活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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分断した世界 逆転するグローバリズムの行方

満足度★★★★
付箋数:24

オトバンクの上田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

高城剛さんと言えば、世間一般では、
まだまだ「沢尻エリカさんの元夫」という
イメージが強いと思います。

高城さんって、「一体、何をしている人?」と
思っている人も少なくないはずです。

本書は、高城さんに対してそんな印象しか
持っていない人には、是非、読んで欲しい本です。

きっと、見る目が変わることでしょう。

また、過去に高城さんの著書を読んだことの
ある人は、その突き抜けた発想に、
荒唐無稽な印象を抱いたかもしれません。

しかし、やはり本書を読むと、良い意味で、
期待を裏切られると思います。

高城さんのファンである私も、正直、
「こんな緻密なルポルタージュを書くのか?!」
と驚きました。

本書は、高城さんが立てた「ある仮説」を
検証するために書かれた本です。

高城さんは、その仮説の検証のために、
歴史を振返りながら、およそ1年半かけて
世界中を回りました。

そして、市井の人たちから、
政治家まで話を聞き、今何が起きていて、
これから何が起こるのかを考察しました。

では、高城さんは、どんな仮説を検証しようと
したのでしょうか?

それは、次のような仮説です。

  「世界最古の金融バブルと言われるオランダの
  チューリップバブルから最近の仮想通貨まで、
  人類史におけるバブルとその破綻は
   “情報の爆発” によって引き起こされると、
  僕は考えている。
  あるとき、 “魔法の機械” を手にした日から、
  人々はまったく知らない世界の情報を簡単に
  手にするようになり、どこからともなく
  欲が湧き、悪巧みを考える。
  どうにか、ひと儲けできないか。
  こうして、バブルが巻き起こり、
  いずれそれが崩壊するのは、歴史の教えだ。」

直近では、2000年に崩壊したインターネット
バブルや、その後に起こったサブプライム問題
が記憶に新しいところです。

そして、高城さんは、今後起こるであろう
バブルの崩壊について警告します。

  「現在、まだわれわれは、スマートフォンと
  高速ワイヤレス回線によるバブル崩壊を
  迎えていない。」

高城さんは、新しい「魔法の機械」である
スマホを手に入れ、欲に駆られた人類は、
「情報の爆発」によって、再びバブル崩壊を
迎えると予想します。

その仮説が、本当に起ころうとしているのか、
あるいはどこまで状況は進んでいるのかを
自分の目で確かめるために、高城さんは
世界の端から端まで時間をかけて回りました。

そこで実感したのは、グローバリゼーションの
逆転現象であり、世界は「分断」の方向に
進んでいるという事実でした。

その象徴的な出来事が、米トランプ大統領の
就任や、イギリスのEU離脱です。

 ・レーガンは「統一」だったが、トランプは
 「分断」した “強いアメリカ” 復活を目指す
 ・トランプ旋風は21世紀の “百姓一揆” なのか
 ・イギリスはEUと無事に “離婚” できるのか?
 ・低迷が続くイタリアは、日本に酷似している
 ・メルケル失墜。ドイツは極右政党AfDが第三党に

グローバリゼーションの反動で世界中で起こる
「分断」の兆候を、実際に現地に行って取材し、
1つ1つ事実を積み上げ、その本質に迫ります。

世界が今後どこに向かていくのか、
データを見て理論で考えられる学者はいても、
高城さんのように、自分の目で見た実感を込めて
レポートできる人は滅多にいません。

そういった意味で、本書は世界の流れを掴む
ための貴重な一冊だと思います。

ちなみに、高城さんは、前編と後編の2冊に
分けて執筆しており、本書は前編に当たります。

前編では、世界がひとつになった1989年から、
2019年までを「分断」という視点で検証します。

今後、刊行される予定の後編は、2020年から
2049年までの世界が、今起こっている分断から
「再びひとつとなる」予測を書いているようです。

後編の刊行にも期待が高まります。

この本から何を活かすか?

高城さんは、この20年ほどアフリカの
エチオピアを定期的に訪れているそうです。

そこで、どのような変化が起こっているのか?

かつては、写真を撮影しているだけで、
大人も子供も珍しがって寄ってきたそうです。

しかし、2017年10月の訪問では、
水も電気もない村の多くの人たちが、
スマホや携帯を持っていたそうです。

ちなみに、充電は近隣の電気がある村まで
出向くとか。

そして、高城さんが撮影しようとすると、
「ひとりにつき5ブル(25円)払え」と請求し、
子供を写すなら、更にその倍払えと迫って
きたそうです。

こんなことから、ITとグローバリゼーション、
そして資本主義が世界の隅々まで行き渡ったと
高城さんは実感しました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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