活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2018年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年10月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所

満足度★★★
付箋数:24

一般的な鉄工所の利益率は3~8%です。

そんな業界の中で、この10年、毎年、20%以上の
利益率を上げ、成長を続けている鉄工所があります。

しかも、取引先には、ウォルト・ディズニーや
NASA、Uberなど名だたる企業が含まれています。

それが、京都府宇治市に本社がある金属加工会社の
HILLTOP(ヒルトップ)株式会社です。

 「楽しくなければ仕事じゃない」

昔のフジテレビのキャッチフレーズのようですが、
これがヒルトップのモットーです。

ヒルトップは、油にまみれて重労働をする
鉄工所の薄暗いイメージを一新しました。

今では、わくわくして仕事ができる
「遊ぶ鉄工所」としてテレビなどにも紹介され、
年間2000人超が見学に訪れています。

しかし、現社長の山本昌作さんが、父親から
会社を引き継いだときには、自動車部品を加工する、
よくある下請けの鉄工所に過ぎませんでした。

多くの町工場が姿を消していく中で、
ヒルトップは、一体、どのようにして、
普通の鉄工所から夢工場に生まれ変わったのか?

  「社員が誇りに思えるような “夢工場” を
  つくろう」

  「油まみれの工場を “白衣を着て働く工場” 
  にしてみせる」

山本さんは、このような想いを実現するために、
次の5つの改革を行いました。

 1. 「人」を変えた

  経験やカンに頼り、自分の技術を定量的、
  論理的に説明できない「にわか職人」をなくす。

  職人のカンと経験を数値化して、機械化し、
  人は人にしかできないことに集中する。

 2. 「本社」を変えた

  中小企業こそ本社の外観にお金をかけるべき
  という信念から、外観はピンクで片側は全面
  ガラス張りの5階建ての本社を建てる。

 3. 「つくるもの」を変えた
  
  大量生産の扱いをやめ、単品ものに特化。

  製作数1~2個の多品種単品の受注を中心に受け、
  月に3000種類をオーダーメイドで製作。

 4. 「つくり方」を変えた

  普通の鉄工所の場合、就業時間の8割が
  機械の前、2割がデスク仕事。

  この割合を逆にして、昼間はデスクで人が
  プログラムをつくり、人が帰った夜中に、
  機械に働いてもらう生産管理システムを構築。

 5. 「取引先」を変えた

  親会社からの受注に依存する下請けから脱却。

  1社の依存率を30%以下にとどめ、取引先を
  分散して、毎年100社が入れ替わることを
  事業の新陳代謝としてとらえる。

こういった鉄工所としての改革は、ユニークで
目を見張りますが、一般のビジネスパーソンが
本書を読んで参考にしたいのは、「人を育てる」
ところでしょうか。

 ・ジョブ・ローテーションでモチベーション
  の低下を防ぐ。

 ・5%だけでも、楽しいと思える仕事をする。

 ・アメが8割、ムチが2割でほめちぎる。

 ・知的作業の循環を回し、自発能動人間をつくる。

やはり企業にとって最も大事なのは「人」。

ハードの面も大事ですが、ヒルトップが成長を
続けているのは、こうしたソフト面を重視して、
人を育てているからなのでしょう。

ヒルトップは本職のモノづくりより、
ヒトづくりの方が上手いのかもしれません。

本書から、山本さんの「夢工場をつくりたい」
という想いが、強く伝わってきます。

勢いがあって、一気に読める本だと思います。

そして、日本のモノづくりが、今後も
生き残っていくための道が、示されている
ように見えます。

この本から何を活かすか?

アメリカの心理学者、ダグラス・マグレガーさん
の「X理論」と「Y理論」が紹介されていました。

X理論は、人間は生来、怠ける者であるとする、
性悪説的な考え方。

この理論では、モチベーションを上げるために
「アメとムチ」を使い分けます。

Y理論は、魅力ある目標と責任を与えれば、
人は積極的に働くとする、性善説的な考え方。

この理論では、モチベーションを上げるために、
適切な環境を用意し、目標と責任を与えます。

ヒルトップでは、Y理論に基づき、
生産性を上げることよりも、モチベーションを
上げることを優先しているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経営・戦略 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |