活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年02月

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アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者

満足度★★★★
付箋数:26

本書は、世間の「ビットコイン」ブームに、
冷水を浴びせる一冊です。

  「著者の結論を先に言えば、ビットコインは、
  通貨のあり方を根本から変えるといった
   “次世代通貨” にはならないのではないか
  と考えています。これは、仮想通貨がすぐに
  使われなくなるということを言っている
  のではなく、それなりの存在として存続
  したとしても、金融のメインストリーム
  としての存在にはなりえないだろうと
  いうことです。」

では、ビットコインのリスクだけに注目した
批判本なのかというと、それが目的の本では
ありません。

本書の主たる目的は、ビットコインの
技術を支える「ブロックチェーン」について
解説することです。

ブロックチェーンとは、分散型台帳技術のことで、
一部では「インターネット以来の発明」とも
言われています。

もともとは、ビットコインを支える中核技術
として開発されましたが、現在では、
仮想通貨とは切り離して、独立した技術として
利用が進められようとしています。

「ブロック」と呼ばれる取引データの固まりを
一定時間ごとに生成し、時系列的に鎖
(チェーン)のようにつなげていくことで、
データを保管するデータベース技術です。

ブロックチェーンの技術が重要視されるのは、
銀行や証券会社などがこれまで手がけてきた、
金融のメインストリームに革新を起こすことが
見込まれているからです。

実際に国内外の政府や中央銀行によって、
すでにブロックチェーンを使った多くの
実証実験が行われています。

この技術を使うと、高くて遅かった国際送金が
早くて安い国際送金に生まれ変わります。

また、証券決済もブロックチェーンが
利用されることが見込まれる分野です。

現在は中央集権型で証券決済が行われて
いますが、ブロックチェーンを使うと
分散型帳簿によって管理することができます。

分散的に残高を管理する体制に変われば、
決済時間は短縮され、コストも削減される
ことが期待されています。

そして、本書でブロックチェーンに関して、
もう1つ取り上げているテーマは、
世界の中央銀行自体が「デジタル通貨」を
発行しようとしている動きがあることです。

ビットコインなどが「私的なデジタル通貨」
であるのに対し、中央銀行が発行しようと
しているのは、「公的なデジタル通貨」です。

著者の中島真志さんは、これまでの貨幣の
歴史を振り返ってみると、中央銀行が
デジタル通貨を発行するのは「歴史の必然」
であると説明しています。

なぜなら、貨幣は歴史上で、その時々に
利用可能な素材により、当時の最先端技術
を使って作られてきたからです。

貨幣は常に偽造されるリスクに直面して
きたので、ここにきてブロックチェーンの
利用を各国の中央銀行が検討しているのは、
当然の流れなのです。

本書は、ビットコインはもう終わったと
言わんばかりのタイトルですが、
世間の過熱気味なビットコインブームから、
真に金融に革命を起こす技術である
ブロックチェーンへ視野を広げる本です。

技術的な解説も、非常にわかりやすく、
ビットコイン礼賛本とバランスを取る意味でも、
個人的には読んで良かった本です。

 序章 生き残る次世代通貨は何か
 第1章 謎だらけの仮想通貨
 第2章 仮想通貨に未来はあるのか
 第3章 ブロックチェーンこそ次世代のコア技術
 第4章 通貨の電子化は歴史の必然
 第5章 中央銀行がデジタル通貨を発行する日
 第6章 ブロックチェーンによる国際送金革命
 第7章 有望視される証券決済への
    ブロックチェーンの応用

この本から何を活かすか?

ビットコインは、中国の3つの取引所の
取引高が、9割以上のシェアを占めています。

「中国人がマイニングして、中国人が売買し、
中国人が保有するビットコイン」の状態。

これは新しいビットコインがもらえる
マイニングが強力なインセンティブとして働き、
中国の採掘集団による寡占が進んだ結果です。

中島さんは、こうした上位1%の人が
全体の9割のビットコインを保有している
状態も、通貨としては健全な状態ではない
と指摘しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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