活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2018年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年12月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

満足度★★★★
付箋数:26

日経BP社の日野さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

次のような状況を想像してみてください。

あなたは、ある日の昼休みに、
会社の同僚とランチに行きました。

その帰り道、自動販売機で缶コーヒーを
買おうとしましたが、小銭の持ち合わせが
ありません。

あなたは、同僚に「ちょっと130円貸してよ」
と言って缶コーヒーを買い、仕事に戻りました。

さて、職場に戻ったあなたは、いつ130円を
返しますか?

そもそも、この借りた130円は返す必要が
あるのでしょうか?

何をバカな質問をしているのかとお思いで
しょうが、実はこの質問に中国人を理解する
鍵が隠されています。

同僚に130円借りた場合、99%の日本人は、
きちんと返すでしょう。

しかも、小銭ができ次第、なるべく早く
返そうと思う人も多いと思います。

なぜなら、「借りたものは返す」のが、
私たち日本人の常識で、それが「スジ」
だからです。

もし、あなたが130円貸した側だとすると、
130円がなかなか返ってこないと、
返せとは言わないまでも、モヤモヤとした
気持ちになると思います。

それは、日本人は借りたものは返す「べき」
と考えるからです。

一方、これが中国人の場合は、必ずしも返す
とは限りません。

お金を返さない中国人の心理は
いったいどうなっているのでしょうか?

中国人が130円を返さないのは、
それが現実的に、あってもなくても影響のない
「量」だから。

多くの人にとって、財布の中に130円が
減っても増えても、日々の生活にそれほど
支障はでないはずです。

すると、返しても返さなくても実質的に
影響のない「量」のお金を返す、または返して
もらうことに、中国人は意味はないと考えます。

中国人が130円返さないとしても、
それは強欲だからではないのです。

本書は、亜細亜大学大学院で講師を務める
中国ビジネスの専門家、田中信彦さんによる、
日本人が中国人を理解するための「中国論」。

  「スジ」で考える日本人
  「量」で考える中国人

田中さんは、このフレームで、
日本人と中国人の違いを説明します。

この考えで整理すると、本書のタイトル通り、
非常にスッキリします。

日本人がベースと考える「スジ」とは、
「スジを通す」などと言うような規範であり、
「こうするべき」という「べき論」です。

一方、中国人がベースと考える「量」とは、
「これだけある」という現実です。

それは、「どうあるべきか」は関係なく、
「あるのか、ないのか」、「どれだけあるのか」
と「量」を基準に考えます。

借りたお金も、なければ返しませんし、
影響がない量なら、すぐに忘れてしまいます。

これが日本人が中国人にストレスを感じて
しまう理由。

日本人の場合は「スジ」で考えるので、
基準が揃っていますが、中国人の場合は、
「量」で考えるので、それが多いか少ないかの
基準は個人によってバラバラです。

日本人の常識から考えると、あり得ないと
思える中国人の行動は、常識に沿うのではなく、
影響度の「量」を基準にしているのです。

列に割り込みをするなど、枚挙に暇がない
中国人のマナー違反が起こるのはこのためです。

ただし、「スジ」で考えるのではなく、
「量」で考えることも、決断が速い、臨機応変、
効率的などのメリットもあります。

  「別に、中国という国が好きでも嫌いでも、
  中国人が好きでも嫌いでも、それは個人の
  自由で、どちらでもかまわない。
  大事なのは、正面から向き合う覚悟を決めるか、
  あるいは、自らの弱さに負けて目を逸らすか、
  である。」

これからの時代、中国との関わりを避けて
通れませんから、正面から向き合うと、
覚悟を決めるべきでしょう。

本書は、中国人とビジネスをしていく上では、
欠かせない本だと思います。

この本から何を活かすか?

本書の考察で非常に興味深いのは、
「量」の社会が、「スマホ」と非常に
相性がイイことです。

ネット世界で使われる「評価システム」が、
「量」を表すことになり、中国人のモラル向上に
つながる可能性があるようです。

スマホは、量の社会の弱点を補う可能性が
あるので、これから期待できそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 社会・国家・国際情勢 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |