活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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炎の牛肉教室!

満足度★★★★
付箋数:26

  「多くの人は意外なほど、牛肉のことを
  識らない。または誤解している。
  そう言うと驚く人もいるだろう。
  しかし、これから僕が書いていくことを
  読めば “なるほど!” と思えるはずだ。
  まずは、ふだん食べている身近な牛肉に
  ついて、 “当たり前” と思っていることが、
  実はそうではなかったのだと驚いて
  いただこう。」

本書は、牛肉をもっと面白く、
そして美味しく味わうための本です。

著者は、農畜産物流通コンサルタントで
農と食のジャーナリストの山本謙治さん。

本書では、生き物としての牛がわからなければ、
牛肉を理解することができないとして、
まずは、日本で飼育されている牛のことから
始めて、私たちの様々な誤解を解いていきます。

最初に山本さんが、私たちに投げかけるのは、
「あなたは、自分の好きな牛肉の “品種” を
知っていますか?」という問です。

実は、私たちがよく耳にする「松阪牛」や
「飛騨牛」といった名称はブランド名であって、
牛肉の品種ではありません。

牛肉は大きく分けると、肉にする「肉用種」と
乳を絞るための「乳用種」に分けられます。

そして、私たちが高いお金を払うことを
厭わない「和牛」にも4種類あります。

「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」
「無角和種」の4品種をまとめて和牛と
呼びます。

この黒毛和種が、いわゆる「黒毛和牛」ですが、
「黒毛和牛=高級」となった背景には、
牛肉の輸入自由化から、日本の畜産を守ろう
とする思惑がありました。

  「欧米で生産される肉のほとんどが赤身中心
  の肉である。ならば日本の牛の基準を霜降り
  度合いを重視するものにしてしまおう。
  そうすれば、黒毛和牛に勝てる霜降りを
  もつ輸入肉などないのだから、多くの日本の
  牛肉農家を守ることができる。」

そして、山本さんは、私たちが思い込んでいる
「A5の牛肉=美味しい」という常識を覆します。

「A5」という格付けが、日本の牛肉において、
最高級であることは間違いありません。

しかし、それは「美味しさ」を表す指標では
ないようです。

「A5」というのは、歩留まりが「A」で、
肉質が「5」という牛肉の格付けです。

歩留まりはA・B・Cの3段階で、1頭から取れる
量が最も多い評価がAとなります。

肉質は、脂肪交雑、肉の色沢などの総合的な
判断で5段階で評価されます。

この中で最も重視されるのが、脂肪交雑で、
「サシが入っている」割合を評価する、
いわゆる霜降り度合いです。

肉質が「5」は、霜降り度合いが
最高に高い評価です。

しかし、ここで重要なのが、サシの多さが、
美味しさにつながるわけではないということ。

逆にサシが多くなりすぎると、うま味成分である
蛋白質に由来する遊離アミノ酸が減ってしまい、
美味しくなくなってしまいます。

もちろん、A5の肉の中にも美味しいものが
ありますが、A5だからといって美味しいとは
限らないようです。

  「食肉関係者が集まる懇談会などでA5の肉が
  供されると、そこにいる誰もが、 “おおっ、
  いいサシだね!”  “小ザシがみごとだね!” 
  と評価するのだが・・・それを喜んで
  口にする人をあまり見かけない。
  それどころか “食べるならA3くらいが
  いいよね” という人のほうが体感的に多い。」

本書の巻末には、本当に美味しい牛肉を
販売していたり、食べられるお店のリストが
掲載されています。

本書には、薄っぺらなブランド志向はなく、
山本さんの牛肉愛が溢れています。

本当に肉好きなら絶対に読んでおきたい
必読書だと思います。

この本から何を活かすか?

本書には、牛肉の味を決める「方程式」が
示されていました。

  (牛の品種×餌×育て方)×成熟=牛の肉の味

スーパーマーケットに並ぶ牛肉が、
あまり美味しくないのは、最後の「成熟」に
問題があるからのようです。

スーパーでは、見た目の鮮やかさを気にするので、
成熟期間を長くとらないのが一般的だから。

スーパーより、路面店として個人経営している
老舗の精肉店の方が、しっかり肉を成熟させて
販売していることが多いようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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