活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2018年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年12月

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チーム内の低劣人間をデリートせよ ——クソ野郎撲滅法

満足度★★★
付箋数:22

あなたの職場には、次のような行為を
する人はいませんか?

  ・個人攻撃をする人
  ・私的な空間に平気で侵入してくる人
  ・不快な身体的接触をしてくる人
  ・言葉や身振りで脅しや恫喝をする人
  ・いつも人のやる気を萎えさせる人
  ・人前で屈辱を与える人
  ・相手が存在しないかのように扱う人

どんな会社や組織でも、このような
できれば避けたい人はいるものです。

本書では、こんなイヤな行為をする人を
「クソ野郎(Asshole)」と呼びます。

こんな過激な表現を使うのは、
スタンフォード大学経営理工学部教授の
ロバート・I・サットンさんです。

驚きなのは、本書の元になったエッセイが、
「クソ野郎」という表現がそのまま
ハーバード・ビジネス・レビュー誌に
掲載されたということです。

  「私が本書を記したのは、残念がら
  大半の人が、職場でクソ野郎どもに
  直面しなければならないからだ。
  本書では、そのようなうっとうしい
  やつらが周囲の人に与える影響や、
  組織のパフォーマンスを低下させる
  様子について述べている。
  また、職場からこうした低劣な人間を
  遠ざける方法や、厄介な連中を変える方法、
  かたくなに自分のやり方を変えようと
  しないクソどもを追放する方法、
  やつらがもたらす被害を最小限に
  食い止める方法などを紹介する。」

本書では、クソ野郎による悪影響の
原因を特定して、改善するための方法を
紹介します。

次に、「クソ野郎撲滅法」を採用している
組織の取り組みと効果を示します。

更に、卑劣な上司・同僚・部下がいる
組織で生き延びる術を案内します。

「クソ野郎」という表現は強烈ですが、
その対策はそこまで過激なものでは
ありません。

本書のいい点は、クソ野郎を責める他責
で終わらず、自分自身がクソ野郎に
ならない方法についても言及している
ことです。

誰でも、一歩間違うと自分がクソ野郎に
なってしまう可能性があります。

本書には、クソ野郎自己診断テストまで
掲載されています。

ここでは、このテストの一部を紹介します。

 1. あなたは、無能なバカに囲まれていると
  感じている―そしてときどき、それを
  彼らに伝えられずにはいられない。

 2. あなたは、いまの能なしどもと一緒に
  働くようになるまではいい人だった。

 3. あなたは、周囲の人を信用できない。
  そして周囲もあなたを信用していない。

 4. あなたは、同僚を競争相手だと思っている。

 5. あなたは、 “はしごをのぼる” 最善の
  方法は、他人を蹴落とすことだと思っている。

 6. あなたは、ひそかに他人の苦しむところを
  見て楽しんでいる。

こういった質問が全部で24問あり、「イエス」の
個数を数えて、自分のクソ野郎度を診断します。

自分がそうならないように努め、
組織の中からも撲滅したいクソ野郎ですが、
実は真のクソ野郎だからこそ成功した人も
世の中にはいます。

  「実例その一は、アップル社のCEOにして
  ピクサー社のCEO、そしてディズニーの
  筆頭株主にもなったスティーブ・ジョブズ。
  彼はフルネームがスティーブ・ “クソ野郎” 
  ・ジョブズなのではないかと疑いたくなる
  ほどのクソ野郎だった。」

サットンさんは、クソ野郎の利点は、
一定認めつつも、やはり貴重な人生を
そんな人に囲まれて過ごしたくないので、
組織に「クソ野郎撲滅法」を取り入れる
ことを勧めています。

この本から何を活かすか?

もし、不幸にしてあなたの職場が、
クソ野郎に支配されていたら?

本書では、次の対処法が紹介されています。

 リフレーミング、感覚を麻痺させる、
 小さな勝利を見つける、なるべく会わない、
 安全と支援と正気を確保する・・・

しかし、可能であればそんな職場からは
逃げることを真っ先に考えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 04:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険

満足度★★★
付箋数:23

  「 “これ、いったい何の本なの?” 店頭で
  ぱらぱらめくっている人は、本書の中身の
  得体の知れなさを見てそう思うはずだ。」

本書の監訳者、山形浩生さんはこのような
解説の言葉を書いています。

私が本書を書店で見つけたときの、
第一印象がまさにこの通りでした。

こんな世界があるのかと得体の知れなさに、
吸い寄せられる感じがしました。

最近の電子機器はかなり高度になっていて、
完成品を購入して、メーカーの指示通りに
使うのが当たり前になっています。

しかし、「分解するな」と言われると、
逆に分解したり、改造したくなる人がいます。

場合によっては、部品を買って自らの手で、
新しいものを生み出す人もいます。

このようにハードウェアの常識を覆して
しまう人たちは、「ハードウェアハッカー」
と呼ばれます。

本書の著者、アンドリュー “バニー” ファンさん
は、世界的に有名なハードウェアハッキングの
第一人者です。

マイクロソフト社のXboxを分解して解説した
Hacking the Xbox』で有名な方です。

本書は、バニーさんが道先案内する、
新しいモノをつくる破壊と創造の冒険の旅。

  「中国に行くまでは、最新のエレクトロニクス、
  ジャンク品、部品がほしいなら、東京の
  秋葉原に行くしかないと思っていた。
  でも、2007年の1月に深センのSEG Electronics
  Market(賽格電子市場)を訪れたとき、
  その考えはまちがっていたことを知った。」

本書は、バニーさんの深センのSEGとの
出会いから始まります。

私も深センの話は聞いていましたが、
秋葉原の時代ではなくなっているのですね。

あらゆる部品は格安で手に入るし、
試作品の製造を小ロットで発注しても、
スピーディーかつ安価で作れる。

深センは、モノづくりをする人に
とっては魅力的な街なのだと思います。

バニーさんは、MITでは「深センの男」と
呼ばれているそうです。

本書では、深センでのビジネスの仕組みや、
知財の考え方、ニセモノ製品の裏側などを
解説します。

  「中国では知的財産の扱いがかなり違う。
  自分のオリジナル作品を作るために、
  買ってきた電話を使ってもいいし、
  実際にみんなそうしている。
  僕が中国で経験した2つの経験は、
  知的財産の扱い方が1つじゃないという
  ことを教えてくれた。」

私たち日本人は、中国のトンデモナイ
模倣品は許せないと考える人が多いでしょう。

しかし、キャラクター製品はさて置き、
電子機器に関しては、模倣品を作り出す
エコシステムがイノベーションを生むことに
つながっています。

それが中国経済が躍進してきた一因でも
あるようです。

本書では、著作権に違反せずにプロテクトを
外す方法や、わずか12ドルで携帯電話を作る
方法なども解説します。

知的財産を守ることも大切ですが、
守ることばかりに気を取られていると、
世の中のスピードについて行けなくなる。

日本からイノベーションが生まれない
と言われるのも、正論過ぎるからなのかも
しれません。

正直、電子部品の解説や詳しい改造方法を
読んでもよくわからない部分はありますが、
本書から、その凄さは伝わってきました。

この本から何を活かすか?

  「ハッキングするときのいちばん大きな
  心理的な障害は、 “ハックすることでそれを
  壊してしまうかも” という恐怖だ。
  でも、オムレツを作るには卵を割る必要が
  ある。同じように、システムをハックする
  ときには、デバイスを犠牲にする覚悟が
  必要だ。」

本書では、具体的な電子機器のハック方法が
写真付きで解説されています。

家電製品を分解した経験のある人なら、
本書を手引書として、チャレンジしてみる
価値はあるかもしれません。

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| IT・ネット | 05:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宇宙はどこまで行けるか-ロケットエンジンの実力と未来

満足度★★★★
付箋数:26

イーロン・マスクさんが、本気で掲げている
ことで知られている「火星移住計画」。

果たして、この計画は実現可能なのでしょうか?

移住するよりも前に、考えなくてはいけないのは、
まず有人で火星にいけるかどうかでしょう。

そういえばマット・デイモンさん主演で
映画化された『オデッセイ』は、
火星から帰還する宇宙飛行士の話でした。

原作はアンディ・ウィアーさんのSF小説
火星の人』です。

やはり、火星に行ったきりというのも
寂しいので、往復することを前提に
シュミレーションしてみましょう。

そうすると火星探査のためには次の
10のステップを踏むことになります。

 1.打上 → 2.地球軌道脱出 → 3.惑星間飛行
 → 4.火星軌道投入 → 5.着陸 → 6.打上
 → 7.火星軌道脱出 → 8.惑星間飛行
 → 9.地球軌道投入 → 10.着陸

このステップに必要な日数は、ただ往復する
だけを考えてはいけません。

火星と地球の公転のタイミングを見計らって、
火星での待ち時間が生じるからです。

地球から火星に行くのに約260日、
火星で待つこと約450日、帰りも約260日
かかるので、合計約970日、2年8ヶ月もの
日数を要するのです。

次に、この計画に必要な物資を見てみましょう。

まずは、人、食料、酸素、水が必要です。

機材は、宇宙機として基本性能を備えた母船、
火星着陸船、そして宇宙航行用のエンジンが
必要です。

無人探査機とは違い、かなり膨大な量の
物資を運ばなければなりません。

2年8ヶ月の長旅なので、宇宙船の乗員は6名は
考えておきたいところです。

本書では、この有人火星探査を「R計画」
と名付けて、本格的にかかる費用などを
本格的に試算しています。

そして、「イオンエンジン」で火星に向かう
秘策と、「宇宙基地とスペースマイニング」
の秘策によって大幅なコストダウンを考えます。

イオンエンジンは、マイクロ波を使って
生成したプラズマ状イオンを静電場で
加速・噴射することで推力を得るエンジン。

小惑星探査機「はやぶさ」に使われたことで
知られる電気推進のエンジンです。

また、もう1つのスペースマイニングとは、
宇宙で資源掘削する方法。

具体的には月や小惑星から資源を調達して、
どうしても得られない物資だけを地球から
持っていくようにします。

本書を読んでいると、火星の有人探査までは、
本当に実現できそうな印象を持ちます。

さて、本書の著者は「はやぶさ」プロジェクト
に携わり、世界初の小型イオンエンジンの
実用化に貢献した小泉宏之さんです。

2015年より東京大学大学院新領域創成科学
研究科で准教授をされている研究者の方。

現実的なロケットエンジンの実力を踏まえ、
有人と無人の両方で、本当に宇宙のどこまで
行けるかを考えます。

本書は、ギャラリーキッチンKIWIが主催する
「大人の科学バー」というイベントで
小泉さんが2015年7月から全10回に渡って
実施した講演会「ロケット編」の内容を
まとめたものです。

さすがにイオンエンジンなど推進系の
世界最小クラス開発のトップランナーだけ
あって、話がリアルです。

そして、何より素人でも簡単に理解できる
話のわかりやすさは特筆ものです。

  「華々しいロケット打上の瞬間や、
  はるか彼方の探査機から送られる神秘的な
  画像を好きなだけ観られる時代になった
  今だからこそ、地球を飛び出し宇宙を駆ける
  ことの何が難しくて、どんな工夫をしている
  のかを知ると、面白さが倍増するはずだ。
  ぜひ、本書を読んで、宇宙開発変革の時代、
  そして未開地へ進出する醍醐味を味わって
  ほしい。」

本当に、小泉さんの言うような醍醐味が
味わえるので、読んで損のない本でした。

この本から何を活かすか?

機動戦士ガンダムでは、ラグランジュ・ポイント
(ラグランジュ点)という言葉が出てきました。

ラグランジュ点とは、天体力学で円制限三体問題
の5つの平衡解のこと。

簡単に言うと、地球と月の合成重力によって、
位置関係がズレない特別な場所のことです。

本書では、このラグランジュ点に宇宙工場を
作ることを提案しています。

本当にSFの世界だったものが、現実のものに
なる可能性を感じます。

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| 科学・生活 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1億総投資家時代~未来を生き抜くための『お金』の生み出し方~

満足度★★★
付箋数:17

サンライズパブリッシングさんより
献本いただきました。ありがとうございます。

あなたは、好きなことをして稼ぎますか?
それとも、稼いで好きなことをしますか?

堀江貴文さんと落合陽一さんの共著、
10年後の仕事図鑑』には次の一文があります。

  「好きなことにハマれば、お金なんて
  稼げるようになる。 “お金のために働く”
  のではなく “好きなことでお金を得る” 
  ほうが大切だ」

しかし、本書の著者、米田誠さんは、
「好きな仕事で生きていくは幻想」だと
言い切ります。

好きな仕事で食べていくよりも、
お金はお金で、投資の力で効率的に稼ぐ。

そして、稼いだお金で好きなことをする。

食べていくのに困らない、十分なお金があれば、
自由を謳歌する生き方ができる。

では、いくらあれば人生は安泰なのか?

  「幸せになるための着地点は、ずばり、
  2億円です。2億円を手にすれば、人生は
   “上がり” だと考えてもらってかまいません。」

本書は、FX(外国為替証拠金取引)によって、
2億円を貯めるための「考え方」を身につける
本です。

具体的なFXの投資手法については、
一切言及されておらず、いわゆる一般論が
述べられています。

ちなみに、米田さんは1994年生まれの、
FXトレーダー、個人投資家、事業家です。

FXコミュニティ「コツコツ」を運営しています。

  「FX取引においては、チャートを読み解く
  だけの能力があれば勝てます。
  世界情勢や経済のことに詳しくなくとも、
  臆することはありません。
  つまりは、テクニカル分析さえマスター
  すればチャートを読み解くことが
  できるのです。
  もっと言えば、テクニカル分析でチャートを
  読み解くために必要な能力というのも
  特に必要はないでしょう。」

この文章からすると、米田さんは、
スキャルピングやデイトレードなどで
FXの取引をしているのでしょう。

米田さんは、ビジネスよりも投資の方が、
稼ぐ効率が高い理由を4つ挙げています。

 1. 競争や独占のないパイの大きさこそが
  投資のメリット

 2. ビジネスには先見性と適応力がマスト

 3. コストとリスク

 4. 投資は掛け算、ビジネスは足し算

更に投資の中でも、FXが他の金融商品より
優れていることを説明します。

 ・バイナリーオプションよりもFXの理由
  →期待値が低いから

 ・仮想通貨よりもFXの理由
  →お金を学べないから

 ・不動産よりもFXの理由
  →2億円を生むことは無理だから

 ・投資信託よりFXの理由
  →金利が低すぎる

本書を読んだ方は、こらからの時代、
投資をすることの重要性には同意できると
思います。

また、FXで稼げる可能性があることも、
理解できるでしょう。

しかし、最後に疑問が残ります。

じゃあ、FXでどうやって稼げばいいの?

本書は、この疑問には答えてくれません。

具体的な方法が知りたかったら、
会費を払って、米田さんのFXコミュニティに
参加してくださいということなのでしょう。

本書は、これまで投資にほとんど興味が
なかった人が読むにはいい本だと思います。

この本から何を活かすか?

私が米田さんの考え方で感心したのは、
次の点です。

  「極力ムダな出費を嫌い、お金をプールし、
  すべてを投資に回す。ただ、これこそが
  投資家のあるべき姿ではないかと、
  今では思えるようになりました。」

米田さんは、支出は収入の10%に抑え、
残り90%を再投資に回しているそうです。

収入額が大きくなければできないことですが、
稼ぐ人ほど質素倹約する見本だと思います。

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| 投資 | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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才能の正体

満足度★★★★
付箋数:25

2013年に刊行され、ベストセラーのなった
坪田信貴さんの『学年ビリのギャルが1年で
偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
』。

有村架純さん主演で映画化されたので、
ご覧になった方も多いと思います。

私もAmazonプライムで『ビリギャル』を
見ました。

さて、ビリギャルは、偏差値30以下で、
学年ビリだった、さやかちゃんが、
猛勉強して現役で慶應義塾大学に合格した
ストーリーでした。

この本や映画を見た方から、よく、
坪田さんは次のように言われるそうです。

「彼女は、もともと才能があったんでしょう?」

こう尋ねてくる人は、「才能」は特別な
もので、一部の人にしか備わっていない
特別なものだと考えています。

ビリギャルの娘が、地アタマが良くて、
もともと才能があったと言われるのは、
「結果」だけを見て、判断されているから。

そして、坪田さんは次のように答えます。

  「才能は、誰にでもある。
  みんな、その才能をどう見つけたらいいのか、
  どう伸ばせばいいのかが、わからないだけ
  なのです。自分の才能も、我が子や、
  教え子や、部下や、後輩の才能も。
  そればかりか、多くの人たちは、その才能を
  潰してしまうことばかりしている・・・。
  そのことにこそ、気づくべきなのです。」

本書は、才能とは何なのか、そしてそれを
どう見つけて、どう伸ばしたらいいのかを
解説した本です。

一般的に「才能」とは、もともとデキる人
に備わっている能力の意味として使われますが、
本書では、次のように定義します。

才能の正体は、「洞察力」。

  「相手が何を求めているのか?
  ―これを想像し、洞察し、察知することは、
  勉強にもビジネスにも必要最低限のこと。
  (中略)相手の思考や行動を見抜けるように
  なる人のことを、いわゆる “才能がある” 
  と言うべきではないかな、と僕は思います。」

洞察力とは、物事を深く鋭く観察し、
その本質にあるものを見抜く力のことです。

では、どのようにすると、洞察力の
ある人に育てることができるのか?

坪田さんは、最初にすべきことは、
相手との「信頼関係」をつくることだと
言います。

  「まずは現実になってほしいことを
  言葉にする。言葉にして、その言葉を
  何度もアウトプットして、それによって
  感情を動かす。
   “歩むべき大切で正しい道(大義)” を
  定め、目的を明確化する。
  同じ目的に向かって進むための信頼関係を
  作る。―これをやれば、必ず才能は伸びるし、
  人材も育ちます。」

そして、個人を伸ばしていくのは、
正しいやり方で「フィードバック」する
ことです。

フィードバックで、相手の間違った点や
マイナス面だけを伝えるのはNGです。

プラスの意図も、マイナスの意図もなく、
ただ客観的な事実のみを伝えるのが、
正しいフィードバックです。

自分の価値観を挟まずに、ただひたすら、
中立的なフィードバックをするのが正解。

なぜなら、人はフィードバックを受けると、
より良くなろうとする生き物だからです。

事実のみで、中立的なフィードバックを
続けると、もともと本人が持っていた
理想の姿に少しずつ近づいていくのです。

本書は、後半、話が少し冗長になって、
若干見えにくい部分も出てきますが、
個人的には非常に得るものがありました。

勉強をするときなどの事例も多く、
100%仕事やビジネスについて、
語っているわけではありません。

しかし、それをどう活用するかは、
あなた次第だと思います。

この本から何を活かすか?

「やる気」とは、「動機付け」のことです。

坪田さんは、これを「認知」、「情動」、
「欲求」の3つの行動に分けて説明します。

そのうち、最も大切なのは最初に
「認知」することです。

「これなら自分にできそう」で、しかも
「これはきっと人生に役に立つに違いない」
と「認知」させることが、やる気を起こす
ためのスタートです。

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| 目標達成本 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

満足度★★★
付箋数:24

日経BP社の日野さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたの着ているシャツは、どのこ工場で
作ったものですか?

また、何という職人さんが作りましたか?

このように聞かれて、答えられる日本人は
ほとんどいないでしょう。

なぜなら、日本人はどこのブランドかは
気にしますが、どこの誰が作ったものかを
気にする人は少ないから。

日本ではファッションにうるさい人でも、
そこまで気にしないものです。

一方、イタリアやフランスなどで、
ファッションこだわる人は、どこの工房で、
誰が作ったものかに注目します。

日本は服づくりで、素晴らしい技術を
持っているのに、工場や職人が全面に出てくる
ことはありません。

あくまで黒子に徹しているのです。

それがメイド・イン・ジャパンの服づくりが、
廃れていっている一因でもあるようです。

1990年に約50%だった国内アパレル品の
国産比率は、2017年にはたったの2%程度に
縮小しました。

  「アパレル業界では通常、縫製などを
  手がける工場の存在は、あまりオープンに
  されていません。しかも高品質な技術を誇る
  工場ほど、消費者には知られていないのです。
  なぜなら多くの場合、商品の製造契約を
  結んでいる高級ブランドから守秘義務契約
  という “口止め” をされているからです。
  高級ブランドにとってみれば、ブランド
  イメージを保ったり、技術の流出を防いだり
  する必要があります。そのため生地や紡績、
  縫製を担う工場を、 “黒子” のまま隠して
  商品を売っていたのです。」

このアパレル業界の常識を覆して、
山田敏夫さんが立ち上げたのが
「ファクトリエ」というブランドです。

徹底的に「メイド・イン・ジャパン」の
ものづくりにこだわったブランドです。

「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」にも
登場したので、ご存知の方も多いでしょう。

本書は、アパレル業界に革命を起こそうとする
山田さんが、ファクトリエを創業するまでと、
創業後のストーリーを語ったもの。

店舗なし、セールなし、生産工場を公開、
価格は工場に決めてもらう。

ファクトリエは、これまでのアパレル業界の
常識やタブーを覆します。

そして、世界に誇れる日本初のブランドを
つくることに挑戦しています。

  「僕たちが目指すのは、 “つくり手の思いを
  感じ、洋服を買ってもらうこと” 。
  そして僕たちが担う役割は、ものづくりの
  物語を伝える “語り部” です。」

ファクトリエにとって、お客さんは神様では
ありません。

一緒に、商品の物語を語り部として伝える
仲間と考えます。

それがSNSの時代、ファクトリエに対する
熱狂が口コミとして加速した理由です。

そんなファクトリエは、創業するまでも、
創業してからも多くの失敗を重ねてきました。

  「失敗しなくて、成功することはありません。
  そして、どうせ失敗するなら早い方がいい。
  だから僕たちは、猛スピードで失敗しよう。
  そのかわり、転んだらすぐに起き上がって、
  また進んでいこう。
  FAIL FAST(早く失敗する)。
  それがファクトリエの一番の強みなのかも
  しれません。」

山田さんは本書で、「特別な才能や資産が
なくても、世界を変えるための行動は
始められる」というメッセーを伝えます。

山田さんは、自分に力がないと自覚した
からこそ、同志を募り、お客さんを巻き込み、
業界の常識を覆すことができたのです。

本書は、夢を持って挑戦することの大切さを
教えてくれる、熱い気持が伝わる本です。

この本から何を活かすか?

  「上手昔より上手ならず。
  下手、いつまでも下手ならず」

本書の冒頭で山田さんが引用していた、
武者小路実篤さんの『愛と死』からの一節。

もとから上手な人はいないし、最後まで
下手な人はいないという、努力の大切さを
伝える言葉です。

私は前半部分は慣用句として知っていましたが、
後半の続きがあることや、その出典については
知りませんでした。

後半部分があった方が、よりいいですね。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

満足度★★★★
付箋数:26

昨日の記事に引き続き、本日は下巻の紹介です。

『ホモ・デウス』という1つの作品を、
出版の都合上、2冊に分けているだけなので、
上下巻で評価が違うのは変な話です。

しかし、前著『サピエンス全史』のおさらい
をしている上巻よりも、クライマックスに
向かっている下巻の方が断然面白い。

上巻で力尽きそうになっても、何とか頑張って
下巻まで読み通すことをオススメします。

こちらもKindle版なら、『上下合本版』が
出ているので、価格的には随分お得。

さて、下巻は「現代の契約」についての
言及から始まります。

  「現代というものは取り決めだ。
  私たちはみな、生まれた日にこの取り決め
  を結び、死を迎える日までそれに人生を
  統制される。この取り決めを撤回したり、
  その法を越えたりできる人はほとんど
  いない。この取り決めが私たちの食べ物や
  仕事や夢を定め、住む場所や愛する相手や
  死に方を決める。」

ハラリさんは、契約とは、人間が力と
引き換えに、意味を放棄することに
同意したものと考えます。

そして、人類は力の追求へ向かっていく。

上巻では、人類を根本的に理解するために、
歴史を振り返り、あえて動物について語る
ところから始めていました。

それを受け下巻では、これから人間が
どこに向かっていくかを示します。

人工知能や遺伝子工学といったテクノロジー
とホモ・サピエンスの能力が合体したとき、
人類は何を求め、何のために生きるのか?

これまでの「人間至上主義」にとって代わる、
最有力候補は「データ至上主義」のようです。

  「あらゆる意味と権威の源泉として、
  欲望と経験に何が取って代わりうるのか?
  2016年の時点では、歴史の待合室でこの
  任務の採用面接を待っている候補が1つある。
  その候補とは、情報だ。
  最も興味深い新興宗教はデータ至上主義で、
  この宗教は神も人間も崇めることはなく、
  データを崇拝する。」

ハラリさんの考えで興味深いのは、
データ至上主義の視点に立つと、人類という
種全体を単一のデータ処理システムとして
解釈しようとしている点です。

人類が単一のデータ処理システムならば、
1人の人間はそのシステムのチップの
役目を果たします。

こう考えることで、歴史全体をシステムの
効率を高める過程として捉えています。

そして、人類を生命という壮大な視点で
見ると、次の3つの相互に関連した動きに
集約されていきます。

 1. 科学は1つの包括的な教義に収斂し
  つつある。それは、生き物はアルゴリズム
  であり、生命はデータ処理であるという
  教義だ。

 2. 知能は意識から分離しつつある。

 3. 意識を持たないものの高度な知識を
  備えたアルゴリズムが間もなく、
  私たちが自分自身を知るよりも
  私たちのことを知るようになるかも
  しれない。

とは言え、ハラリさんは、この3つの動きが
本当に正しいかどうかを読者に問いかる形で
本書を締めくくっています。

上下巻の全体を通してみると、人類の歴史と
テクノロジーの発展をうまく結びつけ、
人類の未来を鮮やかに示しています。

本当に私たちは、自らをホモ・デウスへと
アップグレードしたと言えるのか?

いろいろと考えさせられるところがありました。

個人的には、前著『サピエンス全史』よりも
面白かったように感じます。

普段時間がない方は、年末年始の休みに、
じっくりと読む本として推奨します。

  第6章 現代の契約
  第7章 人間至上主義
  第2部 ホモ・サピエンスが世界に意味を与える
  第8章 研究室の時限爆弾
  第9章 知能と意識の大いなる分離
  第10章 意識の大海
  第11章 データ教

この本から何を活かすか?

本書の中でもしばしば、「ビッグブラザー」
の存在について言及されています。

ビッグブラザーとは、ジョージ・オーウェル
さんの『一九八四年』に登場する独裁者。

「Big Brother is watching you」という
スローガンの下、住民は常に監視された
状態にあります。

欧米の本では、しばしば登場するので、
教養の一つとして押さえておきたいですね。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:00 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来

満足度★★★★
付箋数:24

私たち人類は、これからどこへ向かおうと
しているのか?

この壮大な問いに答えを出そうとするのが、
イスラエル人の歴史学者、ユヴァル・ノア・
ハラリさんです。

本書は、上下巻に分冊されている上巻。

ハラリさんと言えば、前著『サピエンス全史
が全世界で800万部を超えるベストセラーに
なりました。

前著では、認知革命・農業革命・科学革命の
3つを軸に歴史を振り返り、人類がいかにして、
文明を築いてきたかに迫りました。

私も読みましたが、タイミングを逸して、
このブログで紹介していませんでしたが、
どんどん引き込まれていく、オススメ本です。

ヘブライ大学での歴史の講義をベースに
していて、知的好奇心を刺激しながら、
文明の構造と人類の幸福を解き明かします。

とっつきにくい印象があるかもしれませんが、
実際の文章はかなり読みやすく、
新しい世界観を得ることができます。

もし、まだ読んでいない方がいれば、
騙されたと思って、読んでみてください。

Kindleで『サピエンス全史 上下合本版』が
出ているので、そちらを購入するのがお得です。

ちなみに、ハラリさんは現生人類である
ホモ・サピエンスのことを「サピエンス」と
表現します。

さて、前置きが長くなりましたが、
本書『ホモ・デウス 上』は前著の続編的な
位置づけの本です。

視点は、人類の未来へ向かいます。

タイトルの「デウス」は、いわゆる「ゼウス」
のことで、神の意を表します。

神のような力を持った人類が、この先どのような
未来に向かって行くのかを考察します。

本書も前著に負けず劣らず、非常に面白い。

もちろん、前著を読んでいなくても、
本書でも歴史を振り返っているので、
すっと入って行くことができると思います。

前著と内容が被っている部分はありますが、
復習にちょうどイイので、冗長感はありません。

未来を予測するうえで、歴史を振り返るのは
まさに王道中の王道。

本書では、私たち人類が、どのようして
「神」になったを振り返ることかから始めます。

私たちが神のような力を持つようになったのは、
これまで人類が歴史上ずっと抱えていた、
3つの生存の危機の問題をほぼ克服したから。

その問題とは、「飢饉・疫病・戦争」の3つの
生物学的貧困線です。

確かに、現代の日本に生きる私たちは、
これら3つの問題に遭遇していませんね。

人類はサピエンスから、ホモ・デススに進化し、
不死と幸福、そしてさらなる神性の獲得を
目指します。

そのとき人類の進化をサポートするのが、
生物工学や情報工学のテクノロジーなのです。

上巻では、科学と宗教との関わりまでの
ところまでが書かれています。

  「現代社会は人類至上主義の教義を信じており、
  その教義に疑問を呈するためにではなく、
  それを実行に移すために科学を利用する。
  21世紀には人類至上主義の教義が純粋な
  科学理論に取って代わられることはなさそうだ。
  とはいえ、科学と人類至上主義を結びつける
  契約が崩れ去り、まったく異なる種類の
  取り決め、すなわち、科学と何らかの
  ポスト人類至上主義の宗教との取り決めに
  場所を譲る可能性が十分ある。」

 第1章 人類が新たに取り組むべきこと
 第1部 ホモ・サピエンスが世界を征服する
 第2章 人新世
 第3章 人間の輝き
 第2部 ホモ・サピエンスが世界に意味を与える
 第4章 物語の語り手
 第5章 科学と宗教というおかしな夫婦

明日の記事では、ひき続き下巻を紹介します。

この本から何を活かすか?

欧米では、チャールズ・ダーウィンさんの
進化論が、今でも受け入れられないと言います。

なぜなら、進化論を信じてしまうと、
人類が大切にしてきた、「魂」を奪ってしまう
ことになるからです。

  「もしあなたが進化論を本当に理解していたら、
  魂が存在しないことも理解できるはずだ。
  この考えにぞっとするのは敬虔なキリスト教徒
  やイスラエル教徒だけではない。
  何1つ明確な宗教的教義は持っていないものの、
  人間の1人ひとりに、一生を通じて変わることも
  なければ、死さえ無傷で生き延びられもする、
  不滅の個人的本質が備わっていると信じている、
  多くの世俗的な人々にしても同じだ。」

魂は生物学的は説明できせきませんから、
進化論とは両立しません。

そこで魂を捨てることより、実際には進化論を
退ける人の方が多いようです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仮想通貨はどうなるか バブルが終わり、新しい進化が始まる

満足度★★★★
付箋数:25

ビットコインなどの仮想通貨に関するする本は
数多く出版されています。

その中で、私は、野口悠紀雄さんの書く本を
信頼しています。

過去にも当ブログで何冊か紹介してきました。

 『仮想通貨革命
 『入門 ビットコインとブロックチェーン

今回、紹介する本書も、過去の著書に
劣らず、非常に良い本になっています。

仮想通貨の本質を捉えると同時に、
最新の技術やトレンドをわかりやすく
解説しています。

さて、ビットコインの価格は2017年12月末を
ピークに下降トレンドに転換しました。

現在のビットコインの価格はピーク時の
3分の1以下にまで下落しています。

なぜ、ビットコインの価格は急落したのか?

野口悠紀雄さんは、その原因は「先物取引」の
開始にあったと見ています。

急落のあった2017年12月に、どこかの国が
ビットコインに関する規制を強化したと
いうようなことはありませんでした。

  「この期間に起こった重要な事件は、
  12月18日にシカゴ・マーカンタイル取引所
  (CME)がビットコインの先物取引を
  始めたことだ。
  これが価格低下の原因になったとしか
  考えようがない。」

もともと、ビットコインの価格高騰は、
投機によって引き起こされたバブルでした。

ですから、先物取引がバブルを崩壊させた
ことは、十分に考えられることなのです。

では、バブルの終わったビットコインは、
もう意味がないのでしょうか?

野口さんは、以下のような考えを示します。

  「ビットコインは本来、送金に用いるべき
  ものであって、価格が上昇すると
  送金手数料が自動的に上がってしまい、
  送金手段としての魅力を失う。
  したがって、ビットコインが投機の対象と
  なって価格が上がるのは、ビットコイン
  本来の機能から見て望ましくない。」

つまり、現在のビットコインバブル崩壊は、
望ましい方向に進んだことになります。

三菱UFJ銀行は、2017年5月から
独自の仮想通貨「MUFGコイン」の実験を
始めました。

当金手段として優位性を持つ仮想通貨なので、
これは理にかなった動きとなります。

もし、この実験が成功して、一般に利用可能と
なれば、経済活動全体に大きな影響を与えます。

キャッシュレス化において、日本は世界の
潮流から大きく遅れてますが、一挙に挽回する
大きなチャンスとなりえるのです。

また、ビットコインの基になっている
ブロックチェーン技術は、通貨以外にも
広い範囲での応用が期待されています。

その中でも、野口さんが注目しているのは、
電子データの改ざんができなくなることです。

この技術は、公文書の管理にも応用可能。

  「日本では、森友問題に関連する公文書を
  財務省が改ざんするという前代未聞の事件が
  起きた。こうしたことを受けて公文書管理を
  改善すべきだとの議論が起きている。
  この究極的な手段はブロックチェーンの導入だ。
  いま最もブロックチェーンの導入が求められて
  いるのは、日本政府だ。
  森友問題が忘れ去られる前に、公文書管理の
  改革を行う必要がある。」

現在、会社の設立目的や運用のルールを
定めた定款、あるいは重要な契約書の認証は
公証人が行っています。

この公証人の大部分は裁判官や検察官の
経験者から登用され、手数料収入は1人あたり
年間3000万円とも言われています。

ブロックチェーン技術を使えば、公証人が
行っている仕事のほとんどは、簡単に安く
処理できるようになります。

野口さんは、日本での起業を活発にするために
公証人をブロックチェーンに置き換えるべきと
考えています。

本書は、ブロックチェーンの技術的な解説も
しっかりしており、仮想通貨の未来を見通す
には、非常に参考になる本だと思います。

この本から何を活かすか?

ブロックチェーン技術を利用して国家システム
を作り上げた例が既にあるようです。

その国とは、北欧バルト3国の1つ、
「エストニア」です。

エストニアのe-Estoniaでは紙の資料が
不要になり、ブロックチェーン技術を使い、
真正性は数学的に担保されているようです。

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| マネー一般 | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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論破力

満足度★★★
付箋数:24

  「どうもおいら、ネットとかでは
   “論破王” と呼ばれているらしいのです。
  自分としては基本、ただ論理的に
   “それって、こうですよね?” と事実を
  淡々と語っているだけなのですが、
  相手のほうが反論できないことがわりと
  多くて、それを見聞きした人たちは
  論破したように見えるのでしょうね。」

ひろゆきさんは、本書の「まえがき」で
このように書いていますが、
なかなかどうして、論破するための
テクニックをいろいろと持っています。

そして、実際にそれらを駆使して、
負けないように議論しています。

  「相手を論破できるかどうかは、
  要するに “説得力のある話し方” が
  できるかどうかにかかっていると
  思います。」

本書は、論破力を高めて、説得力のある
話し方ができるようになるための本です。

さて、本書の一番の核心となる部分に
ついてです。

なぜ、ひろゆきさんは議論で負けないのか?

その答えは、非常にシンプルです。

  「要は、論破というのは話し方の技の
  問題というよりも、単に事実ベースの材料、
  つまり根拠を持っているかどうかの問題
  という気もするのですよ。」

ひろゆきさんは、議論をする際に、
自分の感情ベースで話すことが
ほとんどありません。

「こういう事実がありますよね」
という事実ベースの話をします。

実際にその事実があるわけですから、
相手はそれに対して反論できないのです。

事実に対して、相手が感情で反論しても、
論理的には既に破綻していますから、
陳腐な主張に見えてしまうのです。

実は、テレビの討論などでは、
理系のテーマを扱う場合でも、
理系の専門家がコメンテーターとして
呼ばれないケースがよくあるようです。

なぜなら、理系の専門家を呼んでしまうと、
番組が成り立たなくなってしまうから。

  「こういう資料があります、
  実験の結果はこうでした、
  なのでこれが結論です、以上」

このような話し方で終わってしまいます。

だから、ひろゆきさんは、
「文系の議論はイージー」と言います。

さらに、相手の主張の「あら」を見つけ、
そこにツッコミを入れ、怒りの感情を
引き出します。

怒りの感情に駆られた相手は、冷静さを
欠いた発言をするので、発言がどんどん
説得力を失っていくのです。

ひろゆきさんは、そんな「あら探し」を
喜々としてやっているので、人によっては、
そんな姿が受け入れられないのでしょう。

では、相手がなかなか言い返し難い、
「当たり前の常識」を振りかざしてきたら
どうしたらいいのでしょうか?

そんなとき、ひろゆきさんは、
たった1つの「例外」を示します。

  「それって真実ではなくて、
  <場合による><条件による>って
  いうことですよね」

このように確認すると、相手も
「ええ、まあ、そうですよね」と
同意するしかなくなります。

こうなったら、こちら側の主導で
話の切り口を変えていけばいいのです。

本書は、相手を論破したいときだけ、
使う本ではありません。

結論が出にくかったり、迷走しがちな
会議でも使えるテクニックが数多く
紹介されている本だと思います。

この本から何を活かすか?

本書では、議論のときに使える
ひろゆきさん流のキラーフレーズが
3つ紹介されていました。

 1. 「いま、なんで過去形ですか?」
 →面倒くさいヤツと思わせたいとき

 2. 「○○○ってどういう意味ですか?」
 →揚げ足取りは、相手の知識レベルの確認

 3. 「はい・いいえで答えてください」
 →強制的に前提条件を共有させる

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書

満足度★★★★
付箋数:25

仕事をストレスなく、順調に進めるためには、
何が大切なのでしょうか?

本書の著者、クリエイティブディレクターの
水野学さんは、「段取り」が鍵と言います。

水野さんは、くまモン、相鉄グループ、茅乃舎、
中川政七商店などのプロジェクトを手掛けた方。

何十件ものプロジェクトを同時並行で進める、
超人気クリエイティブディレクターです。

水野さんが、多くのプロジェクトを同時に
進められるのは、「段取り」をしているから。

  「 “段取り” という言葉は少し古くさいかも
  しれません。それでも、仕事においてとても
  大切なことです。仕事の目的を定め、
  きちんと計画し、あらゆる突発的なことも
  先回りしながら、時間どおりに実現させる。
  段取りがなければ、いつもバタバタして、
  日々トラブルが起き、プロジェクトは
  糸の切れた凧のようにどこに飛んでいくか
  わかりません。
  段取りは、仕事の “超基本” です。
  しかし、なぜか “段取りはこうするんだよ” 
  と学校でも会社でも教えてくれません。
  ならば “段取りの教科書” をつくろう、
  と思ったのがこの本を書きはじめた
  きっかけになりました。」

あらゆる仕事において、段取りが重要である
ことには、ほとんどの方が同意するでしょう。

しかし、水野さんは、次のようなユニークな
考えも示しています。

  「どんな仕事もぜんぶ “同じ” だと思って
  いるのです。(中略)
  実は “新しいこと” なんてそうそう起きない
  のです。もちろん突発的なことは
  起きますが、それも想定内です。」

はじめは、クリエイティブディレクター
らしからぬ発言だと思いましたが、
逆にクリエイティブな仕事をしている
からこそ、このような考えに至ったのかも
しれません。

クリエイティブな仕事であっても
全部同じなら、ルーティン化することが
できます。

段取りによって、仕事をルーティン化し、
余裕を持って仕事をするからこそ、
アウトプットのレベルが上がるのです。

そして、水野さんは、段取りをする上で、
最も大切なことは「想像すること」だと
説明しています。

仕事をするには、正しい目的地である
明確なゴール設定が必要です。

そのゴール設定のときに、ありったけの
想像力をつかって、未来の姿をリアルに
描くのです。

私が面白いなと思ったことは、ゴールを
言葉ではなく、ビジュアルを使って共有
する手法です。

グーグルの画像検索でイメージに合う
ビジュアルを探して、チームに共有すると
ゴールがブレなくなるようです。

そして、最終のイメージはビジュアルで
考えつつも、そこに行き着くところまでは、
ロジカルに説明できるようにしておくのです。

本書は、「段取り」という基本的なテーマ
を扱いながらも、水野さん独自の考え方が
示されていて、非常に興味深く読むことが
できました。

より質の高い仕事、生産性の高い仕事を
するために、本書のノウハウを試してみる
価値は十分にあると思います。

  第1章 段取りは「目的地」を決めるところから
  第2章 最高の段取りをするために
  第3章 目的地まで最短距離で進もう
     ――時間と効率化の話
  第4章 脳内に「空白をつくる」ために
     段取りをしよう
  第5章 目的地までチームで動こう

この本から何を活かすか?

なぜ、あらゆる仕事に「段取り」が
必要なのか?

それは、どんな仕事であっても
「時間」が限られているからです。

  「すべてにおいて、時間が “王さま” 」

いいものをつくるより、時間を守る
ことの方が大切だと水野さんは言います。

そして、完成したら世に出すのではなく、
「締切が完成」と考えるようです。

締切がない仕事があったとしても、
自分で締切をつくる必要があるのです。

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| ノウハウ本 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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もういちど、本屋へようこそ

満足度★★★
付箋数:19

「若者の活字離れ」というキーワードを
聞くことがあります。

この言葉が使われ始めたのは、1977年頃だと
言われています。

それ以来40年間ずっと、一度も戻ることなく、
「若者の活字離れ」は進んでいます。

40年前に若者だった方々が、活字から離れた
ままだと、既に60歳前後になっているので、
活字離れは、社会全体の傾向と言えます。

一方、最近ではスマホの普及により、
音声ではなく、Lineなどで会話しているので、
以前より「文字」は使っているはずです。

本書の著者、田口幹人さんは、この活字離れ
の状況を次のように見ています。

  「 “活字離れ” の背景には、新聞の発行部数や
  本の販売額の減少があるのでしょう。
  新聞社や本屋や出版社など、業界の業績不振が
   “活字離れ” と言われる原因になっていると
  考えることができます。」

公共図書館や学校図書館の整備や
学校での朝の読書運動が推進されています。

これにより、小学生から高校生までの
読書量は、1980年から現在まで減っておらず、
ほぼ横ばいで推移しているようです。

つまり、「活字離れ」=「本屋離れ」を
意味しているのではないかと、
田口さんは認識しています。

本書は、「読書」と「本屋」の関わり方を
見つめ直して、もう一度本屋へ足を運んで
もらうことを考察した本です。

田口さんはじめ、全国の書店員の方にも
寄稿してもらい、本に対する熱き想いと、
本屋の面白さを伝えています。

まとめ役の田口さんは、岩手県にある
さわや書店の方で、2015年に『まちの本屋
を書いています。

まちの書店に関して言えば、この10年間で、
3400店以上の本屋が閉店しているようです。

つまり、1日1店、日本のどこかで本屋が
姿を消していることになります。

そして、地域に本屋が1店舗もない
「書店空白地」が全国で増えている。

Amazonを始めとした、ネットで本が買える
便利な時代になった反面、リアル書店が
減っているのは非常に寂しい状況ですね。

私も自分のことを振り返ってみると、
ずいぶん、本屋へ通う回数が減りました。

子どもの頃は、家の向かいが小さな書店
だったので、週に5日は通っていました。

それが社会人になった頃には、
週1回しか本屋に通わなくなり、
今では2週に1回まで減ってしまいました。

雑誌はコンビニで買うこともできますし、
本屋で見てネットで買うショールーミングが
進行したことも、書店に行く回数が減った
一因です。

しかし、本書を読んで、まちの本屋の様々な
取り組みを知って、もう一度本屋へ行こうと
思い直すところがありました。

本屋の可能性を、あらためて実感しました。

ただ、大きな産業構造の変化でもあるので、
個々の書店の努力だけで解決するのは、
自ずと限界があります。

コンサルタントでも入れて、業界全体の
改善を考えてもいいように思います。

大前研一さんに業界のコンサルティングを
依頼してもいいのではないでしょうか。

  第1章 「本屋」って、何だろう?
  第2章 書店だけが「本屋」じゃない。
     本と読者を繋ぐ人々
  第3章 あのまち、このまちでも・・・・
     本屋はワイワイやってます
  第4章 本屋が考える「読書」と
     「本との出会い」の楽しみ
  第5章 「これまでの本屋」と「これからの本屋」

この本から何を活かすか?

ジャーナリストの石橋毅史さんが、
本書に寄稿した文では、「良い本屋」の
3つの条件が挙げられていました。

  1. 品揃えへのこだわり
  2. 地域を活かし、地域に生かされる姿勢
  3. ラディカルな精神

3つ目に挙げられている「ラディカル」には、
「先鋭的」と「根源的」の2つの意味があります。

個人的には、刺激が多くても先鋭的過ぎると、
いつも行きたいとは思わないので、
居心地のいい根源的な本屋が好きです。

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| 読書法・速読術 | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本史で学ぶ経済学

満足度★★★★
付箋数:24

ここ数年、ビットコインなどの暗号通貨が
大きな話題になっています。

暗号通貨は、不正を防止するために、
高度な暗号技術が用いられた仮想通貨。

そこには、貨幣の未来の姿があります。

では、その貨幣の未来を読み解くには、
どのようにすればいいのか?

  「暗号通貨の仕組みは、現代の貨幣と
  異なります。ただし、現代と異なると
  いうことなら、過去の貨幣の仕組みも
  同様に現代と異なります。
  そして過去の貨幣の中には、暗号通貨の
  仕組みと共通点を持つものがあります。
  現代と異なる仕組みが現れつつある時代は、
  過去の出来事から多くのことを学ぶ
  チャンスに満ちています。」

実は、貨幣の「過去」を読み解くと、
貨幣の「未来」を知るためのヒントが
隠されていることがわかります。

具体的には、暗号通貨の特徴を学ぶには、
歴史上の3つのトピックに注目します。

・鎌倉、室町時代の貨幣経済

 なぜ、鎌倉、室町時代に中国銭が
 流通したのか?

 貨幣には、交換手段として誰もが
 受け取ってくれる性質があります。

 これを貨幣の一般受容性と言います。

 交換手段としての側面から、暗号通貨との
 共通点を探ります。

・徳川時代の両替商ビジネス

 徳川時代には、貨幣で決済することを
 約束として、遠隔地どうしの取引相手と
 決済できる工夫が生み出されました。

 貨幣の決済完了性という、決済手段としての
 性質から暗号通貨を学びます。

・国際金本位制

 複数の国々の通貨が共通の価値基準で
 裏打ちされると何が起こるのか?

 国際金本位制とは、金という貴金属が
 国境を超えて各々の通貨の価値を
 裏打ちする仕組みのこと。

 国際金本位制の歴史から、暗号通貨が
 教訓とすべきことを考えます。

本書では、一見、無関係そうに思える
歴史上の出来事が、実が現在の経済の仕組みに
密接につながっていることを示します。

経済学を学ぶ上で、過去の歴史上には、
考えるためのヒントが多く含まれているのです。

  「現状を改善するにせよ、時代の流れに
  対応するにせよ、結果としてどうなるかは
  不確実です。しかし、歴史の知恵や失敗を
  参考材料とすることは、不確実な要素を
  減らし、準備を整えやすくすることに
  つながります。歴史は “取引のあり方や
  値段の決まり方を切り口として、
  人間がどのような行動をとるのか” を
  探るヒントの宝庫なのです。」

本書は、経済の基礎知識から、
最新のトピックまでを「日本史」から学ぶ本。

著者は、名古屋市立大学大学院経済学研究科
准教授の横山和輝さんです。

物事を学ぶ際に、多角的に捉えると、
その本質が見えてくるようになります。

本書はまさに、それを実践している本。

意外な驚きがあり、教養を身につけるとは、
こういうことなのかと実感できます。

本書のような学び方をしていると、
本質的に似ているかどうかを見極めますから、
抽象化する力も鍛えられると思います。

個人的には、いつもとは違う角度で
経済学を知ることになり、新鮮でした。

できればシリーズとして、続編が刊行
されることを期待したい本です。

  第1章 貨幣の経済学
  第2章 インセンティブの経済学
  第3章 株式会社の経済学
  第4章 銀行危機の経済学
  第5章 取引コストの経済学
  第6章 プラットフォームの経済学
  第7章 教育の経済学

この本から何を活かすか?

プラットフォームを押さえることは、
現在のビジネスで成功する鍵と言えます。

しかし、プラットフォーム・ビジネスは
古くて新しい仕組みです。

現代のプラットフォーム・ビジネスは、
戦国時代に原型ができたと考えると、
歴史的なロマンさえ感じられます。

本書では「楽市楽座」の歴史から、
契約内容を履行させる強制力の重要性
(エンフォースメント)を学びます。

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| 経済・行動経済学 | 05:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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万引き依存症

満足度★★★
付箋数:21

全国万引き犯罪防止機構の調査によると、
「万引き」による被害額は1年間4500億円超。

単純に365日で割ると、1日12.3億円超が、
万引きによる被害額になります。

  「人が万引きをはじめる背景には何が
  あるのか、なぜやめられなくなるのか、
  どれだけの被害を生んでいるのか、
  どのようにすれば止められるのか。
  それらを考えるなかで、日本人が現代社会で
  抱えているさまざまな問題・・・・
  ストレスや性別役割分業、超高齢化社会、
  親子関係の問題から起きる摂食障害などが
  見えてきました。
  万引き依存症は現代人だからこそ陥る
  病理であり、だからこそ、誰ひとりとして
   “自分は絶対にならない” とは言えません。」

本書は、万引き依存症をテーマにした本。

著者は精神保健福祉士・社会福祉士の
斉藤章佳さんです。

2017年8月に刊行した『男が痴漢になる理由
が話題になった方ですね。

斉藤さんは、東京・大田区のクリニックで、
特に加害行為を繰り返すタイプの依存症の
臨床に長年携わってきました。

その経験から、依存症としの万引きについて、
盗む人たちの実態、被害を受ける側の状況、
そして家族とともに回復するための道筋を
本書で解説します。

万引きは軽い犯罪ではなく、
たくさんの被害を出す深刻な犯罪です。

本人は意識していないかもしれませんが、
れっきとした加害行為です。

そして、自分は関係ないと思っていても、
配偶者や子どもが、あるいは親が、
いつ万引き依存症になるかもしれません。

しかも、あなたが毎日購入するコンビニや
スーパーなどでは、万引きされる分の額が
見込まれて値付けされていると考えると、
まったく無関係ではいられないでしょう。

万引き依存症の人は、やめたくても
そう簡単にはやめられません。

気づいたら、お店のものを盗んでいた
ということも普通にあるようです。

万引きは、比較的、女性に多い犯罪です。

日常の中でのストレスを発散するために
盗む女性や、「節約しなきゃ」という
気持ちから始まる女性も多いようです。

また、最近では高齢者による万引きも
増えていて問題となっています。

高齢者の万引きというと、認知症だからと
いうことで片付けてしまいがちですが、
それはごく一部に過ぎません。

高齢者の万引きも、他の年代と同じく、
依存症となってしまい、やめられない人が
かなり多くいます。

高齢になって家族から孤立してしまうと、
万引きをしてしまう人が増えるようです。

依存症に陥ると、万引きが悪いことだと
わかっていてもやめられません。

また、逮捕されるのが怖くても、
盗みたい衝動を抑えられないのです。

  「 “はじめての万引き” を止めることは、
  私たちにはできません。ですが、常習化し、
  万引き依存症になってしまった人を
   “盗んでしまう自分” から “盗まない自分” 
  に変えるスキルを共に学ぶことはできます。」

私も、万引きについては考える機会が
ほとんどありませんでしたが、
もし、自分の妻が、子どもが万引きしたら
どうしようか真剣考えてしまいました。

現代病の1つである万引き依存症は、
誰もが陥る可能性のある病気として
考えておいた方がいいかもしれません。

  第1章 万引きを繰り返す人たち
  第2章 被害者が見えづらい深刻な犯罪
  第3章 なぜ女性が多いのか
  第4章 なぜやめられず、エスカレートするのか
  第5章 高齢者と摂食障害と万引き
  第6章 「万引きしない自分」に変わるために
  第7章 伊東ゆう(万引きGメン)×斉藤章佳

この本から何を活かすか?

何らかのストレスを抱えている人は、
「行為・プロセス依存」に陥る可能性が
あるようです。

万引き依存症も、この行為・プロセス依存の
1つであり、次の7つの特徴があります。

 強迫性、衝動性、反復性、貪欲性、有害性、
 自我親和性、行為のエスカレーション

本書では、万引きだけに限らず、今後は
「行為・プロセス依存」が増える傾向に
あることを指摘しています。

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| 心に効く本 | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

満足度★★★★★
付箋数:28

ダイヤモンド社の小川さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

非常に内容が濃く、私が今年読んだ本の中では、
本書は最も収穫があった本かもしれません。

今、ビジネスの世界は、かつてない程の
大きな転換期を迎えています。

ビジネスの中心は「製品からサービスへ」、
「所有から利用へ」移行しつつあります。

モノづくりが得意だった日本企業は、
果たして、この大きな変革についていけるのか?

一部、対応している企業もありますが、
海外の企業に比べると動きが悪いように感じます。

韓国の現代自動車の例を見てみましょう。

新しいハイブリッドカー「アイオニック」に
乗りたければ、月額275ドルの利用料を払えば
乗ることができます。

わざわざクルマを所有しなくてもいい。

ネットでモデルを選び、2年か3年かの
プランを選び、オプションを選択したら、
販売店に行くと、そのままクルマに乗って
帰ることができます。

携帯電話のプランを選ぶような手軽さです。

このサービスは、今までの「リース」と
一体何が違うのでしょうか?

リースは利用者を特定のクルマに縛りますが、
このサービスでは様々な車種に乗ることが
できます。

クルマを所有しないので、登録や保守も
自分で気にしなくていいし、保険も自分で入る
必要がありません。

このように製品を販売するのではなく、
サービスを提供して定期収益を得るタイプの
ビジネスを「サブスクリプション」と呼びます。

新聞などの定期購読で使われている
古くからあるビジネスモデルです。

しかし、デジタル革命などによって、
従来できなかったものまでが、
サブスクリプション化が可能になりました。

サブスクリプションは、単なる月額課金の
ビジネスモデルではありません。

常に変化する顧客のニーズやウォンツに
柔軟に対応し、長期的な関係を作るための
ビジネスモデルです。

ところで、これまであったすべての製品は
サブスクリプション化できるのでしょうか?

  「サブスクリプション化できないものはない。
  なぜなのか種明かししよう。
  製品が提供するサービスのレベルについて
  契約すればよいのである。それはすべてに
  応用できる方法だ。冷蔵庫を提供するのでは
  なく、新鮮で冷たい食品の提供を保証する。」

製品を売らずに、結果を売るのがポイント。

これは「ドリルを売るには穴を売れ」という
マーケティングの考えに通じます。

本書は、急成長を遂げるサブスクリプション
ビジネスの仕組みを詳しく解説し、
サブスクリプションへのビジネス転換
までをアドバイスする本です。

著者は、サブスクリプション界の第一人者、
ティエン・ツォさん。

元セールスフォース・ドットコムのCMOで、
Zuora(ズオラ)の創業者兼CEO。

Zuoraは、まさにサブスクリプションへの
ビジネスモデル変革と収益向上の支援する
世界的な企業です。

ツォさんは、セールスフォースやZuoraでの
経験を惜しみなく披露しています。

ここまでサブスクリプションについて、
的確かつ詳細に書いている本は他にありません。

サブスクリプション企業は急成長を遂げます。

なぜなら、サブスクリプション企業は
顧客1人1人の全貌を把握した上で
ビジネスを行っているから。

サブスクリプションへ移行した企業は、
アドビ、ネットフリックス、コマツ、
フェンダー、ニューヨークタイムズなどが
挙げられています。

しかし、こられの企業は本格的な
サブスクリプション・エコノミー到来の
序章に過ぎません。

本書は、サブスクリプションについて
あまり明るくない方から、ある程度知っている
方まで、満足できる本だと思います。

なんとなく、「月額課金モデル」程度の
認識しかない方は、ビジネスモデルの
大変革を知る上で、必読書だと言えます。

この本から何を活かすか?

サブスクリプション・ベースの企業は、
S&P500企業の8倍、米国の小売売上の5倍の
スピードで成長していることが、
本書の巻末資料で示されています。

これは、Zuoraが持つ顧客データ5年分を
インデックス化したものです。

今後サブスクリプション企業への投資を
検討する際にも有益な情報だと思います。

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| 経営・戦略 | 07:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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脳が老いない世界一シンプルな方法

満足度★★★
付箋数:23

「人生100年時代」というキーワードが、
盛んに聞かれるようになりました。

100歳まで生きる場合のリスクとして、
よく言われるのが「お金」と「健康」です。

ただし、ここで言われる「健康」とは、
「元気に動ける身体」を指している場合が
ほとんどです。

「長く使える脳」についてまで、
言及されていることは多くありません。

しかし、人生100年時代を生きていくには、
身体の健康維持もさることながら、
脳を老化させないことも大切となります。

老化に関しては、ノーベル生理学・医学賞を
2009年に受賞したアメリカの生物学者、
エリザベス・ブラックバーンさんらが発見した、
長寿に関わる遺伝子構造が知られています。

染色体の末端にある「テロメア」。

このテロメアの長さが老化に関わっていて、
一般的に新生児のときの長さを100とすると、
35歳で75、65歳で48くらいまで短くなると
言われています。

テロメアは、脳の老化にも影響します。

アルツハイマー病患者では、極端に短縮が
進行していることが確認されています。

このテロメアの長さを決めるのが、
テロメラーゼという酵素。

そのため、脳を老化させないためには、
テロメラーゼを分泌を促して、テロメアを
伸長させることが欠かせません。

では、どうしたらテロメラーゼを多く
分泌させることができるのでしょうか?

テロメラーゼを分泌して、老化を防ぐには
次の4つの要素が関わってきます。

「運動」、「食事」、「睡眠」、「ストレス」

特にストレスをコントロールするために
注目されているのが、「マインドフルネス」
と呼ばれる瞑想法です。

本書は、老化の科学の最前線の研究を
紹介しながら、マインドフルネスなどの
脳の老化を克服する具体的な方法を
エビデンスに基づき紹介します。

著者は、アメリカ在住の医師で、
世界のエリートがやっている 最高の休息法
や『脳疲労が消える 最高の休息法』などの
著書がある久賀谷亮さんです。

プロローグ部分はマンガ、それ以降の部分は
小説形式でストーリに乗せて、脳科学と
エイジング研究に基づく具体的な方法を
伝えています。

外資系メーカーの研究開発部門に勤める
30代半ばの女性、葉月美羽がアメリカの
コネティカット州にあるシニアハウスを
訪れたところから物語は始まります。

そこでスコットという老人と出会い、
美羽のエイジングに関する考えが大きく
変わることになります。

疲労やストレスから来る、脳の老化は
実は、20代や30代から始まっている。

しかし、脳を適切にメンテナンスすると、
老化を止めるどころか、何歳になっても
脳を成長させることができる。

私たちはスコットの話を通じて、
美羽と一緒にテロメアの短縮を食い止めたり、
長さを元に戻す方法を知ることになります。

好みは分かれるところだと思いますが、
個人的には、ノウハウを知りたかったので、
このストーリー形式は微妙だと感じました。

 1.なぜかずっと若い人、すぐに老ける人
  ――「長寿遺伝子」と「老化」の科学
 2. 脳はこうして「劣化」していく
  ――アミロイドβと脳の可塑性
 3.「認知」をめぐるエイジング・サイエンス
  ――現代人が抱く「老化恐怖」の正体
 4.世界の「エイジング研究」最前線
  ――運動・食事・睡眠・ストレス
 5.脳の成長がとまらない世界一シンプルな方法
  ――瞑想で「雑念回路」を鎮める
 6.老化とは「脳の進化」である
  ――老いのポジティブサイド
 7.脳を「停滞」させない最高のメソッド群
  ――7つのライフ・マインドフルネス
 8.「脳の老い」を乗り越える
  ――怯える扁桃体とメメント・モリ

この本から何を活かすか?

本書で紹介されていたテロメア食事術

<テロメアを長くする食品>
 繊維質の豊かなもの、新鮮な野菜・果物、
 豆類、海藻、緑茶、コーヒー

<控えたい食品>
 赤身の肉、白いパン、甘いジュース

ただし、食に関してはデータが不十分で、
科学的なエビデンスがあるとは言えない
状態のようです。

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| | 05:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

満足度★★★★
付箋数:26

日経BP社の日野さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

次のような状況を想像してみてください。

あなたは、ある日の昼休みに、
会社の同僚とランチに行きました。

その帰り道、自動販売機で缶コーヒーを
買おうとしましたが、小銭の持ち合わせが
ありません。

あなたは、同僚に「ちょっと130円貸してよ」
と言って缶コーヒーを買い、仕事に戻りました。

さて、職場に戻ったあなたは、いつ130円を
返しますか?

そもそも、この借りた130円は返す必要が
あるのでしょうか?

何をバカな質問をしているのかとお思いで
しょうが、実はこの質問に中国人を理解する
鍵が隠されています。

同僚に130円借りた場合、99%の日本人は、
きちんと返すでしょう。

しかも、小銭ができ次第、なるべく早く
返そうと思う人も多いと思います。

なぜなら、「借りたものは返す」のが、
私たち日本人の常識で、それが「スジ」
だからです。

もし、あなたが130円貸した側だとすると、
130円がなかなか返ってこないと、
返せとは言わないまでも、モヤモヤとした
気持ちになると思います。

それは、日本人は借りたものは返す「べき」
と考えるからです。

一方、これが中国人の場合は、必ずしも返す
とは限りません。

お金を返さない中国人の心理は
いったいどうなっているのでしょうか?

中国人が130円を返さないのは、
それが現実的に、あってもなくても影響のない
「量」だから。

多くの人にとって、財布の中に130円が
減っても増えても、日々の生活にそれほど
支障はでないはずです。

すると、返しても返さなくても実質的に
影響のない「量」のお金を返す、または返して
もらうことに、中国人は意味はないと考えます。

中国人が130円返さないとしても、
それは強欲だからではないのです。

本書は、亜細亜大学大学院で講師を務める
中国ビジネスの専門家、田中信彦さんによる、
日本人が中国人を理解するための「中国論」。

  「スジ」で考える日本人
  「量」で考える中国人

田中さんは、このフレームで、
日本人と中国人の違いを説明します。

この考えで整理すると、本書のタイトル通り、
非常にスッキリします。

日本人がベースと考える「スジ」とは、
「スジを通す」などと言うような規範であり、
「こうするべき」という「べき論」です。

一方、中国人がベースと考える「量」とは、
「これだけある」という現実です。

それは、「どうあるべきか」は関係なく、
「あるのか、ないのか」、「どれだけあるのか」
と「量」を基準に考えます。

借りたお金も、なければ返しませんし、
影響がない量なら、すぐに忘れてしまいます。

これが日本人が中国人にストレスを感じて
しまう理由。

日本人の場合は「スジ」で考えるので、
基準が揃っていますが、中国人の場合は、
「量」で考えるので、それが多いか少ないかの
基準は個人によってバラバラです。

日本人の常識から考えると、あり得ないと
思える中国人の行動は、常識に沿うのではなく、
影響度の「量」を基準にしているのです。

列に割り込みをするなど、枚挙に暇がない
中国人のマナー違反が起こるのはこのためです。

ただし、「スジ」で考えるのではなく、
「量」で考えることも、決断が速い、臨機応変、
効率的などのメリットもあります。

  「別に、中国という国が好きでも嫌いでも、
  中国人が好きでも嫌いでも、それは個人の
  自由で、どちらでもかまわない。
  大事なのは、正面から向き合う覚悟を決めるか、
  あるいは、自らの弱さに負けて目を逸らすか、
  である。」

これからの時代、中国との関わりを避けて
通れませんから、正面から向き合うと、
覚悟を決めるべきでしょう。

本書は、中国人とビジネスをしていく上では、
欠かせない本だと思います。

この本から何を活かすか?

本書の考察で非常に興味深いのは、
「量」の社会が、「スマホ」と非常に
相性がイイことです。

ネット世界で使われる「評価システム」が、
「量」を表すことになり、中国人のモラル向上に
つながる可能性があるようです。

スマホは、量の社会の弱点を補う可能性が
あるので、これから期待できそうです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事はもっと楽しくできる 大企業若手 50社1200人 会社変革ドキュメンタリー

満足度★★★
付箋数:24

  「今いる会社がつまらないと考えた人が
  とる道は3つあります。
   “辞める” か “染まる” か “変える” かです。
  (中略)
  しかし、会社に残ると決めたのであれば、
   “染まる” か “変える” か、どちらかになります。
  今いる会社に染まりたくなかったら、
  自分で少しでも働きやすく楽しい会社に
  変えていくしか、方法はありません。
  この本でお伝えするのは、 “変える” を
  選んだONE JAPANのメンバー、
  50社1200人の話です。」

この部分は、本書の「はじめに」より
引用しました。

このパートを書いているのは、ONE JAPAN
共同発起人及び代表の濱松誠さんです。

濱松さんは、現在35歳。

新卒でパナソニックに入社し、
29歳の時に社内の若手社員をつなげる活動、
「One Panasonic」を立ち上げ、
リーダーを務めました。

2016年にはその活動を社外に広げ、
若手同士がつながる場として作ったのが、
「ONE JAPAN(ワンジャパン)」という
コミュニティです。

ONE JAPANは、活動開始から2年で、
メンバーは50社、1200人を超えるまでに
成長しました。

ここに参加するには、濱松さんが最初に
立ち上げたOne Panasonicのように、
団体として加わる必要があるようです。

ONE JAPANに加わる要件は次の3つ。

  1. 大企業の有志団体であること
  2. 若手中心に活動していること
  3. 個人ではなく団体として活動していること

なぜ個人ではなく、団体で参加することが
要件になっているかというと、若い世代が
会社を変えようとすると、必ず仲間が
必要になってくるからです。

ONE JAPANでは、挑戦する空気をつくり、
組織を活性化し、社会をより良くするために
活動を行っているようです。

本書は、ONE JAPANに参加する方々の
活動の記録です。

今の会社がつまらないと思っても、
「辞める」や「染まる」を選ばずに、
「変える」を選んだ方々のドキュメンタリー。

会社を今より楽しく、働きがいのある
場所に変えていくために行った事例が
集められています。

  「私を含め、ONE JAPANのメンバーは、
  特別な人間ではありません。
  スーパーエースと言われるような
  人材でもありません。ただ、私たちが
  他人とちょっと違ったのは、
  最初の一歩を踏み出したことです。」

本書は、ミレニアル世代の働き方改革のお手本。

本書を読むと、変わることが想像できなかった
大企業においても、実際に変化を起こすことが
できることがわかります。

しかし、やはりそれは個人ではなく企業の中に
団体を作ったからこそなし得たのでしょう。

あなたが本書を読んで共感したなら、
既に社内に若手の有志団体がある会社の場合は、
そこに加わればいいでしょう。

しかし、そのような団体が社内になければ、
同じように共感する仲間を作ることから
始める必要があります。

そのためには、本書を同士にしたいと
思える同僚に読んでもらい、あるべき姿を
語り合うのが最初の一歩となります。

ONE JAPANのメンバーのリアルな記録は、
熱いエネルギーを伝えてくれるはずです。

本書は大きな求心力を持っている本です。

この本から何を活かすか?

本書の組織づくりの中で、米マサチューセッツ
工科大学のダニエル・キム教授が提唱した
「組織の成功循環モデル」が紹介されていました。

これは組織が成果をあげるためには、
所属するメンバーのコミュニケーションが
大きく影響するという理論です。

このモデルでは以下の順番で進めることを
「グッドサイクル」と呼んでいます。

 1. 関係の質を高める
   お互いに尊重し、一緒に考える
 2. 思考の質を高める
   気づきがある、面白い
 3. 行動の質を高める
   自分で考え、自発的に行動する
 4. 結果の質を高める
   成果が得られる
 5. (最初に戻り)関係の質を高める
   信頼関係が高まる

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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50代からのちょっとエゴな生き方

満足度★★★
付箋数:22

最近は、「人生100年」と言われます。

100歳まで生きるとすると、50代はちょうど
その折返し時点です。

50代になると、仕事、お金、人間関係、健康
など、今まで通りでいいのか、という焦りも
出てきます。

50代になって、避けられない多くの問題に
直面し、心配事や悩みを抱えている人がいます。

一方で、同じ50代でも、幸せで満ち足りた
日々を過ごしている颯爽とした人もいます。

誰しも、前者より後者のような人生を
過ごしたいと思うもの。

両者の違いは、どこから生じるのでしょうか?

  「後者は前者よりも、少しだけ自分のエゴ
  を通して、自分を大切にしています。
  これは、ちょっとした勘所を知れば、
  他人に迷惑をかけることなく、自分の
  心配事を小さくするすることができる、
  50代に与えられた特権だと言えます。
  この特権をうまく使いこなしましょう。」

本書は、50代からの生き方を指南する本です。

著者は、『1%の人だけが実行している45の習慣
や『「学び」を「お金」に変える技術』などの
ベストセラーの著者でもある井上裕之さんです。

井上さんは、歯科医師として活躍する傍ら、
自己啓発や経営プログラムの講演会なども
全国で実施するマルチな方です。

  「50代―。
  あなたは今まで、大切な人たちのために
  たくさんの貢献をしてきたはずです。
  そして、時間も費やしてきました。
  家族のために頑張ってきた人、
  会社のために力をつくしてきた人・・・。
  あなたから何かを与えられた人は、
  必ず心の中で感謝しています。
  そんなあなただから、一度一息ついて、
   “自分を大切にする” ことを考えて
  みてほしいのです。
  ちょっとだけ自分のエゴを出して、
  人生を楽しんでもいいと思うのです。」

例えば、仕事においては、スピード重視、
体力まかせの仕事をやめ、「勘所」を
押さえて定時に帰ることを目指します。

そのためには、「何をやればいいか」を
明確に捉え、ムダな仕事をしないこと。

これまでの経験があるからこそ、
求められていることに集中した効率的な
仕事ができるのです。

また、50代からは「品格」がものを
言い始めます。

品格を高めるためには、品格が高い人と
同じ環境にいる機会を増やすことが、
一番簡単な方法です。

井上さんは、「少し格式の高いレストラン」
へ行ってみることを勧めています。

格式の高いレストランでは、服装や言動も
その場にふさわしいものが求められますから、
下品なことができなくなります。

そして、50代で一番気になるのは健康に
ついてです。

30代、40代でも「若い頃とは違う」と
思いましたが、50代になると一層顕著に
そう思うようになります。

井上さん自身も50代になって真剣に
健康管理を始めたそうです。

  「健康管理を始めて気がついたのは、
  自分なりになんとなく健康であると
  感じていることと、健康に関する知識を
  持って自分を管理し健康であると感じる
  ことの差は、非常に大きいということ
  でした。」

ストイックな食事制限をする必要は
ありませんが、正しい知識を持って
食事も運動も意識的に健康管理を行う
必要があるのです。

本書では、仕事、お金、人、学び、
品格、健康の6つの分野について、
今までより、ちょっと「自分本位」な
生き方を勧めています。

50代の方は、参考にしたい本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「私は歯科医ということもあり、
  歯の健康について語らないわけには
  いきません。
  歯と健康は大きく関係があります。」

井上さんが勧めているのが、
「3ヶ月に1度の歯のメンテナンス」です。

歯の不健康は万病の元と言われます。

確かに、今まで以上に少しでも歯の健康に
意識を向けて損はありません。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える

満足度★★★★
付箋数:25

あなたや、あなたの子どもの学業成績は、
本人の努力によって決まるのでしょうか?

それとも、教え方によって差が出る
のでしょうか?

実は行動遺伝学では、驚くべき事実が
証明されています。

先生の教え方や本人の努力による影響は
大きく見積もっても全体のわずか20%に
過ぎません。

それに対して、遺伝の影響は50%、
そして残り30%は家庭環境の違いに
よるものだと分かっています。

なんと、学習者本人がどうすることも
できない遺伝要因と家庭環境で、
なんと80%も決まってしまうのです。

では、教育や学習はたった20%しか影響
しないので、意味がないのでしょうか?

そう考えてしまうのは大きな誤解です。

そもそもこの行動遺伝学のエビデンスは、
教育制度がきちんと働いていることを
前提としています。

もし教育や本人の努力が同じであれば、
遺伝と家庭環境の差が成績の差になる
ことを意味していています。

つまり、本人の努力がなければ、
もっと差が開いてしまうのです。

  「それでも可能な範囲で、この世界に
  ついてわかっていること、この世界を
  成り立たせていることについて、
  その人の遺伝的素質に沿った形で
  理解しておくこと、そしてより深く
  知ろうとし続けることはその人の
  人生においてより確信に基づいた
  意思決定を可能にし、その人の生き方を
  左右することになります。」

本書は、教育とは何か、
学ぶとはどういうことかについて、
「生物学的な視点」から考える本です。

著者は慶應義塾大学文学部教授の
安藤寿康さんです。

私たちが、学校や学校以外の機会を
通じて学ぶのは、頭を良くするため
でも、よい成績を取るためでも
ありません。

さらに、豊かな暮らしをするため
でもありません。

それは、ヒトが生物として生き延びる
ために、異なる遺伝的要素を持った
人たち同士で、知識を共有する必要が
あるのです。

  「教育とは決して他人よりも
  よい成績をとろうと競い合うため
  ではなく、また自分自身の楽しみを
  追求するためだけでもなく、むしろ
  他の人たちと知識を通じてつながりあう
  ためにあった。その意味でヒトは
  進化的に、生物的に、教育で生きる
  動物なのです。」

本書は、勉強する根源的意味がわかる本。

本書の考えは、私にとっては斬新でしたが、
非常に納得感はありました。

生物学的に考えると、あなたのこれまでの
教育観が大きく変わるかもしれません。

 序章 教育は何のためにあるのか?
 第1部 教育の進化学
  第1章 動物と「学習」
  第2章 人間は教育する動物である
 第2部 教育の遺伝学
  第3章 個人差と遺伝の関係
  第4章 能力と学習
 第3部 教育の脳科学
  第5章 知識をつかさどる脳

この本から何を活かすか?

一般知能の高い人はおしなべて何でも
できる傾向があります。

これはIQが高い人は、入試科目が多い
国立大学の入学試験で有利だということ。

しかし、IQが高くなくても遺伝的に
得意な科目を伸ばせば、入試科目の少ない
私立大学の入試では不利になりません。

一方、社会に出たときに求められるのは、
それぞれの職務に応じた固有の能力です。

全部にできなくても、専門性を磨けば、
社会では十分に活躍できるのです。

逆に、これが学校秀才が、必ずしも
社会で活躍できるとは限らない理由に
なっています。

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| 勉強法 | 06:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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筋肉は本当にすごい すべての動物に共通する驚きのメカニズム

満足度★★★
付箋数:24

筋トレが最強のソリューションである』が
ベストセラーになるなど、巷では筋トレが
ちょっとしたブームです。

芸能人でも筋トレしてい人が結構いますね。

ところで、鍛え方はさておき、そもそも
私たちの筋肉はどのようなメカニズムで
動いているのでしょうか?

筋肉は常にはたらき続け、私たちの生命を
維持しています。

例えば、心臓を動かすのは「心筋」です。

心筋は生きている限り、一瞬たりとも
休むことなく、生涯はたらき続けます。

また、私たちの身体を動かすことを可能に
するのが「骨格筋」です。

骨格筋は、骨格に腱を介して付着していて、
収縮することで関節を動かし、身体運動を
おこします。

骨格筋は身体を動かさず休んでいる
ときでも、絶えずエネルギーを消費して
熱を発生することで、私たちの体温を
維持しています。

人間は恒温動物ですから、この骨格筋の
働きがないと体温が維持できずに、
死んでしまうのです。

本書は、筋収縮のしくみを真っ向から
取り上げて解説する本です。

著者は、過去にもブルーバックスで
筋肉はふしぎ』を執筆している
帝京大学名誉教授の杉晴夫さんです。

  「本書では、発見から100年以上
  研究者を翻弄してきた骨格筋横紋構造の
  謎の解明史に始まり、大部分のこの部分
  に存在する数々の謎にたいするその後の
  研究者の挑戦を、筆者自身の寄与も
  含めて記述することができた。」

専門的な記述もある本格派の本です。

筋肉はATP(アデノシン三リン酸)を
燃料とする超微小のエンジン構造を
持ちます。

そのエンジンによって筋肉は、
天然のリニアモーターのように動きます。

これはヒュー・ハクスレーさんらの
研究により、解明された筋肉の動きです。

ミオシンフィラメントから突き出た
ミオシンの頭部こそが、
筋肉リニアモーターを駆動する
超微小エンジンの正体なのです。

平均寿命がどんどん伸びている現在、
今まで以上に筋肉の働きが注目される
機会が多くなるでしょう。

単に筋肉の鍛え方を知るだけでなく、
生命現象としての筋肉の働きを
知ることで、筋トレも違った趣に
なるかもしれません。

本書は人間だけでなく、すべての動物に
共通する筋肉のメカニズムを3部構成で
解説するブルーバックスらしい良書です。

ちょっと難しい記述もありましたが、
非常に興味深い本でした。

  第1部 大自然がデザインした筋肉は
     いかにすごいか
  第2部 われわれの筋肉、その驚異
  第3部 さまざまな動物の筋肉の驚異

この本から何を活かすか?

  「生活習慣病の最終段階は、
  動脈硬化→心筋梗塞・脳卒中による死亡、
  である。しかしこの生活習慣病の原因は
  運動不足、栄養の摂りすぎにあるので、
  日常生活に身体の運動を取り入れれば
  これらをある程度は予防することが
  できる。」

本書で勧められているのは、
毎日20〜30分の散歩やジョギング。

いわゆる有酸素運動で、筋肉の発達
だけでなく心肺機能の増大にも有効です。

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| 科学・生活 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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