活かす読書

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科学のミカタ

満足度★★★★
付箋数:25

毎日新聞東京本社科学環境部長で科学記者の
元村有希子さん。

まったく、なぜかはわかりませんが、
2017年秋の明け方に、ある人物が元村さんの
夢枕に立ちました。

その人物とは、清少納言さん。

それをきっかけに、元村さんは『枕草子』を
読み返してみたそうです。

この作品は、「春はあけぼの。やうやう白く
なりゆく山ぎは・・・」から始まる、
日本最古のエッセイ集です。

この作品には、宮中のきらびやかな日々、
そして、若き皇后にかしづいたエリート女性が
何を美しいと思い、何を好み、どんな会話を
楽しんでいたかが思うままに綴られています。

  「こうなったからには、彼女のエッセイ集
  『枕草子』にならって、科学のあれこれを
  見つめてみるのも悪くないと思い始めた。」

本書は、科学記者として20年近く科学技術や
環境問題をウォッチしてきた元村さんが、
心に引っかかった科学に関するトピックを
清少納言風に綴ったエッセイです。

元村さんの作品の中では、2012年12月に刊行した、
気になる科学』の続編になります。

さて、今から77年前~12万6000年前の時代を
地質年代では「千葉時代(チバニアン)」と
名付けようとしています。

これは千葉県市原市に実在する地層にちなんだ
ネーミングで、ここには地磁気が逆転した痕跡
(N極とS極が入れ替わった)が残っています。

最近のニュースでは、国内の別の団体から
国際学会に対して「申請された研究データは
捏造された」などとしたメールが送られ、
国際学会の審査が中断して話題になりました。

その疑義はさておき、本書では地質年代の中の、
スケール感をつかむために、地球が誕生して
からの46億年を1年に縮めて説明しています。

まず、地球誕生を1月1日午前0時だとします。

生命の誕生は3月29日。

古生物界のアイドル、三葉虫が登場するのは
11月に入ってから。

11月27日に魚類、12月4日に両生類、
12月15日に恐竜が出現します。

恐竜絶滅に登場する哺乳類は、もう仕事納めで
大掃除をしなきゃならない年末の12月28日。

そして、我々ホモ・サピエンスが登場するのは、
大みそかの午前11時37分ごろ。

キリストが誕生するのは、年が改まる14秒前。

  「なんてこった、地球の支配者よろしく
  大きな顔をしている人間も、地球の歴史では
  圧倒的に “新入り” ではないか。
  もっとも、紅白歌合戦で11時37分といえば、
  紅組・和田アキ子、白組・北島三郎クラス
  ですけどね。あ、お二人とも “紅白” は
  引退でしたね、すみません。」

本書では、このようにライトな感覚で、
様々な科学のトピックについて紹介します。

しかし、語り口は軽くても、各トピックを
まとめて眺めたときに、どう受け止めるかを
考えるヒントになるように書かれています。

タイトルの「ミカタ」は、「味方」の意味も
あると同時に、「見方」という意味も込めて
つけられました。

個人的には、読んでいて非常に楽しくなる
科学エッセイでした。

ちなみに、目次も枕草子風になっています。

 Ⅰ こころときめきするもの
  平安京とオーロラ/チバニアンなど19編

 Ⅱ すさまじきもの
  トランプ・ハリケーン/生物多様性など12編

 Ⅲ おぼつかなきもの
  「ガタカ」が描く未来/ゲノム編集など8編

 Ⅳ とくゆかしきもの
  体内コンパス/絶滅動物と私たちなど13編

 Ⅴ 近うて遠きもの、遠くて近きもの
  がん100万人時代/尊厳死と安楽死など9編

この本から何を活かすか?

本書の中で、紹介されていた映画『ガタカ』。

遺伝子情報が人間の価値を決める未来を描いた
イーサン・ホークさん主演の1998年のSF映画。

ディストピアの名作と言われていて、
私も好きな映画で、懐かしく思い出しました。

また、元村さんは本書の執筆の合間に、
オルダス・ハクスリーさんのディストピア小説
すばらしい新世界』を読んだそうです。

この作品は、ジョージ・オーウェルさんの
一九八四年』とよく対比される
ディストピア小説の名作のようです。

私は『すばらしい新世界』は未読なので、
早速読んでみたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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