活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2018年02月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年04月

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「99%の人が知らない」 人生を思い通りに動かす大富豪の教え

満足度★★★
付箋数:24

サンライズパブリッシングの樋口さんから
献本いただきました。ありがとうございます。

本書の著者、水野俊哉さんは、かつてベンチャー
を起業しましたが、上場の一歩手前のところで、
業績が急激に悪化し、取締役を解任されました。

さらに、その会社に個人保証を入れていたため、
3億円の負債を抱えることになります。

莫大な借金と同時に水野さんが得たのは、
余りある時間。

その時に、水野さんが選んだ道は、
「成功本」をむさぼり読むことでした。

自らを実験台として、成功本に書いてある、
成功法則をすべて実践し、研究に専念。

その結果生まれたのが、処女作にして
10万部を突破するベストセラーになった
成功本50冊「勝ち抜け」案内』でした。

その後、毎年、数冊の本を執筆するようになり、
セミナーや講演、経営コンサルタントとしても
活躍しています。

経済的にも裕福になり、2013年には小田原に移住。

仕事よりも、家族との生活を優先するように
なりました。

最初の本を出版してから、約10年。

本書は、水野さんにとって通算22冊めの本です。

小説形式で書いた本としては、2011年に刊行した
幸福の商社、不幸のデパート』に続く、2冊目。

本書は、これまで水野さん読んできた本の知識と、
どん底から成功するまでの実体験をベースに
書かれています。

小説の中の登場人物に、水野さん自身を反映した
読むだけで古今東西の「成功法則」が身に付く本。

主人公の橘拓也は、IT系スタートアップ企業に
務める20代後半の青年です。

入社5年目で、一人前に仕事ができるようになり、
起業家向けセミナーの主催も任されるように
なっています。

しかし、同時に自分の将来について漠然とした
悩みや迷いを感じるようになっていました。

橘は関西でのセミナー運営が無事成功し、
東京に新幹線で帰る際に、自分へのご褒美として、
グリーン車に乗ってみることを決断します。

そこにはいつも乗る自由席とは全く違う空間で、
風景も違って見えました。

橘は、そのグリーン車でたまたま隣の座席に
乗り合わせた、神宮寺雄三と出会います。

神宮寺は、紺色のポロシャツに、明るいブルーの
ジーンズというシンプルな服装でも、
「上の世界の人」を感じさせるオーラを持った
40代の男性でした。

橘は、神宮寺の座席の脇に置いてある
茶色のブックカバーをかけた本を見て、
「どんな本を読まれているんですか?」と
話しかけます。

  「あなたは本を読みますか。本はたくさんの
  ことを教えてくれる偉大な教科書であり、
  情報源なんですよ。」

「情報源?」と聞き返す橘に対し、
神宮寺はさらに説明を続けます。

  「そうですよ。本に載っていることはすべて
  情報です。大切な情報もあれば、何の役にも
  立たない情報もある。だけど、それはすべての
  人間に同じように当てはまるわけじゃない。
  ある人にとっては意味のない情報だったものが、
  読む人によっては人生を変えるぐらい大きな
  意味を持つことがあるんです。
  それが本というものですよ」

話を聞いてみると、神宮寺は起業家として
成功した人物であり、橘はそんな上の世界の
人からアドバイスをもらう機会を得ました。

神宮寺は、途中でやめないことを約束に、
自分が成功する前の若い頃にやったことを
橘に教えるとオファーします。

  「まず100冊。100冊の本を読んでごらん」

これが拓也に出された最初の課題でした。

その後、橘は定期的に神宮寺の豪邸に通って
「成功法則」のレッスンを受けることになります。

そして、悩みながらも成長し、最終的には
起業家として成功し、幸せな人生を手に入れます。

本書は、20代の平凡なサラリーマンだった橘の
成長に合わせて、成功のためのエッセンスが
学べる本です。

巻末に参考文献があえて記載されていないのは、
これまで水野さんが読んできた全ての本が
何らかの形で反映されているからです。

物語としても読み応えがあり、数千冊の本の
いいところが凝縮された、成功へショートカット
できる本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「僕は自分の分身を作るとき、ルールを
  作るようにしている。例えば意識しているのは、
  分身たちにはできることや得意なこと、
  やりたいことをやってもらうっていうルールかな」

これは本書の登場人物で、橘と同世代の成功者、
光原の言葉。

成功のパターンを見つけて軌道に乗せた後に、
やるべきこととして、「自分の分身をつくる」
ことを挙げています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 成功哲学 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八

満足度★★★★★
付箋数:28

私は、ほぼ毎日、1冊本を読むので、
年間の読書量は、300冊以上になります。

その大半は、それなりに面白く、
それなりに参考になる本です。

しかし、時として、予想もしないぐらい、
もの凄く面白い本と出会うことがあります。

それはまさに、読書冥利に尽きる
衝撃的な出会です。

 「今まで、毎日読書を続けてきたのは、
 この本と出会うためだった。
 本当に、この本に出会えて幸せだ。」

そこまで強く思う本は、正直、年に数冊しか
ありません。

本書は、私がここ数年で出会った本の中で、
最も幸せを感じた本です。

久しぶりに、「読みだしたら止められない」
という読書中毒感を味わいました。

  「アポロはどうして月に行けたのだろうか?
  考えてほしい。アポロ11号が月着陸を果たした
  1969年といえば、ケータイもデジカメも
  カーナビもなく、電子レンジやエアコンすら
  ほとんど普及していなかった。
  人々はレコード盤でビートルズを聴き、
  カラーテレビを持っているお金持ちの家に
  クラスメイト全員が集まってウルトラマンや
  長嶋茂雄を見ていた。飛行機は東京から
  ニューヨークまで直行できずアラスカで
  給油する必要があり、コンピューターは
  一般人には縁遠く、電卓すら数十万円する
  デカブツだった。 “捏造説” を信じる人が
  いるのも、無理はないかもしれない。」

これは、本書の「第二章 小さな一歩」の
冒頭部分からの引用です。

この章で語られているのは、テレビなどで
よく見るアポロ計画の話とは、だいぶ違った
ストーリーです。

それは権威と常識に反抗してアポロ計画を
陰から支えた、2人の技術者の話です。

1人は、ジョン・ハウボルトさんという名の
NASAの研究者。

彼のアイディアと頑固さがなければ、
人類が1960年代が終わるまでに月に行く
という偉業は成し遂げられませんでした。

もう1人は、マーガレット・ハミルトンさん
というMITの女性プログラマー。

彼女が、批判されながらもソフトウェアを
開発しなければ、アポロ11号は着陸直前に
大惨事に見舞われていたはずです。

本書には、あまり知られていないけれども、
宇宙への熱き想いをもった人たちの
ストーリーが詰め込まれています。

なぜ、こんな凄い本が書けたかというと、
そこには著者の小野雅裕さん自身の、
ほとばしる宇宙への想いがあるからです。

小野さんは、NASAの中核研究機関である
ジェット推進研究所(JPL)で、火星探査用の
ロボットの開発をリードしている技術者です。

  「なぜ僕はこの本を書いたのか。
  その “何か” に書けと命じられたからだ。
  それは七歳の時に僕の心に浸潤した。
  それ以来、僕は “何か” の忠実な下僕である。
   “何か” はもっと増殖したいと欲している。
  この本は、その “何か” をあなたの心に
  侵入させ、繁茂させるためのアプローチである。」

小野さんが語る「何か」が、かつて「SFの父」
を生み出し、それが「ロケットの父」を生み、
アポロ計画を成功させ、人類を宇宙探査へと
導きました。

「何か」は、1840年から連綿と継承され、
人類は歴史的な偉業を成し遂げます。

「何か」がいったい何を指すのかは、
是非、本書を読んでお確かめください。

読んで損がない本であることは保証します。

本書の表紙は『宇宙兄弟』のムッタですが、
この面白さがあれば、その人気をあやかる
必要は全くありません。

この本から何を活かすか?

  「人は想像できることは、すべて実現できる」

これは本書の主人公の1人、フランスの小説家で
SFの父と呼ばれるジュール・ベルヌさんの言葉。

海底二万里』や『八十日間世界一周』などが
日本でも有名なSF作家です。

ベルヌさんの名前は、国際宇宙ステーションへ
食糧などを運ぶ欧州補給機(ATV)の初号機の
名前としてもつけられました。

そして、ベルヌさんの著書『地球から月へ』と
月世界へ行く』の2冊が、宇宙ステーションへ、
記念品として届けられたようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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熱狂顧客戦略

満足度★★★★
付箋数:24

全世界で1億枚以上のレコード・セールスを
記録するミュージシャン、ビリー・ジョエルさん。

「ピアノ・マン」、「素顔のままで」など、
これまで数々のヒット曲を世に出してきました。

1970年代後半から1990年代前半にかけてが、
全盛期ですが、いまだに彼のエネルギッシュな
ライブは、すぐにチケットが完売する人気ぶりです。

ビリーさんはあるとき、ライブの最前列には、
いつもお金持ちで、女性をはべらせている
観客が並んでいることに気づきました。

そういった観客は、葉巻をふかし、「さあ、
楽しませてくて」と言わんばかりの態度で、
ライブで立ち上がって騒ぐこともありません。

最前列のチケットは転売されて高額になるため、
リッチな人々の割合が高くなってしまうのです。

ビリーさんは、そんな人たちを目の前にして
歌っているうちに、本当に自分の曲を好きで
聴いてくれているファンはどこにいるんだと
思い始めました。

ビリーさんの姿は豆粒のようにしか
見えなくても、会場を満たす音楽を楽しみ、
立ち上がって歓声を上げる。

ライブの高揚感は、そうした多くのファンから
生まれます。

本当のファンは、前の方の席を買えるほどの
経済的な余裕はないけれど、遠くからでも
ビリーさんのライブを楽しみたいと思って
会場にやってきています。

そのことに気づいたビリーさんは、どうしたか?

彼は本当のファンを大切にすることに決めました。

最前列のチケットを販売することをやめたのです。

そして、会場の入り口にスタッフを配置し、
後ろの方のチケットを手にしてやってきた
本当のファンの何人かに声をかけます。

最前列のチケットと交換しませんかと。

そんなサプライズの申し出人は、
誰あろう、ビリー・ジョエルさん本人です。

声をかけられたファンは、驚き、
うれしさのあまり泣いてしまう人もいます。

そして、予想もしなかった最前列に座った
ファンは、ビリーさんがピアノを弾きながら
歌う姿を目に焼き付けながら思うでしょう。

「一生ファンでいるよ」と。

そんなファンが心底喜んでいる姿を見て歌う、
ビリーさん自身も、深い喜びを感じています。

引用が長くなりましたが、これは本書の冒頭で
紹介されている「熱狂」を生み出した事例です。

本書は、コミュニケーションの「熱量」に
注目したマーケティング本です。

顧客と企業の両方の熱量が高い、
「いいね」の先にあるコミュニケーションを
本書では、「熱狂顧客戦略」と呼びます。

著者は、トライバルメディアハウスの
チーフコミュニケーションデザイナー、
高橋遼さん。

高橋さんは、顧客のブランドへの関与度を
「感情」面から5つのカテゴリーに分類します。

  1. トライアル顧客
  2. 日和見顧客
  3. 継続顧客
  4. ロイヤル顧客
  5. 熱狂顧客/熱狂的推奨者

これまで多くのマーケティング本で語られて
きたのは、継続顧客やロイヤル顧客まで育て、
それを囲い込むことでした。

しかし、これだけスマホやSNSで簡単に
「評判」が伝わる時代になってくると、
いくら企業が顧客を囲い込もうとしても、
以前のように囲い込めなくなっているのです。

そこで必要になってくるのが、顧客の熱量を
高めるために、顧客と企業が一緒になって
未来を描くことです。

それが、熱狂顧客をつくり出します。

本書は、事例も豊富で納得感も非常に高く、
これからのマーケティングがよくわかります。

顧客を熱狂させるには、小手先では通用せず、
企業側もビリー・ジョエルさんのように
一緒に熱狂していことが必要なのです。

この本から何を活かすか?

顧客の「熱量」は次の3つのステップで高めます。

 1. 心の中にある「壁」を超える体験を
  提供する(心に刺さる瞬間)

 2. 顧客の中に火を灯し続ける(継続する共感、
  心の中のポジションを獲得する)

 3. 熱を伝える(レバレッジをかける)

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| マーケティング・営業 | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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論理的な人の27の思考回路

満足度★★★
付箋数:23

フォレスト出版の三上さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

  「私はパズル作家として数万以上のパズルを
  つくり、多くの思考パターンと向き合ってきま
  したが、パズルは身近にあるエンターテイメント
  でありながら、論理的思考を身につけるツール
  として優れています。
  なぜなら、パズルを解く際は “理由” → “結論” 
  という論理的なステップを踏まなければ
  ならないからです。 “理由” は、今まで培って
  きた知識の中から見つけ出さなければならず、
  なおかつ論理的な矛盾がないことが必須と
  なります。」

本書は、パズルを解くことで論理的思考力を
身につける本です。

「ロジカルシンキング」ブームがあったので、
書店に行くと、論理力をテーマにした本は、
数多く並んでいます。

しかし、論理的思考力は本を読んだだけで、
簡単に身につくものではありません。

一定のトレーニングを積む必要があります。

そのためのツールとして、本書では、
論理的思考力が要求される「パズル」を
使います。

著者の北村良子さんは、プロのパズル作家です。

10万部突破のベストセラーになった
論理的思考力を鍛える33の思考実験』の
著者としても知られている方です。

北村さんは、問題を解決するための着眼点を
「7つのセオリー」としてまとめています。

その着眼点を身体に染み込ませるために、
パズルを体系的に解いていきます。

<問題解決の7つのセオリー>

 1.シンプル化:もっと単純化して考えられないか?
 2.発想の転換:別の見方ができないか?
 3.代入:他のものに置き換えられないか?
 4.比較:AとBを比較することで何かが見えないか?
 5.視点の憑依:ユーザーや相手の視点で考える
  ことで新たな発見ができないか?
 6.組み合わせ:今までに存在するアレとコレを
  組み合わせたら新しいものにならないか?
 7.消去法:最善のものを選択するために消去
  できるものはないか?

例えば、「視点の憑依」を身につける初級問題
として「帽子パズル」が紹介されていました。

  緑の帽子が2つ、黒い帽子が2つあります。
  この帽子のうち、1つを隠し、残り3つを
  北島、今野、里田の3人に自分の帽子の色が
  見えないように被せました。
  つまり自分の帽子の色はわかりませんが、
  他の2人の帽子の色はわかる状態です。
  今回、北島と里田が緑の帽子、今野が黒の帽子
  を被っています。
  先に、自分の被っている帽子の色がわかった
  人には手を挙げてもらいます。
  3人のうち誰が先に手を挙げたでしょうか?
  (少し設定を簡略化して掲載)

これは「帽子パズル」の基本的なルールを
理解するために出題された最も簡単な問題です。

このパズルのポイントは、それぞれの人の
立場になったつもりで、論理力や多角的思考力
を使って、想像力を膨らませること。

この問題の解答は、後ほど。

本書の特徴は、チャートを使って思考回路を
視覚的に追うことで、答えまでの「道筋」を
見つけることにあります。

チャートには、間違う場合の道筋も記されて
いるので、自分がどこで躓いたかが一目瞭然に
なるように工夫されています。

掲載されているパズルは全部で27問。

純粋にパズルを解くことが面白いですし、
こんな解法があるのかという驚きもあります。

パズルを楽しみながら、論理的思考力を
身につけられるので、非常に有り難い本です。

この本から何を活かすか?

さて、「帽子パズル」初級編の解答です。

先に自分の被っている帽子の色がわかったのは、
黒い帽子を被っていた「今野」です。

自分の帽子と隠された帽子の色はわかりませが、
他の2人の帽子の色は見えています。

 北島視点→緑1つと黒1つが見える
 里田視点→緑1つと黒1つが見える
 今野視点→緑2つが見える

今野だけは、緑の帽子が2つ見えるので、
隠されているのは黒で、自分が被っているのも
黒しかないことがわかります。

一方、北島と里田の2人は、今野が手を挙げた
動きをが条件に加えられた時点で、
自分の帽子の色を特定できるのです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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まかせる力

満足度★★★
付箋数:23

  「3年前の2015年1月、私は
   “ジャパネットたかた” の社長職を辞し、
  息子にその任を “まかせ” ました。
  振り返ると、社長職は実に29年間に
  わたっていました。その1年後の16年には、
  テレビショッピングのMC(話し手)も
  かつての部下であったスタッフに後を
   “まかせ” 完全に引退。」

現在は、地元長崎のプロサッカーチーム、
V・ファーレン長崎の社長を務める高田明さん。

MCとしてだけでなく、経営者としても
その手腕を高く評価される高田さんには、
経営のバイブルとする愛読書があります。

高田さんが、その本に出会ったのが、
2013年7月3日、会社の研修旅行で
グアムに行っていた日のことでした。

感動のあまり、高田さんは本の末尾に
メモを残したそうです。

  「感動の一言でした。今後の人生の指南書、
  参考に値する書物でした。感謝。
  2013年7月3日、グアム研修旅行にて」

その本とは、新将命(あたらしまさみ)さんの
経営の教科書』です。

新さんは、「伝説の外資トップ」として
知られる経営者です。

シェル石油、日本コカ・コーラ、
ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、
グローバル・エクセレント・カンパニー
6社で社長職を3社、副社長職を1社経験
された方です。

私もこれまで新さんの本を6冊ほど、
当ブログで紹介しています。

以下は、その中でも私のお気に入りの3冊です。

  『リーダーの教科書
  『経営の教科書
  『世界標準のNEMAWASHI(ネマワシ)の技術

ところで、高田さんは、新さんの本の何に
感動したのでしょうか?

  「それは、会社の存続や経営にとって最も
  大切なのは理念や志であるという、
  マインドの部分に徹底的にこだわって
  書かれているという点です。かつ、そうした
  マインドを具体的にどういう態度や手法に
  落とし込んでいけばよいかという点についても、
  シンプルにわかりやすくまとめられています。」

感銘を受けた高田さんは、ジャパネットの
社内研修で新さんに講師を依頼しました。

お二人は、それ以来のお付き合いです。

本書は、高田さんと新さんが「まかせる」
ことをテーマに語った対談本です。

「まかせる」ことは、一見すると簡単なこと
のようで、実は難しいものです。

それは、「まかせる」相手を、本当に「信頼」
していなければ、できないことだからです。

ちなみに、「信頼」と「信用」は全く違うもの。

「信頼」とは、全人格を含めて相手や周囲から
認められること。

一方、「信用」とは、その人のスキルが
信用できるとか、その会社が借入をするときの
担保能力が信用できるかといった部分的な
ことを指します。

ジャパネットは、高田さんの社長交代や、
MC卒業が、最大の経営リスクと言われました。

しかし、実際は高田さんが経営やMCを
「まかせて」引き継いだ後も、
ジャパネットは高成長を続けています。

その裏には、高田さんが新さんの本から
感銘を受けて作ったジャパネットの企業理念や
クレドの継承がありました。

これらは、「まかせる」仕組みの一部です。

本書は、170ページほどで、あまり厚くない
本ですが、経営のエッセンスが詰まっています。

お二人はマインドの部分が一致しているので、
互いの経験が共鳴して、いい対談になっています。

この本から何を活かすか?

新さんは、年齢を聞かれたときに、
「I am 81 years old.」とは決して言いません。

必ず「I am 81 years young.」と言うそうです。

ニュアンスとしては、「もう81歳です」ではなく、
「まだ81歳です」といった違いです。

「まだ81歳」と思って日々生きることで、
まだまだ新しいことにチャレンジできる気に
なれるそうです。

それが新さんの若さの秘訣です。

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| 経営・戦略 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか

満足度★★★
付箋数:24

オトバンクの上田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

2016年9月末、ジャーナリストの布施祐仁さんは、
自衛隊が南スーダンの国連平和維持活動(PKO)
に参加している活動記録、「日報」についての
情報公開請求を行いました。

その決定通知書が防衛省から布施さんの元に
届いたのが同年12月9日のことでした。

  「決定通知書には、想像もしていない結果が
  書かれていた。結論は、私が開示請求した
   “南スーダン派遣施設隊が現地時間で2016年
  7月7日から12日までに作成した日報” は
   “開示しないことと決定した” というもので
  あった。文書の大部分が黒塗りされる
   “海苔弁” は覚悟していたが、全面不開示は
  予測していなかった。さらにまったく想定外
  だったのは、不開示の理由である。」

防衛省からの行政文書不開示決定通知書には、
次のように記されていました。

  「本件開示請求に係る行政文書について
  存否を確認した結果、既に廃棄しており、
  保有していなかったことから、文書不存在
  につき不開示としました」

布施さんは、この理由を読んで、
驚きとともに、大きな憤りを感じましたが、
しかし、頭は冷静に回転していました。

  「え? 破棄? 直感的に、 “あり得ない”
  と思った。海外派遣という実任務の貴重な
  一次資料であり、陸自の国際活動教育隊で
   “主要教訓資料源” として活用されている
  ような自衛隊にとっても重要な日報が、
  半年も経たずに廃棄され、防衛省に存在
  しないなんて、常識的に言って考えられない。
  しかも、陸自の文書管理規則では、
  PKO関連文書の標準保存期間は三年と
  定められている。それを数ヶ月で廃棄すると
  いうのは、違法じゃないのか。それに、
  こんなに短期間で廃棄されてしまったら、
  国民は自衛隊のPKO活動について何も検証
  できないのではないか。」

布施さんは、結局、すべてが「ウソ」
なんじゃないかと考えたのです。

この陸上自衛隊PKO日報問題の顛末は、
既に多くのメディアで報道されたとおり、
廃棄したと言っていた日報が保管されていた
ことが明らかになりました。

結果として、安倍晋三首相が「将来の首相候補」
として守り続けてきた、稲田朋美防衛大臣は
引責辞任に追い込まれました。

そして、防衛省の不祥事を調査する
防衛監査本部は、南スーダンのPKOの
日報隠蔽疑惑について、防衛省・自衛隊の
幹部らが組織ぐるみで隠蔽に関与していた
とする監査結果を公表しました。

最終的に防衛省・自衛隊の最高幹部3人が
辞任するという前代未聞の事態に発展しました。

本書は、この「日報隠蔽問題」の内実に迫る
ノンフィクションです。

布施さんと、本書を共著しているのは、
朝日新聞記者で当時南アフリカ特派員だった
三浦英之さんです。

三浦さんは、「日報隠蔽問題」の舞台となった
南スーダンの真の姿をリポート。

首都ジャバで三浦さんが目撃したのは、
あまりに衝撃的な自衛隊宿営地の姿でした。

三浦さんは、南スーダンの反大統領勢力の
戦闘員が立てこもったという建物の7階テラス
から宿営地を見下ろしました。

  「目の前に広がったのは宿営地の全景。
  (中略)自衛隊員が車に乗り込んだり、
  会話をしながら道を歩いたりしているのが
  肉眼でもはっきりと見える。狙撃銃なら
  簡単に隊員の命を狙える距離だし、
  肩掛け式のロケットランチャーを
  撃ち込まれれば、間違いなく多数の死傷者が
  出ただろう。」

このような状況であるにも関わらず、
「ジュバは安定しており、武力紛争は新たに
生じておらず、紛争当事者がいるわけではない」
として、PKO活動継続を行っていました。

本書は、二人の気鋭ジャーナリストが
「日報隠蔽問題」の内側と現地から挑む、
非常に優れた調査報道ノンフィクションです。

この本から何を活かすか?

本書で考えさせられるのは、
「情報公開」の重要性です。

メディアが報道する情報を鵜呑みにせず、
私たちは、もっと情報公開制度を利用すべき
ということです。

ただし、そもそも、その文書があることを
知らなければ公開請求できないことが、
大きな課題です。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実

満足度★★★
付箋数:22

  「森信親長官率いる金融庁は、銀行や信金金組が
  担保・保証に依存した取引に偏った結果、
  融資後の資金の出入状況をモニターしていく
   “途上与信(貸し出し)管理” さえも
  しなくなってしまい、必要以上に顧客との
  取引をしなくなったのではないかという問題意識
  を持った。この状況を “日本型金融排除” と
  定義し、2016事務年度金融行政方針に盛り込んだ。
  金融機関が顧客を必要以上に排除しすぎたために、
  金融仲介機能が正常に発揮されていないという
  見解だ。」

金融排除とは、収益事業を営む金融機関の
立場から見たとき、採算が合わないと
評価されてしまう顧客層に対して、
金融機能が提供されない状況のことです。

金融機関も完全なボランティアでやっている
わけではないので、ある程度顧客を選ぶことは
必要です。

問題は、その顧客を選ぶ度合いです。

金融庁は、それが行き過ぎているとの判断から、
「日本型金融排除」という言葉を用いました。

銀行を始めとする各金融機関は、高い信用力の
企業には優先的に貸出を行っているものの、
信用力はまだ低いが事業の将来性が高い企業
には融資しない傾向が強いのです。

  「多くの金融機関が顧客を見捨てる金融排除を
  極大化し、事業に寄り添い、成長を後押し
  しながら取引する金融包摂を狭くしてきた。
  その結果、利ざやさえ確保できないという
  袋小路に入り込み、ついには自らの経営自体が
  成り立たなくなってしまっている。
  金融排除という悪循環の歯車を止め、
  持続可能な循環に回転方向を変えることは
  できないだろうか。」

金融包摂とは、Financial Inclusionを
翻訳した言葉です。

通常の金融サービスを受けられない人々が、
融資などの金融サービスにアクセスできる
ようにすることとで、FinTechブームで注目
されています。

本書は、金融排除について考える本です。

金融排除を生み出すメカニズムは一体
どういうもので、なぜ拡大するのか。

歴史的な経緯はどうなっているのか。

事業者から見た金融排除の風景はどう映るのか。

本書では、金融排除と向き合い、包摂しようと
奮闘する事例を紹介しながら、特に地方金融が
活性化する方策を考えます。

著者は、共同通信社経済部記者の橋本卓典さん。

著書『捨てられる銀行』『捨てられる銀行2』が
いずれもベストセラーになった方です。

本書の最初の事例として紹介されているのは、
奇跡のリンゴ』で知られている木村秋則さん
への排除と包摂の物語です。

木村さんは、世界で初めて無農薬・無施肥での
リンゴ栽培に成功した方です。

私たちが食べているリンゴは、元々自然界には
なく、人の手で改良を重ねてきたもの。

それ故、無農薬でリンゴを自然栽培することは
不可能と言われていました。

木村さんが、リンゴの自然栽培に
挑戦し始めた頃は、収入ゼロ。

失敗を重ね何の見通しもない状態が続きました。

付き合いのあった、みちのく銀行に
事業資金の融資をいくら必死に申し込んでも、
全く話にならないと、窓口担当者から
一蹴されていました。

すると、その木村さんの様子を担当者の
後ろからじっと見て、話に耳を傾けていた、
柳谷誠係長(当時)が、何かに背中を押された
ように突然、話に割って入ったそうです。

  「私が代わろう」

そう声を掛け、柳谷さんは担当者に代わって、
木村さんの正面に座り、じっと目を見て言いました。

  「頑張ってください。奥さんの印鑑証明が
  あれば、私がなんとかします」

これをきっかけに、木村さんは何度も資金の
借り入れを行い、約10年間の苦心の結果、
ついにリンゴの自然栽培に成功したのです。

かい摘んで紹介しましたが、『奇跡のリンゴ』の
もう1つの物語として、なかなか感動的な話でした。

本書では、多くの事例で金融排除の実体を
明らかにしつつ、排除をなくす道を探ります。

この本から何を活かすか?

  「共同組織金融と称される信金信組とは
  そもそも何なのか。信金信組と銀行は同じ
  預金取扱金融機関だ。多くのメディアでも
  銀行と同一視されて認識され、報じられている。
  しかし、根拠となる業法がまるで異なる。
  つまり、預金取扱金融機関でも、本来の使命は
  まったく異なるのだ。」

本書では、いわき信用組合や塩沢信用組合など、
独自のビジネスモデルを実践する事例も紹介し、
金融包摂のあるべき姿を示します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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新卒はベンチャー企業へ行きなさい

満足度★★★
付箋数:23

著者の清水宏さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、決められたルールを守ることに
安心を感じるタイプですか?

それとも、ルールに縛られるより、
自由な発想で、何でもやりたくなるタイプですか?

もし、あなたが20代で、かつ、後者のタイプ
であれば、ぜひ、本書を読んでみてください。

きっと響く内容が書かれていると思います。

学生に人気の「就職したい企業ランキング」の
上位を占める企業には、この10年間ほとんど
変化がありません。

また、景気回復で民間に流れたといっても、
公務員を目指す学生は多く、特に転勤のない
市職員の人気は依然高いままです。

  「私はそのランキングを見て、学生たちや
  その親の世代の人たちが、時代の変化に
  気づいていないのか、それとも敢えて目を
  背けているのかと訝しむほどです。
  いや、むしろ学生たちの安定志向は強まって
  いるのかもしれません。不確実な時代だから
  こそ、安定神話にすがり付こうとしている
  のかもしれません。

  しかし気づくべきです。

  これからの時代は安定にすがることが、
  むしろハイリスクであるということを。
  そして時代は、より柔軟な発想力と好奇心、
  そしてリスクを恐れない勇気を持った
  タフな人材を求めていることを。」

これからの時代、若い世代の人たちに
活躍して欲しい場所は、本書のタイトルにも
なっている「ベンチャー企業」です。

本書は、清水さんのこれまでの経験から、
ベンチャー企業で働くことの魅力を
存分に語った本です。

ところで、なぜ、若い人たちに安定志向が
根強いのかというと、それは親世代の影響が
色濃く出ているから。

小さな頃から、親の言う通り習い物をして、
良い学校を目指して受験してきました。

そして、高校生以上になっても独立心が
あまり育たたず、そのまま大人になって
しまう方も多いように感じます。

就職活動する段階でも親が口を出す家庭で
育った方が、本書を手にする可能性は少ない
と思いますが、実はそういった方にこそ、
本書を読んで目を覚まして欲しいものです。

  ・新規事業が新人に委ねられる
  ・「0→1」を体験しやすい環境にある
  ・トップとの距離が近い
  ・自分で目標を決め、自分で達成する

ベンチャー企業には、成長できるチャンスが
いくらでも転がっていて、稼ぐ力を伸ばし、
タフさを身につけることができるのです。

AIと共存していかなければならない時代
だからこそ、ベンチャーで鍛えられる力が
必要になります。

個人的には、清水さんが本書で説く内容に
大いに賛同します。

しかし、それはこれまでにいろいろな事を
経験してきたからこそ、そう思えるように
なったのだと思います。

ですから、本書が一番響くのは、これから
就活する「新卒」ではないかもしれません。

ブランド志向で一度は大企業に就職したものの、
実際に働いてみて、「本当にこれでいいのか?」
と迷いが生じてうる若手の社会人にこそ、
グッと刺さる本だと思います。

ところで、ベンチャーに就職・転職しようと
思っても、どんなベンチャー企業でもいい
という訳ではありません。

ただ自分が消耗してしまうだけのベンチャーも
あるので、そこは見極める必要です。

本書は、玉石混交のベンチャー企業の中から、
自分に合う会社の見つけ方も説明されているので、
飛び込む決心がついた方にも参考になります。

この本から何を活かすか?

私がベンチャーで身につけられる力の中で、
注目したのが「リスクテイク能力」です。

リスクテイクは若い時代にやっておかないと、
中高年になってから、急にできものでは
ありません。

投資の世界でも、リスクは利益の源泉と
言いますが、これはビジネスでも共通です。

過剰にリスクを取るのは、単なる無鉄砲ですが、
適切にリスクテイクして、それをコントロール
することが大切だと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事のパフォーマンスが劇的に上がる食事のスキル50

満足度★★★
付箋数:24

あなたは、集中力が切れたときに、
「ブドウ糖は脳のエネルギー源だから」という
理由で、飴やチョコレートなどの甘いものを
口にすることはありませんか?

私たちは、幼い頃から「脳が疲れたら甘いもの」
と刷り込まれてきたので、そう考えるのも
自然なのかも知れません。

しかし、この常識は間違っています。

  「脳のエネルギーはブドウ糖だけだから、
  集中力が切れたら、 “ブドウ糖=甘いもの” 
  を食べる。
  この行為は、さらなる集中力の低下をもたらす
  残念な選択です。」

ブドウ糖が、かえって集中力の低下を招く
メカニズムは次のようになっています。

ブドウ糖を摂取すると、血糖値が急激に上がる。

すると、それを下げるために膵臓から大量の
インスリンが放出される。

その結果、今度は急激に血糖値が低下する。

すると、集中力が欠如する、疲労感を覚える、
イライラする、眠気をもよおすといった
ことが起こる。

つまり、飴やチョコレートなどの甘いものを
食べると、血糖値の乱高下が起こってしまい、
余計に集中力がなくなってしまうのです。

でも、疲れているときは、身体が甘いものを
必要としているのでは?

こう考える人もいるかもしれません。

しかし、「身体が欲している=身体に必要」
というのも大きな勘違いです。

確かに、甘いものを身体が欲していることは
ありますが、それは必要としているのではなく、
単なる「依存」の可能性が高いのです。

毎日、甘いものを口にしているうちに、
砂糖や小麦粉の「中毒」に陥ってしまって
いるのです。

よく糖質はダイエットの大敵と聞きますが、
仕事のパフォーマンスにも影響するのです。

さて、本書はビジネスパーソンが仕事の
パフォーマンスを上げるための食事について
書かれた本です。

著者は、数々のトップアスリートをサポート
しているカリスマ栄養管理士の川端理香さん。

川端さんは、これまでオリンピック代表チーム、
プロ野球・Jリーグの選手、ラグビー日本代表、
プロゴルファーなど多くのアスリートの
栄養サポートを行ってきました。

  「アスリートは、身体づくり以外の分野に
  関しても、食事によってパフォーマンスを
  上げているのです。そしてこのノウハウは、
  ビジネスパーソンの仕事のパフォーマンスを
  上げるためにも大きな効果を発揮します。
  本書では、日々アスリートをサポートしている
  ノウハウを、ビジネスパーソン向けに
  カスタマイズしてお伝えしていきます。」

ビジネスでも成果を上げるためには、
常に最良のコンディションを保っておく
必要があります。

そのためには、食生活を改善することが
最も効果的なのです。

食事には、特別な才能や資質は必要ありません。
行動すれば、必ず成果を得ることができます。

川端さんは「食事には人生を変える力がある」
とも言っています。

実際に、身体に必要な栄養素をきちんと
摂れている人は、本当にごく僅かしかいない
ようですから、一度、本書でしっかりと学ぶ
ことは必要だと思います。

 第1章 なぜ、食べ物を変えると人生が変わるのか?
 第2章 集中力を上げる食事
 第3章 思考力・判断力を上げる食事
 第4章 疲労回復に効く食事
 第5章 メンタルを整える食事
 第6章 サプリメントの正しい使い方

この本から何を活かすか?

エナジードリンクは、疲れを増大させる?

エナジードリンクには、ビタミンB1を
はじめとするビタミンB群やアミノ酸など、
疲労回復に効果がある栄養成分が多量に
含まれてします。

しかし、実際にこういったドリンクを飲んで
元気になるのは、カフェインが含まれているから。

カフェインの覚醒効果で、一時的に元気に
なったような気がしているだけなのです。

また、エナジードリンクが謳っている
疲労回復効果は、食事から簡単に摂ることが
できるようです。

例えば、栄養素としてよく聞く「タウリン」は
タコやイカの刺身から摂れるのです。

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| 科学・生活 | 05:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界で働く人になる! 実践編

満足度★★★
付箋数:21

  「世界で働く力とは、柔軟性とたくましさ、
  自由を持ち、環境を選ばず、強く生きる力のこと。
  そして、それは本人の意志次第で、どのような
  形にも磨きあげることができるものです。
  これは20歳で生まれて初めて、アメリカへ
  海外留学した時、10年以上現地に滞在しないと
  言葉は分かるようにならない、とどこかから
  聞きつけてきて、一人絶望していた当時の
  自分に伝えたいことでもあります。」

本書は、日本人がグローバルな環境で
たくましく働き、生き抜いていく際に役立つ
実践的なコツをまとめた本です。

著者の田島麻衣子さんは、国連世界食糧計画
(国連WFP)の職員。

現在は南アフリカ地域事務所を拠点に、
国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成の
ためのモニタリングを主導している方です。

田島さんは、「非帰国子女」でしたが、
試行錯誤の末、英語と人づきあいのコツを
身に付け、国連機関の職員になりました。

その過程を描いたのが、2014年12月に刊行した
前著、『世界で働く人になる!』です。

国際社会で役立つ、人づきあいのコツと、
英語の学び方がわかる本として好評でした。

それから4年が経ち、田島さんが住んだ国は
さらに増えて9カ国になりました。

また、田島さんは1児の母となり、
以前とは違った働き方も求められるように
なりました。

本書は、『世界で働く人になる!』の続編として、
世界で働くための土台を用意して、
いよいよ実際に行動を起こそうとする人の
ために書かれた本です。

内容は、大きく3つの章で構成されています。

第1章では、「世界で働く人」が持っている
基本的な8つの考え方を示します。

  「違いは違いとして受け入れる」
  「人生に対する希望を諦めない」
  「仕事と人格を切り離す」
  「自分の使命を問い続ける」

ここで示されている考え方は、必ずしも
海外で働くときや、外国人と一緒に働くとき
だけでなく、普通に国内で働く際にも
必要な考え方だと思います。

第2章では、グローバルな職場環境で生き抜く
ための12のコツが示されています。

特に、田島さんの失敗談が多く語られていて、
非常にスッと入ってくる内容です。

この章では、英語が思うように出てこないときの
対処法や、英語力をカバーしながら仕事で
成果を出す方法なども語られています。

第3章では、これからのワークライフバランスの
あり方に関する6つのヒントが書かれています。

田島さん自身の役割の中で、「母親」が
加わったのが、前著からの一番大きな変化です。

だからこそ、より柔軟に、よりしなやかに
仕事と生活のバランスを取ることが必要と
なりました。

この章では「サバティカル休暇」の創り方や、
多様なパートナーシップのあり方などの
新しい選択肢を示しています。

田島さんが、人生の中で仕事や家族を
どう位置付けるかについて、大きく悩み、
試行錯誤した結果がまとめられている
かなり気持ちの入った章になっています。

本書で田島さんが示す考え方は、国連の職員
という特殊な環境でなくても十分に活かせる
ものばかりです。

これだけ変化のスピードが早い世の中になると、
日本で生活していても、環境に左右されずに、
高い柔軟性を持った働き方は求められます。

本書は、自分の価値観を広げる意味でも
役に立つ本だと感じました。

この本から何を活かすか?

田島さんは、同じ英語力でも、思うように英語が
出てくる人と、出てこない人の違いは、
「直訳へのこだわり」だと指摘しています。

必要なのは、分からない表現があっても、
自分の知っている単語をフル活用して、
言いたいことを伝えようとする意志です。

本書では、的確な表現が思い浮かばないときの
言い換えのテクニックが紹介されていました。

その1つが、「言葉の因数分解」です。

例えば、「免疫=immunity」を知らなかった場合、
「免疫とは何か」を考えます。

これは簡単に言うと「病気に抵抗する力」です。

そこで、「病気」disease、「抵抗する」resist、
「能力」abilityの3つの単語を使って、
免疫=the ability to resist a diseaseと表現する
ことができます。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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3つのゼロの世界――貧困0・失業0・CO2排出0の新たな経済

満足度★★★
付箋数:23

  「私は人生のほとんどを、最も貧しい人々、
  とりわけ貧しい女性たちのために捧げてきた。
  人々が自分たちの生活を改善したいと思う
  ときに直面するさなざまな障害を取り除こうと
  務めてきたのだ。私が故国、バングラデシュで
  1976年に立ち上げたグラミン銀行は、
  マイクロクレジットと呼ばれるツールを通じて、
  貧しい村人、特に女性たちに資金を提供して
  きた。マイクロクレジットはその後、世界中で、
  3億人以上の貧困者に対して、起業家としての
  能力を発揮する機会を与え、貧困と搾取の
  連鎖を断ち切る手助けをしている。」

ムハマド・ユヌスさんは、バングラデシュの
経済学者で、グラミン銀行の創設者、
そしてマイクロクレジットの創始者として、
2006年にノーベル平和賞を受賞しました。

本書は、ユヌスさんの自伝ではありません。

経済学者として、既存の資本主義システムを
基盤とした現代社会へ挑戦した本です。

ユヌスさんは、これまで経済のエンジンとなり、
富を生み出してきた資本主義は、限界を迎えて
いると指摘します。

富の集中はますます加速し、もはや避けようも
なく、不平等の製造マシンになっている。

資本主義は、問題の解決よりもダメージを
多く生んでいるため、新しいエンジンを
再設計する必要があると。

  「従来の資本主義の考え方と決別して
  行動することで、問題を解決できるのだ。
  必要なことはただひとつ。無私の心に動かされた
  ビジネスを創出する取り組みに参加する意思を
  表明すること、つまり人類の問題を解決する
  ために自分の能力に適したソーシャル・ビジネス
  を創出する意志を示すこと、それだけだ。
  このシンプルな行動で、世界全体が変わる。」

ソーシャル・ビジネスとは、環境・貧困などの
社会的課題の解決を図るための取り組みを、
持続可能な事業として起業するビジネスです。

それが今の経済の枠組みが生み出した問題に
対処する、新しいエンジンとなる。

グラミン銀行の成功が、正にその典型例です。

ユヌスさんは、「ソーシャル・ビジネス」と
「起業家の精神」、「金融システムの再設計」の
3つを追求すれば、「3つのゼロの世界」を
実現できると考えています。

3つのゼロの世界とは、本書のサブタイトルに
なっている、「貧困0」「失業0」「CO2排出0」
が実現した世界です。

ソーシャル・ビジネスによって、貧困をゼロにし、
広がる収入格差に終止符を打ちます。

起業家精神を持つことで、これまでの仕事を
探す者から、仕事を創る者に変わることで、
失業をゼロにします。

環境問題を解決する起業で、持続可能な経済を
創り、二酸化炭素排出ゼロを実現します。

この3つのゼロの世界は、簡単に実現するもの
ではありませんが、ユヌスさんは必ずできると
考えています。

なぜなら、グラミン銀行を創設したときも、
仕組み全体がそもそも不可能だと見なされて
いたにも関わらず、これだけの成功を収めた
からです。

誰しも、今の資本主義が抱える問題を認識し、
未来永劫、このまま発展していけるとは
考えていないと思います。

本書は、そうした資本主義の問題を解決する
処方箋であり、バングラデシュから
世界を変えるという決意の書でもあります。

世界を丸ごとデザインし直すという、
非常に大きなテーマに挑んでいる本ですが、
3つのゼロの世界は絵に描いた餅ではなく、
実現性があると感じさせる本でした。

この本から何を活かすか?

本書で、「ユニークな物語」として
紹介されていたのが、日本人の起業家、
出雲充さんです。

  「<グラミン・ユーグレナ>の始まりは、
  1998年に出雲充という18歳の学生が
  バングラデシュを訪れたときにさかのぼる。
  グラミン銀行でインターンをしてから、
  出雲は栄養不良の問題に熱心に取り組む
  ようになった。専攻を文学から農学に変え、
  ミドリムシの驚くべき性質に惹きつけられる。」

日本のバイオベンチャー企業ユーグレナは、
出雲さんが、ユヌスさんと出会ったことが
きっかけで誕生しました。

ユーグレナは、2005年に世界で初めて
ミドリムシの屋外大量培養に成功し、
今や上場企業となり注目さています。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法

満足度★★★
付箋数:24

フォレスト出版の三上さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

ビジネスでもプライベートでも、私たちの悩みは、
その多くが「人間関係」に起因しています。

良好な人間関係を築くことさえできれば、
私たちの悩みのほとんどは消えてなくなり、
安心して自分らしい生活が送れるようになります。

誰しも、多かれ少なかれ人間関係の悩みは
持っているものですが、特に悩みを抱えがちなのが、
「人の気持ちがわかる感受性の高い人」や、
「心がとても優しい平和主義な人」です。

本書では、そういった人を「敏感過ぎる人」と
呼びます。

「敏感過ぎる人」は、人の気持ちを
察し過ぎてしまうが故に、つい自分よりも
相手を優先してしまいます。

その結果、いつも他人に振り回されてしまい、
心も身体も疲れ切ってしまうのです。

自分を軸にするのではなく、他人を軸に行動
してしまっているのです。

本書は、敏感過ぎて、つい「他人軸」になって
しまう人が、「自分軸」を取り戻すための本です。

著者は、予約が3ヶ月先まで取れないほどの
人気心理カウンセラー、根本裕幸さん。

「anan」「CLASSY」「日経ビジネス・アソシエ」
などの雑誌や 読売新聞、毎日新聞などへも
多くを記事を寄稿している方です。

本書では、「いい人」であるほど陥りがちな
「他人軸」の人を、次の3つのパターンに
分類します。

 1. NOが言えない気をつかう人

  いい人は気をつかい、相手から拒否される
  ことをとても恐れます。

  「相手の気分を害したらどうしよう」などと
  考えてNOが言えなくなってしまいます。

 2. YESが言えない自分がない人

  このタイプは、違うことはわかるので、
  NOと言うことができます。

  しかし、自分の意思や考えをはっきりと
  示せないので、YESが言えません。

 3. YESもNOもわからない流される人

  自分でも、YESもNOもわからなくいる場合は
  常にまわりに流されてしまいます。

  自分でもわからないぐらいですから、
  当然、相手にわかるはずはありません。

それでは、具体的どうしたら、他人軸の人は、
自分軸を取り戻すことができるのでしょうか?

本書では、自分軸を取り戻すための
レッスンをいくつも紹介しています。

その中で、私が面白いなと思ったのは、
「1人居酒屋」という練習です。

  「1人で居酒屋に行って楽しめるかどうかは、
  自分軸に立ち、かつ相互依存状態をつくれて
  いるかをはかる1つの指標となります。
  人目が気になる人は楽しめませんよね。
  自分がどう思われるのか? という他者目線
  (すなわち依存状態であり、他人軸の状態)
  に意識が集中してしまうからです。
  馴れていない人はいたたまれなくなるかも
  しれません。そもそも常連客の中にたった
  1人で飛び込むのはアウェー感満載です。」

私は、自分のことを「敏感過ぎる人」とは
思っていませんでしたが、「1人居酒屋」に
行く勇気はありません。

いつも「孤独のグルメ」の井之頭五郎さんを
羨ましいと思いつつ、なかなか自分では
行けないなとも感じていました。

それができないのは、自分では気づいて
いませんでしたが、他人の視線を気にして
いるからなのかもしれません。

本書は、他人軸になってしまいがちな人には、
良い処方箋を示してくれますし、
そうでない人にも、何かしらの発見がある
本だと思います。

イラストも豊富で非常に読みやすい本です。

この本から何を活かすか?

あなたの愛は、罪悪感を与えているかもしれない。

根本さんのカウンセリングを受ける方で、
次のような方がいるようです。

  「主人や子どもにはいい服を買うけれど、
  私は安い服で我慢しているの。
  だって夫や子どもは外に出て人目に触れる
  でしょう? だから恥ずかしい思いはして
  ほしくなくて。私はいいの。そんなに人前に
  出たりしないから」

こうした「自分だけ我慢すればいい」という
姿勢は、一見、美しいものとして見られます。

しかし、「愛」を振りまいているのではなく、
相手に「罪悪感」を与えてしまうこともある
ので要注意です。

特に男女関係にはよくあるケースのようです。

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| 心に効く本 | 05:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「3つのF」が価値になる! SNS消費時代のモノの売り方

満足度★★★
付箋数:22

2017年夏、関西の高速道路のサービスエリアの
フードコートで、「ガチャめし」が人気を
集めました。

ガチャめしとは、ガチャを回して出た食券で、
メニューが決まるというもの。

設置されたのは、兵庫県と福井県とを結ぶ
高速道路、舞鶴若狭自動車道の下り線にある、
西紀サービスエリアのフードコート。

ガチャめしは1回500円。
何が食べられるかは運次第。

食事をするというより、遊びに参加している
という楽しさがあり、ガチャめし目当てに
高速道路に乗る人が出てくるほど、
大きな話題となりました。

その盛況ぶりは、普段はあまり混まない
サービスエリアの駐車場が満杯になって、
高速道路まで車の行列ができるほどでした。

ガチャめしが、ここまで人気が出るきっかけに
なったのは「SNS」での拡散でした。

「ガチャめしをSNSに投稿したい」という思いを、
うまく誘発したことがポイントです。

  「知られなかったら、ないのと同じ」

今の時代、「この商品はSNSで投稿して
もらえるか」といった視点で考えることが
重要になるのです。

本書は、SNSによって消費が生まれ、
SNSのために消費が生まれるようになった、
「つながりの経済」時代のマーケティング本。

著者は、実践的マーケティング手法、
「エクスペリエンス・マーケティング」
(エクスマ)を提唱し、コンサルティングを
行っている藤村正宏さんです。

「つながりの経済」とは、消費者が個別に
SNSでコミュニティをつくり、その中で自分の
消費を決める「SNS消費」に支えられた経済です。

もちろん、つながっているのはSNSだけでなく、
リアルなつながりによっても人々の消費は
大きな影響を受けます。

  「どんなに優れた宣伝も、家族のひと言には
  かなわない。どんなに優れた広告も、
  仲間の勧めにはかなわない。どんなに優れた
  マーケティング戦略も、個人と個人のつながり
  にはかなわないのです。」

藤村さんは、「つながりの経済」の時代に
重要なのは、家族(Family)、友達(Friend)、
フォロワー(Follower)の3つであるとし、
これらをまとめて「3つのF」と呼びます。

目先の利益だけを追い求め、今日の売上を
達成したとしても、顧客との関係性を悪化
させてしまうと、将来の顧客を失ってしまう
ことがあります。

必要なのは、共感を得て、3つのFでつながりで、
長期にわたって信頼関係を創っていくこと。

それが、時間はかかるけれど、
お金では買えない独自の「価値」に
育っていくのです。

SNSをビジネスに最大限活用するためには、
次の3つがキーワードになります。

  「組織」より「個」
  「売る」より「関係性」
  「仕事」より「楽しさ」

本書では、個人が発信する手段を持ち、
個人の発信が価値があるSNS消費の時代に
有効なマーケティングの手法を、
さまざまな事例を挙げながら解説します。

ただ単に形だけSNSをやっている企業や、
SNSを有効に活用できていない企業にとっては、
ヒントになることが多い本だと思います。

 第1章 SNS消費時代。
    あなたの発信はそれ自身が「商品」
 第2章 「つながり」の経済では
    「3つのF」が力を持つ
 第3章 やり方ではなく、楽しみ方!
 第4章 商品・サービスではなく、
    個人にファンがつく時代

この本から何を活かすか?

SNSはコツコツ続けることが大事。

本書では、北海道の真ん中あたりの町、
「比布町(ぴっぷちょう)」の成功事例
が紹介されていました。

ユーチューブや他のSNSを使って、
2016年11月から、比布町の良いところ
(個性)を発信し続けているようです。

その結果、何が起こったか?

  「プロジェクトが指導してまだ1年も
  経たないうちに、人口が増えてきました。
  4ヶ月連続で増えた。これは40年ぶりのこと
  だといいます。周囲の市町村がみんな
  人口減少が続いているのに、比布町は
  少しずつ増えたのです。」

SNSで地域活性化に成功した事例として、
他の自治体も参考にすべきだと思います。

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| マーケティング・営業 | 05:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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だまされない

満足度★★★
付箋数:19

  「この本にはみなさんの健康に役立つ真実の
  情報を書いています。なかにはびっくりする
  ことが書いてるかもしれません。
  ちょっとネタバラシすると、たとえば
  低コレステロールの食事には意味が
  ありませんし、日本で行われている
  がん検診のいくつかは世界では認められて
  いません。洋食よりも和食のほうが病気に
  なるリスクが少ないと思っているかも
  しれませんが、実は違うのです。」

本書は、長野県の諏訪中央病院の名誉院長、
鎌田實さんによる医療・健康エッセイです。

健康に関心が高くなっている、中高年向けの本。

鎌田さんは、医師として働く傍ら、40年以上、
健康づくり運動を行こなってきました。

その成果として、長野県を健康長寿県に
導きました。

本書に書かれているのは、健康のための王道。

鎌田さん自身が、言うだけでなく、誰よりも
率先して実践してきたことが書かれています。

本書のような「だまされるな系」の本は、
読者にインパクトを与えるために、
かなりキツイ言い方の本が多い印象ですが、
本書は非常に優しい語り口です。

ただし、内容は誤った健康・医療情報に
翻弄されている人の、目を覚まさせるような
厳しいことも書かれています。

鎌田さんが、本書で指摘する誤った情報の
1つは、「免疫力」についてです。

「免疫力を上げてがんに勝つ!」とか、
「免疫力を高めて病気知らずの身体に!」
といった宣伝文句の健康食品などがあります。

まず、「免疫力」という言葉は、
正式な医学用語ではありません。

免疫の意味は、自分の身体を外敵から
守るために、自分と自分以外のものを見分け、
自分以外のものを排除する働きのこと。

この免疫力が高ければ、「病気にならない」
とか、「病気が治る」といったことが、
喧伝されていますが、事実は違うようです。

免疫力は、高すぎてもダメなのです。

その例として挙げられているのがアレルギー。

体内に卵や花粉などが入った際に、
くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみや赤い湿疹
などの症状が出るのが、アレルギー反応です。

これは、免疫力が高すぎて、体内に入った
異物に対して、過剰に反応した結果です。

本来なら、騒がなくていいはずの相手に
対しても、暴走してしまっているのです。

免疫は「天使と悪魔」の二面性を持っている
ので、大切なのは、ちょうどいいバランスで
働かせることです。

鎌田さんは、日本人のヘルスリテラシーは
低いと指摘します。

これは健康や命を守る自己判断能力が
低いということです。

日本人は医療や健康に関しては、
「医師におまかせ」で、自分で判断する
能力を培ってきませんでした。

そのため、困ったことが起こると、
藁にもすがろうとして、効かないとわかって
いる治療にも、つい手を出してしまいます。

  「大切なのは、自分の頭できちんと考える
  ということ。ヘルスリテラシーについても
  書きましたが、情報を鵜呑みにすることなく、
  何が自分にとって役に立つかをしっかり
  判断することが重要です。」

健康のためには、よく笑い、よく運動し、
よくタンパク質を取り、よく野菜を食べ、
減塩を心がける。

極端な健康情報には、ウソが多いので、
騙されないようにしなくてはなりません。

この本から何を活かすか?

女性でよく聞く、更年期障害ですが、
男性でも起こることがあります。

男性ホルモンの分泌が低下することが原因。

男性ホルモンの1つ、テストステロンは、
筋肉をつけると、分泌が促進されます。

ですから、ある程度の年齢になると、
「貯金よりも貯筋が大事」であると
鎌田さんは言います。

また、男性ホルモンが減ると、肥満、
糖尿病、心臓病、高血圧、うつ病などの
さまざまな疾患のリスクも高まるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 05:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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イーロン・マスク 世界をつくり変える男

満足度★★★
付箋数:23

  「地球環境が汚染されていくのなら、
  火星に移住すればいい。
  ロケットだって、飛行機のように何度も
  同じ機体を使えばいいじゃないか。
  私なら、100分の1のコストを実現させてみせる。」

イーロン・マスクさんがこのような
発言をしたとき、誰もが耳を疑いました。

そして、ほとんどの人は、
「そんな夢のような話、実現できっこない」
と思ったことでしょう。

しかし、その途方もない夢が、
少しずつでも実現する様子をみると、
「本当に火星に移住できるかもしれない」と、
当初マスクさんの発言を疑っていた人でも
期待を膨らませています。

マスクさんは、2002年に「スペースX」を
創業した後、わずか6年で宇宙ロケット
「ファルコン1」の打ち上げに成功します。

さらに、その9倍の推進力を持つ「ファルコン9」、
宇宙船「ドラゴン」と、次々に開発を成功。

ドラゴンは、地球軌道周回を成し遂げ、
国際宇宙ステーションへのドッキングを
民間企業として初めて成功させました。

私も、これくらいならマスクさんのことなので、
実現しても「さすが」としか思いませんでした。

しかし、発射成功したロケットのコア機体が
逆噴射して地上に帰還した映像を見たときには、
「ついにここまで来たか」と感動を覚えました。

特に、ファルコン・ヘビーが2機同時に、
着陸する映像は圧巻でした。

  「スペースXは、人々が不可能だと思う任務を
  成し遂げる会社だ。我々が目指すゴールは
  ムチャクチャに野心的だが、私たちはそれを
  実現する。」

マスクさんが掲げる理想、描く未来は、
人々をワクワクさせます。

  「本書では、イーロン・マスクの
   “破壊的実行力” を生み出す14のルールを
  抽出して、彼の型破りな戦いでの輝ける成功と、
  目を覆いたくなるような失敗を紹介しつつ、
  イーロンの考え方や行動を紐解いていきたい
  と思っています。
  ともすれば現状に安住しようとする私たちが、
  世界を作り変え、未来を創造しようと奮闘する
  イーロン・マスクから学ぶ点は数多く
  あるはずです。」

著者は、これまでにも何冊かマスクさん関係の
本を執筆している竹内一正さん。

当ブログでも過去に竹内さんの著書では、
史上最強のCEO イーロン・マスクの戦い』と
イーロン・マスクの野望』の2冊を紹介済み。

本書では、どんどん成功事例がアップデート
されるマスクさんの会社、スペースXや
テスラ・モーターズの事例を交え、
「枠にとらわれない思考法」を学びます。

また、マスクさん以外の成功者として、
スティーブ・ジョブズさん、ラリー・ペイジさん、
チェスター・カールソンさん、松下幸之助さん、
盛田昭夫さんらのエピソードも紹介し、
成功者に共通する思考を探ります。

本書は、イーロン・マスクさんの半生記
ではなく、また直接インタビューを
行こなっているわけでもありません。

様々なソースから取ってこれる
マスクさんの発言やエピソーをベースに
書かれています。

半世紀的なものを期待して読むと、
知っている内容が多いと思うかもしれませんが、
本書の目的は違います。

あくまでマスクさんの思考や行動から学び、
自分の仕事や生活に応用することなので、
その点を履き違えずに読むと、
得ることがある本だと思います。

この本から何を活かすか?

個人的に印象深かったのは、
テスラ車の自動運転で死亡事故が
起こったときのマスクさんの対応です。

実際には、運転者が過度に自動運転に依存し、
警告が出ていたにも関わらず、ハンドルや
ブレーキの操作を、一切自分でしなかった
ことが、事故の大きな原因でした。

当初、この事故が起こったときには
その原因がわからず、「自動運転は危険、
即座に使用を中止せよ!」と反対意見が
膨れ上がりました。

このとき、マスクさんは世間の批判に
毅然とした態度で反論し、自動運転使用の
継続と、さらなる開発を続けました。

  「テスラのオートパイロットを使って
  ユーザーたちが走行した距離は合計約2億Km
  以上になり、今回が初の死亡事故である。
  統計的には、米国では1.6億Km走行で1件の
  死傷事故が起きており、それらを比較すると
  オートパイロットは人間よりも優れている
  と判断できる」

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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遠ざけの法則 ― 万人受けを狙わない熱狂的なファンのつくり方

満足度★★★
付箋数:24

  「 “万人受けを狙っている時代ではないのです” 
  選ぶ勇気、ありますか?
  お客様を選ぶ! ま~、なんと不遜な態度だ!
  そう思われるかもしれません。
  が、少し冷静になって周囲を見て欲しいのです。
  観察して欲しいのです。
  本書に登場する多くの企業、店、商品。
  本書に登場しないけれども、あなたが好きな、
  お気に入りの会社や店、商品。
  実はすべてお客様を選んでいます。」

一部のお客様をあえて遠ざけることで、
逆に、残りの一部のお客様を熱狂的に
引き寄せるのが、「遠ざけの法則」。

一番わかりやすい例では、禁煙席が挙げられます。

いまや、あらゆる公共の場所が禁煙になりつつ
ありますが、少し前は「全席禁煙」にすることが、
その店の主張でした。

スターバックスコーヒーは、喫煙スペースを
段階的に減らしていき、完全禁煙を実現しました。

この個性を打ち出したことで、
愛煙家は来店し難くなったかもしれませんが、
嫌煙家は好意的に捉えたはずです。

一方、禁煙化が進む中で、ドトールコーヒーは
分煙マークを貼り、喫煙可を打ち出すことで、
愛煙家を引き寄せています。

  「敵が多い、だから私は幸せだ」

これは、本書で紹介されている、
フランスのファッションデザイナー、
ピエール・カルダンさんの言葉です。

己の主張を貫き、生き様を全うすれば、
敵は増えます。

しかし、熱狂的なファンも生まれるのです。

本書は、万人受けを狙わずに、他の追随を
許さないサービスや商品で、ビジネスを成功に
導いた事例を多く紹介した本です。

著者は、コピーライター、マーケッターとして、
フリーランスで活躍する、中山マコトさん。

当ブログでも、以前に何冊か著書を紹介した
ことがある方です。

  『フリーで働く! と決めたら読む本
  『フリーで働く前に! 読む本

ある海外のブランドは、常連のお客様以外には、
いくら現金を積まれても売らないそうです。

それは、長い時間の付き合いを経てきた
お客様を選び、その歴史を経ずにお金で解決
しようとするお客様を選ばないという、
そのブランドの態度であり姿勢です。

所謂、「一見さんお断り」と同じ考えですが、
この態度をしっかり示すことで、
常連のお客様からは愛され続けるのです。

選び、選ばれてこそが、ブランドとなります。

入るべき店を間違うことは、顧客にとっても
不幸なことです。

勇気を持って、誰かれ構わず、
引き寄ようとすることをやめる。

店のコンセプトに共感してくれる人だけを
引き寄せられれば、ミスマッチの悲劇は
起こらないのです。

「遠ざけの法則」で成功している企業の1つが、
化粧品の製造販売を行う再春館製薬所です。

同社の主力ブランドのドモホルンリンクルは、
「30代からの年齢基礎化粧品」と謳うだけでなく、
「初めての方にはお売りできません」と大々的に
宣言しています。

化粧品メーカーにとって、肌に合わないことは
大問題ですから、無料サンプルを使ってもらい、
合うと思った人だけに販売する戦略を取ります。

あの逆説的で強烈なコピーは、再春館製薬所の
生き様をそのまま表現しているのです。

本書では、多くの成功事例から「遠ざけの法則」
が、長期的にも有効な戦略であることを示します。

  第1章 究極のメカニズム、踏み絵
  第2章 視覚で分ける
  第3章 敵をつくる
  第4章 ターゲットで分ける
  第5章 地名で分ける
  第6章 キャッチフレーズで分ける
  第7章 趣味嗜好で分ける
  第8章 3行錬金術
  最終章 「蒙古タンメン中本」の看板は
      なぜ真っ赤なのか?

この本から何を活かすか?

森博嗣さんは、なぜベストセラー作家に
なれたのか?

中山さんは、「理系ミステリー」という
キャッチフレーズがつけられたからだと
分析します。

確かに、私もそのそのキャッチフレーズに
引き寄せられ、『すべてがFになる』など、
一連のシリーズを読んだ一人です。

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| マーケティング・営業 | 05:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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入門 ビットコインとブロックチェーン

満足度★★★
付箋数:21

ニュースで取り上げられる機会も多くなり、
ビットコインを中心とした「仮想通貨」の、
注目度が上がっています。

さすがに、これだけ話題になっている
ビットコインについて、全く何も知らないでは、
カッコ悪すぎる。

さらに、ビットコインと一緒に語られる
ブロックチェーンについては、一体それが、
何なのか、皆目見当もつかない。

仮想通貨やブロックチェーンのことは、
よくわからなくて恐いけれど、
自分には全然関係ない事だ・・・・。

もし、このように思っている人がいれば、
本書はその疑問や不安、または誤解を解くには
最適な本だと思います。

あまり時間を書けずに、手っ取り早く、
ビットコインやブロックチェーンの
気になることについて知ることができます。

本書を手にして、30分後には、
「ビットコイン、ビットコインって騒いでるけど、
その何が凄いっかって言うとね・・・」
としたり顔で語れるようになっているかも
しれません。

本書は、ビットコインを始めとする仮想通貨と
その基礎技術であるブロックチェーンについて
平易に解説した入門書。

著者は、これだけ話題になる前から
仮想通貨革命』などの本を執筆している
経済学者の野口悠紀雄さんです。

本書は、全編、Q&A方式で書かれているので、
関心があることのみ、拾い読みすることが
できます。

  「日本人の仮想通貨に対する関心は、
   “値上がりする新しい投資対象” という面に
  偏りすぎていると思います。その半面で、
  値上がりの背後にある技術革新にはあまり
  関心が持たれていません。
  重要なのは、技術革新です。ブロックチェーン
  という新しい情報技術は、インターネットを
  通じて経済的な価値を送ることを可能にし、
  様々な新しい経済活動の可能性を切り開きつつ
  あります。それは、インターネットの登場
  そのものと同じくらいの重要性を持っています。
  ビットコインなどの仮想通貨は、
  ブロックチェーン応用の1つの形態です。
  これによって、地球規模でほぼゼロコストで
  送金できるようになり、グローバルな
  経済活動の形態は大きく変わります。」

新しい技術について、かなり平易に書かれて
いるものの、ポイントは外していません。

また、仮想通貨やブロックチェーンの
周辺の領域についても、意外と広範囲に
学ぶこともできます。

本書では、全部で150以上のQ&Aが掲載されて
いますが、代表的な質問は以下の通りです。

 ・ビットコインと電子マネーは違うものですか?
 ・ビットコインは安全ですか?
 ・ビットコインを持っていれば、
  値上がり益を得られるのですか?
 ・メガバンクが仮想通貨を発行すると
  聞きますが、本当ですか?
 ・仮想通貨の広がりに、中央銀行はどう対応
  するのでしょうか?
 ・ブロックチェーンとは何ですか?
 ・スマートコントラクトとは何ですか?
 ・シェアリングエコノミーとは何ですか?
 ・IoTとは何ですか?
 ・ブロックチェーンは、社会の構造を
  変えるのでしょうか?
 ・量子コンピュータとは何ですか?
 ・ブロックチェーンを本格的に勉強するには、
  どんな書籍を読めばよいでしょうか?

この本から何を活かすか?

  Q.「ビザンチン将軍問題」とは何ですか?

  A.「信頼できない者同士が集まって共同作業
  を行い、それでも裏切り者に陥れられない
  ためには、どうしたらよいか?」
  
  これは「ビザンチン将軍問題」と呼ばれ、
  これまでコンピュータサイエンスで
  「解がない」とされていました。
  ブロックチェーンはこの問題に答えを
  出したのです。

これは、レスリー・ランポートさんら
によって提唱された、分散型ネットワーク
での合意形成問題です。

オスマン帝国の将軍たちが、ビザンチン帝国の
首都、コンスタンチノープルを包囲して
攻撃することを想定した意思決定の難問。

ブロックチェーンはその難問に現実的な解を
提示したのです。

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| 経済・行動経済学 | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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江副浩正

満足度★★★★★
付箋数:28

一般に江副浩正さんの名前を聞くと、
「リクルート事件」の贈賄側人物として、
思い出す人が多いでしょう。

リクルート事件は、戦後の日本における
最大の疑獄事件で、ロッキード事件と比肩する
一大事件でした。

政界、財界などを巻き込んで、
大スキャンダルになった事件の主人公として、
江副さんは世間に記憶されているので、
その点では仕方がありません。

しかし、あの辛口で有名な大前研一さんは、
江副さんとリクルートについて、
次のように評しています。

  「リクルートは例の事件で企業イメージが
  ずいぶん傷ついたが、いまでは日本で最も
  注目される人材養成所となっています。
  (中略)日本で最もダイナミックな人材を
  育てているリクルートの人事システムは
  偶然ではなく、企業の『染色体』とも呼んで
  良いほどの創業の時以来の思想、理念などが
  ここに色濃く反映していることがわかりました。
  若い社員にインタビューすると、江副さんの
  ことを悪く言う人はいませんでした。
  なぜなら、創業の精神は今の会社にも
  行き続け、そして、今や若者が最も入りたい
  と思う将来性豊かな、かつ大企業病に
  ならないその社風、体質が全て江副さん以来の
  伝統であると、はっきりわかっているからです」

ダメなものには容赦なく批判をする大前さんが、
これほど賞賛する江副浩正さんとは、
一体、どのような人物だったのでしょうか?

本書は、かつて「東大が生んだ戦後最大の起業家」
と呼ばれた、江副浩正さんの人物像に迫る正伝。

著者は、リクルート出身の馬場マコトさんと
土屋洋さんのお二人です。

かなり入念に関係者に取材を重ねて、
本書を執筆していることがよくわかります。

  「江副浩正の実像を明らかにすることが
  本書の目的である。彼だけが見ていた世界、
  目指したもの、そこに挑む彼の思考と行動。
  その中に、私たちを鼓舞し、思考と行動に
  駆り立てる何かが準備されていると信じる
  からである。」

本書には最初に「死体検案書」が掲載され、
江副さんの亡くなったときの描写から
はじまります。

以降その人生を、少年時代まで巻き戻し、
順を追って再生します。

江副さんらしさが徐々に出てくるのは、
東京大学新聞の広告取りをするところ
辺りからでしょうか。

その後読み進めるに連れ、江副さんの
人間力の凄さに圧倒され、気がついたら
完全に江副さんの虜になっていました。

江副さんは、リクルート事件のため、
表舞台からは姿を消しますが、
起業家としては、その凄まじいエネルギーで
最後まで走り続けます。

江副さんの経営者として側面だけでなく、
人間としてもその生き方にも感銘を受ける
ことは必至です。

現在、各界で活躍する多くのトップランナーに
江副さんの信奉者が多いのも頷けます。

本は好みの問題があるので、私は読むことを
強く勧めることは、多くありません。

しかし、この本は、是非とも勧めたい
「傑作」だと思います。

紙で読もうか、Kindleで読もうかなど、
迷っている時間がもったいない。

どちらでもいいので、兎に角、読んでみると、
2500円の最も有効な使い方だったことが
わかるはずです。

500ページ近い厚さがあるにも関わらず、
それほど、日数がかからず読み切れます。

なぜなら、本書を読み始めると、余りにも
江副さんの吸引力が強過ぎて、他のことが
できなくなってしまうからです。

そんなデメリットもないわけではありません。

それでも、本書を読むことに費やした時間は、
江副さんから、それ以上のエネルギーを
受け取れるので、時間の面でも最高の投資に
なることでしょう。

この本から何を活かすか?

  「自ら機会を創り出し、機会によって
  自らを変えよ。

  リクルート創業期に自らが創り出した
  このフレーズを、生涯にわたって実践して
  見せたのが江副浩正、その人であった。」

これは、本書の著者の1人、土屋洋さんの
あとがきの言葉です。

個人的には、リクルートの公式な社訓から、
この言葉が外されているのが残念です。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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応援される会社 熱いファンがつく仕組みづくり

満足度★★★
付箋数:25

「応援する」という行為は昔からありました。

しかし、近年、その応援の仕方や応援する対象が
変わってきました。

どのように、「応援」は変わってきたのか?

  「それは、一般の人たち、つまり消費者が、
  自ら率先して行動を起こしているということだ。
  単にモノを買って生活する受け身の存在ではなく、
  自発的に声援を送り、助けようとしている。
  AKB48の総選挙や応援消費は、 “購入” では
  あるが、そこには、購入を通して、応援をしたい
  という自発的な行為がある。」

応援は、1つの経済の新しい形として、
私たちの生活に浸透しつつあります。

その応援経済が、進んだ背景には2つの理由が
挙げられます。

1つ目は、インターネットの普及、
特にSNSの普及が大きく影響しています。

SNSの登場によって、それまで単に情報の
受け手だったファンが、自分たちで積極的に
情報を発信して、ファン同士をつなげ、
応援の輪を広げられるようになりました。

2つ目は、消費者の関心が「モノ」から
「コト」へ、さらに「参加」へと変わってきた
ことにあります。

消費者が「参加」することが文化になり、
経済活動に影響を及ぼすようになっています。

さて、本書は、「応援」する顧客心理を分析し、
それをマーケティングに活かすための本です。

著者は、上智大学経済学部経営学科教授の
新井範子さんと、東京富士大学経営学部教授の
山川悟さんの2人です。

まず、本書では、応援を次のように定義します。

  「対象に対して、プラスの感情(好意)から、
  行動すること」

強い気持ちがあれば、思っているだけでなく、
何か行動を起こしたくなります。

そこで、心のなかで思っているだけでなく、
何か行動を起こすことを応援と捉えます。

そして、応援されるブランドを5つに分類します。

1. 崇拝型応援タイプ
 ~時代の先鋒として道を切り開く存在~

 イチロー選手、三浦知良選手、矢沢永吉さん、
 羽生善治永世七冠、村上春樹さんなど。

 ブランドとファンとの関係は「カリスマ」と
 「信者」という関係になります。

2. 愛着型応援タイプ
 ~手に届きそうな距離感を保つ~

 「地元」「馴染み」「昔からのつき合い」
 「幼いころの・若い頃の思いで」から応援
 されるタイプ。

 高校野球の地元校の応援や、Jリーグ、
 芸能人では博多華丸・大吉さん(福岡県)や
 サンドウィッチマンさん(宮城県)など。

3. 同志型応援タイプ
 ~同じ目標の下、顧客と共に闘う~

 プロ野球の中でも、広島東洋カープの
 応援姿勢は、他球団とは一線を画する
 独特の「熱さ」があります。

 それはカープを応援するというレベルではなく、
 カープと共に闘うという立場のものだからです。

4. 共歓型応援タイプ
 ~自らが楽しむ姿勢を貫く~

 企業やブランドが顧客と同一の世界観を
 共有し、「一緒に遊ぶ」「一緒に楽しむ」
 ことでファンを拡大させていきます。

 東北地方を中心に活動する、地域密着型の
 プロレス団体、みちのくプロレスがその典型。

5. 賛助型応援タイプ
 ~可能性と脆弱さとが魅力的なブランド~

 手を差し伸べたい、育ててあげたいと思わせる
 弱さゆえの強さがあります。

 会いに行けるアイドル、AKB48などのグループは、
 その未完成さも魅力の1つです。

本書では、これら5つの応援されるブランドから、
共通項を導き出し、マーケティングにおいて
必要な条件をまとめています。

実際にマーケティングで活用できるかどうかは
別として、「応援経済」を読み解くだけでも
十分に楽しめる本だと思います。

  第1章 なぜ今、「応援」を考えるのか
  第2章 応援経済が進行している
  第3章 応援されるブランドの類型と特徴
  第4章 応援される会社「4つの必要条件」
  第5章 応援を味方につける方法

この本から何を活かすか?

本書のケースインタビューの1つとして、
2016年12月30日の朝日新聞朝刊に掲載された
「SMAP大応援プロジェクト」が紹介されて
いました。

これは3人のSMAPファンが、
SMAPの解散を受けて企画したものです。

クラウドファンディングで4000万円を集め、
SMAPの曲名と、これからもずっと応援していく
というメッセージを掲載したものです。

この広告は2017年の新聞広告賞の優秀賞を
獲得しました。

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| マーケティング・営業 | 05:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜアマゾンは「今日中」にモノが届くのか

満足度★★★★★
付箋数:27

  「さて、ここまで、アマゾンの物流戦略と、
  それを支えるアマゾン式ロジカル経営の
  3つの柱、人材戦略などを紹介してきました。
  アマゾンがどのように、ネット通販事業の
  世界を変え、物流の世界を変えてきたのか、
  そして、その裏にあるアマゾン独自の戦略や
  考え方がおわかりいただけたかと思います。
   “真実の姿がよくわからないので恐い” 
  という存在だったアマゾンが、より身近に
  感じられるようになったでしょうか。
  それとも、知る前よりもさらに恐ろしい
  存在になったでしょうか。」

本書は、中途半端な気持ちで読んでは
いけない本かもしれません。

ビジネスを真剣に行っている人であれば、
本書でアマゾンのことを知れば知るほど、
間違いなく、より恐ろしい存在に感じると
思います。

本書は、過去に刊行されているどんな
アマゾン本よりも詳しく、その物流システム
について解説しています。

しかし、その仕組みがわかっても、
「これは真似できない」と完全に白旗を
揚げることしかできないかもしれません。

本書の著者、林部健二さんは、元アマゾン
ジャパンのSCM(サプライチェーンマネジメント)
のマネージャー。

アマゾンジャパンの立ち上げから参画し、
サプライチェーン部門とテクニカルサポート
部門で責任者を務め、その躍進に貢献した方です。

  「ここ数年、アマゾンに関する書籍や雑誌の
  特集などが多くでていますが、アマゾンを
  内部から知っている私からすると、
  そのほとんどは表面的にアマゾンのサービスや
  施策を取り上げているだけで、結局
   “アマゾンはすごい” で終わってしまっている
  ように思えます。これでは、アマゾンの本当の
  強さはわからない、日本企業が参考にする
  こともできない、と感じたのが、本書の出版を
  思い立ったきっかけです。」

実際に、本書は他のアマゾンに関する本が、
「子供騙しだった」と思えるぐらい詳しく、
アマゾンの物流の仕組みを公開しています。

物流に関する、アマゾンの秘密がわかっても、
そこにつぎ込むリソースが圧倒的すぎて、
日本企業は戦意を喪失するレベルだと思います。

日本の企業がアマゾンに匹敵するような
物流システムを作れない理由は2つあります。

1つは、物流に大きな投資ができないこと。

通常の会社では、「倉庫」はコストセンター
と位置づけ、コストダウンを目指します。

結果、既存の倉庫をそのまま使ったり、
改修して使うのがのが一般的です。

しかし、アマゾンは倉庫こそが、
商品を安く速く届けるための「要」と考え、
尋常ではない額の設備投資を行います。

どんどんハイテクを導入し、無線を飛ばし、
機械でモノを運ぶ仕組みを作り上げました。

もう1つの理由は、人材への投資です。

日本の企業では、物流を管理するために
高い給料を払って優秀な人材を集めるという
発想がありません。

しかし、アマゾンは物流にこそMBAを取得した
経営やシステムがわかる優秀な人材を採用して
投入します。

そもそも、今のアマゾンの倉庫運営と物流も
マサチューセッツ工科大学の大学院でMBAと
工学修士を取得したジェフ・ウィルケさん
という人物が、他の優れた科学者たちを集め、
構築したものです。

アマゾンの倉庫内の動きを様々な指標により
分析し、どこの倉庫に在庫を置けばいいか、
注文をどこの倉庫で対応すべきか、複数の商品を
どう組み合わせて梱包するのが効率的かなどを
自動で判別するアルゴリズムを開発したのです。

また、本書ではアマゾン流の緻密なデータに
基づくロジカルな経営についても解説します。

この部分だけを見ても、日本の企業が
そう簡単にアマゾンに太刀打ちできるようには、
思えませんでした。

この本から何を活かすか?

アマゾンには、高い人材を採用する独自の
「バーレイザー」という仕組みがあります。

これは、採用の拒否権を持つ人で、
「基準を上げる人」を意味します。

バーレイザーの選ばれるのは、人を見る目があり、
過去に優れた人材を採用した実績がある人。

採用の部門長がYesと言っても、
社長がYesと言っても、バーレイザーがNOと
言えば、その人物は採用しないようです。

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| 経営・戦略 | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方

満足度★★★★
付箋数:25

少子化と、若者の車離れが進んでいることで、
自動車教習所はどこも、生徒数が徐々に
減っている状況です。

そんな中で、この5年ぐらいで生徒数が
急増している自動車学校があります。

メディアに取り上げられる機会も多いので、
聞いたことがある方も多いかもしれません。

その自動車学校とは、三重県伊勢市にある
「南部自動車学校」です。

なぜ、南部自動車学校は生徒数が急増
しているのか?

それは、2013年2月から
「ほめちぎる教習所」へリニューアルし、
「生徒をほめてほめてほめちぎる」指導に
切り替えたからです。

従来の自動車学校のイメージは、
「叱られて」自動車の運転技術や
交通ルールを学ぶというものでした。

学校側も車の運転は命がかかっているので、
中途半端な教え方をすれば、事故を起こし、
生徒も指導員も不幸になると考えていました。

マジメで熱心な指導員ほど、生徒を厳しく
叱って指導する傾向がありました。

南部自動車学校が「ほめちぎる教習所」へ
リニューアルすると発表した当時は、
「甘い教え方では安全は守れない」、
「やめたほうがいい」、「うまくいきっこない」
などたくさんの人から反対されたようです。

しかし、「ほめちぎる教習」を導入した結果は、
周囲の心配とはまったく違ったものでした。

まず、免許を取る人の数が年々減少する中で、
生徒数が大きく増え始めました。

それだけでなく、「ほめる」教習の実施で、
免許の合格率も2014年から年々上昇しました。

更に、安全面においては、同自動車学校の
卒業生の事故率が半数近くまで減少しました。

この「ほめる」メソッドがもたらす影響は、
生徒たちだけではありません。

教える側の指導員にもいい影響を与えました。

・仕事に積極的に取り組む指導員が増えた。
・自動車学校全体の雰囲気が良くなった。
・仕事のストレスで心を病む指導員が減った。
・職員の離職率も減った。

このような南部自動車学校の成功を受け、
他の地区でも「ほめちぎる教習」を導入する
教習所が増えてきています。

また、メディアで取り上げられたことで、
異業種の企業や、PTA、大学、地元の主婦の方
まで、多くの方が見学や研修に来るように
なったようです。

南部自動車学校の行う「ほめちぎる教習」とは、
ただ「すごい」「すばらしい」と言い続けたり、
心にもないお世辞を言う指導ではありません。

ほめるのは、生徒の成長を促すため。

従来の「叱る」教え方は、「基準に達していない
ところを指摘する」上から目線の指導でした。

これに対して「ほめる」教え方は、
「今どれくらい基準を満たせているかを知らせる」
同じ高さの目線からの指導です。

「ほめる」は生徒の承認欲求を満たし、
それを素直に表現するものなのです。

実は、最近に若い人ほど、この承認欲求は高く、
「ほめる」ことの効果があるようです。

本書は、南部自動車学校の「ほめちぎる教習」の
ノウハウを他の業種でも活用できるように
公開した本です。

著者は、同自動車学校代表の加藤光一さんです。

本書の監修を『学年ビリのギャルが1年で
偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

で知られる坪田信貴さんが担当しています。

「ほめる」ことがいいとわかっていても、
なかなか簡単には、人をほめられないものです。

本書では、私たちの心理的構造から、
実際にどのように「ほめる」習慣を導入し、
何と言って「ほめる」かの実践例まで
細かく解説します。

この本から何を活かすか?

本書には巻末には、「ほめちぎる教習所」の
イチオシ「ほめ方10選」が紹介されていました。

  1. すぐほめ:すぐその場でほめる
  2. 最初ほめ:初対面のときにほめる
  3. 原因ほめ:原因を理解したことをほめる
  4. 拡大ほめ:小さなことに目をつけてほめる
  5. 比較ほめ:ほかと比較してほめる
  6. プロほめ:もうプロレベルだよとほめる
  7. 質問ほめ:いい質問だねとほめる
  8. 第三者ほめ:第三者がほめていたと伝える
  9. つぶやきほめ:あえて抑えた言い方で伝える
  10.ほめきり:最後はほめて終わる

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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