活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える

満足度★★★★
付箋数:25

あなたや、あなたの子どもの学業成績は、
本人の努力によって決まるのでしょうか?

それとも、教え方によって差が出る
のでしょうか?

実は行動遺伝学では、驚くべき事実が
証明されています。

先生の教え方や本人の努力による影響は
大きく見積もっても全体のわずか20%に
過ぎません。

それに対して、遺伝の影響は50%、
そして残り30%は家庭環境の違いに
よるものだと分かっています。

なんと、学習者本人がどうすることも
できない遺伝要因と家庭環境で、
なんと80%も決まってしまうのです。

では、教育や学習はたった20%しか影響
しないので、意味がないのでしょうか?

そう考えてしまうのは大きな誤解です。

そもそもこの行動遺伝学のエビデンスは、
教育制度がきちんと働いていることを
前提としています。

もし教育や本人の努力が同じであれば、
遺伝と家庭環境の差が成績の差になる
ことを意味していています。

つまり、本人の努力がなければ、
もっと差が開いてしまうのです。

  「それでも可能な範囲で、この世界に
  ついてわかっていること、この世界を
  成り立たせていることについて、
  その人の遺伝的素質に沿った形で
  理解しておくこと、そしてより深く
  知ろうとし続けることはその人の
  人生においてより確信に基づいた
  意思決定を可能にし、その人の生き方を
  左右することになります。」

本書は、教育とは何か、
学ぶとはどういうことかについて、
「生物学的な視点」から考える本です。

著者は慶應義塾大学文学部教授の
安藤寿康さんです。

私たちが、学校や学校以外の機会を
通じて学ぶのは、頭を良くするため
でも、よい成績を取るためでも
ありません。

さらに、豊かな暮らしをするため
でもありません。

それは、ヒトが生物として生き延びる
ために、異なる遺伝的要素を持った
人たち同士で、知識を共有する必要が
あるのです。

  「教育とは決して他人よりも
  よい成績をとろうと競い合うため
  ではなく、また自分自身の楽しみを
  追求するためだけでもなく、むしろ
  他の人たちと知識を通じてつながりあう
  ためにあった。その意味でヒトは
  進化的に、生物的に、教育で生きる
  動物なのです。」

本書は、勉強する根源的意味がわかる本。

本書の考えは、私にとっては斬新でしたが、
非常に納得感はありました。

生物学的に考えると、あなたのこれまでの
教育観が大きく変わるかもしれません。

 序章 教育は何のためにあるのか?
 第1部 教育の進化学
  第1章 動物と「学習」
  第2章 人間は教育する動物である
 第2部 教育の遺伝学
  第3章 個人差と遺伝の関係
  第4章 能力と学習
 第3部 教育の脳科学
  第5章 知識をつかさどる脳

この本から何を活かすか?

一般知能の高い人はおしなべて何でも
できる傾向があります。

これはIQが高い人は、入試科目が多い
国立大学の入学試験で有利だということ。

しかし、IQが高くなくても遺伝的に
得意な科目を伸ばせば、入試科目の少ない
私立大学の入試では不利になりません。

一方、社会に出たときに求められるのは、
それぞれの職務に応じた固有の能力です。

全部にできなくても、専門性を磨けば、
社会では十分に活躍できるのです。

逆に、これが学校秀才が、必ずしも
社会で活躍できるとは限らない理由に
なっています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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