活かす読書

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科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで

満足度★★★★
付箋数:25

2016年の流行語大賞に選ばれた「神ってる」。

広島カープの緒方監督が、2試合連続で、
サヨナラホームランを打った鈴木選手を
形容して使った言葉でした。

また、「神対応」は、驚き感心するほど
行き届いた対応に対して、最大級の好評価を
表す言葉として使われています。

これらの言葉が示す通り、多くの日本人にとって、
「神」とは、人間を超越するような存在として、
捉えられています。

この「神」に対する考え方は、多神教である
日本人の宗教観に根ざしているのでしょう。

これに対して、一神教であるキリスト教や
ユダヤ教、イスラム教での「神」の捉え方は、
大きく異なります。

これらの宗教では、唯一絶対の創造神に対する
信仰が根幹にあります。

宇宙と人類を創造して世界の運行を司る、
全知全能の絶対者が神なのです。

一神教の宗教では、聖書などの聖典があり、
信者たちはそれを学ぶことで、神の存在を
確認してきました。

  「多くの日本人にとって、不思議な事でしょう。
  宇宙のはじまりにはビッグバンがあり、
  人類は原始的な生物から進化したことは、
  学校でも教えられています。
  なのに、なぜ彼らは、そのような神の存在を
  本気で信じることができるのだろう、と。
  しかも、さらに不可解なことには、
  宇宙や物質のはじまりを研究している
  物理学者や、生命のはじまりを研究している
  生命科学者、つまり “神の仕業” とされて
  きたことを “科学” で説明しようとしてきた
  人たちでさえ、多くが神を信じているのです。
  これはもう、矛盾でしかない、と思われる
  のではないでしょうか。
  この不思議を解き明かしていくことが、
  本書のテーマです。」

著者の三田一郎さんは、名古屋大学名誉教授で、
理論物理学者として素粒子論の研究に人生の
大半を捧げてきた方。

その一方でカトリック教会の助祭として、
神に仕える身でもあるようです。

本書は、神や宗教を切り口にした、
異色の宇宙科学史を綴った本です。

最初はキリスト教の起源から説明が始まり、
それが徐々に宇宙論の歴史と重なり、
最後には違和感なく、量子宇宙論まで
つながっていきます。

日本では、科学者と宗教の関係について、
よく聞くのは「ガリレオ裁判」ぐらいかも
しれません。

しかし、本書では科学の歴史と、
その背景にあったキリスト教の宗教観を
丁寧に解説します。

その宗教観こそが、逆に宇宙論を発展させる
原動力になってきたことがよくわかります。

宗教という切り口抜きでも、本書は
宇宙科学史の本として読み応えがあるので、
それだけでも十分に楽しめます。

コペルニクスさんやガリレオさんから始まり、
ホーキングさんまでの宇宙論を学びながら、
欧米の宗教観も学べるのは有り難いです。

 第1章 神とはなにか、聖書とはなにか
 第2章 天動説と地動説―コペルニクスの神
 第3章 宇宙は第二の聖書である―ガリレオの神
 第4章 すべては方程式に―ニュートンの神
 第5章 光だけが絶対である―アインシュタインの神
 第6章 世界は一つに決まらない
   ―ボーア、ハイゼンベルク、ディラックらの神
 第7章 「はじまり」なき宇宙を求めて
   ―ホーキングの神
 終章 最後に言っておきたいこと―私にとっての神

この本から何を活かすか?

私が本書で初めて知ったのは、
ガリレオさんより、16歳年長の哲学者、
ジョルダーノ・ブルーノさんについて。

彼は自説を撤回しなかったために、
火あぶりの刑に処されました。

それを見てガリレオさんは、自説を撤回した
とも言われています。

さて、そんなブルーノさんの宇宙論は、
当時としては、非常に先駆的なものでした。

  ・地球が宇宙の中心ではないばかりか、
   太陽もその中心ではない。

  ・この宇宙は無数の宇宙からできている。
   そして神はこの無限の内にある。

  ・変わらないものは何もなく、
   すべては相対的な存在で、常に変化している。
   したがって、人間が宇宙で特別の価値がある
   存在ではありえない。

1600年頃に、このような宇宙観を持っていた
ことは、まさに、神ってます。

生まれてくるのが早すぎた人の典型ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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