活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

満足度★★★
付箋数:23

「編集者」としての、最大の楽しみは何か?

こう聞かれると、編集を生業とする、
株式会社グーテンベルクオーケストラ代表取締役
菅付雅信さんは、「人に会って、話を聞くこと」
と答えます。

  「 “人に会って、話を聞く” 。これが僕の仕事の
  基本だ。自分が知らない領域、もしくは自分より
  ももっと深い領域や最新の領域を極めている
  人たちに会い、なるべく丁寧に話してもらい、
  それを “彼らの日本語 ”から “僕らの日本語” 
  へ翻訳する。(中略)
  自分が知らない領域を極めている人の話を
  聞くのは、人生で最も楽しい行為のひとつで
  あるし、そういう人々と出会えることは、
  編集者の最大の役得でもある。」

菅付さんは、代官山蔦屋書店から依頼を受け、
人生で最も楽しい行為である、自分が知らない
領域を極めた人から話を聞くことを始めます。

それが2016年9月から2017年9月まで行われた
「菅付雅信 連続トーク:これからのライフ」
です。

これは、菅付さんが1年間で毎月1回、
12名の第一線で活躍する方たちと、
変わりゆく世界の「これから」をテーマに
行った対談です。

本書は、その対談を書籍化したもの。

各対談のテーマとゲストは以下の通りです。

  1. これからの思想――東浩紀さん
  2. これからの生命――池上高志さん
  3. これからの健康――石川善樹さん
  4. これからの建築――伊東豊雄さん
  5. これからの経済――水野和夫さん
  6. これからのメディア――佐々木紀彦さん
  7. これからのデザイン――原研哉さん
  8. これからのプロダクト――深澤直人さん
  9. これからの文学――平野啓一郎さん
  10. これからのアート――松井みどりさん
  11. これからの人類――山極寿一さん

この中から、複雑系と人工生命を専門とする
東京大学大学院情報学環教授の池上高志さん
との対談内容を一部紹介します。

池上さんは、「生命とはなにか」を突き詰めて
考えるために、生物学ではないアプローチを
取りました。

「生命の本質は物質に還元されるのではなく、
数学の一部なんじゃないか」と考えたのです。

その結果、行き着いたのが「人工生命」の
研究でした。

人工生命とは、生命が宿っているものに
備わっている「自律性」を人工的に生じさせた
もののことです。

自律性は、外部から動機づけされなくても
自分で決められることを意味します。

これはロボットがやる自動化とは、
全く次元の異なることです。

つまり、今の盛んに研究されている
ロボットや人工知能は自律性を持っていない
ことになります。

そして、池上さんは、自律しているものは、
「予測することができない」と考えました。

ただし、何度もそれを感じているうちに、
「意味が見えてくる」ことはあるようです。

このことから、生命をデザインすること
について、次のような結論を導いています。

  「人が生命をつくろうとするとき、
  通常ものをつくるときのような手順で
   “生きているもの” をデザインしようとして、
   “意味ありき” で始めようとします。
  だから、予測できてしまうものしか
  できあがらないんです。そうではなくて、
  予測できないような条件にしておいて、
  だんだんと意味が見えてくるようになる、
  といった手順を考えないと、生命を本当に
  デザインしたとはいえないんですね。」

池上さんが行う人工生命のデザインは、
はじめから「意味ありき」では始めません。

役に立つものを目指してしまうと、
人工生命の研究は崩壊してしまうようです。

個人的には、生命は機械を志向して、
機械には生命を志向させると考えると、
人間も機械も「人工生命化」していく
という考え方が非常に新鮮でした。

この本から何を活かすか?

私が注目したもう1つの対談は、
石川善樹さんとの「これからの健康」です。

これからの医学の主流が、治療から予防へと
変化しようとしているというもの。

予防医学は、限られた予算の中で、
誰を救い、誰を殺すかを決断しているのです。

「最新」でも「正義」でもなく、「最善」を
目指すのが、予防医学の基本的な考え方。

人生100年の長寿化の時代の鍵となるのが、
予防医学であることがよくわかりました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 05:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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