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宗教はなぜ人を殺すのか ―平和・救済・慈悲・戦争の原理

満足度★★★
付箋数:20

さくら舎さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたの信仰する「宗教」は何ですか?

こう聞かれると、かなり多くの日本人は
「無宗教」と答えるそうです。

しかし、そうは言っても、死んだ場合は、
お坊さんに経を読んでもらい、戒名をつける
方も多いと思います。

また、正月には神社に参拝し、お盆には
お寺を訪れる方も多いでしょう。

日本人が「無宗教」と答える理由には、
いくつかの宗教と薄く関わっているから。

1つの教義だけを信仰するのではなく、
入会の儀式を経ていないことで、
信仰への自覚が少ないのでしょう。

そんな日本人には関心が薄い「宗教」ですが、
あなたは「宗教」という言葉を聞くと、
どのようなイメージを抱くでしょうか?

本書の著者、宗教学者の正木晃さんは、
相反する2つのイメージがあると言います。

1つは、平和、愛、救い、慈悲、心の平安
などの良いイメージです。

いずれも心地よく響くもばかりで、
各教の聖典やお寺や教会などの布教の場でも
こういった言葉が説かれています。

もう1つは、宗教の名のもとに行われる
テロ、戦争、殺人、暴力などのマイナスの
イメージです。

特にイスラム原理主義者によるテロ事件や、
オウム真理教の事件などの記憶もあって、
宗教に嫌悪感を抱く人もいるでしょう。

実は、宗教には常に暴力と共に歩んできた
歴史があります。

日本に初めて仏教が伝えられたときには、
崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏が戦いました。

戦国時代には、浄土真宗の信者が一向一揆を
起こしました。

江戸時代には、キリスト教信者が蜂起して、
島原の乱を起こしました。

世界に目を向けてみても、十字軍の遠征や、
宗教戦争など、もっと大規模な暴力を
振るってきました。

  「洋の東西を問わず、また時代を問わず、
  宗教は戦い、人を殺してきたのです。
  これは否定できない事実です。
  では、平和、愛、救い、慈悲、心の平安
  などを説く宗教が、暴力と縁が切れない
  原因は、いったいどこにあるのでしょうか。
  宗教は、宗教以外の要素、たとえば政治的な
  圧力や強制をうけて、やむなく戦い、
  人を殺してきたのでしょうか。
  それとも、宗教の中に、もともと戦い、
  人を殺す論理や理由があるのでしょうか。」

本書は、それぞれの宗教の教義を紐解き、
宗教の持つ2面性の謎に迫ります。

 第1章 イスラム教
  -宗教の名のもとに戦う
 第2章 ユダヤ教
  -暴虐に満ちた『旧約聖書』の世界
 第3章 キリスト教
  -暴力を容認してきた愛の宗教
 第4章 仏教
  -「空」がもたらす殺人肯定
 第5章 宗教の陥穽

特定の宗教だけを扱うのではなく、
4大宗教について横断的に見ていくことで、
わかってくることがあります。

それは、どの宗教も殺人や戦争をもたらす
暴力を肯定してきたということ。

暴力を肯定どころか、それを積極的に
正当化してきた宗教もあります。

いずれにしても、暴力を正当化するのは、
聖典の解釈の「さじ加減」によるもの。

そこには、オウム真理教の「ポワ」の
論理に近いものがあるようです。

本書は、私のように宗教に疎い人でも
理解できる、宗教の入門書としても
読むことができます。

この本から何を活かすか?

私が本書で驚いたのは、ユダヤ教の
「旧約聖書」の持つ暴力性についてです。

まず、創世記の「カインとアベル」の
物語で、カインはアベルを殺します。

ヤコブの2人の息子は大量虐殺を行い、
ソドムとゴモラは町ごと天からの
硫黄の火によって滅ぼされます。

出エジプト記でモーセは大量殺人を命じ、
レビ記や民数記では戒律に背いた者は、
石で打ち殺されます。

とにかく、旧約聖書では神に従わない者は、
徹底的に滅ぼされるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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