活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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独楽の科学 回転する物体はなぜ倒れないのか?

満足度★★★★
付箋数:24

  「♪もういくつ寝るとお正月、
  お正月には凧あげて、
  コマを回して遊びましょう・・・」

童謡「お正月」はこんな歌詞でしたが、
果たして今の日本で、お正月に凧やコマで
遊ぶ子どもは、どれくらいいるのか?

私はそんなことを考えながら、
本書を読みました。

本書は独楽(コマ)をテーマにした
ちょっとマニアックな本ですが、
知的好奇心をいい感じで刺激します。

著者は東京工業大学理学院物理学系助教の
山崎詩郎さん。

走査プローブ顕微鏡を用いた量子力学を
専門とする方です。

山崎さんは、コマの回し手としては
素人でしたが、物理の専門家として、
「全日本製造業世界コマ大戦 2015」の
地区予選にゲスト解説者として呼ばれました。

その席で、せっかくだったら理論的に
強いハズのコマで、選手として出場しないか
と打診され、冗談半分で出場しました。

その結果、解説者という立場なのに、
空気を読まずに優勝してしまったそうです。

それ以来、コマの魅力に取り憑かれて、
本格的にコマを収集し始め、今では
「コマ博士」と呼ばれるようになりました。

さて、やはりコマの魅力は、倒れそうでも、
なかなか倒れないこと。

なぜ、コマは倒れないのか?

その理由はいくつかあります。

1つ目の理由は、「角運動量保存の法則」
があるから。

一定の重さがある車は、急に止まることも、
曲がることもできません。

それと同じように、一度垂直なって
回り出したコマは、急に止まることも、
傾くこともできません。

そして、もう1つの理由は「ジャイロ効果
による歳差運動」があるから。

コマの回転軸の向きが傾いて変わると、
重力による力のモーメントの回転軸も
一緒に変わることを繰り返します。

そのためコマの回転軸は円を描くように
変わり続けます。

かなり、端折って書きましたので、
正確なところは、本書をお読みください。

また、本書では山崎さんの経験と物理的な
考察により、「最強のコマ」の形を
導き出しています。

最強のコマを考える要素は8つあります。

  本体の直径:2センチメートル
  本体の密度:高密度のタングステン合金
  本体の高さ:1センチメートル
  底面角度:適度な30度ぐらい
  先端半径:2ミリメートルぐらい
  軸の太さ:6ミリメートルぐらい
  軸の長さ:1.5センチメートルぐらい
  軸の密度:軽くて硬いアクリル製

上記の仕様の「王道コマ」が理論的には
強いはずです。

しかし、人の英知は驚くべきもので、
実際のコマ大戦では、千姿万態のコマが
登場し、更に進化を遂げているようです。

 ・合気道のように勝つ軽量型コマ
 ・遠心力で開く開き系変形型コマ
 ・倒れても立ち上がる高重心型コマ
 ・相手を吹き飛ばすイボ型コマ
 ・無敵の防御を誇るベアリング型コマ
 ・戦わずして勝つ一点静止型コマ

また本書では、コマの仲間として回転系の
おもちゃや遊びについても解説してます。

かなりディープな世界が広がっていますが、
それを科学的に本気でやっているのが
面白いところです。

  「おもちゃのコマから始まって、
  大きな世界の銀河系から、小さな世界の
  スピンまで。世の中には回転している
  ものや回転に関するもので満ちています。
  まさに、世界はコマからできている
  と言っても過言ではないのです。」

この本から何を活かすか?

全日本製造業世界コマ大戦」とは?

全国の中小製造業が自社の誇りを賭けて
作成したコマを持ち寄り、所定の土俵上で
一対一で対決さる大会です。

トーナメント方式で勝ち上がり、
勝った側は負けた側のコマを奪います。

つまり、優勝者は他の参加者のコマを
「総取り」することになります。

日本の製造業を元気にする目的で、
2012年から開催されている大会です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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