活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2018年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年08月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

フリーバード 自由と孤独

満足度★★★★
付箋数:24

著者の谷口浩さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「みなさん楽しんでもらえたでしょうか?

  これが僕の半生です。できる限り、目の前に
  ある選択肢の中から、一番面白いものを
  選択して、一生懸命諦めないで進めば、
  こんな感じで生きていけるという一例です。

  みなさん、ぜひ自伝を書いてみてください!

  人生にベストなんてないので、どんな仕事を
  している人も、どこに住んでいる人も、
  みんなそれぞれ自伝を書いてみると、
  自分さえも思考が整理できていなかった
  ことに気が付くのです。僕はこの本の執筆中に
  その素晴らしさに気が付いてからは、友達や
  社員に自伝の執筆を勧めまくっています。」

谷口さんの半生とは、どのようなもの
なのでしょうか?

テレビ東京で放送された「世界ナゼそこに?
日本人~知られざる波瀾万丈伝~」でも
特集されたこともあるので、ご存知のかたも
いるかも知れません。

谷口さんは、2万人以上が卒業する語学学校、
「フリーバードインスティテュート」を
経営されている方です。

この学校は、世界で2番めに大きな語学学校で、
証券市場にも上場しています。

この語学学校がどこにあるのかというと、
「フィジー共和国」という南の島国。

地図で見ると、オーストラリアの東側にある
ニューカレドニアの、すぐまた東隣に浮かぶ
島がフィジーです。

ラグビーが強いことでも知られていて、
人口90万人ほどのオセアニアの国です。

なぜ、フィジーで語学学校なのか?

その一番の理由は、留学費用が他の国、
他の語学学校と比較して、圧倒的に安いから。

谷口さんの語学学校は、エージェントを使わず、
直接、留学プログラムを提供しているので、
中間搾取されることがありません。

そしてフィジーの物価の安さも人気の秘密です。

学生寮は1泊わずか300円。

12ヶ月滞在しても10万円で、そこに授業料や
入学金を足しても、87万円で1年間の語学留学が
できてしまいます。

短期なら7万円からの語学留学も可能のです。

ところで、なぜ、谷口さんは飛行時間が
15時間以上もかかる南の島で、語学学校を
設立することになったのか?

きっかけは、16年前の日本の高速道路での
スピード違反による免許取り消しでした。

運転免許を取り上げられた谷口さんは、
合法的に(当時)海外での運転免許取得の
ために初めてフィジーに渡りました。

そこで、フィジーの公用語が英語であること、
そして英語学習には最適なフレンドリーな
国民性であることに気づきました。

本書の自伝は、そこから始まる学校設立の
ノンフィクションです。

また、谷口さんは学校経営の手腕を評価され、
2010年には国立高校の理事長を任されました。

この高校のラグビー部は、谷口さんが理事長に
就任したときには、弱小チームでしたが、
徐々に強くなり2014年、2015年には全国制覇
するほどの強豪に成長しました。

これはフィジー版の「スクール☆ウォーズ」です。

廃校寸前だった高校が、学力も全国6位の
優秀な学校に生まれ変わりました。

語学学校の経営や国立高校の運営も凄いことですが、
谷口さんが更に物凄いのは、自身がステージⅣの
末期がんと宣告され、治療のさなかに、
こうした改革をやってのけたことです。

谷口さんの生き方を見て、フィジーの人々からは、
国会議員になって欲しいとの要請もあるようです。

本書には、目の前の選択肢の中から、
一番面白いものを選び続け、諦めずに生きた男の
波乱万丈な物語があります。

読んで熱くなること間違いなし。オススメです。

この本から何を活かすか?

こちらが、谷口さんの語学学校のサイトです。

http://www.southpacificfreebird.co.jp/lp/

フィジーには3つの特徴があるようです。

 1. 幸福度No.1の国(フレンドリーな国民性)
 2. 治安が良い(犯罪発生率は日本より低い)
 3. 英語が公用語(旧イギリス領)

1週間の留学なら飛行機代を別に、
入学金・授業料・滞在費込で5万円代から。

ワーホリで行くより、安いというのも驚きです。

治安がいいので、女性が留学するにも、
安心のようですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

好き嫌い―行動科学最大の謎―

満足度★★★
付箋数:22

あなたは、なぜ、それが好きなのか?

よく、「好みは説明できない」とか、
「蓼食う虫も好き好き」と言われます。

あなたの好きな音楽は? と問われると、
あなたは、好きな曲名やバンド名を挙げる
ことができるでしょう。

しかし、なぜその曲が好きなのか、
なぜそのバンドが好きなのか、
理由を問われた場合はどうでしょうか。

人は、自分が若い頃に聞いた音楽が
いちばん良いと思うことが多いようです。

特に、20代前半までに聞いた曲が、
私たちの心の中で特別な位置を
占めていることが多い。

本書は、タイトルにある通り、
人の「好き嫌い」とはどういうものかを
探った本です。

著者は、テクノロジーやサイエンス、
カルチャーに詳しい、ブルックリン在住の
ライター、トム・ヴァンダービルトさん。

ヴァンダービルトさんは、「好き嫌い」
という、行動科学の最大の謎に迫ります。

では、冒頭の問いの、音楽の好みについて。

まず一つ言えることは、好きな音楽は、
既に知っている音楽であること。

当たり前のことですが、知らないものを、
好きと判断することはできません。

では、原曲とカバーバージョンがある場合、
あなたは、どちらを好きなことが多い
でしょうか。

私は、原曲を好きな場合が多いです。

原曲の方が、聞いた回数が多いから
というのが、その主な理由です。

人は、繰り返し接すると好意度や印象が
高まる傾向があります。

この考えを提唱したのが、心理学者の
ロバート・ザイアンスさん。

「(単純)接触効果」とか「ザイアンス効果」
と呼ばれています。

もし、原曲もカバーバージョンも両方とも
初めて聞く場合は、最初に聞いた曲を
好きになることが多いでしょう。

それは先に出会った刺激の心的影響が
大きく、後に出会った刺激よりも
心に残りやすいからです。

動物行動学者のコンラート・ローレンツさんが
提唱した、「刷り込み」に似た現象です。

親への愛着や、限られた時期に短時間で学習
したことが、その後も長く持続するように、
音楽も特定の時期に聞いたものが好まれます。

そして、好みは作り上げられます。

過去に「よい」と感じた音楽は、
記憶に残りやすいのです。

本書では、このような音楽の好みの理由を
探るだけでなく、食べ物、色、数字、芸術など
無意識のうちに作られる「好き嫌い」の謎に、
迫ります。

以下、本書の「テイスティングノート」に
まとめられた要点をいくつか紹介します。

  ・人は好きか嫌いかを、その理由を知るより
   先に判断する。

  ・人は分類できるものを好む。

  ・安直な好みはあてにならない。

  ・見ているものを好きになるかもしれないが、
   好きなものを見ているということもある。

  ・好みは学習するものである。

  ・私たちは好きになりそうなものが好き、
   憶えているものが好きだ。

  ・目新しさとなじみ深さ、同調と差異化、
   単純と複雑さ、この3組の反語がせめぎ合い、
   好みが形成される。

  ・好きでないものは無視されやすいが、
   じつは強力である。

ヴァンダービルトさんは、心理学から哲学、
社会学、生物学、行動経済学までを取材し、
好き嫌いの秘密を解き明かそうとします。

まだスッキリと解き明かせていない部分も
多くあるので、それは今後の取材や、
続編に期待したいところです。

この本から何を活かすか?

グーグルはあなたを、どんな人だと
思っているのでしょうか?

実は簡単にわかる方法があります。
以下のサイトにアクセスしてみてください。

https://www.google.com/ads/preferences

これは、グーグルの広告設定のページ。

Google アカウントの情報(年齢層、性別など)、
おおまかな現在地、現在の検索クエリ、
以前の検索アクティビティなどから
あなたの属性を特定しています。

このサイトを見ると、かなり多くのカテゴリが
表示されていましたが、私の場合はいくつか
馴染みのないカテゴリも表示されていました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 07:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

君が生きる意味 人生を劇的に変えるフランクルの教え

満足度★★★
付箋数:23

著者の松山淳さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたの日常に、「小さい変なおじさん」が
登場したらどうなるのか?

その小さなおじさんは、あなたに語りかけ、
「生きる意味」を見出すことになったら・・・。

本書は、ヴィクトール・E・フランクルさんの
心理学の教えを物語形式で学ぶ本です。

日本ではあまり知られていませんが、
フランクルさんは、フロイトさん、ユングさん、
アドラーさんに次ぐ、「第四の巨頭」と
呼ばれるオーストリアの心理学者です。

そのフランクルさんが創設したのが、
「ロゴセラピー」という独自の心理療法です。

ロゴセラピーとは、ギリシャ語で「意味」を
表す「ロゴス」と治療・癒やしという意味の
「セラピー」を合わせた造語です。

ロゴセラピーは「実存分析」とも呼ばれ、
「意味への意思」こそが、人間を最も強く
動かしているものだと考えます。

そして、心の虚しさを抱えて苦しむ人が、
自らの「生きる意味」を見つめ直して、
再発見することを援助します。

簡単に言うと、「生きる意味」に悩む
人々を救う心理療法です。

「意味付け」は、人に存在意義を与えます。

本書の著者・松山さんも、フランクルさんの
教えに救われた方の一人です。

  「かつて私は、人生のひどく辛い出来事に
  直面し、心の闇に陥って抜けられなくなった
  経験があります。その時、私を支えてくれた
  のが家族の存在とフランクルの言葉でした。
  フランクル心理学を知っていたからこそ、
  人生の難局を乗り越えることができたのです。
  そこで、ひとりでも多くの人にフランクルの
  教えを知ってもらいたいと本書を執筆しました。」

本書の特徴は、物語形式で伝えていることです。

心理学の本はとかく難解になりがちですが、
物語にすることで対話をするように
ロゴセラピーを学ぶことができます。

フランクル心理学は、読書療法に適していて、
物語で主人公の心理的な動きを追いながら、
読者は仮想のカウンセリングを体験する
ことができます。

物語の主人公は、世間からブラック企業と
叩かれているアパレル会社の店長を務める青年。

彼は、店長になって半年。

休日返上で働いても売上予算は達成できず、
部下からは店長失格と罵られます。

上司であるスーパーバイザーからは、
パワハラまがいの指導をされ、
エリア別店長会議では、部長から
「会社のクズ」と罵倒されます。

青年は、そんな憂鬱な日々を送るうちに、
自分が生きている意味があるのかに
疑問を持ち始めます。

  「ボクは何のために働いてるんだろう。
  何のために生きてるんだ。仕事辞めたい。
  会社辞めたいな。こんな人生、生きてて
  意味あるのかな・・・」

青年は、誰もいない自室のベッドで、
頭を掻きむしりながらつぶやいていましたが、
そこに急に話しかける声がしました。

  「意味はあるべ。いつでも人生は意味に
  満ちてるべ」

突如、青年の前に現れたのが、
東北弁なまりで、フランクル三世と名乗る
「小さい変なおじさん」でした。

青年は、小さいおじさんと不思議な7日間を
過ごすうちに、対話を通じて人生を生きる意味を
見出していきます。

青年の抱える心理的な問題は深刻ですが、
小さいおじさんのキャラのおかげで、
ユーモアを交えて、楽しく学べるところが
非常に有り難いところです。

あなたが、自分の生きる意味に疑問を持ち、
少しでも人生に行き詰まりを感じているなら、
本書の物語は参考になると思います。

悩める人にとって、小さいおじさんの
問いかけは、胸に響くもがあるでしょう。

この本から何を活かすか?

ユダヤ人だったフランクルさんは、
ドイツがオーストリアを占領した後、
1942年にナチスに捕らえられました。

収容されたのは、二十世紀最大の悲劇
といわれるナチスの強制収容所でした。

強制収容所でのフランクルさんの
体験を綴ったのが、世界的なベストセラー
にもなった『夜と霧』です。

この本は、17カ国語に翻訳され、60年以上に
わたって読み継がれている名著です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 人生論・生き方・人物・哲学 | 04:35 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

知の越境法 「質問力」を磨く

満足度★★★
付箋数:21

  「改めて自分の来し方を見つめ直すと、
  越境を繰り返してきた人生だったという
  思いを強くします。会社員だったわけですから、
  当然ながら組織の都合による “受け身の越境” 
  ばかりでした。その都度、必死の “独学” で
  乗り越えてきた気がします。」

本書は、自分の専門以外のことを学ぶ
「越境」のすすめ。

わかりやすい解説で大人気の池上彰さんですが、
越境して学ぶ習慣は、NHK時代の左遷が
きっかけで始まりました。

やりたかった解説委員になれなかったのは、
1つの専門分野を持たなかったからでした。

しかし、池上さんは、専門を持たないことは、
弱点ではなく、分野の垣根を越える強みだと
気づき、大きく考え方を変えました。

今では池上さんにとって、専門分野を
持たないことは、多くの領域を垣根を超えて
学び続ける原動力になっています。

本書は、池上さんのサラリーマン時代からの
越境の歴史を振り返り、その効用と実践法を
説く本です。

池上さんが挙げている越境の醍醐味は、
次の4点です。

  1. 知らないということを知る。「無知の知」。
   (こどもの視点)

  2. 知らないことを知って、停滞を破る。
   (未知の人や土地に越境する)

  3. 離れているものどうしに共通点を見出す。

  4. 知らないことを知ることで多数の視点を持つ。
    自分を相対化する。

かつては、1つの分野について深く学ぶことが、
善しとされてきましたが、変化が物凄く早い
時代になると、逆にそれが足枷になることが
あります。

これからの時代は、越境して学ぶ知性の磨き方
が、今まで以上に重要になってくるのです。

では、どのようにして知らない分野について、
学べばいいのでしょうか?

  「企業コンサルタントも仕事の依頼があると、
  関連本を読み漁るそうです。彼らには流通、
  金融、不動産、製造業、とさまざまな業種の
  会社から相談が持ち込まれます。
  その業界で何が起きていて、問題は何で、
  これからどういう方向性が考えられるか、
  数冊の本を買い込んできて、下準備をした
  うえで相手とのミーティングに向かうそうです。
  短期間で課題を見つけるには、やはり定番の本
  に当たるのが近道だと言います。
  これは異分野に越境するときの正攻法です。」

アウトプットを意識しながら、一定の量の
本を読むことが、まず越境に必要なこと。

次に、越境に欠かせない力として、
池上さんが挙げているのが、「質問力」です。

本を読んでその分野について知ることも
重要ですが、一番いいのはその分野の
専門家に直接聞くことです。

質問には、未知のことを知るだけでなく、
自分を謙虚にする功能もあるようです。

池上さんは、越境するために臨機応変に
質問することを推奨しています。

変な質問をして、愚かだと思われるのが
いやで、質問自体も抑え込んでしまうと、
本人の成長の機会だけでなく、周りの人の
成長の機会も奪ってしまうことになります。

そのことを表しているのが次の言葉です。

  「愚かな質問はない、あるのは愚かな
  答えだけだ」

自分のよく知らない分野については、
知恵を借りることで、一気に越境できるのです。

本書は、ノウハウを詳しく説くというより、
池上さんの自叙伝的な語りが多い本なので、
好みが分かれるかもしれません。

この本から何を活かすか?

「ゆるやかな演繹法」のススメ

  「狙いは定めておくものの、そこで発生する
  偶然の果実は取りこぼさない。事前にものを
  調べておくというのは、仕事のいろはです。
  しかし、ただ思い描いた通りのものを
  持って帰ってくるだけでは、発展がありません。
  見知らぬ何か、予想もしなかった何かを
  掴んでこそ、事前準備は生きたことに
  なるのです。」

演繹法は、あらかじめ立てた仮説が
正しいかを検証する方法です。

しかし、自分の仮説だけにとらわれず、
臨機応変に偶然を拾うのが、池上さんの言う
「ゆるやかな演繹法」です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

女子の心は、なぜ、しんどい?

満足度★★★
付箋数:19

フォレスト出版の三上さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

本書のサブタイトルには、次のように書かれています。

 「女」を生き抜くためのセルフカウンセリング

本書の想定する読者は、もちろん「女性」です。

本書は、女性が「自由に女を生き抜く」ための本。

著者は、専門性の高い臨床心理士による
心理ケアサービスを提供する「ヒカリラボ」を
運営する清水あやこさんです。

私が、本書を読んだのは、男性には理解できない
女性の心理を知るためです。

よって、本来の目的から外れていますので、
その点を考慮して、この記事を読んでください。

女性は、女性特有の心理があるため、
生きていくのが「しんどく」感じるようです。

何が、「しんどく」させているのか?

それは、女性の感情・認知の「ゆがみ」があるから。

「ゆがみ」とは一種の思い込みです。

  「たとえば、客観的に見れば素敵な女性でも、
  過去の恋愛や失敗や親の刷り込みによって
  自分に自信がない場合は、恋愛はなかなか
  うまくいかないものです。なぜなら、彼女は
   “私は女性として魅力がない” と思い込んで
  いるからです。この思い込みを “ゆがみ” と
  表現しています。」

もちろん、この「ゆがみ」は女性だけでなく、
男性にもあるものです。

しかし、女性だからこそ生じやすい
「ゆがみ」があるので、本書ではそういった
心理に着目して、対処方法を説明します。

1つの代表的な例は、婦人会やママ友といった
コミュニティでの交流。

こういったコミュニティに所属していると、
「同じことをしていないと大変な目にあうはず」
「誰とでも仲良くしていないといけない」
といった「ゆがみ」が生じやすいようです。

女性のコミュニティでは、「自己内同調圧力」
の罠にはまっている可能性があります。

自己内同調圧力とは、周りが「同じことを
していないといけないよ」なんて思っていない
のに、勝手に自分で「みんなと同じことを
することを期待されている」と勘違すること。

これこそ、学生時代から女性社会の中で
培われてきた、女性にありがちな思い込みです。

本書には、ゆがみを整えるために、
次のようなアドバイスが書かれています。

同じことをしていないと大変な目にあうと
思っている場合。

  「(ランチや飲み会など)頑なに毎回誘いを
  断っていれば、いい気はされないかも
  しれませんが、オフィスや電話など、
  それ以外の場所や場面で愛想よく過ごして
  おけば、 “悪気はないけれども、誘っても
  来ない人” というキャラを確立することが
  できます。」

誰とでも仲良くしていないといけないと
思い込んでいる場合。

  「求めているものが “日常に波風を立てない
  ため” といった “純粋に相手を好き” 以外の
  ことであれば、それを得るために必要な分
  だけ人間関係にコミットすればいいのです。
  常に同調しなくても、差し障りのない
  ラインを見定め、必要なときだけ、
  なんなら形式上だけ、同調していれば
  それでオッケーです。」

これ以外に本書では、マウンティング、嫉妬、
バリキャリ、キラキラ女子、メンヘラ、
セクハラ、毒親、ワンオペ育児といった
女性の抱える悩みの心理的背景を説明します。

それぞれの「ゆがみ」に対し、どのように整え、
対処するかを具体的にアドバイスしています。

男性の私が読むと、不可解な女性心理の
一端がわかったような気がしました。

ただし、男性の女性との付き合い方は
本書には書かれていないので、
そこは自分で考える必要がありそうです。

この本から何を活かすか?

「メンヘラ」という言葉は、男性よりも
女性に対して使われることが多い言葉です。

メンヘラとは、精神的な疾患を持つ人のこと。

自己を安定させるために、パートナーが
いることや、パートナーから注目・称賛を
受けることは、男性よりも女性の方が
意味が大きいと、本書では説明しています。

女性のメンヘラに関する「ゆがみ」は、
次の2タイプがあるようです。

1つ目は、メンヘラであることを受け入れて、
メンヘラがアイデンティになるタイプ。

2つ目は、他人にメンヘラだと指摘されて
ショックを受けているタイプ。

タイプによって対処法は異なるので、
興味のある方は、本書でご確認ください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 心に効く本 | 06:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで

満足度★★★★
付箋数:25

2016年の流行語大賞に選ばれた「神ってる」。

広島カープの緒方監督が、2試合連続で、
サヨナラホームランを打った鈴木選手を
形容して使った言葉でした。

また、「神対応」は、驚き感心するほど
行き届いた対応に対して、最大級の好評価を
表す言葉として使われています。

これらの言葉が示す通り、多くの日本人にとって、
「神」とは、人間を超越するような存在として、
捉えられています。

この「神」に対する考え方は、多神教である
日本人の宗教観に根ざしているのでしょう。

これに対して、一神教であるキリスト教や
ユダヤ教、イスラム教での「神」の捉え方は、
大きく異なります。

これらの宗教では、唯一絶対の創造神に対する
信仰が根幹にあります。

宇宙と人類を創造して世界の運行を司る、
全知全能の絶対者が神なのです。

一神教の宗教では、聖書などの聖典があり、
信者たちはそれを学ぶことで、神の存在を
確認してきました。

  「多くの日本人にとって、不思議な事でしょう。
  宇宙のはじまりにはビッグバンがあり、
  人類は原始的な生物から進化したことは、
  学校でも教えられています。
  なのに、なぜ彼らは、そのような神の存在を
  本気で信じることができるのだろう、と。
  しかも、さらに不可解なことには、
  宇宙や物質のはじまりを研究している
  物理学者や、生命のはじまりを研究している
  生命科学者、つまり “神の仕業” とされて
  きたことを “科学” で説明しようとしてきた
  人たちでさえ、多くが神を信じているのです。
  これはもう、矛盾でしかない、と思われる
  のではないでしょうか。
  この不思議を解き明かしていくことが、
  本書のテーマです。」

著者の三田一郎さんは、名古屋大学名誉教授で、
理論物理学者として素粒子論の研究に人生の
大半を捧げてきた方。

その一方でカトリック教会の助祭として、
神に仕える身でもあるようです。

本書は、神や宗教を切り口にした、
異色の宇宙科学史を綴った本です。

最初はキリスト教の起源から説明が始まり、
それが徐々に宇宙論の歴史と重なり、
最後には違和感なく、量子宇宙論まで
つながっていきます。

日本では、科学者と宗教の関係について、
よく聞くのは「ガリレオ裁判」ぐらいかも
しれません。

しかし、本書では科学の歴史と、
その背景にあったキリスト教の宗教観を
丁寧に解説します。

その宗教観こそが、逆に宇宙論を発展させる
原動力になってきたことがよくわかります。

宗教という切り口抜きでも、本書は
宇宙科学史の本として読み応えがあるので、
それだけでも十分に楽しめます。

コペルニクスさんやガリレオさんから始まり、
ホーキングさんまでの宇宙論を学びながら、
欧米の宗教観も学べるのは有り難いです。

 第1章 神とはなにか、聖書とはなにか
 第2章 天動説と地動説―コペルニクスの神
 第3章 宇宙は第二の聖書である―ガリレオの神
 第4章 すべては方程式に―ニュートンの神
 第5章 光だけが絶対である―アインシュタインの神
 第6章 世界は一つに決まらない
   ―ボーア、ハイゼンベルク、ディラックらの神
 第7章 「はじまり」なき宇宙を求めて
   ―ホーキングの神
 終章 最後に言っておきたいこと―私にとっての神

この本から何を活かすか?

私が本書で初めて知ったのは、
ガリレオさんより、16歳年長の哲学者、
ジョルダーノ・ブルーノさんについて。

彼は自説を撤回しなかったために、
火あぶりの刑に処されました。

それを見てガリレオさんは、自説を撤回した
とも言われています。

さて、そんなブルーノさんの宇宙論は、
当時としては、非常に先駆的なものでした。

  ・地球が宇宙の中心ではないばかりか、
   太陽もその中心ではない。

  ・この宇宙は無数の宇宙からできている。
   そして神はこの無限の内にある。

  ・変わらないものは何もなく、
   すべては相対的な存在で、常に変化している。
   したがって、人間が宇宙で特別の価値がある
   存在ではありえない。

1600年頃に、このような宇宙観を持っていた
ことは、まさに、神ってます。

生まれてくるのが早すぎた人の典型ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

誰でもすぐ使える雑談術 ―初めのひとことがうまく言えるコツ

満足度★★★
付箋数:22

さくら舎の岩越さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

「雑談」は、人間関係を良くするための潤滑油。

特に、初めて会った方とは、雑談の良し悪しが、
その後の付き合いにも大きく影響します。

雑談の大切さは、十分にわかっていても、
「何を話したらいいかわからない」
「話が一往復で終わってしまう」といった
悩みを持つ方が多いようです。

実は、世の中、ほとんどの人は雑談が苦手。

私も、雑談には苦手意識がありましたが、
本書を読んで、少し考え方が変わりました。

本書の著者で、雑談術セミナー講師を務める
吉田幸弘さんは、セミナー終了後、受講者から
相談を受けることがよくあるそうです。

「話すネタがないけど、どうすればいいのか」と。

吉田さんは、ここに大きな間違いがあると
指摘します。

  「(こういった人は)たいていは、
   “自分が何を話すか” ばかり考えています。
  でも、それよりも大切なことは、
  相手に話をさせることなのです。」

上手に雑談をするためには、雑学などの
豊富な話題を持っている必要はないのです。

雑談上手は、気配り上手。

本書では、相手に気持ちよく話してもらう
ちょっとしたコツを紹介しています。

例えば、雑談の鉄板ネタの「天気」について。

天気の話題が、雑談に適しているのは、
誰でも知っていることです。

天気は、相手との共通の話題であり、
答えやすいからです。

しかし、吉田さんは天気の話しをしながら、
あることをするように勧めています。

それは「相手のタイプを見抜く」こと。

  「 “今日、暑いですね” と言ったときに、
   “そうですね” だけで早く会話を終了させたい
  雰囲気を醸し出したら、もう雑談せずに
  本題に入っていけばいいのです。
  あるいは面倒くさそうな顔をしたら、
  雑談はいったん終了です。
  ここでダラダラ雑談をしてしまうと、
  相手はイライラし始めます。」

相手への気配りが、雑談をするときの
大きなポイントなので、タイプに合わせて、
長さや分量を変える必要があるのです。

そして、雑談は必ずしも本題に入る前に
しなければならないものではありません。

本題が終わった後に、雑談した方がいい
タイプの人もいるのです。

では、相手がすぐに本題に入りたいタイプ
でない場合、天気からもう少し話題を
膨らますには、どうしたらいいのか?

吉田さんが勧めるのは、「親しみやすさ」
を出すような、失敗談を披露すること。

例えば、雨が降りそうな日は、
次のような話をするといいようです。

  「今日は午後から雨らしいですね。
  洗濯物を干したまま来てしまいましたよ」

  「駅まで自転車で通勤していますが、
  ここ3日間置きっぱなしで、バス代が
  かさんでいます」

  「移動中、寒いので駅のホームでつい
  缶コーヒーを持って温まっています。
  ただすぐに飲まないので、気づいたら鞄に
  3本も缶コーヒーが溜まっていました」

少し笑える、相手が突っ込みやすいネタを
ストックしておくのです。

雑談には、少しだけ準備が必要です。

ただし、初めのひとことを切り出した後は、
自分がプレゼンターになるのでなく、
相手のインタビュアーになることが、
上手に雑談するコツです。

本書には、雑談上手になるための基本と、
ちょっとしたコツを満載されています。

この本から何を活かすか?

雑談には、一般的には使っても大丈夫なようで、
実はしくじる可能性が高いネタがあります。

本書では、次のようなネタは封印することを
勧めています。

  ・「お痩せになりましたか?」
  ・「顔色悪いですけど、大丈夫ですか?」
  ・健康に関するネタ
  ・「一番○○だった」という言い方

こられのネタは、絶対にしてはいけない話題
ではありませんが、人によっては避けた方が
いい場合があります。

もっと相手と親しくなれる共通の話題が
他にあるので、あえてこのネタに挑戦して、
危険を冒す必要はないのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| コミュニケーション | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

一番伝わる説明の順番

満足度★★★★
付箋数:26

世の中には2種類の人がます。

それは、物事をうまく説明できる人と、
うまく説明できない人です。

あなたは、どちらの人でしょうか?

うまく説明できないと、相手から
「何を言いたいのか、よくかわからない」
と指摘を受けることがあります。

うまく説明できる人と、できない人では、
一体、何が違うのか?

饒舌だからといって、説明がわかりやすい
とは限りませんし、賢いからといって、
説明上手とも限りません。

世の中には、立て板に水で喋っても、
何が言いたいかわからない人もいますし、
専門家と呼ばれる人でも、説明が難解な人も
います。

実は、説明ベタな人は、次の3つのことが、
できていません。

 1. 何をどの「順番」で説明するかが、
  整理できていない。

「自分が考えた順番」と「説明する順番」は
違うものです。

この事実を意識せず、自分の考えた順番や
経験した順番でそのまま話しても、
相手には決して伝わりやすくないのです。

この「順番」が伝わるかどうかの肝。

 2. 相手の理解レベルを意識していない。

これは専門家の話が伝わりにくい場合の
典型です。

話の前提となる知識が相手に不足している
ことを一切考慮せずに、説明を始めると
こうなってしまいます。

説明する言葉や内容は、相手に合わせる
意識を持つ必要があります。

 3. 自分で何が言いたいのか決まっていない。

至極当然のことですが、伝える側が、
何を伝えたいのかが決まっていなければ、
相手に伝わるはずがありません。

自分の伝えたいことを明確にして、
それを相手が受け入れられるように整理して
説明する必要があるのです。

本書は、説明する方法を説明する本。

著者は、株式会社ギックス取締役CMSOの
田中耕比古さんです。

本書は、田中さんが会社のWEBサイトに
掲載した「説明ベタを克服しよう」という
ブログ記事をベースに書かれた本です。

たかが説明、されど説明。

ビジネスのあれゆる場面で説明は、
求められますし、プライベートでも説明する
機会はいくらでもあります。

なぜなら、「説明=コミュニケーション」
だからです。

説明する上で、最も重要なことは、
何をどの順番で話すかの「順番」。

同じ内容を話しても、順番を変えるだけで、
その伝わりやすさは全く違うものになります。

ミスコミュニケーションの一例として、
「伝えたつもり」で、実は相手に伝わって
いないケースが良くあります。

これも、伝える順番に起因していることが
多いのです。

話の順番を意識するだけで、伝えた結果が
変わるだけでなく、あなたの印象や評価も
大きく変わってきます。

 第1章 説明が下手な人は、何が間違っているのか
 第2章 わかりやすい説明の順番
 第3章 説明力を高める!
    「自分の思考」を整理するコツ
 第4章 理解度が高まる!
    「相手の思考」を整理するコツ
 第5章 印象に残る伝え方のコツ
 第6章 説明力を磨く思考習慣&トレーニング

本書の解説は、小気味よいくらいにポイントが
まとまっていて、非常にわかりやすい本です。

それは、本書で田中さんが説いている、
説明の順番や説明の仕方が実践されている
からに他なりません。

説明ベタな方には、オススメしたい一冊です。

この本から何を活かすか?

ビジネスではよく、「結論から話しなさい」
と言われます。

しかし、実は「結論から話す」よりも先に
やるべきことがあります。

それは、「前提」をそろえることです。

前提情報、そのテーマの理解レベル、話す範囲。

これから話す内容について、これらの前提が
揃っていなければ、いくら結論を先に話しても、
全く理解されない状況が生じるのです。

十数年ぶりに会った友人に「仕事はどう?」と
聞かれて、同僚に答えるように話しても、
うまく状況が伝わりませんよね。

それは、話の前提となる情報が
共有されていないからです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 04:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

まるわかり 働き方改革

満足度★★★
付箋数:22

日経BPの日野さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本日紹介するのは、当ブログでは珍しいムック。

日経ビジネスが編集した、雑誌と書籍の中間に
あるような本です。

特集されているのは、「働き方改革」。

  「我が国は、 “少子高齢化に伴う生産年齢人口
  の減少”  “育児や介護との両立など、働く方の
  ニーズの多様化” などの状況に直面しています。
  こうした中、投資やイノベーションによる
  生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・
  能力を存分に発揮できる環境を作ることが
  重要な課題になっています。」

この課題を解決するために、政府によって
推進されているのが働き方改革です。

2016年9月に、安倍晋三首相が、内閣官房に
「働き方改革実現推進室」を設置し、
働き方改革の取り組みを提唱しました。

この号令を受けて多くの企業が、
「長時間労働」、「非正規と正社員の格差」、
「労働人口不足」の問題を解消すべく、
働き方改革に乗り出しています。

具体的には、「残業禁止」、「副業OK」、
「自宅勤務の拡大」などを導入している
企業が増えているようですね。

果たして、働き方改革は、国や企業の思惑通り、
進んでいるのでしょうか?

それは、本当にビジネスパーソンにとって、
良い方向の改革になっているのでしょうか?

本書では、そんな働き方改革の「実態」を
総力を上げて特集しています。

 第1章 日本電産 真の働き方改革

日本電産会長の永守重信さんは、一代で同社を
世界を代表するモーターメーカーに育てた、
自他ともに認めるハードワーカーでした。

これまで、「元日以外は、仕事は休まない」
ことを公言していましたが、ここにきて、
「残業ゼロ」を目標に掲げるなど、
目指す働き方を大きく方向転換しました。

きっかけは、何だったのか?

この章では、永守さんのインタビューも交え、
単に残業手当を減らすだけではない、
「真の働き方改革」とは何かに迫ります。

 第2章 やってはいけない働き方改革 便乗時短

便乗時短とは、本来の働き方改革とは、
似て非なるものです。

 ・噂のイクメン社員「裏の顔」事件
 ・毎日夕方は「避難訓練」事件
 ・「トラックボール回し」が仕事事件
 ・新工場建設はいつになるやら事件
 ・「ここは居酒屋かよ!」事件

この章では、実際にあった、トンデモ働き方改革
の実例を挙げ、新たな便乗時短が増えないように
警鐘を鳴らします。

 第3章 会社と個人の新たな関係 成功する副業

第3章は、働き方の新たな選択肢として
脚光を浴びている「副業」について特集。

ソフトバンクグループ、ロート製薬、
ディー・エヌ・エーなど、副業を推進する
企業が期待する効果などを紹介しています。

また、徹底調査したリアルな副業の実態も
公開していますね。

 第4章 500社調査 賃上げ余力ランキング
    給料はもっと上がる

最後の章では、企業の賃上げ余力を徹底調査。

安倍晋三首相は、毎年経済界に賃上げを
要請してきました。

企業に「給料を上げてほしい」と頼む
総理大臣は世界でも珍しい例ですが、
実態として企業の賃上げは進んでいません。

なぜ、日本企業の賃金は上がらないのか?

給料後進国となっている日本の賃金低迷の
カラクリを解き明かします。

全体的に丁寧に取材されているので、
働き方改革の実態、理想と現実のギャップが
よくわかるムックに仕上がっています。

オールカラーで写真や図も豊富なので、
視覚的にポイントがわかるのも良い点です。

この本から何を活かすか?

企業にとっては、「会議」の効率的な実施が、
生産性アップのための1つのカギとなります。

本書では、日本電産のグループ会社の
「会議効率化7か条」が紹介されていました。

 1. 会議時間は45分を基本に。
  短時間会議は25分で
 2. 会議参加者には事前に「会議の目的」
  「時間配分」「必要な成果」を示す
 3. 会議出席者は必須の者のみに厳選
 4. 会議の主催者は冒頭に「2」を再確認
 5. 資料は1議題1枚。事前に配布
 6. 会議終了時には結論、宿題を確認。
  決定事項の担当も明確に
 7. 議事録は会議中に作成。遅くても翌日までに

この7か条が徹底されて入れば、かなりの部分で
会議のムダはなくなりそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

AI時代の子育て戦略

満足度★★★
付箋数:21

  「すでに “ガリ勉をして東大” というルートは
  ヤバイ。私の肌感覚から言うと、東大卒で
  本当に使える人は10人に1人いるかどうかだ。
  幼い頃から難関校合格を目指して少中高と
  学習塾に通い、特定の正解を得るための
  テクニックを磨く。
  そうやって東大を卒業した結果、わが子が
   “使えない人材” になったら・・・・。
  私なら、そんなハイリスクな教育にベット
  しようとは思わない。」

本書は、マイクロソフト日本法人元社長で、
日本屈指のイノベーターである成毛眞さんが、
AI時代の「子育て」について語った本です。

こらから更にAIが発達すると、今ある職業の
多くは10年後、20年後には存在しないとも
言われています。

それはかつて存在した、一生懸命受験勉強させて、
一流大学へ合格させて、一流企業に就職させる
子育て路線が通用しなくなったことを意味します。

では、これからの時代、どんな子育てをしたら
よいのでしょうか?

  「最初の機会を親が与えるのはいい。
  ただ、そのときは親は無表情でいるべきだ。
  無表情でやらせてみて、ハマっているようなら
  続けさせればいい。それこそが、子どもにとって
  生きる術になる可能性がある。」

これは単に子どもの「習い物」のことだけを
言っているわけではありません。

「ハマるもの」を探して、それを続けさせる
ことが、これからの子育ての重要なポイント。

創造性の少ない仕事はAIに代替され、
学歴というブランドも通用しなくなるので、
秀才を育てる教育は必要なくなるのです。

本書には、成毛さんと堀江貴文さんの対談も
掲載されていますが、そこで堀江さんも
同じことを言っています。

  「僕はずっと “ハマることの大切さ” を
  言い続けてるんですよ。物事にハマる力は
  みんな持っているはずなのに、いつの間にか
  忘れてしまう。親とか学校から “ゲーム
  ばっかりするな、勉強しろ” って禁止され
  続けるからです。」

子どもが興味を持つ対象が見つけにくいなら、
ゲームをやらせればいい。

現代のゲームは親が思っているよりも、
かなりクリエイティブな作業で、攻略する
ためには、自分でいろいろと工夫しなければ
ならないからです。

特に成毛さんは、任天堂が2017年3月に発売した
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch
を推奨しています。

また、子どもがハマるものを見つけるきっかけ
として「STEAM」教育が重要であると説きます。

「S」はサイエンス、「T」はテクノロジー、
「E」はエンジニアリング、「A」はアート、
「M」はマセマティックスです。

AI時代になると真っ先に、「文系脳」の人が
食いっぱぐれてしまうので、できるだけ
「理系脳」を鍛えよ、ということです。

論理的な読解力を身につけさせるためには、
プログラミングを学ばせることも推奨されて
います。

そこまで本格的でなくとも、最新のデバイスは
子どもにどんどん与えた方がいいようですね。

また、SF・サイエンス系のマンガやアニメに
親しませるのもいいことですが、1つだけ注意点
があります。

それはファンタジーの要素が強い作品ではなく、
科学考証のしっかりしたSF作品を選ぶこと。

そういう作品でなければ、科学的な素養を
高めることはできません。

個人的には、本書は成毛さんの本にしては、
少しもの足りない印象を受けました。

それは、過激な発言が少ないからではなく、
本書の内容は、AI時代が来る遥か前から、
大前研一さんが主張していたことに近いからです。

この本から何を活かすか?

現在、企業が採用するときに最も重視している
とされるのが「コミュニケーション能力」です。

しかし、成毛さんは、「コミュニケーション
能力は伸ばさなくていい」と言います。

それは、コミュニケーション力はもともとも
能力差が大きすぎるために、才能がない人が
多少能力を伸ばしても、焼け石にだからです。

言語に関する能力は年数が経ってから開花する
こともあり、仮に「コミュ障」であったとしても、
成長すれば自然と治ると説明されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

心を休ませるために今日できる5つのこと マイクロ・レジリエンスで明日のエネルギーをチャージする

満足度★★★
付箋数:23

オトバンクの上田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

ここ数年、「レジリエンス」という言葉を
よく聞くようになりました。

当ブログでも何冊かのレジリエンス本を
紹介していますが、一番最初は2014年4月の
「レジリエンス」の鍛え方』でした。

レジリエンスとは、「折り曲げられたり、
圧縮されたり、引き伸ばされたりしたのちに、
もとの形状に戻る力」のこと。

一言で表すと、「再起力」となり、
心が折れそうな逆境から立ち直る力のことです。

スポンジを絞ると、必ず元の形に戻ることを
レジリエンスとして、イメージしてください。

本書では、そこからもう一歩進んで、
もと通りなるだけでは不十分で、最初の形より、
ちょっとだけ良い形に戻す方法を紹介します。

それを「マイクロ・レジリエンス」と呼びます。

疲労やストレスで心が折れそうになる前に、
小さな工夫を少しずつ実行し、心を回復させ、
そこから更に、自分が持っている能力を
最大限に発揮させます。

本書は2人の方の共著です。

1人目は、1984年のパラリンピックのスキーで、
銀メダル、銅メダルを獲得したボニー・セント・
ジョンさん。

現在はリーダーシップ専門のコンサルタント
として、活躍しています。

2人目は、ソニー、ディズニー、フォックスなどの
経営幹部にアドバイスとコーティングを行ってきた
アレン・P・ヘインズさんです。

本書では、次の5つのフレームワークで、
「マイクロ・レジリエンス」を実践する方法を
紹介しています。

 1. 脳の使い方を切り替える
  ・ゾーンによる切り替え
  ・脳への負担を減らす切り替え
  ・決断による切り替え
  ・運動による切り替え

 2. 原始的な恐怖をリセットする
  ・ラベリングによるリセット
  ・意識的なリラクゼーションによるリセット
  ・感覚のリセット
  ・パワーポーズによるリセット

 3. 思考のクセを見直す
  ・ジョイキットによる見直し
  ・ABCDEモデルによる見直し
  ・逆転発想法による見直し
  ・「3つのP」→「3つのC」による見直し
  ・日々の見直し

 4. 体をリフレッシュする
  ・水分補給によるリフレッシュ
  ・血糖バランスによるリフレッシュ

 5. 心を活性化する
  ・試金石による活性化
  ・スケジュールによる活性化
  ・フローによる活性化

この5つのフレームワークのテクニックで
構成されるマイクロ・レジリエンスは、
一日を通して、ごく小さいことを少しずつ
変えていき、エネルギーと生産性を高めます。

では、これらのテクニックの中から、
「脳への負担を減らす切り替え」の方法を
少しだけ紹介しましょう。

まず、「やることリスト」に書き出して、
脳に記憶しておく負担を減らします。

次に、どこに行くときも小さなメモ用紙と
スマホを持参します。

それに、突然ひらめいた考えを図に描きます。

また、アイディアを表す吹き出しや、
ホワイトボードへの書き込みをスマホで
撮影し、決まったフォルダへ保存します。

これらを習慣として継続的に行うことで、
脳から情報の重荷を減らし、脳の能力を
最大限に高めることができるようになります。

このように、本書で紹介されるテクニックは、
特に難しいものではないので、
日々の生活の中で、実践しやすいと思います。

この本から何を活かすか?

あと、私が実際にやってみたのは、
「運動による切り替え」の中で解説されていた
「胸をひらく体操」です。

これがなかなか気持ちよかった。

 1. 椅子の端に座り、後ろに手を伸ばして、
  両手で背もたれを掴む。

 2. 息を吸い込んで胸を張り、背中を反らす。

 3. そうした方が気持ちよければ、頭を少し後ろに
  倒してみる。

 4. 呼吸を続けながら、30秒以上この姿勢を保つ。

他にも、肩まわし、つま先上げ、首のストレッチ
などデスクの前で軽い運動をするレパートリーを
いくつか持つといいようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 自己啓発・セルフマネジメント | 05:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

読書という荒野

満足度★★★
付箋数:25

何のために、読書をするのか?

それは、読書によって「言葉」を得るため。

  「人間は、言葉で思考する。言葉を使って
  自らの生や死について考え、相手に想いを
  伝える。人を説得し、交渉し、関係を
  切り結ぶ。そして人生を前に進めていく。」

言葉は、人生の大きな武器となります。

選び抜いた言葉を使うと、人の心を揺さぶり、
人を動かすことさえもできます。

  「この本のテーマは、読書論である。
  僕の人生と、その人生のなかで読んできた
  膨大な数の本について語ることで、
  一人の人間がいかにして自分の言葉を獲得し、
  言葉によって道を切り開いてきたかを
  明らかにしていく。」

著者は、出版界の革命児とも呼ばれる、
幻冬舎代表取締役社長の見城徹さん。

強烈な個性で知られる見城さんですが、
本書にも、荒々しい言葉が並んでいます。

血で血を洗う、読書という荒野。

そこを圧倒的なエネルギーで突き進んできた、
言葉を知った野獣が書いた本という印象。

本書は、そんな見城さんの自伝的読書論です。

見城さんは、「自己検証」、「自己嫌悪」、
「自己否定」の3つがなければ、
人間は進歩しないと言い切ります。

この3つは、人生を進めるための三種の神器。

  「人は表現するときに言葉を選び取る。
  この作業は苦しく、否応なしに自分を否定し、
  自分の未熟さを見つめ直すことを余儀なく
  される。しかしこの三つを繰り返した
  先にしか、人の成長はないのだ。」

この三つを繰り返すために必要なのが読書。

本の中には、1人の人間が一生で経験する
ことができないほど経験や葛藤、苦悩が
詰め込まれています。

苛烈な環境で戦う人々に出会うことができます。

その読書体験を通じて、自己検証、自己嫌悪、
自己否定を繰り返し、人生を先に進めるための
血肉化した言葉を得ることができるのです。

だから、読書の量が人生を決めると言っても、
決して言い過ぎではありません。

本書は、こんな高いテンションで
書かれているので、毒にも薬にもなる
本だと思います。

ただし、ベストセラーにもなった、
たった一人の熱狂』とベースは一緒なので、
その本を読んでいるかどうかで、
本書の評価は分かれることでしょう。

私は、編集者として見城さんが惚れ込んだ
作家を紹介する本として読みました。

そこには、才能溢れる作家との出会いがあり、
見城さんの絶賛する言葉を聞くと、
すぐにでも彼らのの本を読みたくなります。

見城さんの、人生に大きな影響を与えた作家は、
ヘミングウェイさん、五木寛之さん、
石原慎太郎さん、大江健三郎さんなど。

そして、編集者として一緒に仕事をした、
ベストセラー作家は、百田尚樹さん、
宮本輝さん、北方謙三さん、村上龍さん、
林真理子さん、山田詠美さんなど。

見城さんが、これらの作家と一緒に仕事が
できるようになったのは、編集者として
「圧倒的な努力」をしてきたからです。

  「人が寝ているときに眠らないこと。
  人が休んでいるときに休まないこと。
  どこから始めていいかわからない、
  手がつけられないくらい膨大な仕事を
  一つひとつ片付けて全部やりきること。
  それが圧倒的努力だ。
  努力は、圧倒的になって初めて意味がある。」

見城さんの情熱と濃い人生が詰まっている
表現だと思います。

  はじめに 読書とは「何が書かれているか」
      ではなく「自分がどう感じるか」だ
  第1章 血肉化した言葉を獲得せよ
  第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ
  第3章 極端になれ! ミドルは何も生み出さない
  第4章 編集者という病い
  第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて
     他者を知る
  第6章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め
  おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ

この本から何を活かすか?

本書で紹介されていた本で、私が読みたいと
思ったのが、ホセ・トレスさんが書いた
『カシアス・クレイ』です。

しかし、この本は1972年に刊行されたもので、
現在は入手困難な状態でした。

図書館で調べても所蔵はありませんでした。

トレスさんが書いたボクシング物では、
『ビッグファイト、ビッグマネー』が
図書館にあったので、とりあえず、
こちらを読んでみることにしました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 読書法・速読術 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

いい緊張は能力を2倍にする

満足度★★★★
付箋数:28

あなたは、「緊張」しやすい方ですか?

もし、あなたの答えが「はい」でも、
安心してください。

緊張しやすいのは、あなただけではありません。

あるアンケート調査によると、20歳以上男女の
実に「82%以上」の人が、緊張しやすいと
答えているそうです。

では、緊張は、良いものでしょうか、
それとも悪いものでしょうか?

この問いに関しては、およそ100年前の
心理学実験から、答えは明らかになっています。

最高のパフォーマンスを発揮するためには、
適度な緊張は欠かせません。

  「 “敵” なのは “過緊張” の状態であり、
   “適正緊張” の状態は、私たちの最大の味方
  になってくれるのです。」

緊張を毛嫌いせず、「味方」であることを
知るだけで、パフォーマンスは改善します。

本書は、緊張を味方にして最高のパフォーマンス
を発揮するための本です。

過緊張にならないようにコントロールして、
普段以上の力を発揮する方法を指南します。

著者は、精神科医の樺沢紫苑さん。

樺沢さんが執筆する本は、情報が盛り沢山で、
いつも得られるものが多くあります。

ハズレがないことは分かっていましたが、
今回の本も「完全なアタリ」です。

さて、緊張について科学的に分析すると、
その原因は、たった3つしかないと、
樺沢さんは指摘しています。

1つ目は、「交感神経が優位」になること。

神経には、交感神経と副交感神経があります。

この2つの神経で、副交感神経よりも
交感神経の方が優位になると、心拍数、血圧、
呼吸数、体温が上がり、筋肉は緊張します。

2つ目は、「セロトニンが低い」こと。

脳内物質セロトニンは、脳内の調整役にも
なっていて、この物質が多く分泌されると、
落ち着き、平常心がもたらされます。

瞑想状態に入ったり、朝の森林浴などで
分泌される物質で、これが足りないと、
うつ病になってしまう可能性もあるようです。

3つ目は、「ノルアドレナリンが高い」こと。

ノルアドレナリンもセロトニン同様、
脳内物質の1つで、一瞬で正しい判断を行う
ためのものです。

原始人が猛獣と出会ったときに出る脳内物質。

闘うか、逃げるかを一瞬で判断しなければ
ならない、緊急事態に遭遇したときに、
分泌されるのが、ノルアドレナリンです。

ちなみに、これに似た物質でアドレナリンが
ありますが、どちらも「闘争か逃走か」を
判断する物質です。

その違いは、危機に直面したときに、
脳に働くのがノルアドレナリンで、
身体機能に働くのがアドレナリンです。

本書では、副交感神経の切り替え術を7個、
セロトニンの活用法を7個、ノルアドレナリン
のコントロール術を11個紹介しています。

この3つの原因に対して、しっかりと対策を行えば、
緊張は完全にコントロールできるのです。

また、メンタルの切り替えによっても
緊張は緩和されるので、マインドチェンジ術も
8つ紹介されていました。

  1. 「相手のため」を意識する
  2. 感謝する
  3. 目的にフォーカスする
  4. ハグする、手を握る
  5. 対処法を明確にする
  6. 完璧主義から、最善主義へ
  7. 緊張するかどうかは「前日までに9割決まる」
  8. 最後は神頼み

本書は、脳科学的に、あるいは心理学的に、
正しい緊張コントロール法を解説し、
さらにシチュエーション別の対応策も紹介します。

緊張を味方につけるための決定版なので、
緊張し過ぎる方には、お勧めしたい一冊です。

この本から何を活かすか?

  戦場カメラマン式緊張緩和法

ものすごくゆっくり喋ることで知られる、
戦場カメラマンの渡部陽一さん。

彼の話し方は、副交感神経を切り替えて、
緊張を緩和するためには有効であると、
紹介されていました。

早口になると、呼吸が浅くなり交感神経が
優位になるので、人前で話すときには、
「話すスピードを3割ダウン」することを
意識するといいようです。

渡部さんの話し方はインパクトがあるので、
あれをイメージするといいんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

あなたのキャリアをお金に変える! 「顧問」という新しい働き方

満足度★★★
付箋数:22

オトバンクの上田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、「顧問」と聞くと、どんな働き方を、
思い浮かべますか?

一流企業の役員クラスだった人が、リタイア後に
別の会社に天下り的に顧問としてやってきて、
月に1回くらいのペースで出社する。

やっていることと言えば、せいぜい社長の
茶飲み仲間として社長室でのんびりと話をする。

こういった顧問は、その人自身がやることよりも、
前職の会社名や役職、そして人脈が必要とされ、
「顔役」として重宝されていました。

実際に、本書の著者、齋藤利勝さんが44歳で、
サラリーマンを辞めて、顧問になったときも、
周りは次のような反応が多かったといいます。

 「会社を辞めて顧問? 楽して何やっているの?」
 「44歳で顧問だなんて、偉そうだ」

しかし、齋藤さんが顧問としてやっている
仕事の内容は、従来の顧問のイメージとは、
まったく異なります。

齋藤さんがやっているのは、プロフェッショナル
として企業に貢献する新しい顧問。

単なる顔役ではなく、企業の問題解決にあたる
エキスパートです。

従来の顧問とはっきり区別するために、
「実務顧問」と呼ばれることもあるようです。

また海外では、これに近いこ職業は、
「インディペンデント・コントラクター
(独立業務請負人)」という肩書になります。

本書は、これまでサラリーマンとして実務経験を
積んできた方に、その経験を活かした顧問という
働き方を紹介する本です。

特に、その道のプロとして結果が出せる顧問を
本書では「プロフェッショナル顧問」と
呼んでいます。

  「企業の抱える課題を解決に導くにあたり、
  プロとしての意識をどれだけ高く持ち、
  企業に貢献できるか。プロフェッショナル顧問
  はそこにこだわり、結果を出すことのできる
  人材です。」

このプロフェッショナル顧問の働き方を聞くと、
コンサルタントに近い印象を持つかもしれません。

しかし、プロフェッショナル顧問は、
コンサルタントよりも、より深く直接的に
企業の事業に参画します。

調査、分析、解決策の提示だけに留まらず、
課題解決が実現するまで、企業のメンバーと
一緒に実務にも一緒に携わります。

顧問の方が得る収入は、契約先の数によって
異なりますが、サラリーマン時代の収入を
上回る方も多いようです。

そんな新しい働き方があるとしても、
自分にプロフェッショナル顧問が務まるのか?

こんな疑問を抱く方も多いことでしょう。

齋藤さんは、長年真摯に実務経験を
積んできた人であれば、何かしら提供できる
スキルがあるはず、と言っています。

一定の期間サラリーマン務めをしてきた方なら、
誰でもプロフェッショナル顧問になれる
可能性があるのです。

そして、実務のエキスパートとしての顧問は、
企業側から見ても、コンサルタントや中途採用
よりもリスクが低く、コストもかからないため、
かなりニーズもあるようです。

当然、ニーズがあるプロフェッショナル顧問でも、
成功する方もいれば、失敗する方もいます。

その違いは、自分の強みを発見し、
活躍するための「戦略」を立てているかどうか。

自分のキャリアを十分に「棚卸し」して、
強みを活かす分析が必要となるのです。

本書では、「齋藤式分析ツール(Sツール)」
を紹介して、あなたがプロフェッショナル顧問
として生きていくためのサポートを行います。

本書は、これからの時代の新しい働き方を
提供してくれる、興味深い本だと思いました。

この本から何を活かすか?

分析ツールで、自分が顧問としてやっていく
分野や戦略が決まったら、次にどうするのか?

顧問として働く第一歩は、
「派遣会社」に顧問登録することです。

本書では、顧問登録のプロセスから、
顧問先決定までの流れを詳しく解説します。

また、齋藤さんは、新しい顧問業の裾野を
広げるために、2017年に非営利団体の
「プロフェッショナル顧問協会」を
設立しています。

同協会では、顧問として活躍できる人材を
育成するために、「顧問塾」も立ち上げて
フォローを行っているようです。

ご興味のある方は、リンク先もご覧ください。
プロフェッショナル顧問協会

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書

満足度★★★★
付箋数:25

著者の西岡壱誠さんは、現役の東大生です。

もともと頭が良い天才タイプでも、小さい頃から、
一生懸命勉強した秀才タイプでもないようです。

その証拠に、西岡さんが通っていた高校は、
合格ラインは偏差値50で、歴代東大生輩出数は
ゼロという学校でした。

そして、実際に西岡さんが東大を受験しても、
箸にも棒にもかからず、あっという間に
2浪してしまったそうです。

しかし、ある1つの勉強法を変えただけで、
知識を運用する力、すなわち「地頭力」が
鍛えられ、急速に成績が上がりました。

その結果、東大模試では全国4位となり、
見事、東大に合格を果たしました。

西岡さんは、いったい、どんな勉強方法に
変えたのでしょうか?

その方法とは、教科書や参考書の
「読み方」を変えることでした。

「本と徹底的に議論」しながら読む。

つまり、受動的な読み方から、
能動的な読み方に変えたのです。

具体的には「どうしてこういう風になるのか?」
「これは本当にそうなんだろうか?」と頭の中で
本と会話するように読むのです。

そして、西岡さんが東大に入って気がついたのは、
東大生の多くが、この能動的に本と議論する
読み方を実践してるということでした。

  「東大生は、受動的に本を読むのではなく、
  本と対話・議論しながら、能動的に本を
  読みます。だからこそ “知識を自分のもの
  にして、同時に地頭力も身につける”
  ことができるのです。」

本書は、「地頭力」と「読み込む力」を同時に
身につける読書法を「東大読書」と名付け、
その方法を5つのステップで解説します。

 STEP1. 仮設作りで「読み込む力」が劇的に上がる

 STEP2. 取材読みで「論理の流れ」がクリアに
    見える

 STEP3. 整理読みで難しいことでも「一言」で
    説明できる

 STEP4. 検証読みで「多面的なモノの見方」
    を身につける

 STEP5. 議論読みで本の内容を「ずっと記憶」
    しておける

では、この中から、本書の肝となるSTEP5の
「議論読み」について少し紹介しましょう。

これは相手と会話するように本を読み、
読後にアウトプットする読み方です。

すると、本の内容が理解できるだけでなく、
頭の中にも記憶が残るというものです。

読み終わった後に行う、「議論読み」の
テクニックは3つあります。

1つ目は、STEP1で本を読む前に立てた
「仮説」が外れていなかったかどうかの、
「答え合わせ」をすること。

2つ目は、STEP3よりももっとコンパクトな
要約を行う「アウトプット要約」をすること。

3つ目は、今までのすべての読解を踏まえて
自分の感想・意見をアウトプットする
「自分なりの結論」を導くこと。

この3つを行うと、本が読みっぱなしにならず、
自分の中できちんと消化することができます。

その結果、本を読んで知っているだけの
知識から、自分で使える知恵に変わるのです。

本書の読書術は、なんとなく我流でやっている
人もある程度いると思います。

おそらく、多くの東大生は、その方法を
暗黙知として、自然とやっているのでしょう。

本書が素晴らしいのは、それをノウハウ化して、
誰でもできる形式知としているところです。

本書の読書術は、クリティカル・リーディング
の一種ですが、スモールステップ化され、
実践しやすくなっている点が秀逸だと思います。

この本から何を活かすか?

「東大読書」で、どんな本を読めばいいのか?

西岡さんは、得るものが多い本として、
「ベストセラー」を挙げています。

これは「ベストセラー=良い本」
という意味ではありません。

なぜ、ベストセラーを読むべきなのか?

  「それは、ベストセラーは必ず
   “議論を呼ぶ” ということです。(中略)
   “毒にも薬にもならない” という言い方が
  あります。益になるわけでも害になる
  わけでもなく、あってもなくても
  どうでもいいものの例えです。
  それで言うのであれば、ベストセラー
  というのは “毒か薬か” ではあるわけです。」

ベストセラーの主張に賛成か反対か別にして、
議論が喚起されるから、読む価値があるのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 読書法・速読術 | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術

満足度★★★
付箋数:23

あなたの職場には、意地悪な上司はいませんか?

暴言を吐く、部下をいたぶる、卑怯、
人をこきおろす、他人をいじめて楽しむ・・・

本書では、こういうクソみたいな上司や同僚の
ことを「アホ」と表現します。

では、あなたの職場の「重症度」を、
6つの質問でチェックしてみましょう。

 質問1 あなたは職場でゴミ扱いされていると
    感じているか?

 質問2 不愉快な状況はずっと続いているか?

 質問3 相手は一時的な「アホ」か、
    それとも「ホンモノのアホ」か?

 質問4 アホは1人だけか、それとも組織全体が
    病んでいるのか?

 質問5 あなたにアホを上回る権力はあるか?

 質問6 アホなヤツにどれくらい苦しめられて
    いるか?

質問1と2はYesである場合、質問3はそのアホが
一時的ではない場合、質問4は組織全体の場合、
質問5はあなたが権力を持っていない場合。

そして質問6は気分がふさいだり、
気力を奪われたり、体調を崩したり、
苦しくて仕方がない場合。

あなたの答えが、これらに該当する場合は、
本書は必ず役に立つでしょう。

職場でのハラスメントから救ってくれます。

本書の著者、ロバート・I・サットンさんは、
スタンフォード大学で組織行動論や組織管理論
を研究している方。

同時にこれらをベースとした「アホ」の研究も
行っているため「アホ先生」と呼ばれています。

平気で人をおとしめるヤツ、憂鬱な気分を
蔓延させるヤツ、私たちの気力を奪うヤツ。

この手の人は、多くの職場や組織に
のさばっています。

  「人を人とも思わないこのアホどもを
  のさばらせると、まわりに害がまき散らされる。
  そこで私はアホに苦しむ人に向けて、
  これまでの研究をもとに本書を書くことで、
  性悪なアホどもにどう対処すればいいか、
  アドバイスをお伝えすることにした。」

本書でサットンさんが伝えるアドバイスには、
学術研究の裏付けがあり、それに実地で使う
テクニックを加えています。

また、人事担当に行ったインタビューで得た
話や、メールでもらった相談なども参考にして
書かれています。

最優先する対処法は、性悪なアホからは
「逃げる」ことです。

本書では、過激な逃げ方を避け、
エレガントに逃げる方法を解説します。

逃げられない場合の対処法は「かわす」こと。

どうやってアホなヤツと会う頻度・期間・濃度
を減らせばいいか、戦略的なかわし方の
テクニックを紹介します。

そして、あなたの心を守るために、
アホの見方、物の見方を変えて、心理的な距離を
取ることで、アホなヤツから受けるダメージを
小さくする方法を説明します。

最後には、慎重にやる必要がありますが、
アホに反撃するために、効果的な反撃方法も
紹介されています。

また、注意点として、他人をすぐさまアホと
認定してしまわない点にも言及されています。

  「人というものは自分の短所やミスには
  気づきにくく、気づいても寛大になりやすい。
  問題が出てくると、たとえそれが自分のせい
  でも、他人のせいにする傾向がある。
  だから、もし “あんなひどいことをするなんて、
  あいつは性悪なアホだ!” と憤慨している
  自分に気づいたら、こんな呪文を心で唱えて
  みてほしい。
   “他人のアホ認定は慎重に、自分のアホ認定は
  率直に” 。」

本書は、職場でのハラスメントに対処する
ための本ですが、同時に自分がする側に
回らないための本でもあります。

この本から何を活かすか?

本書の「おわりに」で、次のようなドイツの
寓話が紹介されていました。

  「凍えそうなほど寒いある晩、ヤマアラシの
  群れがお互いに身を寄せあって暖まろうとした。
  ところが、ヤマアラシたちは体をくっつけると、
  お互いのトゲが刺さって傷ついてしまう。
  でも体を離すと、今度は寒くて凍えてしまう。
  やがてくっついたり離れたりを何度も繰り返す
  うちに、ヤマアラシたちはお互いを傷つけ
  ないで、ほどよく暖まることができる距離を
  見つけだした。
  この距離が “慎み深さと礼儀正しさ” と
  呼ばれるようになったという。」

この程よい距離が、人間関係では重要ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 心に効く本 | 05:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

明治日本の産業革命遺産 ラストサムライの挑戦! 技術立国ニッポンはここから始まった

満足度★★★
付箋数:24

オトバンクの上田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

書店やAmazonを見ているだけでは、
その存在に気づかなかったかもしれません。

しかし、今回は献本で出会うことができ、
非常に良質なノンフィクションであることが、
わかりました。

2015年7月に、日本の近代化の足跡が、
世界遺産に登録されました。

登録されたのは、「明治日本の産業革命遺産
製鉄・製鋼、造船、石炭産業」です。

この世界遺産は、大きな2つの特徴があります。

1つ目は、「シリアル・ノミネーション」方式で
世界遺産に登録されたこと。

これは複数の資産が関連しあって全体として
1つのテーマとして価値を有すると認められ、
一括して登録される方式です。

この世界遺産は、幕末から明治にかけての
産業施設や史跡群で、鹿児島、長崎など
九州各地や山口から静岡、岩手の八県に
またがる23の施設で構成されています。

これほど広範囲に分散した資産が世界遺産として、
登録されたケースはあまりありません。

そして、もう1つの特徴は、現在でも稼働中の
施設も登録されたことです。

三菱長崎造船所、官営八幡製鉄所、三池港の
一部の施設は、今なお100年以上に渡って
稼働し続けています。

この「明治日本の産業革命遺産」に登録されて
いるのは、長崎市の旧グラバー住宅や端島炭鉱、
山口県萩市の松下村塾、鹿児島市の旧集成館、
静岡県伊豆の国市の韮山反射炉などです。

これらは、日本のモノづくりの原点である
だけでなく、今の日本経済の土台を作った
産業革命の遺産です。

そこには幕末のサムライたちにが、日本の危機
から救うために行った、熱いドラマがありました。

それは明治維新版の「プロジェクトX」です。

著者の岡田晃さんは、登録された23の各遺産に
足を運び丹念に取材し、当時の時代背景や
建設のいきさつ、そしてそれに携わった多くの
リーダーや職人の奮闘を紹介していています。

本書は幕末から明治の激動の時代に奔走し、
高い志をもって挑戦し続けたラストサムライ
たちを描いたノンフィクションです。

本書の第1章で紹介されている遺産は、
薩摩藩の第11代藩主・島津斉彬さんが
建設した一大工場群の集成館です。

これは、「西郷どん」や「五代様」を育てた
幕末の名君、島津斉彬さんの挑戦を描いた
ドラマでもあります。

島津さんは、欧米列強による侵略の危機を
乗り切るため、軍備増強と殖産興業に取り組み、
多くの人材を育てました。

西郷隆盛さん、大久保利通さん、五代友厚さん
らも島津さんがあってこそ、世に出ることが
できたのです。

彼が行った集成館事業は、大砲鋳造、造船、
機械、紡績、ガラスなどの数多くの工場と
研究施設を建設した、近代化プロジェクトです。

この事業に着手したのが、ペリー来航前の
1851年だったというから驚きですね。

そして注目すべき点は、近代化プロジェクトを
単に西洋の技術を導入しただけでなく、
日本固有の伝統技術と融合させていることです。

大砲を鋳造する反射炉の建設においては、
蘭書の翻訳本を頼りにするだけでなく、
薩摩焼の伝統的技術も活用して成功させました。

他にも日本初の蒸気船の建造、機械紡績の開始、
日本初のガス灯実験の成功させるなどして、
集成館は当時、東洋最大の工業地帯となりました。

こういった事業、1つ1つがのちの明治維新に、
そして日本の近代化につながっていったのです。

本書で多くの人間ドラマを読んでいると、
日本の底力を感じますし、奮い立たせられる
ものがあります。

本書は、明治日本の産業革命遺産を撮影した
カラー口絵のほか、昔の貴重な写真なども
掲載される、資料としても価値が高い一冊です。

この本から何を活かすか?

明治日本の産業革命遺産の中で、ロケーション的
に有名なのは、端島炭鉱、通称「軍艦島」です。

1890年に三菱が買収、開発し、主力坑とした
海底炭鉱によって栄えた島です。

ピーク時には、5000人以上が住み、人口密度が
東京の9倍にもなりました。

日本初の鉄筋コンクリート造のアパート、
世界初の海底水道敷設、テレビの普及率日本一
など、当時の島の生活は豊かだったようです。

軍艦島の廃墟がちょとしたブームなりましたが、
幾度となく開発に失敗したことを乗り越え、
明治の産業革命から戦後の高度成長までを
支えた貴重な存在だったのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 社会・国家・国際情勢 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

満足度★★★★★
付箋数:28

「高い満足度」の本を連続で紹介していると、
すべての本を高評価している印象を与える
かもしれませんが、そんなことはありません。

良い本との出会いは、続くときは続くもの。

山口周さんの本は、ハズレがなく、どの本も
面白いのですが、特にこの本は秀逸でした。

今回も、新しい視点を与えてくれます。

本書のテーマは、ビジネスに役立つ「哲学」。

教養を身につけるためには、「哲学」は
学んだ方がいいと知られていても、敷居が高く、
ビジネスでは役立たないと思われています。

しかし、山口さんは哲学をビジネスに
役立てていると言います。

実際に、どのように哲学を活用しているのか?

山口さんは、クライアントとの会議の場で、
「・・・よくそんなことを、思いつきましたね」
と言われることが、しばしばあるそうです。

それは、問題の原因が特定できないような場で、
目の前の霧がすっと晴れ、モノゴトの見通しが
良くなるような本質をズバリと言うからです。

実は、そんなときに、山口さんは哲学の
コンセプトを使っています。

  「こういう場合、私が自分のアタマでゼロ
  から思考を組み立てていることは、ほとんど
  ありません。何をやっているかというと、
  哲学や心理学や経済学のコンセプトを、
  目の前の状況に当てはめて考えてみる、
  ということをやっています。」

本書は、いわゆる「哲学の入門書」では
ありません。

哲学史に沿って、主な流派の考えを紹介する
ものではありませんし、哲学以外の領域も
カバーしています。

そして何より、哲学の体系ではなく、
山口さんの個人的な有用性をベースに
書かれているのが、本書の大きな特徴です。

  「本書で取り上げるコンセプトが、
  哲学史上の重要性よりも、筆者という
  個人にとっての有用性を元に編集されている、
  ということです。ぶっちゃけて言えば、
  筆者にとって “使えるか、使えないか” 
  というだけの評価で編集している、
  ということです。」

哲学なんて学ぶだけ無駄と思っていた人でも、
使えるものだけに厳選しているとわかると、
俄然、学ぶ意欲が出てくると思います。

  なんで僕のスピーチって、今ひとつウケが
  悪いんでしょうか。
  アリストテレスは答えます。
  「ロゴスだけでなく、パトスもエトスも
  大事なんだよ」と。

  ツイテないよなあ、時代も良くないし、
  会社はあんなだし、やる気出ませんよ・・・。
  サルトルは答えます。
  「君は逃げるばかりで、アンガージュマン
  していないのかね?」と。

  新しい業務プロセスが、なかなか根付かないん
  ですよね。
  レヴィンは答えます。
  「導入の前に、まずは解凍できておるかね?」と。

  活発な議論が起きずに、いつもなんとなく
  その場の空気で決まっちゃうんですよ。
  ミルは答えます。
  「悪魔の代弁者を投入せよ」と。

本書で紹介される「哲学・思想のキーコンセプト」
は50に厳選されています。

それらは、山口さん自身の経験から、
「知っていて本当によかった」あるいは、
「修羅場を切り開くのに非常に有効だった」と
思えるものに絞られています。

正直、本書を読むだけで、本当の教養が
身につくわけではありません。

真の教養を身につけるためには、本書の巻末に
掲載されている「ビジネスパーソンのための
哲学ガイドブック」の本を読むべきでしょう。

しかし、本書を読むと、哲学が身近で、
使えるものに変わることは間違いありません。

何より、山口さんの文章は非常に明快で、
知的好奇心を刺激します。

本書は、是非、多くのビジネスパーソンに
読んで欲しい一冊です。

この本から何を活かすか?

山口さんは、ビジネスパーソンが哲学を
学ぶべき理由を4つ挙げています。

  1. 状況を正確に洞察する
  2. 批判的思考のツボを学ぶ
  3. アジェンダを定める
  4. 二度と悲劇を起こさないために

ここで言っている「アジェンダ」とは、
会議の議題という狭義の意味ではなく、
問題を解決する場合の「課題設定」のことです。

目の前の慣れ親しんだ現実から、課題を
汲み取るためには、「常識を相対化する」
ために哲学の力を借りるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

太陽を創った少年:僕はガレージの物理学者

満足度★★★★
付箋数:24

あなたに、天才的な子どもができたとします。

その子は、あまりに天才過ぎて、まだ中学生で
あるにも関わらず、自宅に非常に危険な
「核融合炉」を作ろうとしています。

親として、あなたはどうしますか?

子どもに危険なことをやめさせようと
するのが、普通の親の反応でしょうか。

実際に、アメリカにはティーンエージャーで
ありながら、自力で核融合をやってしまう
早熟の天才が2人いました。

1人目の天才は、1976年、ミシガン州生まれの
デイヴィッド・ハーンさん。

2人目は、1994年、アーカンソー州生まれの
テイラー・ウィルソンさん。

この2人の大きな違いは、親の反応でした。

デイヴィッドさんの親は、自宅での危険な
科学実験をやめさせようとしました。

一方、テイラーさんの親は、その情熱を理解し、
実験をやめさせようとせず、専門家からの
アドバイスを求めました。

この親の対応の違いは、どのような結果に
つながったのか?

自宅で実験を禁止されたデイヴィッドさんは、
裏庭の小屋で隠れて実験するようになります。

その結果、18歳の時に自作で製作した原子炉を
稼働させようとして、周囲に深刻な放射能汚染を
引き起こしました。

デイヴィッドさんは高校時代の原子炉実験での
被爆が原因かどうか、はっきりわかりませんが、
39歳で亡くなっています。

もう1人の天才、テイラーさんは親の理解を得て、
安全面でのチェックをしてくれる専門家が
メンターとなり、自宅での実験を続けました。

その結果、14歳で核融合炉を作ることに成功し、
19歳で小型モジュール式原子炉を発明しました。

テイラーさんの名前が、世間で知られるように
なったのは、17歳のときに行ったTEDトークです。

「Yup, I built a nuclear fusion reactor
(うん、核融合炉を作ったよ)」というタイトルの
3分半ほどのプレゼンテーションです。

現在、24歳になったテイラーさんは、
気鋭の原子核物理学者として、ヘレナグループの
シンクタンクに所属して、世界を改善する
プロジェクトに取り組んでいます。

さて、本書はテイラーさんが核物理学者として
育つ過程を追った、サイエンス・ノンフィクション。

著者は、ナショナル・ジオグラフィックなど、
多くの一流誌に寄稿するライター兼ジャーナリスト
のトム・クラインズさんです。

クラインズさんは、ポピュラー・サイエンス誌に
テイラーさんの記事を書き、それが大きな反響を
呼んだため、取材を進め本書の執筆に至ります。

  「手つかずの才能を発見し、育てて、才能を
  並外れた成功につなげるには、何が必要なの
  だろうか? 途方もなく強い意志と高い知性を
  そなえた子どもたちどのようにして育てて、
  潜在能力を発揮させればよいのだろうか?
  あるいは、もっと従来の意味で才能ある
  子どもが、自発性を身につけ、外部からの
  支援を得て、自分の夢をかなえるために前進
  できるようにするには、私たちには何が
  できるのだろうか? そして、かつては希望の星
  とみなしていたギフテッドの子どもたちを
  意欲を失わせる環境においてきた、
  過去数十年間の教育文化の方向性を変えるには
  どうすればよいのだろうか?」

ギフテッドとは、いわゆる天才児のことで、
先天的に平均よりも、顕著に高度な知的能力を
持っている子どものことをいいます。

本人の天才性もさることながら、やはりそれを
サポートする大人が、その行末に大きな影響を
与えます。

本書は、天才少年テイラーさんの情熱と、
その才能を育てた大人たちの奔走を描いた
優秀なノンフィクションです。

500ページ近い厚い本ですが、熱量があるので、
一気に読めると思います。

この本から何を活かすか?

テイラーさんが2012年に17歳のときに行った
TEDトークの映像はこちらです。



Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 06:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

全部やれ。 日本テレビ えげつない勝ち方

満足度★★★★
付箋数:27

最初に言っておきますが、かなり「熱い」本です。
本書を、強力にオススメします。

  「1995年1月2日。
  日本テレビ社内は歓喜の声に湧いた。
  12年間、視聴率三冠王に君臨し続けてきた
  フジテレビをついに逆転したのだ。
   “0.01%” をめぐる僅差の戦いだった。
  歓喜の輪の中心にいたのは、編成局長として
  辣腕をふるった萩原敏雄だった。
  勝利確定の報を聞いてすぐに駆けつけた
  社長の氏家齊一郎も社員たちの労をねぎらった。
  そして、その立役者となったディレクターや
  プロデューサーたちにバイク便や電話などで
  次々にその吉報は知らされていった。」

今でこそ、その面影はあまり感じませんが、
80年代は「オレたちひょうきん族」などの
勢いそのままに、フジテレビは視聴率の
絶対王者でした。

全日(6時~24時)、ゴールデン(19時~22時)、
プライム(19時~23時)の3つの時間帯、
いわゆる視聴率三冠。

フジテレビは、あの有名になったコピー、
「楽しくなければテレビじゃない」を旗印に
1982年から12年間、三冠王に君臨していました。

それとは対照的に80年代の日本テレビの
視聴率は低迷していて、民放3位が定位置に
なっていました。

しかし、90年代、日本テレビは徐々に
視聴率の差を詰め始め、93年には全日で
ついにフジテレビに並びます。

そして、94年には全日で完全にフジを圧倒し、
その年の年末にはゴールデン、プライムでも
フジを逆転しました。

以来、今では日本テレビが絶対王者として、
視聴率三冠王に君臨しています。

直近でも、日本テレビは「しゃべくり007」、
「嵐にしやがれ」、「ザ!鉄腕!DASH!!」、
「行列のできる法律相談所」などの
バラエティーが好調。

月間視聴率で、2018年6月まで55か月連続、
三冠王になったニュースも流れています。

いかにして、日本テレビは、フジテレビを
逆転し、絶対王者と呼ばれるようになったのか?

本書は、その過程を描いたドキュメンタリー。

日テレが、やれることを全部やって、
万年3位を覆し、難攻不落のフジを追い抜いた
壮絶な戦いの記録です。

著者の戸部田誠さんは、最初、週刊文春から、
日本テレビの強さを探る連載記事の執筆依頼を
受けました。

当初、戸部田さんは、連載を受けることを
躊躇したそうです。

なぜなら、視聴率上位にランキングされる
日本テレビの番組をほとんど見ておらず、
苦手意識さえあったからです。

しかし、連載するかどうかを判断するために、
資料を調べ、取材を進めるとその考えは
徐々に変わっていきました。

  「調べれば調べるほど、90年代から
  フジテレビに迫り、やがて逆転する日本テレビ
  の “物語” に魅了されていった。
  そして、それが現在も地続きであることが
  分かってきた。」

戸部田さんは、連載のために、視聴率戦争の
最前線で戦った当事者に取材を重ねます。

そして描いたのは、テレビそのものではなく、
裏で支えていた人たちの壮大なドラマです。

  「本書は、テレビの裏話のようなものが
  主題ではない。ひとつの一大プロジェクトに
  対し、名もなき者たちが組織の中で奮闘
  しながら巨大な壁に立ち向かい、
  乗り越えていく様を描いたものだ。
  それはテレビという世界に限らない、
  人間の物語だ。」

本書には、80年代、90年代のテレビが
キラキラと輝いていた時代の懐かし番組が
数多く登場します。

そして、失敗を重ねながら、執拗に努力し、
遂には成功にたどり着くテレビマン達の
生々しい物語が描かれています。

書籍化に当たり、週刊文春の連載では
書けなかった、フジテレビ側の動向についても
取材を加え補強されています。

読むと、熱くなること間違いなし。
迷ったら、騙されたと思って読んでみてください。

この本から何を活かすか?

今やテレビ番組では欠かせない「ワイプ」。

「ワイプ芸」などど呼ばれるように、番組の
出演者がVTRを見てリアクションすることが、
大きな役割を果たすようになっています。

このワイプが発明されたのは日本テレビの番組、
「世界まる見え!テレビ特捜部」でした。

元々は、メインの出演者である所ジョージさん、
楠田枝里子さん、ビートたけしさんが画面に
出ない時間を減らすための苦肉の策でした。

現在のワイプは、当初の意図と違う方向に
進化したようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

AI時代の新・ベーシックインカム論

満足度★★★★
付箋数:24

  「現在、世界ではベーシックインカム(BI)に
  関する議論がかつてないほど盛り上がっている。
  その背景には、人工知能(AI)やロボットが
  多くの人々の雇用を奪うようになるのでは
  ないかという予想がある。
  日本でもこうした議論がなされるように
  なってきたので、いずれBIが導入されるだろう
  と私は楽観的に考えている。
  だが、できる限り早くBIを導入するには、
  この制度を多くの人々に知ってもらう必要が
  ある。本書は、まずはそのために書かれている。」

これまでに、『人工知能と経済の未来』や
ヘリコプターマネー』などの著書がある、
駒澤大学経済学部准教授の井上智洋さん。

本書は、AI時代におけるBIのあり方につて、
井上さんが多角的に考察した本です。

最近は、BIに関する本も多く出ていますが、
まずはBIの基本的な制度について、
念のために確認しておきましょう。

  「私はしばしば、BIを “子ども手当+大人手当、
  つまりみんな手当” と表現している。
  例えば、毎月7万円のお金が老若男女を問わず
  国民全員に給付される。世帯ごとではなく
  個人を単位として給付されるというのも重要な
  特徴だ。」

無論、B財源の確保が必要となりますが、
BIは生活保護に比べてもコストは安上がりで、
優れているといいます。

なぜなら、生活保護は、申請者の収入や財産を
調べなければならず、この救済に値する者と
そうでない者を選別するコストが、
馬鹿にならないほどかかっているからです。

一方、BIは受給者を選別しないので、
その分のコストはかかりません。

そして、今言われているのが、
2030年頃に汎用AIが出現し、2045年頃までに
普及すると、多くの人の雇用が奪われる
可能性があることです。

その時に残っているのは、クリエイティビティ、
マネージメント、ホスピタリティ(CHM)に
関する仕事だけ。

そういった仕事ですら、半分はAIに奪われて
いてもおかしくありません。

CHMに関わる仕事の半分しか働いていないと
すると、それは全人口の1割ほどにしか
なりません。

井上さんは、そのような状態になった社会を
「脱労働社会」と呼んでいます。

脱労働社会においては、収入源を絶たれた
9割の人を救うために、BIのような普遍的な
社会保障制度が必要になるのです。

BIの導入において、財源の確保以外でもう1つ
問題になってくるのは、私たちの勤労美徳です。

それは「働かざる者食うべからず」という考え。

この勤労美徳に関して、井上さんは次のように
述べています。

  「そもそも労働意欲がないこと、怠惰である
  ことはそんなに罪深いことであろうか?
  AIが高度に発達し、BIが普及した未来の社会
  である “脱労働社会” では、むしろ勤勉で
  あることは今ほど美徳ではなくなるだろう。
   “脱労働社会” は、今日の “社畜” などと
  呼ばれ猛烈に会社に奉仕する人たちに
  とっては、大変残念は社会となる。
  労働に生きがいを感じるそうした人々は、
  早晩価値観の転換を迫られるだろう。」

では、労働がなくなった未来の社会では、
人々は何をして過ごすのでしょうか?

そのヒントは古代ギリシアの社会にあります。

アテネのようなポリスの市民は、労働を
忌み嫌い奴隷に任せて、自分たちは政治や
芸術、学術、スポーツに勤しんでいました。

脱労働社会が、古代ギリシアのような
活気に満ちた社会になることが予想されます。

しかし、そうならないシナリオを井上さんは、
1つだけ挙げています。

それは、発達したヴァーチャルリアリティ
(VR)にハマる人が多数でること。

VRにハマり続ける人が続出すると、
活力がない退廃した社会になってしまう
リスクがあると指摘されています。

この本から何を活かすか?

本当にBIは実現できるのでしょうか?

井上さんは、次のようなロードマップを
描いています。

  「日本が今すぐにでも導入すべきなのは、
  国債を財源にしたお金の給付である。
  既存の制度をそのままにして、
  1年目には国民全員に毎月1万円の給付、
  2年目には毎月2万円の給付という形で、
  給付額を年々増大させていくような
  ロードマップが考えられる。
  目標額は例えば7万円である。
  もちろん、その国債は日銀が買い入れる
  ことになる。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 社会・国家・国際情勢 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |