活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2018年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2019年02月

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ゴーン・ショック! 事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方


ゴーン・ショック! 事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方

満足度★★★
付箋数:21

  「2018年11月19日、日本のみならず世界の
  経済界に衝撃が走った。日産自動車会長
  (当時)のカルロス・ゴーンが、自身の報酬を
  50億円近く過少申告した金融商品取引法違反の
  容疑で東京地検特捜部に逮捕されたのだ。
  その後の調査では、不記載の報酬は120億円
  にも上ると報じられている。」

こういった旬の話題で、かつ捜査中の事件を
扱った本を購入するのは、どうしても
二の足を踏んでしまうところがあります。

事件の真相が明らかになるに連れ、
当初言われていたこと、違った見方になる
可能性があるからです。

紹介するのが遅れてしまいましたが、
本書は、2018年末に緊急出版された本です。

限られた情報の中で書かれているので、
もちろん、予測を含む部分はあります。

しかし、まずはこの短期間で200ページの
本を書き上げ、出版したスピード感に
敬意を表したいですね。

そして、本書の内容は事件の真相より、
事件が起こった背景にページを割いて
いるので、十分に読む価値がありました。

著者は作家・経済評論家の渡邉哲也さん。

普段から、ルノーや日産に対するネタを
を持っていないと、これだけ短時間で
書き上げることはできなかったでしょう。

なぜ、ゴーンさんは逮捕されなくては
ならなかったのか?

日本でもフランスでもカリスマ経営者と
認識されていた、ゴーンさん。

しかし、だんだんその悪意と異常性が
見えてくると、ゴーンさんの顔が
立派な悪人面に見えてくるから不思議です。

まず、言われれいるのがマクロン大統領が、
基幹産業としての日産自動車が欲しかったと
いうことです。

日産はルノーによって救われたとばかり、
思っていましたが、実態は違っていました。

もともとルノーは国営企業だったため、
今でも政府の影響力が大きく働いています。

しかも、日産にとってではなく、
ルノーにとって日産が命綱だった。

  「ルノーの純利益の半分は、日産からの
  利益が支えているからだ。2017年の販売台数
  は日産自動車が581万6278台に対して、
  ルノーは376万1634台だった。
  ルノーにとって日産はなくてはならない
  存在であるのに対して、日産にとって
  ルノーは必ずしも必要な存在ではない。」

そして、事件の背景として見えてくるのは、
アメリカと中国の経済戦争です。

マクロン政権は中国への傾斜を強めて、
アメリカへの対立姿勢を表していました。

  「今回のゴーン逮捕は、反グローバリズム
  を強める国と、これまで不当なかたちで
  グローバリズムの恩恵を受けつづけ、
  これからもそれを失いたくないという
  勢力の対立のなかで起こったことであり、
  ある意味で、グローバリズムの本格的な
  終焉の始まりとしてとらえるべきだと
  筆者は考えている。
  そのような視点からすると、米中貿易戦争
  からブレクジット、ファーウェイとZTEの
  国際規格からの排除、そしてゴーン逮捕
  までがきれいにつながっていることが
  わかるだろう。」

今回のゴーンさん逮捕には、明らかに
アメリカの影がちらついて見えます。

そこに働くのは、強力な国家の意志。

本書では、この事件をきっかけに、
日中米欧州各国の思惑を読み解きながら、
経済戦争と世界経済の行く末を占います。

  第1章 ゴーン逮捕の背景にある世界の
     経済覇権争い
  第2章 ゴーン・ショックとアメリカ
  第3章 強欲グローバリズムの終焉と
     世界秩序の激変
  第4章 分断する世界で進む企業大再編

この本から何を活かすか?

本書では、事実を冷静に分析していますが、
「おわりに」で事件や国家に対する、
渡邉さんの想いが語られています。

  「戦争は紛争の最終的解決手段であり、
  戦争においてもっともやってはいけない
  ことは負けることである。負ける戦争
  ならばやってはいけないのだ。
  これは経済戦争も同じであり、今回の
  日産とルノーの問題においても、
  日本人として日産側に何としてでも
  勝ってもらいたいと考えるものである。」

今回は、日産や日本側でも、相手を刺しに
行っていますから、中途半端なところでは、
収まらないことでしょう。

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚! 独学法


すべての知識を「20字」にまとめる 紙1枚! 独学法

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、ビジネス書を読んで学んだ内容を
仕事で活かせていますか?

いい本を読んだときは感動して、
学んだことを取り入れようと思うものです。

しかし、内容が抽象的であればあるほど、
直後は感動が残っていても、それは時間と
共に、記憶から消えていきます。

そして、仕事に活かせているケースは
あまり多くないかもしれません。

なぜ、私たちは、せっかく学んだ内容を
すぐに忘れてしまうのでしょうか?

本書の著者、浅田すぐるさんは、その理由を
3つ挙げ、解決方法を示しています。

1つ目の理由は、「学び」が「学び」になって
いないから。

これは、その場で欲求を満たすだけで、
「学び」ではなく、「消費」として、
次から次へ流されてしまっているからです。

これを解決するには、「目的を明確化」する
必要があります。

2つ目の理由は、咀嚼しながら学んでいないから。

著者が言っていることを鵜呑みにして、
自分の言葉として、落し込めていないのです。

この問題を解決するためには、「思考整理」を
しながら学ぶ必要があります。

3つ目の理由は、学んだ内容を短く要約
していないから。

これは単純に、長すぎる内容は、
なかなか覚えていられないということです。

この問題の解決策は、「端的な要約」が
考えられます。

これら3つの解決策を同時に実現するのが、
本書で紹介される「紙1枚学習法」です。

  「 “学び” をもっと、 “仕事に活かせる” 
  ようになりたい

  この1行については、いずれの読者の方で
  あっても賛同してくれるはずです。
  本書は、この目的達成のために必要な
   “目からウロコの考え方” と “超現実的な学習” 
  を紹介していきます。」

具体的には、枠を埋めていくことで、
どんな内容でも、「20文字に要約」する
フレームワークが紹介されています。

本書では、これを「20字インプット学習法」
と呼びます。

本を読む場合だと、次の手順で作業します。

  1. 学びの「目的」を記入する
  2. 気になったキーワードを抜き出す
  3. キーワードをグルーピングする
  4. 最後に20字の一言でまとめる

ところで、なぜ、「20字」でまとめる必要が
あるのでしょうか?

それは制約があればあるほど、人は考え抜く
ことができ、かつ、本質はシンプルなので、
20字あれば、伝えたい内容は表現できるから。

浅田さんは、この手法をかつて勤めていた、
トヨタで学んだそうです。

本書では、学んだ内容を忘れないようにする
インプット力を高めるだけでなく、
アウトプット力を高めるフレームと、
仕事に活かすフレームも用意されています。

それぞれ、次の名前がついています。

  「3Qアウトプット学習法」
  「1枚コントリビューション学習法」

3つの学習法は、いずれも1枚の紙に書かれた
枠を埋めていくことで、自然と学べるような
フレームワークになっています。

3つあわせて「1シート・ラーニング・システム」
と浅田さんは呼びます。

  「なぜ “学習法” = “メソッド”で はなく、
   “システム” としたのか?
  その理由は、本書の順番通りに内容を理解・
  実践していけば、自然と、無理なく、
  仕事に活かせる学習の本質までたどり着けて
  しまうからです。」

紹介されているフレームをそのまま使うか
どうかは別にして、なかなか理にかなった
方法だと思います。

まずは、3つのシートをそのまま使って、
学ぶパターンをしっかり身につけてから、
自分流にアレンジするのがいいと思います。

この本から何を活かすか?

「わかる」とは、どういう状態なのか?

本書では、次の「3つの疑問」が解決した
状態だと説明されています。

  「なにを:What?」
  「なぜ:Whyt?」
  「どうやって:How?」

この2W1Hに、自動的に答えるのが、
「3Qアウトプット学習法」のシートです。

このフレームも使ってみようと思います。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 05:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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100%集中法


100%集中法

満足度★★★★
付箋数:25

フォレスト出版の三上さんより、
献本いただきました。ありがとうございます。

あなたは、「集中力」が高い方ですか?

私は残念ながら、あまり集中力は
高くはありません。

何かをやっていても、すぐに他のことが
気になってしまいます。

ちなみに、2013年にカナダで行われた実験では、
現代人の集中力は「8秒」しか続かないという
結果が出ています。

集中力が9秒しか続かない金魚より短いため、
「現代人の集中力は金魚以下」と報道された
ことで話題になりました。

本書は、自分の集中力を自在にコントロール
できるようになるための本です。

そのテクニックとして使われるのが、
自己催眠(セルフ・ヒプノシス)の技法です。

著者は國學院大學文学部准教授で、
催眠療法士(ヒプノセラピスト)としても
活動する藤野敬介さんです。

本書では、藤野さんが院長を務める、
催眠療院て使う技法を公開しています。

ところで、集中力を高めるために、
なぜ、自己催眠が有効なのでしょうか?

それは、催眠に入ると心身がリラックスして、
同時に意識が1点に集中して、その状態が
一定時間続くようになるからです。

また、話には聞くことがありますが、
催眠とは実際にどんな状態なのでしょうか?

よくテレビのバラエティー番組では、
催眠術師が呼ばれて、実演する様子を
見かけることがあります。

そういった番組で催眠にかかる人は、
一瞬で眠ってしまうようにも見えますが、
催眠とは、必ずしも眠ってしまう状態では
ありません。

本書では催眠状態について、
「人の顕在意識と潜在意識の優位性が
逆転した状態」と説明しています。

そして、アスリートなどが集中力が高まると
「ゾーンに入る」などと表現しますが、
本書ではそこまでの状態を求めていません。

集中力の高さで、私たちの状態を4つに
分けています。

ナチュラル < ニュートラル < フロー < ゾーン

集中力の高い「フロー」は人間の領域で、
さらにそれを研ぎ澄ました「ゾーン」は、
神の領域のようです。

これらは心身にも負担がかかりますので、
本書では主にフローに近い状態の
「ニュートラル」に自己催眠で持っていく
ためのエクササイズを行います。

では、どのようにしたら自己催眠で、
ニュートラルの状態を作れるのか?

本書では、「ニュートラル・テクニック」が
詳しく解説されていますが、ここでは
大まかな手順だけ紹介しておきます。

  0. どんな姿勢ではじめてもOK。
   しかし、椅子に座るときは猫背にならない。

  1. 両手をぶらぶら振る。

  2. 両手をぎゅっと握ってから放す。
   それを数度繰り返す。

  3. ゆっくり鼻から息を吸うと同時に、
   眼球をぐるんと上に回しながら目を閉じる。

  4. 「ハー」などの音を出しながら、
   口からゆっくり息を吐き、自分の吐く息の
   音に意識を集中させる。

  5. 必要なときだけ呼吸を繰り返したら、
   ゆっくり目を開き、両手をぶらぶら振って
   終了する。

本書ではイラスト付で、エクササイズを
行うときの注意点も説明されているので、
詳しくは本書をご覧ください。

正直、実際の効果はエクササイズを続け、
自己催眠ができるようになってみないと、
集中力がどう変化するかわかりません。

しかし、私はこれまで持っていた催眠に
対するイメージが変わり、納得感もあるので、
「やってみよう」と思える本でした。

私たちが仕事や生活をする環境では、
集中力を削ぐ要因が多くなっているので、
本書のテクニックは身につけたいところです。

この本から何を活かすか?

催眠状態に入った人には、時間の感覚が変わる
「タイム・ディストーション」と呼ばれる
現象があるそうです。

ゾーンに入ると「時間が止まる」ように
感じるのは、その極端な例です。

そこまでの状態にならなくても、
集中力が高まり、時間感覚が変わることは、
タイム・マネジメントにもつながるようです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ウイルスは悪者か―お侍先生のウイルス学講義


ウイルスは悪者か―お侍先生のウイルス学講義

満足度★★★
付箋数:24

「ウィルス」とは、一体、何か?

私たちに、最も馴染みのあるウィルスは、
インフルエンザではないでしょうか。

毎年、冬になると決まって流行します。

インフルエンザが冬に流行るのは、
空気が乾燥するからとか、人の免疫力が
低下するからと言われています。

ところで、ウィルスがどんな存在なのか、
正しく答えられる人は、少ないないでしょう。

なぜなら、私たちは高校までの教育課程で
ウィルスについて学ぶ機会が限定的だから。

ちなみに、大辞林でウィルスの定義を
見てみると、次のように説明されています。

  「最も簡単な微生物の一種。核酸として
  DNAかRNA のいずれかをもち、タンパク質の
  外殻で包まれている。動物・植物・細菌を
  宿主とし、その生合成経路を利用して
  増殖するものが多い。濾過性病原体。」

そして、ウィルスには、生物なのか、
それとも無生物なのかという問題があります。

この問題に関して有名なのが、福岡伸一さんの
名著『生物と無生物のあいだ』です。

この本のタイトルは示すとおり、
ウィルスは、生物と無生物のあいだに
位置する、非常に曖昧な存在です。

あと、ウィルスと混同されやすいものとして、
細菌がありますが、細菌はれっきとした
生物です。

細菌は、非常に小さい単細胞生物群。

細菌は細胞の外で増えますが、ウィルスは
細胞の中で中で増えるとう違いがあります。

さて、前置きが長くなりましたが、
本書は「お侍先生」こと、髙田礼人さんの
ウィルスの研究を紹介した本です。

髙田さんは、人獣共通感染症を引き起こす
ウイルスの研究が専門です。

北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター
の教授で、エボラウイルスや
インフルエンザウィルスの研究をする方です。

髙田さんの研究フィールは世界中に渡り、
ザンビア、コンゴ、モンゴル、インドネシア
などにも遠征しています。

本書は、髙田さんがエボラウイルスや
インフルエンザウィルスの研究について
語り、それをライターの萱原正嗣さんが
まとめました。

  「2006年12月、私はアフリカ南部の国・
  ザンビアのとある森へ向かっていた。
  目的地は、ザンビアの首都ルサカから
  520キロメートルほど、車で約8時間の
   “カサンカ国立公園” だ。」

本書は、ザンビアの森にエボラウイルスを
探しにやって来たところから始まります。

  プロローグ エボラウイルスを探す旅
  第1部 ウイルスとは何者なのか
  第2部 人類はいかにしてエボラウイルス
     の脅威と向き合うか
  第3部 厄介なる流行りもの、
     インフルエンザウイルス
  エピローグ ウイルスに馳せる思い――
        ウイルスはなぜ存在するのか

個人的に興味があったのは、やはり身近な
インフルエンザについてです。

かつて、インフルエンザは「宿主の壁」が
あるため、動物から人へは感染しないと
言われていました。

しかし、鳥インフルエンザが突然変異で、
宿主の壁を超え、人にも感染するように
なりました。

これが認められたのも、そんな昔のこと
ではなく、約30年ほど前の出来事です。

1997年に香港の養鶏場で7000羽近い
ニワトリが高病原性鳥インフルエンザで
死んだというニュースが流れました。

それから数ヶ月して、それが3歳児に
感染して、死亡する事態に至りました。

このときに、髙田さんは500本の注射器を
持って、香港へ向かったエピソードが
紹介されています。

エボラのときもそうですが、髙田さんは、
かなり危険な場所に身を投じて研究を
重ねています。

本書は髙田さんの貴重な体験も交えながら、
ウィルスについて学べる本です。

この本から何を活かすか?

高病原性鳥インフルエンザで見つかったのは、
「H5N1亜型」というA型のウィルスです。

参考までに、インフルエンザは全部で
4つの型に分類されます。

A型は人獣共通感染症のウィルス。

B型とC型は、一部の例外を除いて動物には
伝染らず、ヒトを中心に感染するウィルス。

D型は、ヒトへの感染は確認さていない、
牛や豚などに伝染るウィルスです。

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| 科学・生活 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ、世界のお金持ちの35%はユダヤ人なのか?


満足度★★★
付箋数:22

サンライズパブリッシングさんから、
献本いただきました。ありがとうございます。

本書のタイトルの通り、「ユダヤ」と聞くと、
「お金持ち」というイメージがあります。

やはり『ヴェニスの商人』に出てくる
ユダヤ人の高利貸しシャイロックのイメージが
強いからでしょうか。

しかし、実際にユダヤ人は世界の人口の0.2%
ほどしかいないにも関わらず、世界の大富豪の
約35%がユダヤ人だと言われています。

事実、次に挙げる方たちはユダヤ系の成功者です。

 Facebookのマーク・ザッカーバーグさん
 Googleのラリー・ペイジさん
 同セルゲイ・ブリンさん
 Microsoftのスティーブ・バルマーさん
 Dellのマイケル・デルさん
 Starbucks Coffeeのハワード・シュルツさん
 映画監督のスティーブン・スピルバーグさん
 投資家のジョージ・ソロスさん・・・

錚々たる世界的な成功者ばかりですが、
なぜ、ユダヤ人には成功者が多いのでしょうか?

その秘密は、「聖書」にあるようです。

ユダヤ人は基本的にユダヤ教を信仰する民族で、
旧約聖書を幼少の頃から熱心に学びます。

一方、私たち日本人にとって聖書は、
キリスト教やユダヤ教の教典であるぐらいの
認識がある程度だと思います。

  「 “聖書” と聞くと、我々日本人にとっては
  なじみが薄く、宗教書としてのイメージが
  色濃くあるでしょう。
  ですが、その印象のままだと、ユダヤ人成功の
  秘訣を理解する邪魔になってしまうので、
  あくまで聖書はビジネス書であるという認識で
  話を進めていきます。
  聖書は、ユダヤ6000年の叡智が詰まった
  書物として、今なお世界ナンバーワンの
  ベストセラーであり続けています。」

本書では、聖書をビジネス書という観点で
読み解いていきます。

著者は、目標達成習慣化コンサルタントの
滝内恭敬さんです。

滝内さんは、もともと無神論者だったので、
特に宗教関係の方ではありません。

しかし、滝内さんのビジネスと聖書は、
実は根本的なところで繋がっていました。

それは、世界的な成功哲学や自己啓発の
源流は聖書にあるからです。

日本人が有名な自己啓発書で学んでも、
あまり成果が出にくいのは、日常的に
聖書の考えがベースにないからなのです。

確かに、スティーブン・R・コヴィーさんの
7つの習慣』などを読んでも宗教的な
雰囲気は漂っていましたね。

私たちがビジネスで成功するには、
どうしても自分の努力だけでは
到達できない部分があります。

それは「運」であったり「他力」で
あったりします。

運や他力が働くことは、別に宗教を
信じていようが、いなかろうが、
意識することはありますね。

これらのミラクルな力が働くことは、
実は聖書の教えでは、必然なのです。

更に、滝内さんは聖書の教えを学べば、
お金に困らない人生が送れると言います。

  「なぜ私が聖書を推奨するのか。
  それは、投資家や起業家として成功する
  ために、聖書の内容が大きく役立つ
  からであり、直球的な表現をすると、
  聖書の内容を実践すれば、儲かるからです!」

なぜなら、金融システムのルーツが、
そもそもユダヤ教にあるからです。

本書を読むと、それまで持っていた
聖書のイメージが大きく変わります。

聖書はユダヤだけでなく、アングロサクソンの
世界観のベースにもなっていますから、
グローバルに活躍するためには知っておいた
方がいいと思います。

「宗教はちょっと・・・」と敬遠している人
こそ、読んだ方がいいかもしれません。

この本から何を活かすか?

あなたの周りには「俺を崇拝しろ」的な人は、
いませんか?

聖書によると、「自分の言うことを聞け」と
強く言い続ける人は、「悪魔」が乗り移って
いる証拠のようです。

とすると『ドラえもん』の「ジャイアン」は、
悪魔の化身なのかもしれません。

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| 成功哲学 | 05:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ブスのマーケティング戦略


ブスのマーケティング戦略

満足度★★★★
付箋数:27

『ブスのマーケティング戦略』なんて、
タイトルの本の表紙になるモデルさんも
大変だなと思ったら、著者ご本人でした。

  「この本はブスの自虐エッセイではない。
  れっきとした実用書である。
  税理士、大学院生、一児の母、そしてブス
  であるわたくし田村麻美が、これまでの
  人生で学んだ戦略を、具体的な行動提案
  として記したものだ。」

本書は、行動できないブスのみなさんと、
劣化がはじまっている焦っている美人の
みなさん向けに書かれています。

実用としては言葉の定義が大事なので、
本書では、以下のように「ブス」「美人」
を定義しています。

  ブス:見た目を武器にできない人
  美人:見た目を武器にできる人

武器にできるかどうかは客観性を欠くので、
測定可能で定量的に判断するための基準も
設定されています。

他人から「かわいいね、美人だね」と
顔をほめられたことが、「20回以上」
あるかないかで判断します。

本書では、「生まれたときからブスだった」
として、田村さんの幼少の頃からの写真も
掲載されています。

お笑い芸人であれば、ブスであることが
キャラクターであり、自分の商品価値を
高めていますが、一般人はどうなのか?

田村さんは、ブスというネガティブな要素を
完全に自分の商品価値を際立たせるために、
活用しています。

しかし、一般の方にはそこまで求めていません。

あくまで、自分を商品と考え、見た目の
客観的査定を行い、プロダクト解析を行う
ところから本書はスタートします。

  「集合写真を見てみよう」

本書では、31個の自己改革のためのワーク、
「ブスのための作業」が課せられていますが、
最初の作業がコレです。

集合写真の自分の見た目を、商品という
観点で冷静に見てみます。

  「自分を商品と考えたとき、見た目は
  パッケージにあたる。顔が商品名であり
  ブランドであるのだ。」

もちろん、商品の善し悪しはパッケージ
だけで決まりません。

見た目以外にも、経済力(仕事)、学歴、
居心地(人柄)、相性(個性)の要素で
総合的に判断します。

各項目100点満点で、田村さん自身の
プロダクト解析は、次のスコアになります。

  見た目:ブス「0」
  経済力(仕事):税理士「50」
  学歴:立教大学卒「70」
  居心地(人柄):けっこうおもしろい「90」
  相性(個性):顧客によって決まる「?」

本書では、このような自己分析を行い、
見た目が武器にならない方には、
他に武器を身につけるよう勧めます。

それが戦略的な人生を送ることになります。

その最終ゴールとなる、本書の目的は2つ。

1つ目は、ブスの幸せな結婚。
2つ目は、ブスの経済的な自立です。

小学校のときに、自分がブスであることに
気づき、そこからトライ&エラーを
繰り返し、田村さんは傷つきながらも
2つの目的を果たしました。

本書では、その半生をマーケティング戦略
として、誰でも実践できるよう解説します。

何もかもさらけ出して書いているので、
心を揺さぶられるところがありますし、
赤裸々過ぎて、辛い部分もありました。

しかし、事実を受け入れ冷静に戦略を立て、
最終的には田村さんは成功しているので、
多くの方に参考にして欲しい本だと思います。

  「 “ブスのくせに” と他人からも言われ、
  そして自分自身でも思っていた私が、
  いま、ほしいものはすべて手に入れている。
  しかも、その成功要因は・・・・、
   “ブスだったから” なのである。
   “ブスだからこそ” 自分に自信がなかった
  からこそ、武器を装備し続けたおかげで、
  いまここに立っている。」

この本から何を活かすか?

本書では、本名、顔写真も公開され、
処女喪失、性体験、合コン体験なども
包み隠さずに語られています。

さすがに、田村さん自身にも迷いがあった
ようですが、ご主人が後押しされて、
覚悟が決めて書いたようです。

本書からは、身を削ってまで、
自分が納得する本を書こうとした、
田村さんの本気度が伝わってきます。

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| マーケティング・営業 | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大人の対応力


大人の対応力

満足度★★★★
付箋数:24

あなたは、もっともっと若かった時に、
想像していた「大人」になれていますか?

残念ながら、私はこの年になっても、
むかし思い描いていたような「大人」には、
全然なれていません。

私自身もそうですが、周りを見ていても、
結構、大人の対応ができない人を見かけます。

  「大変な苦労をしている人ほど、
  自分が大きな歯車の中で、いろいろな
  人や物の助けがあってこそ生きていける
  のだと感謝しているものです。
  そして、どんなことがあっても
   “たいしたことないよ” と涼しい顔で言う
  強さを持ち合わせています。
  とても格好いいですね。
  こういう人は経験が豊富なので、
  たいていのことには動じないのです。
  これぞ、 “大人” の本来の姿では
  ないでしょうか。」

本書は、齋藤孝さんが、「大人の対応力」
とはどうあるべきかをまとめた本です。

もちろん、本書に書かれていることが、
絶対的な正解ではありません。

なぜなら、状況に応じて柔軟に対応するのが、
大人だからです。

そしてもし、齋藤さんが書いていることに、
「その考えは間違っている」と目くじらを
立ててしまったら、それはまだ大人に
なっていない証拠です。

大人は、いろいろな考えがあることを
受け入れられますし、たとえそれが
間違っていても、頭から否定しないのです。

恐らく多くの人は、「大人はこうあるべき」
という、なんとなくのイメージは持っている
と思います。

それを言葉にし、「大人の対応力」として、
定義しているのが本書です。

 ・大人は無意味に人を傷つけない
 ・大人は必要以上に正しさを追求しない
 ・大人は他人に干渉しない
 ・大人は相手のプライドを傷つけない
 ・大人はスマートに水に流す
 ・大人は相手に恥をかかせない
 ・大人は何にでも親しむことができる
 ・大人は他人を変えようとしない
 ・大人はストレートに伝えない

私もできていないことが多いので、
大人の「あるべき姿」をたくさん
書き並べてしまいました。

本書はシチュエーション別に具体的な
対処法が説明されています。

例えば、嫌味を言ってくる同僚がいた場合。

こちら側が、見切りをつけ、相手の嫌味を
面白がるぐらいの余裕を持って対応します。

 ・見切りをつける
  →(心の中で)「さて、今日はどんな
   嫌味が飛び出すかな?」
  →(心の中で)「ほうほう、今日はこう
   来たか。新手の嫌味だね。」

 ・嫌味にならない返答をする
  →「いや、自分でも思いもよらぬ、
   まさに望外のことでありまして・・・」

大人は、そう簡単にはイラッとしませんし、
いらぬ波風も立てないのです。

突き詰めると、コミュニケーション上手が
大人のたしなみなのでしょう。

私自身も含め、軽やかでユーモアのある大人が
もっと増えて欲しいと感じました。

しかし、大人としては、価値観の押しつけは
禁物なので、多くの人が本書を読んで、
品のある対応に、気づいて欲しいものです。

この本から何を活かすか?

接待の席で、話が盛り上がらなかったら?

相手に適切な話を振ることができなくて、
沈黙してしまうのは、大人としてはNGです。

そんなときは、『マツコの知らない世界』の
マツコ・デラックスさんの対応を
真似てみるといいようです。

まずは、相手の興味があることを探って、
相手の詳しいことに話を振ります。

そして、「へえ!」、「なるほど」と
驚いたり相槌を打って、相手にたくさん
話してもらうように流れを持っていきます。

それが大人の「雑談力」です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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グサっと痛いけど超やる気が出るドSな言葉


グサっと痛いけど超やる気が出るドSな言葉

満足度★★★
付箋数:20

キャラクター紹介のページで「黒井マヤ」と
「代官山脩介」について簡単な説明があります。

その後は、黒井マヤのドSな100の言葉が、
並んでいるので、このシリーズを知らない方が
読むと、若干、面食らうかもしれません。

本書は、原作が50万部超のベストセラーに
なった七尾与史さんの『ドS刑事』の
主人公「黒井マヤ」の言葉をまとめた本。

ご存知のない方のために簡単に原作について、
説明しておきましょう。

『ドS刑事シリーズ』は、2018年1月現在まで、
5作品が刊行されています。

 『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件
 『ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件
 『ドS刑事 三つ子の魂百まで殺人事件
 『ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件
 『ドS刑事 さわらぬ神に祟りなし殺人事件

主人公の黒井マヤは、警視庁捜査一課
殺人犯捜査第三係に所属する女刑事。

警察の道を選んだのは、正義のためではなく、
単に殺人現場が好きだから。

警察幹部の父を持ち、ドS気質があるため、
警視庁ではやりたい放題の傍若無人ぶりを
発揮しています。

しかし、並外れた洞察力があるため、
あっという間に事件の真相を見抜いてしまう。

色白で黒髪、警視庁随一の美貌を誇る25歳。

マヤの指名でコンビを組む代官山脩介は、
同じ三係所属の刑事で、階級は巡査。

彼の使命は、マヤの推理を推理すること。

なぜなら、マヤは事件の真相を見抜いても
決して口にしないから。

やりたい放題のマヤに振り回されながらも、
おだてたり、なだめすかしたりして
ヒントを引き出し、難事件を解決します。

身長180cmのイケメン刑事、33歳。

テレビドラマは、日本テレビ系列の土曜ドラマ
枠で、2015年4月~6月まで放送されました。

主演のマヤ役は多部未華子さん、代官山役は
大倉忠義さんが演じていました。

本書は右ページに、大きめのフォントで、
マヤのドSなセリフが書かれています。

  「初対面の印象なんて、見た目が100%よ。
  あなたのように中身がない人でも、
  どうにかなるんだから。」

  「 “こんな仕事をするために入社したんじゃ
  ないんです” 。ぷぷっ。そのひと言で、
  バカを晒したわね。」

  「あなた、道端の石ころみたい。
  無為に日々を過ごしてきた分、取り柄が
  ないからね。少しずつでも毎日磨いていたら
  誰かが拾ってくれるかもしれないのに。」

  「人の迷惑になるのがイヤだなんて、
  バッカじゃないの。みんな、ただそこに
  いるだけで誰かの迷惑になっているの。
  どうせなら、もっと堂々としてなさいよ。」

左ページには、通常のフォントでマヤの
語りで、その言葉の真意が書かれています。

設定は、刑事ではなく、会社員(?)に
なっていますから、仕事、人生に悩んだ時に
読むと、良いカンフル剤になるでしょう。

マヤの言葉は、大きく6章に分類されてます。

  第1章 人としての「基本」くらい
     身につけなさい
  第2章 そんな程度なのに本気で「仕事」に
     取り組んでるって言うの?
  第3章 うまく「休み」をとれたら一人前ね
  第4章 何かしたいことがあるなら今すぐ
     「挑戦」しなさい
  第5章 一瞬がんばるより、「習慣的」に
     がんばりなさい
  第6章 まだ「コミュニケーション」が
     最強のスキルって気づいてないの?

ミニ小説「泣く子と地頭には勝てぬ殺人事件」
が合間に挿入されているので、読み物と
しての楽しみもあります。

イラストは小説と同じワカマツカオリさんが
担当しています。

この本から何を活かすか?

黒井マヤのセリフを人気声優・田村ゆかりさんが
演じた音声が、期間限定でQダウンロードできます。

DL期間は2018年12月4日から2019年11月30日まで。
外出先で本が手元になくても、田村ゆかりさんの
声を聞いてやる気を出せるとか。

https://twitter.com/i/status/1070153798453084162

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| 心に効く本 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すぐメモする人がうまくいく


すぐメモする人がうまくいく

満足度★★★
付箋数:23

仕事で成功する人には、共通する行動習慣が
あるようです。

それは、「すぐにメモする」こと。

すごくシンプルで、やろうと思えば誰でも
できる行動習慣です。

なぜ、「すぐにメモする」ことが大事なのか?

それは、人間はしばらくたつと考えたことを
忘れてしまうからです。

もし、思いついたことを、忘れないように
記憶に留めておこうとすると、脳にとっては
かなり負荷がかかります。

その負荷やストレスを軽減するためにも、
メモに書いて、スッキリすることは重要です。

  「何かを感じたら、6秒以内にメモして
  それをシェアしましょう。
  この本を一言でまとめると、こうなります。
  
  なぜ6秒以内にメモしなくてはならない
  のでしょうか?

  それは、人の感情のピークは6秒で
  過ぎ去っていくと言われているからです。」

怒りの感情をコントロールするメソッド
として知られる、アンガーマネジメント。

このメソッドでも、怒った時には6秒待って
やり過ごすことが大切と言われています。

  「歩いている時に何かが頭に浮かんできたら、
  そんな時こそ立ち止まってアイディアを
  すぐメモしてみましょう。
  ふと頭に降りてきたアイディアは、まるで
  シャボン玉のようにとてもこわれやすく
  すぐに消えていくはかないものです。
  その場で書き留めておかないとすぐに
  どこかに行ってしまいます。」

本書では、すぐメモする行動習慣のことを
「すぐメモ」と表現します。

本書は、「すぐメモ」を使って、
新しいアイディアを生み出すための本です。

著者は、広告業界でリアルとデジタルを
融合させた新しい広告を作るクリエイターの
堀 宏史さんです。

先日、当ブログで紹介した須藤亮さんの
スマホメモ』にかなり近い内容の本でした。

須藤さんも、マーケティングプランナー
だったので、アイディアを生むことを生業に
している方にとって、すぐにメモする習慣は、
ゴールデンルールなのでしょう。

基本的に、気なることがあったら、
自分がどう感じたか、その時の感情も
併せてメモしておくことは共通です。

そしてメモするツールはスマホを使います。

本書が違うところは、メモした後に、
すぐに情報をアウトプットするために
Twitterでシェアすることです。

  「情報というネタを握って(加工して)
  すぐに出す(公開する)。
  これはちょうどお寿司屋さんがお寿司を
  握ってお客さんに出す工程と一緒なのです。
  このお寿司屋さん的なライブなパフォーマンス
  そすぐメモにも応用してみましょう。」

そして、もう1つ本書で面白いことを
言っていたのは、「情報のスループット化」。

ただ大量に情報をインプットして、
それをシェアしているだけでは、
あまりその人にプラスになりません。

情報が右から左に流れるだけでは、
その人の身にならないからです。

そこで本書ではスループット化を勧めています。

スループットとは、一定時間にどれくらいの
データを処理できるかという通信関係の用語
ですが、ここでは少し違った意味で使います。

外部から取り込んだ知識を、腹落ちさせて、
一旦、自分ごと化してから使います。

具体的には、その情報の面白いところは
どこなのか、その記事は何を言いたかったのか、
などのポイントをメモしてシェアします。

本書はこのように、アウトプットについても、
ページを割いて詳しく解説しています。

この本から何を活かすか?

本書には、あなたの今のすぐメモスキルを
判定する「すぐメモ検定」が掲載されています。

以下の質問の答えが「はい」になる個数を
数えてください。

 ・to doをメモしている
 ・メモアプリはスマホとPCを連携している
 ・自分のメモのテーマを決めている
 ・インプットの自動化を意識している
 ・立ち止まってメモしている
 ・手書きのメモも活用している
 ・メモをSNSで公開している
 ・メモを1ヶ月に1回は見返している
 ・メモを1ヶ月に1回は整理している
 ・メモを使ってアイディアを開発したことがある

 全て「はい」=すぐメモ黒帯
 「はい」7~9個=すぐメモ1級
 「はい」4~6個=すぐメモ2級
 「はい」1~3個=すぐメモ3級
 「はい」0個=すぐメモ白帯

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| アイディア・発想法・企画 | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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東大生の本の「使い方」


東大生の本の「使い方」―――「考える武器」としての読書 (三笠書房 電子書籍)

満足度★★★
付箋数:18

  「東大生は頭がいいから、本から多くのものを
  得られているのでは? と思うかもしれませんが、
  私は逆だと考えています。
  一冊の本を最大限活用しているからこそ、
  頭が鍛えられる。その結果、読書の効果が
  上がり、さらに力がついていく。
  彼らはこうした好循環の中にいるからこそ、
  東大生になることができたのです。」

このように語る、本書の著者、重松理恵さんは、
元東大生協の書店員として働いてきた方。

書店員として働きながら、東大生と著者を
つなげるイベントを実施したり、
『東大生が買った本』などを出版して
います。

本書は、東大生と本の関係を身近で見て
分かった「本の使い方」を解説する本です。

それは東大生でなくとも実践できる、
誰もができる本との付き合い方です。

事実、重松さん自身も東大出身では
ありません。

しかし、東大生の実践している方法を
試すことで、間違いのない選書ができる
ようになり、本をより深く読み込むことが
できるようになったそうです。

まず、本書では東大生協の書籍部と
一般の書店との違いについて
紹介されています。

東大生協の書籍部では、世間でよく売れる
ベストセラーや話題書を前面に配置したり、
手書きのPOPなどを付けることはしない
ようです。

なぜなら、東大生は書店員からの
オススメがなくても、自分が読むべき本を
選ぶことができるから。

そして、東大生は次の「4つの目的」で、
本を選んでいるようです。

それは重松さんが、東大書籍部の売上
データを分析し、実際に東大生の生の声を
ヒアリング調査して解明したものです。

本書では、東大生が本を読む4つの目的別に
東大でベストセラーになった本の
上位20冊が紹介されています。

ここでは、その4つの目的とベスト3を
紹介しておきましょう。

 <世界で活躍するための本>
  1. これからの「正義」の話をしよう
  2. 20歳のときに知っておきたかったこと
  3. 米国製エリートは本当にすごいのか?

 <スキルアップするための本>
  3. できる研究者の論文生産術

 <幅広い教養をつけるための本>
  1. 正義論
  2. 一般意志2.0
  3. それでも、日本人は「戦争」を選んだ

 <最新のトレンドを追うための本>
  1. 人工知能は人間を超えるか
  2. 21世紀の資本
  3. 僕は君たちに武器を配りたい

また、本書の最終章では東大出身の
著名人へのインタビューが掲載されています。

インタビューされているのはこの6名。

伊沢拓司さん、水上颯さん、山口真由さん、
藤原和博さん、上田正仁さん、養老孟司さん

そこで語られているのは、それぞれの
「読書ルール」でした。

個人的にはこのパートが本書の中で、
一番参考になりました。

この本から何を活かすか?

本書は、東大生に売れているのか?

本書の中で、東大生に売れる本と、
売れない本の特徴が挙げられています。

東大生は東大関連の本が好きのようです。

一方、二番煎じの本は好きじゃない。

もし、本書が東大生協の書籍部で
売れていなければ、『東大生の本棚』や
東大生の本棚』の二番煎じとして
認識されたのかもしれません。

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| 読書法・速読術 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ


フェイクニュースを科学する

満足度★★★★
付箋数:24

2016年の米大統領選は、当初、民主党候補の
ヒラリー・クリントンが優位に進めていました。

しかし、結果はご存知の通り共和党候補の
ドナルド・トランプさんが、大方の予想を覆し
歴史的勝利をおさめました。

この大統領選をめぐって、根も葉もない嘘や
デマ、政治的なプロパガンダがSNSを通じて、
大量に拡散し、米国社会は大きく混乱しました。

こうしたソーシャルメディアなどで拡散する、
ニュースを真似た偽情報は「フェイクニュース」
と呼ばれます。

フェイクニュースは、どのように生まれ、
どんな仕組みで拡散していくのか?

本書は、フェイクニュースを情報生態系の
問題として捉え、計算社会科学の知見を
取り入れながら解明する本です。

著者は、名古屋大学大学院情報学研究科
講師の笹原和俊さん。

フェイクニュースの問題が難しいのは、
単にSNSなどのテクノロジーだけが
原因ではない点です。

人間が本質的に持っている特性と、
デジタルテクノロジーの相互作用によって、
より深刻な状況を生み出しているのです。

まず、人には「見たいように見る」と
「みんなと同じようにする」という
認知バイアスがあります。

「見たいように見る」傾向は、偽ニュースの
原因になるだけでなく、それの訂正を妨げる
要因にもなります。

「みんなと同じようにする」傾向は、
似た者同士が社会的につながり、
偽ニュースが拡散しやすい状態を作ります。

ちなみに、次の3つの性質を持つニュースは
拡散されやすいようです。

 ・受け手の価値観、思い込み、偏見に合致
 ・受け手の(道徳)感情を刺激
 ・みんなが評価している

そして、ソーシャルメディアによって、
「エコーチェンバー」と「フィルターバブル」
という2つの効果が偽ニュースの拡散性を
増幅します。

エコーチェンバーとは、閉じた小部屋で
音が反響する物理現象への喩えです。

意見をSNSなどので発信すると、自分と
そっくりな意見ばかりが返ってくる状況。

これは、自分と似た興味関心を持つ人が、
お互いにフォローしてSNSでつながることで、
閉じた情報環境になっているからです。

フィルターバブルとは、ユーザーの
個人情報を学習したアルゴリズムによって、
その人の興味関心がありそうな情報ばかりが
集められるような情報環境。

このエコーチェンバーとフィルターバブル
の効果によって、より早く、より遠くまで
偽ニュースは拡散します。

また増え続ける情報量に対して、私たちの
注意力は有限なので、その隙間を突いて、
扇情的な偽ニュースや憎悪に満ちた投稿は
広がっていくようです。

本書は、あまり派手さはありませんが、
逆にそこが信頼できる、ネットリテラシー
の教科書です。

大量に偽ニュースが飛び交う今の時代には、
必要な良書だと思います。

この本から何を活かすか?

ネット上で目にする情報を評価する際に、
疑ってみるのは「ESCAPE」の6項目。

  Evidence : その事実は確かか?
  Source : 誰が作った? その人の信用は?
  Context : 全体像はどうなっている?
  Audience : 誰に向けて書いてある?
  Purpose : なぜこの記事が作られたのか?
  Execution : 情報はどのように提示される?

この6項目の中でも、特にSourceの
情報源を確認する習慣は大事のようです。

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| IT・ネット | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「一緒にいたい」と思われるリーダーになる。 人を奮い立たせる50の言葉


「一緒にいたい」と思われるリーダーになる。 人を奮い立たせる50の言葉

満足度★★★
付箋数:23

ダイヤモンド社の上村さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

リーダーには、様々なタイプがあります。

EQ こころの知能指数 』の著者ダニエル・ゴールマン
さんは、リーダーシップを6つに分類していました。

ビジョン型、コーチ型、関係重視型、民主型、
ペースセッター型、強制型

それぞれにメリット・デメリットがあり、
絶対的な正解はありません。

時代によって、求められるリーダーのタイプも
変わっていくでしょう。

しかし、どんなに時代が変わろうとも、
どんなタイプのリーダーシップを発揮しようとも、
リーダーには普遍的に必要な要素があります。

それは「人を奮い立たせるリーダー」であること。

本書は、ゴールマンさんの分類とは
ちょっと違う「インスパイア型」の
リーダーシップを身につけるための本。

著者は、組織コンサルタントとして活躍する
サイモン・シネックさんです。

シネックさんと言えば、やはりTEDでの
プレゼン動画が有名です。

「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」
の動画は歴代3位の4000万回以上再生を誇ります。

これだけ再生されている有名な動画ですから、
ご覧になった方も多いと思います。

シネックさんは、「ゴールデンサークル」
という概念を使って、人は「Why」によって
動かされることを説明していました。

さて、本書は、人を奮い立たせる50の言葉が
詰め込まれた「絵本」です。

これまでも物語形式でメッセージを伝える
ビジネス書は数多く出版されてきました。

何かを追体験してもらうには物語形式の方が
伝わりやすいからです。

本書も絵本による物語形式で追体験できる
本ですが、他の本とはだいぶ印象が異なります。

それは、物語のストーリーを文字では、
まったく追っていないから。

本書は、非常に不思議な感覚がします。

文字としては、シネックさんによる、
人を奮い立たせるメッセージが並んでいます。

その文字の後ろで、絵本によるストーリーが
流れていきます。

それは、あまり快適とはいえない、
いつもの公園で遊ぶ3人の子どもが、
ちょっとした行動を起こす、心温まる物語です。

ただし、物語に対する説明は文字ではなく、
あくまで絵だけでストーリーは進行します。

興味深いのは、シネックさんのメッセージが
絵本のストーリーとシンクロしていくところ。

リーダーに関するメッセージを読みながら、
絵でストーリーを追っていくのは、
「顕在意識」と「潜在意識」の両方に同時に
働きかけている感覚があります。

それでは、私に刺さったシネックさんの
メッセージをいくつか紹介しましょう。

  「残念なリーダーの下で働いていると、
  会社のために働いている気分になる。
  よいリーダーと一緒に働いていると、
  みんながお互いのために働いていると感じる。」

  「何と戦うかがわかれば、変革を起こす
  ことはできる。でも、信念がないと、
  変革は長続きしない。」

  「本当の力は、自分の弱さを認める勇気
  から生まれる。」

  「チームに仕事を命令するだけでは、
   “労働者のトップ” にすぎない。
  チームを信頼して仕事を任せてはじめて
   “リーダー” になれる。」

本書の監訳は、日本のコーチングの第一人者、
鈴木義幸さんが担当しています。

本書は、ビジネス書としてはサイズも
変わっていて、15cm×15cmの大きさです。

後から後から、じわじわ効いてくる感じは、
メッセージとストーリーが体に染み込む
からなのだと思いました。

この本から何を活かすか?

シネックさんの伝説のTED動画はこちら。

日本語の字幕もついていますが、英語学習の
教材としても使える感じがします。



私も、この動画を何度も繰り返し見ています。

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| リーダーシップ | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スマホメモ

満足度★★★★
付箋数:24

私たちは、日々、いろいろなものを目にし、
外部から刺激を受けた脳は、そこから
いろいろなことを考えています。

このとき脳は瞬間的に高速回転していて、
「○○だったらな~」とか「○○はどうだろう」
などと様々な妄想を膨らませています。

そういった浮かんでは消え、浮かんでは消え
するアイディアの中には、実は大きな
ビジネスにつながるものもあります。

しかし、私たちの脳はフラッシュメモリーの
ようなもので、残念ながら瞬時にそれらの
アイディアは忘れてしまいます。

それをスマホを使ってメモしておくことを、
勧めるのが本書の「スマホメモ」です。

著者は博報堂出身のマーケティングプランナー
の須藤亮さんです。

本書もスマホメモによって生まれた成果物の
1つだと言います。

  「スマホメモとは、星の数ほどある、
  浮かんでは消える脳の思いつきを文字に
  落とすことです。」

スマホメモは、単なる事実を記録したり、
やるべきことを忘れないようにする備忘録
ではありません。

外部から得た事実や情報からどう感じたか、
何を考えたかをセットにした思考メモです。

あなたの周りで、スマホで思考メモを
取っている方は、どれだけいますか?

私は、それを実践している人を見たことが
ありません。

恐らく、あまり多くないことでしょう。

スマホでメモしていても、たいていは
スケジュール帳への記入か単なる備忘録
だと思います。

では、なぜ、須藤さんはスマホに自分の
思考をメモすることを勧めるのか?

それは、スマホメモは自分の知のデータベース
になり、脳力を拡張することになるから。

思考が整理され、脳から引き出しやすく
なるので、発想力が増します。

そうすると脳も喜ぶようになり、毎日の生活が
今まで以上に楽しくなるようです。

では、具体的にスマホメモはどうやるのか?

大きくは3つのステップに別れています。

ステップ1. メモる

使うアプリはiPhoneだと標準の「メモ」アプリ。
最初にメモの格納場所を分類します。

例えば「仕事」「投資」「家庭」「趣味」など。

後は、事実でも意見でも、何でもメモします。

事実をメモするときは、どう思ったかの
感情も併せて入力しておきます。

ステップ2. 見返す

メモが溜まってきたら、最初は結構大変ですが、
毎日暇をみて見返します。

何度も見返すことで、自分の問題意識と
すり合わせができ、脳が活性化されます。

場合によっては、上書きで文章を修正します。

ステップ3. 俯瞰する

実はスマホにも弱点があって、それが総覧が
できないこと。

ここでは、一度「紙」の総覧力を借りるため、
メモをiCloudを通じてパソコンに落とし、
A3用紙にプリントアウトして見ます。

それを「KJ法」的に、分類と関連を考えて、
手書きしながら着想をまとめます。

このスマホメモを習慣にすると、次のような
知恵化が起こるそうです。

 ・まったく違うと思っていたことがつながる
 ・大きなコンセプトが見えてくる
 ・思い込みをただす(違う方向が見えてくる)
 ・いい解がみつかる(根っこが見えてくる)

スマホメモは自分の思考のビックデータ
であり、いずれは人工知能につながるとも
須藤さんは言います。

個人的には、ステップ2を習慣化できるかが、
大きな鍵になると思いました。

でも、始めてみたいですね。

この本から何を活かすか?

  「スマホによる思考メモは、とてもいい習慣
  なのです。とは言え、新しい習慣を身につける
  には、それなりのモチベーションと確信が
  必要でしょう。そんなあなたは、まずは自分の
  得意分野から始めてみてはどうでしょうか。」

習慣化のコツは、最初はハードルを低くして、
小さなことからコツコツと始めること。

私は「読書」に関するメモから始めてみます。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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帝国対民主国家の最終戦争が始まる [三橋貴明の地政経済学]

満足度★★★★
付箋数:25

本書の冒頭で三橋貴明さんは、現在の日本は、
誇張なく「史上最悪の危機」の最中にある
と説いています。

それは、「一帯一路」や「中国製造2025」
などの中国のグローバリズムに対して、
日本人の多くは危機感を抱いていないから。

世界各国では対中警戒態勢を取っていて、
中国の国家戦略に反発しているのに対し、
日本だけがのん気な状態です。

日本で中国について語られるのは、
「カネになるか、否か」という観点のみで、
日本の安全保障を脅かす中国の脅威に
関しては、ほとんど論じられていません。

なぜ、日本だけが危機感を抱かないのか?

  「理由は、我が国が大東亜戦争敗北後、
  横軸のナショナリズム(経世済民)と
  縦軸のナショナリズム(歴史)の双方を、
  人為的に破壊されてきたためだ。(中略)
  日本国の亡国を回避するためには、
  まずは横軸のナショナリズムを取り戻す
  必要がある。すなわち、歴史を知るのだ。」

最近、ナショナリズムという言葉を聞くと、
トランプ大統領の行き過ぎたナショナリズム
をイメージしてしまいがちです。

しかし、国家が国家であるためには、
正しいナショナリズムを持つ必要があります。

本書は歴史から、国の成り立ちを紐解き、
健全なナショナリズムを取り戻すための本です。

最初に本書では、2つの軸で日本と他国との
違いを明らかにします。

1つ目の軸は、ユーラシア・ステップの
遊牧民の影響を受けたか否か。

もう1つの軸は、封建制度を経験したか否か。

この2軸マトリックで分類すると、
日本だけが、封建制度の経験があり、
かつ、遊牧民から受けた影響が少ない
象限に配置されます。

日本人だけが「外国人のメイド」を
持つことに違和感を覚えるのはそのため。

階級制度を持たず、外国人を奴隷として
管理してきた経験が少ないので、
根本のところで欧米諸国の価値観には
同意できないところがあるようです。

  「牧羊業の影響で、人間という “迷える子羊” 
  の管理者として “神” を規定する文明と、
  八百万の神の文明とでは、基盤からして
  完全に異なっている。
  さらには、人間には管理できない魚介類
  からタンパク質を摂り、生きてきたのが
  日本人だ。
  家畜を管理し、去勢し、自分たちの目的の
  ために “動かす” ことなしでは生存が
  不可能だった人々とは、文明の性質から
  して異なって当然だ。」

個人的には、本書の第1章で語られる
「遊牧民と封建社会」の切り口から
日本と他国を比較するのは新鮮でした。

第2章以降は、タイトルにもなっている
帝国主義と民主国家の対立の構図について
論を進めていきます。

あなたは、日本の皇位継承問題について
どう思いますか?

「天皇? まあ、何でもいいんじゃない」

このように考えている日本人が
多くなるったとき、本当の意味での
日本崩壊が訪れると三橋さんは言います。

縦軸と横軸のナショナリズムが共に
消滅してしまっては、中国共産党の属国に
なってしまうからです。

  「経済とは横軸のナショナリズムの話であり、
  歴史は縦軸のナショナリズムの基盤だ。
  経済と歴史。日本国民は、中国共産党の
  脅威をはねのけるために、早急に経済と
  歴史に関する “正しい知識” を身につけ
  なければならない。」

ちょっと偏った見方は散見されますが、
非常に興味深い本でした。

やはり、三橋さんはテレビなどに出演
するよりも、文章で論理的に語る方が
イイと改めて感じました。

この本から何を活かすか?

日本人は、タンパク質を動物からではなく、
魚介類から摂る比重が高かったために、
他国とは異なる文明を築いてきたと言います。

そのため、お腹を壊す原因も他国と違います。

日本人は「海苔」をたくさん食べても、
お腹を壊しませんが、「牛乳」を飲むとお腹が
張る人が多いようです。

一方、他国では逆で、「海苔」を食べると
お腹を壊し、「牛乳」を飲んでもお腹が
張らない人が多いそうです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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独楽の科学 回転する物体はなぜ倒れないのか?

満足度★★★★
付箋数:24

  「♪もういくつ寝るとお正月、
  お正月には凧あげて、
  コマを回して遊びましょう・・・」

童謡「お正月」はこんな歌詞でしたが、
果たして今の日本で、お正月に凧やコマで
遊ぶ子どもは、どれくらいいるのか?

私はそんなことを考えながら、
本書を読みました。

本書は独楽(コマ)をテーマにした
ちょっとマニアックな本ですが、
知的好奇心をいい感じで刺激します。

著者は東京工業大学理学院物理学系助教の
山崎詩郎さん。

走査プローブ顕微鏡を用いた量子力学を
専門とする方です。

山崎さんは、コマの回し手としては
素人でしたが、物理の専門家として、
「全日本製造業世界コマ大戦 2015」の
地区予選にゲスト解説者として呼ばれました。

その席で、せっかくだったら理論的に
強いハズのコマで、選手として出場しないか
と打診され、冗談半分で出場しました。

その結果、解説者という立場なのに、
空気を読まずに優勝してしまったそうです。

それ以来、コマの魅力に取り憑かれて、
本格的にコマを収集し始め、今では
「コマ博士」と呼ばれるようになりました。

さて、やはりコマの魅力は、倒れそうでも、
なかなか倒れないこと。

なぜ、コマは倒れないのか?

その理由はいくつかあります。

1つ目の理由は、「角運動量保存の法則」
があるから。

一定の重さがある車は、急に止まることも、
曲がることもできません。

それと同じように、一度垂直なって
回り出したコマは、急に止まることも、
傾くこともできません。

そして、もう1つの理由は「ジャイロ効果
による歳差運動」があるから。

コマの回転軸の向きが傾いて変わると、
重力による力のモーメントの回転軸も
一緒に変わることを繰り返します。

そのためコマの回転軸は円を描くように
変わり続けます。

かなり、端折って書きましたので、
正確なところは、本書をお読みください。

また、本書では山崎さんの経験と物理的な
考察により、「最強のコマ」の形を
導き出しています。

最強のコマを考える要素は8つあります。

  本体の直径:2センチメートル
  本体の密度:高密度のタングステン合金
  本体の高さ:1センチメートル
  底面角度:適度な30度ぐらい
  先端半径:2ミリメートルぐらい
  軸の太さ:6ミリメートルぐらい
  軸の長さ:1.5センチメートルぐらい
  軸の密度:軽くて硬いアクリル製

上記の仕様の「王道コマ」が理論的には
強いはずです。

しかし、人の英知は驚くべきもので、
実際のコマ大戦では、千姿万態のコマが
登場し、更に進化を遂げているようです。

 ・合気道のように勝つ軽量型コマ
 ・遠心力で開く開き系変形型コマ
 ・倒れても立ち上がる高重心型コマ
 ・相手を吹き飛ばすイボ型コマ
 ・無敵の防御を誇るベアリング型コマ
 ・戦わずして勝つ一点静止型コマ

また本書では、コマの仲間として回転系の
おもちゃや遊びについても解説してます。

かなりディープな世界が広がっていますが、
それを科学的に本気でやっているのが
面白いところです。

  「おもちゃのコマから始まって、
  大きな世界の銀河系から、小さな世界の
  スピンまで。世の中には回転している
  ものや回転に関するもので満ちています。
  まさに、世界はコマからできている
  と言っても過言ではないのです。」

この本から何を活かすか?

全日本製造業世界コマ大戦」とは?

全国の中小製造業が自社の誇りを賭けて
作成したコマを持ち寄り、所定の土俵上で
一対一で対決さる大会です。

トーナメント方式で勝ち上がり、
勝った側は負けた側のコマを奪います。

つまり、優勝者は他の参加者のコマを
「総取り」することになります。

日本の製造業を元気にする目的で、
2012年から開催されている大会です。

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| 科学・生活 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宗教はなぜ人を殺すのか ―平和・救済・慈悲・戦争の原理

満足度★★★
付箋数:20

さくら舎さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたの信仰する「宗教」は何ですか?

こう聞かれると、かなり多くの日本人は
「無宗教」と答えるそうです。

しかし、そうは言っても、死んだ場合は、
お坊さんに経を読んでもらい、戒名をつける
方も多いと思います。

また、正月には神社に参拝し、お盆には
お寺を訪れる方も多いでしょう。

日本人が「無宗教」と答える理由には、
いくつかの宗教と薄く関わっているから。

1つの教義だけを信仰するのではなく、
入会の儀式を経ていないことで、
信仰への自覚が少ないのでしょう。

そんな日本人には関心が薄い「宗教」ですが、
あなたは「宗教」という言葉を聞くと、
どのようなイメージを抱くでしょうか?

本書の著者、宗教学者の正木晃さんは、
相反する2つのイメージがあると言います。

1つは、平和、愛、救い、慈悲、心の平安
などの良いイメージです。

いずれも心地よく響くもばかりで、
各教の聖典やお寺や教会などの布教の場でも
こういった言葉が説かれています。

もう1つは、宗教の名のもとに行われる
テロ、戦争、殺人、暴力などのマイナスの
イメージです。

特にイスラム原理主義者によるテロ事件や、
オウム真理教の事件などの記憶もあって、
宗教に嫌悪感を抱く人もいるでしょう。

実は、宗教には常に暴力と共に歩んできた
歴史があります。

日本に初めて仏教が伝えられたときには、
崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏が戦いました。

戦国時代には、浄土真宗の信者が一向一揆を
起こしました。

江戸時代には、キリスト教信者が蜂起して、
島原の乱を起こしました。

世界に目を向けてみても、十字軍の遠征や、
宗教戦争など、もっと大規模な暴力を
振るってきました。

  「洋の東西を問わず、また時代を問わず、
  宗教は戦い、人を殺してきたのです。
  これは否定できない事実です。
  では、平和、愛、救い、慈悲、心の平安
  などを説く宗教が、暴力と縁が切れない
  原因は、いったいどこにあるのでしょうか。
  宗教は、宗教以外の要素、たとえば政治的な
  圧力や強制をうけて、やむなく戦い、
  人を殺してきたのでしょうか。
  それとも、宗教の中に、もともと戦い、
  人を殺す論理や理由があるのでしょうか。」

本書は、それぞれの宗教の教義を紐解き、
宗教の持つ2面性の謎に迫ります。

 第1章 イスラム教
  -宗教の名のもとに戦う
 第2章 ユダヤ教
  -暴虐に満ちた『旧約聖書』の世界
 第3章 キリスト教
  -暴力を容認してきた愛の宗教
 第4章 仏教
  -「空」がもたらす殺人肯定
 第5章 宗教の陥穽

特定の宗教だけを扱うのではなく、
4大宗教について横断的に見ていくことで、
わかってくることがあります。

それは、どの宗教も殺人や戦争をもたらす
暴力を肯定してきたということ。

暴力を肯定どころか、それを積極的に
正当化してきた宗教もあります。

いずれにしても、暴力を正当化するのは、
聖典の解釈の「さじ加減」によるもの。

そこには、オウム真理教の「ポワ」の
論理に近いものがあるようです。

本書は、私のように宗教に疎い人でも
理解できる、宗教の入門書としても
読むことができます。

この本から何を活かすか?

私が本書で驚いたのは、ユダヤ教の
「旧約聖書」の持つ暴力性についてです。

まず、創世記の「カインとアベル」の
物語で、カインはアベルを殺します。

ヤコブの2人の息子は大量虐殺を行い、
ソドムとゴモラは町ごと天からの
硫黄の火によって滅ぼされます。

出エジプト記でモーセは大量殺人を命じ、
レビ記や民数記では戒律に背いた者は、
石で打ち殺されます。

とにかく、旧約聖書では神に従わない者は、
徹底的に滅ぼされるようです。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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常識的で何か問題でも? 反文学的時代のマインドセット

満足度★★★
付箋数:21

朝日新聞が毎週発行する雑誌「AERA」。

そこに掲載される巻頭コラム「eyes」は、
900字ほどのエッセイで、4人の執筆陣が
毎週2人ずつ寄稿しています。

その4人とは、内田樹さん、姜尚中さん、
浜矩子さん、東浩紀さんです。

本書は、この4人の中で一番古くから
連載を続ける内田さんのコラムを
テーマ毎にまとめたものです。

 第1章 危機的時代の判断力とサバイバル力
 第2章 真の知的成熟とは何か
 第3章 「属国」日本とアメリカ
 第4章 地方と経済効果とお金の話
 第5章 国民国家はどこへ行くか
 第6章 情理を尽くさない政治に未来はあるか

それぞれのテーマの中で、各コラムは
時系列に並べられています。

内田さんと言えば、「思想家」という
イメージが強いですが、大学退職後は、
武道家を名乗っています。

現在は神戸に道場を建て、フルタイムで
武道に勤しみ、その合間で執筆活動を
しているようです。

しかし、「ウチダ節」と言われる、
一瞬で思考の深いところまで切り込む
言説は今も健在です。

まさに、「世相を斬る」という言葉に
ピッタリなコラムです。

本書を刊行するに当たって書かれた
「まえがき」や「あとがき」も
一般的な巻頭・巻末の言葉とは異なり、
それ自体が1つのコラムになっています。

気がつくと、いつもの内田ワールドに
引き込まれているといった感じです。

「まえがき」では、リスクを過小評価して、
最悪の事態に備えない、日本社会の病に
ついて言及しています。

「あとがき」では、政治を語ることの
是非について論じています。

簡単には始まらないし、終わるときも、
思考を巡らせてからでは終われない
という印象です。

さて、本書のコラムの中から、
いくつか気になったものを紹介します。

1つは「文系不要論」について。

国立大学から文系が消えようとしている
現状について、内田さんは次のように
コメントしています。

  「日本における高等教育の終わりが
  始まっている。」

  「これは教育行政が進めてきた
   “愚民化政策” のひとつの到達点である。
  彼らも国を滅ぼしたくてそのような政策を
  続けてきたわけではあるまい。
  だが、経済成長という短期目標を達成する
  ために “次世代の市民的成熟を支援する” 
  という教育本来の目標を放棄した人たちに
  教育を委ねることはできない。」

次に「無駄にならない思考習慣」について。

2017年12月に新幹線「のぞみ」の台車に
破断寸前の亀裂が見つかった問題に
コメントしたものです。

  「リスクヘッジというのは “最悪の事態に
  備える” ことである。それは “丁半賭博で
  丁半両方に賭ける” のに似ている。
  そのつど掛け金の半分は無駄になる。
  同じように “最悪の事態” に備えて打った
  手は、最悪の事態が起こらなければ
  すべて無駄になる。けれども、
  シスクヘッジとはそういうことである。
  そのためには、 “最悪の事態” が起こらない
  ために投じられた資源を決して無駄とは
  みなさない習慣を身につけるしかない。」

内田さんは、度々、日本企業のリスク意識の
低さについて指摘しています。

個人ではリスクに備えて必要以上の
「保険」に加入すると言われる日本人ですが、
集団だとリスク意識が欠如するようです。

この本から何を活かすか?

本書のコラムの中で、
「100年後も読まれて欲しい本」として、
内田さんは次の3冊を挙げています。

 『服従』ミッシェル・ウェルベックさん

 『プロット・アゲンスト・アメリカ
  フィリップ・ロスさん

 『1Q84』村上春樹さん

ちなみに、内田さんの「名著」の条件は
「100年後もリーダブルである」ことです。

21世紀に入ってからは、上記の3冊も含め、
この条件を満たす本はまだ存在しないと
書かれています。(2016年9月時点)

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本を亡ぼす岩盤規制 既得権者の正体を暴く

満足度★★★
付箋数:23

「岩盤規制」という言葉を、
耳にする機会が増えました。

特に、加計学園の獣医学部新設問題で、
よく出てきたキーワードでした。

岩盤規制とは、役所や業界団体などが、
改革に強く反対し、緩和や撤廃が容易に
できない規制のこと。

なぜ、役所や業界団体などが、そこまで強く
反対するかというと、それは既得権益を
守るためです。

上念司さんんは、本書の「はじめに」で、
岩盤規制は「おバカ校則」みたいなもの
と述べ、その理由を3つ挙げています。

1つ目の理由は、内容が古いこと。

戦後の食料不足や住宅不足に対処する
ために作ったものや、GHQが決めたことを
そのまま変えずに踏襲しているものが
今でも多く残っています。

2つ目の理由は、根拠がないこと。

表向きは、○○保護などの大義名分が
掲げられていますが、その効果は検証される
ことはなく、既得権益を保護するために
利用されています。

3つ目の理由は、これが最終的には
「社会主義経済」に行き着くという点。

岩盤規制は、自由主義経済の対局にあり、
自由な経済活動よりも、エリートが敷いた
レールの上を走った方が、経済は発展する
という思想が背景にあります。

上念さんは、特にこの3つ目の理由が
一番の深刻であると指摘しています。

獣医学部新設問題は、岩盤規制だらけの
日本の氷山の一角です。

岩盤規制は、国民には巧妙に隠されていて、
「触れてはいけない問題」になっています。

なぜなら、本来この問題を取り上げるべき
マスコミも既得権者の1つだからです。

岩盤規制で既得権者の利益を守るために、
毎年30兆円の負担増となり、私たち国民の
生活は苦しめられていると言います。

  「本書はその触れ得ざる問題に大きく
  切り込んで、真の実情を炙り出すために
  書かれた。マスコミが絶対に触れない
  既得権の闇を白日の下に晒し、
  その巨悪の消滅を願って、戦いを挑む。
  自由な経済こそが国民を豊かにし、
  国を強くする。日本経済の弱体化で喜ぶ
  のはいったい誰なのか? 考えてみれば
  答えは簡単に分かりそうなものだ。
  この点については読者諸君の賢明な
  判断に委ねたい。」

本書で暴かれる既得権の闇は、財務省、
農業、放送・通信、銀行、NHK、医療・病院、
保育園、朝日新聞の8つです。

これだけ並べて見ても、私たちの生活が、
いかに岩盤規制に取り囲まれているかが
よく分かります。

いつものように上念さんは、この8つの
問題に、舌鋒鋭く切り込んでいきます。

まったく容赦のないところが、上念さんの
魅力でもありすね。

  「晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を
  奪っていくのがこの国の銀行だ。
  銀行はいつもリスクの見積もりを間違える。
  だから、不況の時にはお金を貸さず、
  景気が良くなると過剰に貸し付ける。
  そして、再び景気が悪くなると貸し剥がし。
  毎度毎度、同じことの繰り返しだ。」

  「花粉症のシーズンになると、耳鼻科に
  長蛇の列ができる。風邪で診察を受けると
  抗生物質(抗菌薬)が処方される。
  入院するとやたらと検査を受けさせられる。
  こうした私たちが当たり前だと思っている
  ことは、実は岩盤規制のなせる業だ。」

私たちの日常生活に密接した部分から
問題の核心にズバッと切り込んで行く様は、
読んでいて小気味いい。

そして、今まで既得権の闇に
気づかずに生活をしていたと考えると、
空恐ろしくなってくるかもしれません。

この本から何を活かすか?

日本社会は、これから更に高齢化が進み、
「医療費」が増大すると言われています。

しかし、その言説さえも鵜呑みにしては
いけないと上念さんは指摘します。

  「必ずしも間違えではないが、的外れだ。
  結局、それは社会保障予算をたくさん
  確保したい厚生労働省、大盤振る舞い
  大好きな財務省に忖度したある種の
  フェイクニュースである。」

医療費の3割は無駄になっていて、
本来取り組むべき制度上の問題は、
高齢化とは別にあるようです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「超」入門 空気の研究 日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力

満足度★★★
付箋数:22

著者の鈴木博毅さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

集団や組織には「場の空気」が生まれます。

その「空気」が時には、忖度、パワハラ、
いじめなどを生み出すことがあります。

日本の大事な意思決定が歪んでしまうのも、
「空気」という同調圧力に支配されるから。

  「 “空気” とはまことに大きな絶対権を
  もった妖怪である」

こう表現したのは、1970年代に活躍した
評論家の山本七平さんです。

山本さんは、イザヤ・ベンダサンという
ペンネームで『日本人とユダヤ人』という
本も著している方です。

山本さんの著書の中で、日本人の精神構造を
見事に解明したのが、1977年に刊行された
「空気」の研究』です。

日本人の忖度する文化を見事に解明した
「日本人論」の古典的名著です。

「空気」は、これだけテクノロジーが
発達した現在でも、場を支配しています。

そのため、日本人の精神性や日本的な
組織の問題点を指摘する存在として、
「空気」の研究』は読み継がれています。

しかし、その内容は難解で読みにくい。

  「本書は名著『「空気」の研究』を、
  現代のビジネスパーソンが活用できるように
  構造化・論理化していきます。
  曖昧な存在だった空気を打破し、
  空気を引き起こし続けている日本の失敗や
  悲劇に終止符を打つことを最終目的にして、
  皆さんとともに学んでいく書籍です。」

著者の鈴木博毅さんは、古典的名著の解説では
定評のある戦略ビジネスコンサルタントです。

これまでにも多くの解説本を執筆してきました。

  ・『「超」入門 失敗の本質
  ・『「超」入門 学問のすすめ
  ・『実践版 孫子の兵法
  ・『最強のリーダー育成書 君主論

鈴木さんの本は、いつも単に古典の解説に
留まらず、それを現代に生きる私たちが
どう活かすかという視点で書かれています。

本書でも、それは同様です。

今の日本社会の息苦しさが、「空気」による
圧力によるもので、如何にしてそれを打破し、
思考の自由を取り戻すかを論じています。

本書では、『「空気」の研究』を構造から
把握するために、次の7つの視点で紐解きます。

 第1章「空気という妖怪の正体」
  ~合理性を破壊する見えない圧力~
 第2章「集団を狂わせる情況倫理」
  ~集団になると狂暴化する謎~
 第3章「思考停止する3つの要因」
  ~日本人が感染しやすい3つの要因~
 第4章「空気の支配構造」
  ~金縛りを生む3つの基本構造~
 第5章「拘束力となる水の思考法」
  ~常識に縛り付ける新たな拘束力~
 第6章「虚構を生み出す劇場化」
 ~「日本劇場」を操る「何かの力」~
 第7章「空気を打破する方法」
  ~空気を破壊する4つの方法~

本書を読むと、本当に日本人は今も昔も
変わらないということを実感します。

しかも、空気の固定化は問題解決能力や
修正力の破壊を招いている。

そのまま放っておくと、現実を無視して、
すべてを前提通りに進めようとする
大きな拘束力となり組織を腐らせます。

それがいずれ組織の不祥事として
明るみに出ることが繰り返されています。

  「日本と日本人は、時代遅れの組織が生む
  ゆがんだ空気を見抜き、それを破壊して、
  健全で豊かな未来を見出すために、
  自らの知性を回復するときを迎えて
  いるのです。」

実際のところ「空気」の正体をつかんでも、
日本人の本質が変わるわけではありません。

ただし、それを知った上での対処法があります。

わたしたちは、同じ過ちを繰り返さないために、
本書で「空気」という妖怪の性質を把握し、
行き詰まった状態をなんとか切り開いていく
必要があるのです。

この本から何を活かすか?

学校でのいじめは、加害者側の生徒が、
「クラスの空気」を探ることから始まります。

小さないじめをして、クラスの誰からも
反論がなく、先生からも怒られなければ、
「ここまでは大丈夫」とクラスの前提を
確認したことになります。

その境界線を一歩ずつ広げ、徐々にいじめが
エスカレートしていきます。

ですから、いじめを無くすためには、
「そのような行為は絶対に許されない」
という空気を初期の段階でしっかり作る
必要があるようです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 08:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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知的生活の設計 ― 「10年後の自分」を支える83の戦略

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、2019年のNew Year's resolutionを
決めましたか?

すでに決めた人も、まだ決めていない人も、
この本を読んでから1年をスタートさせた方が
いいかもしれません。

なぜなら、本書を読むと今年1年だけでなく、
10年後の人生が変わってくるからです。

本書は、10年後を見据えて、今できることを
まとめた本です。

著者はLifehacking.jpを運営している
研究者・ブロガーの堀正岳さんです。

前著『ライフハック大全』では、5分で人生を
変えるハックの数々を紹介していましたが、
本書では、長期的な視点で書かれています。

ポイントとなるのは、2つの考え方です。

1つ目は、「知的生活」を積み上げる
という考え方です。

知的生活とは、新しい情報との出会いと
刺激が単なる消費にとどまらず、
新しい知的生産につながる生活のこと。

それを継続し、徐々に積み上げていきます。

  「1冊の本や情報との出会いを楽しみながら、
  それが積み上がることで生まれる “方向性” 
  について意識的であることによって、
  私たちの生活を単なる “情報の消費の
  繰り返し” ではない、 “成長する旅路” に
  変えることができます。」

2つ目は、「設計」という考え方です。

これは、どのように知的生活を送るかの
フレームワークで、次の5つのポイントが
挙げられています。

 1. 自分の「積み上げ」を設計する

  1日の活動時間や読書量などを10年後の
  蓄積を想定して設計します。

  長い目で見て価値を生み出す毎日の
  習慣を作ります。

 2. パーソナルスペースを設計する

  端的に言うと「書斎」のことです。

  書斎も長い目でみて、成長させることを
  念頭に置いて設計します。

 3. 発信の場所を設計する

  発信先として最も優れているのはブログ。

  日々の発信というフロー情報が、
  ゆっくりと蓄積してストック情報に
  変わっていきます。

 4. 知的ファイナンスを設計する

  収入の5%を知的投資に回し、将来的に、
  そこから知的生活を支えるための収入を
  得ることも想定します。

 5. 小さなライフワークを設計する

  心の琴線に触れた情報や感じた違和感を
  長い目で見た小さなライフワークを
  たくさん持ちます。

本書では、このように10年単位で考えて、
知的生活を送るための戦略を示します。

私が2007年から細々と始めたブログも、
10年以上が経ち、これまでに紹介した本も
既に3000冊を超えています。

堀さんが本書で勧めている知的生活を
実践している部分があったからこそ、
ここまで続けられているのだと実感しました。

新しい1年の最初に読むには非常に良い本
だと思います。

この本から何を活かすか?

  「場所があるからこそ、いつもの生活
  から知的生活へと移行するスイッチが入る
  わけです。」

本書では、デジタルとアナログが
バランスしたハイブリッドな「書斎」を
持つことを提案しています。

紙の書籍数に対する電子書籍数の割合
などにも言及されていたので、
この機会に我が家の書斎の環境も
見直してみたいと思います。

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| ノウハウ本 | 07:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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