な情報を必要なだけ
得られるように、取り入れ方を教える
必要があります。

3つ目は、「環境に出会うチャンス」。

知らないものは、興味の持ちようが
ないので、新しい環境に出会う
チャンスを親が作ってあげるように
します。

本書では、親ががんばり過ぎないで、
子どもが伸びる「見守る子育て」を
具体例を挙げながら、わかりやすく
解説します。

果てして、本書の方法は本当に効果が、
あるのか?

そう思った方は、ご安心ください。

小川さん自身が、本書の方法を実践し、
息子さんが2019年の中学入試で、
灘中・開成中・筑波大付属駒場中の
すべてに合格したそうです。

子どもの能力を伸ばすには、
「9歳前後まで」の育ち方が最も重要
だと言われます。

小さいお子さんのいるご家庭では、
親の関わり方として、参考になる本
だと思います。

この本から何を活かすか?

山口県で長く教育に携わった、
緒方甫さんの「子育て四訓」が
本書で紹介されていました。

 1. 乳児はしっかり肌を離すな
 2. 幼児は肌を離せ 手を離すな
 3. 少年は手を離せ 目を離すな
 4. 青年は目を離せ 心を離すな

親が取るべき、子どもとの距離感が、
絶妙に表現されている言葉ですね。

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| 勉強法 | 05:46 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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外資の流儀 生き残る会社の秘密


外資の流儀 生き残る会社の秘密 (講談社現代新書)

満足度★★★
付箋数:24

日本の労働生産性は、先進7カ国(G7)
中最下位、アメリカの約3分の2。

昨日紹介した、崔真淑さんの本、
30年分の経済ニュースが1時間で学べる
で、日本の生産性が低い原因は、
解明されていないと書かれていました。

しかし、本日紹介する本『外資の流儀』
の著者、中澤一雄さんはその理由を
明確に言い切っています。

  「日本企業の生産性がアメリカの企業の
  半分程度にとどまってしまっている
  最大の原因は、日本企業が新卒採用や
  年功序列、終身雇用といった日本流の
  経営を続けており、世界標準である
  外資流の経営手法を取り入れて
  いなかったからだと私は考えています。
  好むと好まざるとにかかわらず、
  近い将来、日本の企業は必ず、
   “外資型” に変わっていくでしょう。
  なぜなら、外資型に変わらなければ
  生産性が低いままで生き残れない
  からです。」

本書は、日本企業の生産性向上のため、
外資流の効率経営を推奨する本です。

著者の中澤さんは、マクドナルドや
ディズニーなどで45年間働いた経験
のある、外資系元トップの方です。

中澤さんが挙げる、日本の生産性が低い
原因をもう少し詳しく見てみましょう。

1つ目は、新卒採用はデメリットが
多すぎること。

もちろん、外資系企業で新卒採用が
完全にないわけではありません。

ただし、外資系企業では学生時代に
インターンとして、実務経験をかなり
積んでいるので、業務知識がない状態
で採用されることはありません。

2つ目は、年功序列という摩訶不思議な
システムが採用されていること。

日本でも崩壊しつつありますが、
年功序列では、勤続年数で昇格します。

一方、外資ではジョブディスクリプション
とジョブサイズをクリアしなければ、
昇格はありません。

ペイ・フォー・パフォーマンス
(働き方に応じた給与)の考えが、
徹底されているのです。

3つ目が、終身雇用・定年制が生み出す
「生産性ゼロ」の社員がいること。

日本には「窓際族」という言葉が
ありますが、外資にはそういう存在は
ありまあせん。

なぜなら、結果を出せない人は、
退職勧奨されて会社に残れないから。

中澤さんは、これら日本独自のシステムが
生産性が低い元凶だと、断言しています。

では、日本企業は今後どのように
改革していったらよいのでしょうか?

中澤さんが挙げる「勝利の方程式」は
次の8つです。

 1. タイトル(職位)別の職務内容と
  仕事の領域の確定
 2. 期初前に個人目標を設定
 3. 期末の成果重視による人事評価
 4. 業務改善と退職勧奨
 5. 後継者育成計画
 6. 外資流のリストラクチャリング
 7. 5年戦略計画
 8. 年間遂行計画

これらは、外資では当たり前のように
行われていること。

グローバル化が進んだ世の中では、
この「勝利の方程式」を実践して、
世界の企業と伍していかなければ、
生き残っていけないのです。

本書では、中澤さんのこれまでの経験を
交えて、豊富な事例も紹介されています。

企業のトップの方はもちろんですが、
一般社員でも、今の会社のシステムに
モヤモヤとしている方は、読んだ方が
いい本だと思います。

この本から何を活かすか?

中澤さんは、本書で転職を勧めています。

転職を決断する条件は3つ。

 ・仕事が楽しくない
 ・パッション(情熱)がなくなった
 ・会社の売り上げが上がらない。
  もしくは右肩下がり

ただし、転職するにはスキルがないと、
受け入れ先がないので要注意です。

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| 経営・戦略 | 05:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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30年分の経済ニュースが1時間で学べる


30年分の経済ニュースが1時間で学べる

満足度★★★
付箋数:23

これからの時代を生きていくためには、
過去の歴史を学ぶ必要があります。

特に、過去30年は「グローバリズム」と
「テクノロジーの進化」によって、
世界経済の潮流が大きく変わり、
過去を振り返る上で、非常に重要です。

また、私たちが、日々流れている
経済ニュースを見聞きしているだけでは、
どうしてもその事象を「点」で捉える
ことしかできません。

そこで日本経済・世界経済で起こった
事象のつながりを確認し、「面」で
捉えるために、この本は書かれました。

  「本書は1989年からの30年間、
  つまり世界経済においては東西冷戦の
  終結から米中新冷戦まで、日本経済に
  おいてはバブル崩壊から “令和” 時代
  の幕開けまでの経済ニュースの
  ポイントを厳選しています。」

著者は、エコノミストの崔真淑さん。

日経CNBCで最年少の経済解説委員会
コメンテーターとして就任し、
テレビや雑誌でも活躍してる方です。

私はこれまで、崔さんの外見から、
若い女性のエコノミストなので、
メディアでは一定の需要があるのだろう
程度にしか思っていませんでした。

しかし、本書を読んで良い意味で、
期待が裏切られ、崔さんに対する見方が
変わりました。

本書では、世界・日本の経済ニュースを、
これ以上ないぐらい、わかりやすく
解説しています。

これ以上わかりやすく書いてしまうと、
逆に誤解を与え、本質が伝わらなくなる
ギリギリのところ。

例えて言うなら、本書に関しては、
池上彰さん並のわかりやすさです。

視点の偏りのなさでは、池上さんには
及ばないものの、複雑な経済ニュースを
シンプルに伝える点においては、
いい勝負をしているように思えます。

過去30年を振り返る前に「5分でつかむ」
戦後の世界経済と日本経済につても、
10ページで簡単にまとめられています。

その上で、過去30年の経済ニュースから
88項目をピックアップして解説します。

本書の章立ては以下の通りです。

 1. 世界経済の動きをつかむ
 2. 日本経済の動きをつかむ
 3. 日本企業の盛衰を読む
 4. 令和の日本が抱える問題
 5. デジタル覇権をめぐる争い

それぞれのトピックでは疑問を投げかけ、
それに答える形で、解説を進めます。

 ・テロは経済にどんな影響がある?
 ・イスラム金融のしくみはどうなっている?
 ・日本のバブルはどうしてはじけたのか
 ・日本企業のROEはなぜ1ケタ台なのか?
 ・宇宙ビジネスって何がすごいの?
 ・格差社会に急速に突入したわけは?
 ・アマゾンとアリババはどう違うのか?
 ・暗号資産と既存の通貨はどこが違うの?

扱いっている話題は多岐に渡っています。

本書が解説するのは、経済の基礎の基礎。

経済があまり得意ではない方にとっては、
うってつけの入門書です。

解説の半分は図解で占められているので、
苦手意識を持たずに読み進められます。

これさえ読んでおけば、経済ニュースを
聞いたときの理解度は、かなり大幅に
アップすることでしょう。

経済ニュースを普通に理解している方
からすると、本書はちょっと平易過ぎる
と感じると思います。

しかし、そんな方でも苦手な分野や、
疎い分野は必ずあるはず。

そこを埋めるだけでも、本書を
読む価値は十分にあると思います。

この本から何を活かすか?

日本の労働生産性が「先進国最下位」
のわけは?

日本の労働生産性は先進7カ国(G7)
中最下位、アメリカの約3分の2しか
ありません。

この問題、実はまだ、解明されて
いないようです。

  「なぜ日本の生産性は低いのかに
  ついては多くの研究が行われている
  ものの、決定的な要因は見つかって
  いないといいます。(中略)
  日本の労働生産性の低さの原因に
  ついて、統計学や経済学の共通解は
  ありません。」

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| 経済・行動経済学 | 05:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方


「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方

満足度★★★★
付箋数:26

このまま今の会社にいていいのか?

多くの人が、このようにモヤモヤと
悩んでいます。

2018年6月に紹介した北野唯我さんの
転職の思考法』は、転職本の中では、
非常に面白い本でした。

本書は、それに匹敵する本。

いや、本書の方がオススメできる
かもしれません。

あなたには、「自分の人事権」を
持っていますか?

自分の人事権とは、就きたい
ポジションがあれば、そこに自由に就く
ことのできる力です。

1つの会社にいて、自分自身の人事権を
持っている人は、滅多にいないでしょう。

しかし、好きなタイミングで、
自分がやりたい仕事に「転職」できると
すると、それは人事権があるのと同じ
ことになります。

本書は、自分軸で価値を作り、
「いつでも転職できる」を武器にする
ための本です。

著者は、人事・戦略コンサルタントの
松本利明さんです。

松本さんは、これまで5万人以上の
リストラと、6500人を超える次世代
リーダーの選抜や育成を行ってきた
「人の目利き」。

本書では、その豊富な経験から、
会社や世の中がどのように変わっても、
戦っていける、キャリア構築の方法を
伝授します。

まずは、最近よく聞くようになった
「やりたいこと」をやって、
本当に稼げるのかという問いについて。

実際、「これがやりたい」と、
明確にやりたいことを持っている人は
少ないものです。

なぜなら、やりたいことの9割は、
情報によってもたらされるものだから。

頭だけで考えても、本当にやりたいか
どうかは、わからないのです。

そこで、松本さんは、やりたいこと
よりも、「向いていること」を
見つけることを推奨しています。

向いている仕事の中で、
次に「儲かる」仕事を探すのです。

例えば、経理の仕事が向いているとして、
同じ経理職に就いたとしても、
業界によって報酬は大きく異なります。

TV局なら年収1000万円を超えますが、
介護の業種なら年収350万円ほどです。

これは業界によって、儲けの構造、
いわゆるビジネスモデルが違うため、
ほとんど同じ仕事をしていても、
年収に3倍もの差が生じるのです。

自分軸に合っていて、かつ、
儲かる市場構造の仕事に就くのが、
探すべき「自分の居場所」です。

「自分の居場所」で働くことで更に、
自分をいつでも好きなときに高値で
売ることができるようになります。

そして、キャリアはアップさせる
のではなく、スライドさせるのが正解。

キャリアはアップすれば、するほど、
市場自体は狭くなってしまいます。

そこで、同じキャリアでも横に
スライドさせることで、楽に市場が
広がっていきます。

スライドする方向は、「逆張り」。

ライバルの少ないアウェイに
スライドすると、成功する確率が
高くなります。

そのために、本書では自分軸で売れる
キャラを組み立て、市場価値をつくる
方法を解説します。

松本さんの説明は、かなり納得感があり、
今後、自分がこれから歩むべき道が
明確に見えてきます。

本書は、今すぐにでも転職しようと
考えている人にはもちろん、
まだ具体的に転職を考えていない人の
キャリア形成にも役立つ本です。

この本から何を活かすか?

  「これからの時代は、『北斗の拳
  ではなく、『ONE PIECE』で
  いきましょう。」

これが松本さんからの提案です。

北斗の拳のように、一生のうちで
使うか使わないかわからない技、
秘奥義まで習得すると時間がかかり、
無駄が多くなります。

それよりも、これからの時代は、
「自分が食べた悪魔の実=自分の資質」
をハッキリさせて、それに磨きをかる
キャリア形成の方が合っているようです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 04:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略


GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略

満足度★★★★
付箋数:26

  「2018年春頃から一気に顕在化してきた
  米中貿易戦争、私は、その本質を
   “貿易×テクノロジー覇権×安全保障” 
  の戦いであると見ています。
  貿易戦争自体は表面的には比較的早期に
  収束する可能性がある一方、
  テクノロジー覇権と安全保障に関する
  戦いは長きにわたると予測されます。」

その米中でテクノロジーの覇権争い
をしているのが、「GAFA」と「BATH」。

GAFAとは、言わずとしれた、グーグル、
アップル、フェイスブック、アマゾン
の米国4社のこと。

これに対して、BATHとは中国のバイドゥ、
アリババ、テンセント、ファーウェイ
の4社を指します。

これらの米中メガテック企業8社は、
テクノロジー企業と言うより、
プラットフォーマーと呼ばれる、
独自の経済圏を築く企業です。

その覇権争いが、米中貿易戦争の根底に
あるのです。

本書は、8社を分類・比較・分析して、
各社の今後の動向と、米中新冷戦の行方を
占う本です。

 「アマゾン」対「アリババ」
 「アップル」対「ファーウェイ」
 「フェイスブック」対「テンセント」
 「グーグル」対「バイドゥ」

著者は、『アマゾンが描く2022年の世界
が好評だった、立教大学ビジネススクール
教授の田中道昭さんです。

田中さんは、本書の分析によって次の5つが
見えてくると説明しています。

 1. 「プラットフォーマーの覇権争い」
  が読める

 2. 「先駆者利益を創造する存在となった
  中国勢の動向」が読める

 3. 「同じ事業ドメインから異なる進化を
  遂げる理由」が読める

 4. 「産業・社会・テクノロジー・
  あるべき企業の未来」が読める

 5. 「日本の未来」が読める

テクノロジー覇権争いには加わることが
できなかった日本ですが、間違いなく、
こらら米中のメガテック企業の影響は
日本にも及びます。

その意味では、日本企業が今後取るべき
戦略についても示唆を与えてくれます。

本書で興味深いのは、分析する際に、
既存のフレームワークを使わずに、
独自のフレームワークを用いていること。

SWOT分析、PEST分析、3C分析などの
よく知られたフレームワークだけでは、
国家にも匹敵する規模の企業の全体像は
押さえることができないようです。

そこで本書では、孫子の兵法を基にした、
「5ファクターメソッド」という
フレームワークを採用しています。

5ファクターとは、孫子の兵法で
戦いをデザインするとされる、「道」
「天」「地」「将」「法」の5項目です。

「道」とは、企業としてどのように
あるべきかのグランドデザイン。
各企業の戦略目標に当たります。

「地」とは、外部環境を踏まえた
タイミング戦略のこと。

「地」とは、地の利を指します。
市場・業界構造のことです。

「将」と「法」は、戦略を実行に移す
際の両輪で、リーダーシップと
マネジメントに該当します。

前著の『アマゾンが描く2022年の世界』も
実は、5ファクターメソッドの分析を
用いて、まとめたものだったようです。

GAFAを模倣する格好でスタートした
BATHでしたが、局所局所で見ると、
本家を十分に脅かすところまで来ている
ことが本書の分析でよくわかります。

ルールを変えるプラットフォーマーの
覇権争い後の未来を見通すために、
本書は、是非、読んでおきたい一冊。

この本から何を活かすか?

本書では、最後に5ファクターメソッドの
基になった孫子の兵法からの一文、
「兵は国の大事なり」を掲載しています。

[原文]
 孫子曰く、兵とは国の大事なり。
 死生の地、存亡の道、察せざるべから
 ざるなり。
 故に、之を経るに五事を以てし、
 之を校ぶるに七計を以てし、
 その情を索む。
 一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、
 四に曰く将、五に曰く法なり。

本書を読んで、もう一度、孫子の兵法を
学び直したいと思いました。

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| 経営・戦略 | 05:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世にも危険な医療の世界史


世にも危険な医療の世界史

満足度★★★★★
付箋数:28

  「通常はインチキ療法というと、
  詐欺目的で治療を行うことや宣伝する
  ことを意味するが、なかには効果がある
  と信じて宣伝する人もいる。(中略)
  何百年も前のことだったために、
  科学的な手法がまだ文化に根づいて
  いなかったケースもある。
  現代の私たちが見るとくだらない
  治療法はたくさんある。
  イタチの睾丸が妊娠に効く?
  出血を治療するためには瀉血する?
  失恋の痛手を癒すために熱々の
  焼きごてをあてる? ―――
  どれも実際に行われていたことだ。」

本書は、科学が未発達だったがゆえに、
これまで人類が行ってきたトンデモ治療
の歴史を綴った本。

すごく面白い本に出会ったと思うと
同時に、今の時代に生きていて良かった
と実感できる本です。

著者は、内科医のリディア・ケインさん
とフリージャーナリストのネイト・
ピーターセンさんです。

表紙に使われている絵は、17世紀に
梅毒患者が受けるスパ治療を描いたもの。

当時、水銀を吸い込むと体に良いと
考えられていました。

中央に描かれている手榴弾のような
形の釜で行われるのは、裸の患者を
水銀入の釜に入れる、蒸し風呂療法です。

こうした治療が行われていたのは、
古代ローマの医学者、ガレノスさんが
提唱した「四体液説」が信じられて
いたからです。

四体液説とは、人間の体液は、血液、
粘液、黄胆汁、黒胆汁の4種類からなり、
このバランスが崩れると病気になる
という考え方です。

そのため、病気を治すためには、
嘔吐、下痢、発汗、唾液を過剰に分泌
させて、四体液のバランスを整える
治療が行われていました。

水銀中毒になると、口から大量の唾液が
分泌されるので、それで病気が治ると
信じられていました。

実は、米大統領のリンカーンさんも
その犠牲者の一人でした。

大統領になる前に、リンカーンさんは
気分障害、頭痛、便秘などの症状に
悩まされていました。

そこで処方されたのが、水銀入の丸薬。

しばらくこれを服用していましたが、
さすがにその丸薬を飲むと症状が悪化
するだけと気づき、ホワイトハウスに
入ってからは服用量を減らしたようです。

他にも本書では、以下のような治療法が
紹介されています。

 ・ラドンが溶け込んだ放射性飲料水を
  がぶ飲み!

 ・溺れて意識を失ったら、タバコを
  尻に挿し込んで蘇生!

 ・大量に出血した患者には
  ブランデーを生で注射!

 ・ペストになったら粘土を食べて解毒!

 ・ヒルを肛門に突っ込んで内臓から瀉血!

 ・ヤギの睾丸を身体に移植して若返り!

まさにトンデモ治療のオンパレードです。

これらの治療は、詐欺目的だったり、
悪意をもって行われた訳ではないのが、
逆に怖いところです。

ある治療を行って効果があるように
見ると、本当は別の理由で回復して
いても、そのトンデモ治療が信じられ、
まかり通っていました。

ひょっとすると、私たちが今、
効果があると信じている治療法も、
100年後の未来では、トンデモ治療に
見えるのかもしれません。

本書は、扱っている題材もさることながら、
著者の、皮肉とユーモア溢れる語り口が
本書をより一層魅力的なものにしています。

アメリカで出版されて大きな反響を呼んだ
というのも納得できる一冊。

私の中では驚きの連続で、今年の上半期で
一番に推薦したい本です。

この本から何を活かすか?

同じ文藝春秋からの出版で似たような
タイトルの本がありました。

 『世にも奇妙な人体実験の歴史

著者が違うので、本書と同じように
面白いかどうかわかりませんが、
こちらの本も読んでみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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