活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年02月

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ACTION! トヨタの現場の「やりきる力」

満足度★★★
付箋数:23

  「同じ事象が起こっても、捉え方は人それぞれ
  です。その “ものの見方” や “捉え方” が
  異なる時点で、その後の人生が大きく変わる
  のではないかと思います。
  この本で書いたようなActionの考え方を
  常に意識することで、 “ものの見方” は
  変わっていくはずです。 “ものの見方” が
  変われば、行動が変わります。
  行動は習慣になり、性格として定着します。
  その性格は運命を変え、人生が変わって
  いくのです。」

本書の著者、原マサヒコさんは、
はじめは神奈川トヨタ自動車に
現場のメカニックとして入社しました。

トヨタの現場で、独自のカイゼン手法や
PDCAなどのActionを叩き込まれ、
現在は独立し、Webマーケティングの会社を
経営している方です。

本書では、トヨタの現場で学んだ4つのAction
について解説します。

1つ目のActionは「行動力」。

結果を出すためには、実際に行動するしか
ないので、一番の成功の秘訣は、
理論よりも、「まず動く」ということです。

トヨタでは、「巧遅より拙速」という
発想が基本で、完璧より完了を目指します。

また、指示1つとっても「SMARTの法則」で、
具体的に伝えられます。

「ネジをしっかり締めろ」などの抽象的な
表現は使われず、「105N・mで締める」など
具体的に数値が入った指示が出されます。

2つ目のActionは「振る舞い」。

結果を出す人は、普段の振る舞いが違います。

運やツキも、入念な準備をして迎え入れる
体制を整えているからこそ巡ってくるのです。

また、トヨタの現場で、何かトラブルが起こった
ときには、「人を責めるな、仕組みを責めろ」
という社風があるようです。

これは人材育成にもつながりますし、
同時に再発防止にもなる考えですね。

3つ目のActionは「作用」。

自分の力を最大限作用させるために、
本来の目的を明確化します。

考えることを諦めて「ルールだから」と
諦めてしまうことはしません。

ここで出てくるのがトヨタで有名な
「なぜ5回」の考え方です。

問題発生時にモグラ叩きをせずに、
根本的な問題を正確に把握するために、
なぜを5回繰り返します。

4つ目のActionは「カイゼン」。

さらに成長するために、カイゼンは必要です。

これはPlan、Do、Check、ActionのPDCAを
回すことに他なりません。

目の前の仕事に対して、「もっと良くしよう」
とカイゼン活動することこそが仕事です。

ですから現場の作業で、言われた通りに
やっただけでは、仕事とはみなされません。

逆に「お前、言われた通りにやって
どうすんだよ・・・」と怒られることも
あるそうです。

自分の頭を使って、以前よりも少しでも
いい状態にすることを常に考えることこそが
重要だと叩き込まれるのです。

本書で解説されている4つのActionは、
誰でも身につけることができる行動習慣で、
言わば一種の技術です。

この4つの技術は、どんな業界や職種
であっても使えると思います。

それは、原さん自身が全く畑違いの業界で
起業し、成功ていることで証明しています。

この本から何を活かすか?

リーダーやマネジャーは、部下から力を
引き出すために、自らが「助けられやすい人」
になることも必要です。

本書では周囲から助けを得る5つのポイントが
紹介されていました。

  1. 話を聞くための姿勢と空気を作れ
  2. ジャッジをしないこと
  3. 尋問や詰問をしてはいけない
  4. 何ができるかを一緒に考えてあげること
  5. 自分を頼りにしてくれたことへの感謝を

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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脳が認める外国語勉強法

満足度★★★
付箋数:25

ダイヤモンド社の上村さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「学習の最大の敵は “忘れること” であり、
  これを何とかしないといけない。
  忘れることなく外国語を見事マスターするには
  どうすればいいのか?(中略)
  その方法をこの本でお教えする。
  学んだことを忘れなくなれば、外国語を実際に
  使えるようになる。また、何を覚えるべきかも
  明らかにするので、学習を始めて戸惑うことも
  ない。それと同時に、未知の音を聞き取れる
  耳に変え、未知の音やアクセントを発音できる
  舌に変える方法についても触れる。
  言語の構造や、思ったことを言葉にするときの
  文法の役割についても見ていき、いちいち
  母国語に訳して時間をムダにすることなく
  思ったことを外国語で口にする方法についても
  見ていく。」

本書は、英語を母国語とする著者が書いた、
効果的な外国語の学習法を解説する本です。

多くの日本人が求めている「英語学習」の方法が
ストレートに書かれている本ではありません。

しかし、本書は「脳の忘れる性質」に対処する
学習法を示しているので、何語の学習であっても
有効だと思います。

著者の、ガブリエル・ワイナーさんの本業は
語学学習の専門家ではなく、オペラ歌手です。

オペラ歌手として、忙しい毎日を送りながら、
ドイツ語、イタリア語、フランス語、ロシア語
などをマスターし、本書の土台となるメソッドを
見つけました。

15カ国以上の言葉を操ったとも言われる
ハインリッヒ・シュリーマンさんの
「現代版」と言ってもいいかもしれません。

ちなみに、シュリーマンさんは、ギリシャ神話
に出てくる伝説の都市トロイアが実在することを
発掘によって証明した方です。

実際に、シュリーマンさんの外国語習得法と
本書でワイナーさんが示す方法には、
いくつもの共通点があります。

ワイナーさんが示す、最速で外国語を学ぶための
ポイントは以下の3つです。

  カギ1 発音を最初に学ぶ
  カギ2 翻訳しない
  カギ3 SRSを使う

3つ目の「SRS」とは、分散学習をシステム化
するツールのことです。

また「分散学習」とは、 一定の間隔をあけて
何度も同じことを復習することで、
学んだことを忘れにくくする学習法です。

具体的には、暗記ソフトとして有名な「Anki
というフラッシュカードを使って、
繰り返し学習して、記憶へ定着させます。

ここで重要なのは、フラッシュカードは
作った本人にしか効果がないということです。

他人が作ったフラッシュカードで勉強しても
あまり効果がなく、時間の無駄になります。

そこで本書の後半では、「Anki」を使った
カードを自作する方法を詳しく解説しています。

PCやスマホで作るフラッシュカードなので、
自作する手間はかかりますが、記憶のフック
となる音声や画像を貼り付けられるので、
高い学習効果が得られるのです。

語学学習で大きな障害となるのは、
学習を継続することです。

SRSの学習では、やればやるほど
快感になるので、無理せず続けることが
できるようです。

  「学習によって脳内に分泌されるホルモンは、
  人をいい気分にさせる。その体験を重ねて
  いけば、通勤電車に座ったとたん、手が自然と
  フラッシュカードに伸びるようになる。」

本書の学習法は一定の手間はかかるものの、
脳の機能に即した学習方法だと思います。

この本から何を活かすか?

「エビングハウスの忘却曲線」は記憶の分野で
非常に有名なので、聞いたことがある方も
多いことでしょう。

これはヘルマン・エビングハウスさんが
1885年に発表した研究で、「実験心理学史上、
単独で実施された最も素晴らしい調査」
と言われています。

ところで、エビングハウスさんは、
どのようにして忘却曲線を発見したのか?

忘却曲線の発見には、私たちの想像を超える、
地味で時間のかかる努力が必要でした。

エビングハウスさんは、Guf、Ril、Zhikなどの
無意味な音節を覚えるまでにかかった時間と
忘れるまでの時間、そして再度覚え直してから、
また忘れるまで時間を、ひたすら記録しました。

部屋に1人座ってメトロノームを鳴らしながら
頭痛や体調に異変が起こる状態になるまで、
無意味な音節を600万回以上唱えたそうです。

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| 勉強法 | 05:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ものの見方が変わる 座右の寓話

満足度★★★
付箋数:22

  「はじめてラクダを見た者はこの未知なもの
  から逃げ出した。二度目に見た者は近づいた。
  三度目に見た者は勇気を出して、ラクダに
  つける面繋をつくった。
  慣れるということは、こんなふうに、
  すべてをなんでもないものにする。
  恐ろしく奇妙に見えたものも、続いてやって
  くると、私たちは見慣れたものとなる。

  さて、ついでにもう一つ。
  見張りに立たされた人たちが遠くから海上に
  なにかを見て、あれは強力な軍艦だ、
  と言った。しばらく経つと、あれは火船、
  ということになった。ついで、小舟、
  ついで雑嚢となり、最後に水に浮かぶ
  棒きれになった。」

これは、「すべての道はローマへ通ず」
などの格言で知られる、17世紀フランスの詩人、
ラ・フォンテーヌさんが作った寓話です。

前半のラクダの話も、後半の軍艦と棒きれの
話も、「ぱっと見は◯◯だけど、よく見ると
××だ」という話しです。

ここでの「よく」には2つの意味があって、
「何度も見る」という意味と、
「遠くではなく近くで見る」という意味です。

前半の話は、ラクダは一見すると恐ろしげで
奇妙な生きものだが、慣れてくると、
愛嬌があって、かわいい生きものに思えてきます。

要するに、初見は当てにならないということ。

後半の話は、最初、軍艦に見えていたものが、
近づくにつれ「火船?」「小舟?」「雑嚢?」
「何だ、棒きれか!」という話です。

要するに、遠目は当てにならないということ。

本書は、「学校の授業」や「会社の朝礼」
などで使える話材として77の寓話をまとめた
ものです。

そのため長い寓話であっても、2分程度で
話せるように要約されています。

各寓話は1~2ページに収まっていて、
著者の戸田智弘さんの解説がその後に
2~3ページ続く構成です。

ところで、なぜ、寓話は必要なのでしょうか?

戸田さんは、次のように寓話の目的を
説明しています。

  「寓話の目的は教訓や真理を伝えることであり、
  お話そのものはそれらを届けてくれる
   “運搬手段” である。別の言い方をすると、
  寓話においては教訓や真理こそがその核であり、
  お話はそれらを包みこむ “外皮” である。
  なぜそのような二重構造をとるのか。
  教訓は苦く、真理は激しいので、そのままでは
  食べられない。ならば、楽しいお話で教訓や
  真理を包んで読者に届けようというわけだ。
  教訓や真理は抽象的であるのに対して、
  お話は具体的で動きを持っている。
  寓話の読み手や聞き手は登場人物や動物と
  同化し、お話の中に巻き込まれていく。
  面白さに気をとられているうちに、
  いつの間にか人間や世界、人生について
  認識が深まっていくのである。」

本書で紹介されている寓話は、イソップ寓話
から世界の古典まで、よく知られたものも
多くありますし、初めて聞く寓話もありました。

また、その解釈も昔から言われている
内容に加え、戸田さんが新しい解釈を
加えたものもあります。

個人的には、77の寓話を一気に読むよりも、
毎日、1つずつ読む方が、余韻を味わえ、
じっくりと心へ染み込む時間が取れるので
いいように思えました。

この本から何を活かすか?

本書からもう1つ、「ヤゴとトンボ」
の寓話を紹介します。

  「ある深い池にヤゴが住んでいた。
  彼らは不思議に思っていた。
  百合の枝をつたって水面にのぼっていった
  友だちは、なぜ誰も帰ってこないのだろう。
  そこで彼れは相談した。
   “次に誰かが水面に上がったら、
  必ず戻ってきて、何が起こったのかを
  話してくれ。約束だよ” 。
  すぐに、仲間の一人が強い力を感じた。
  彼は百合の葉にたどり着き、そこで美しい
  トンボに変身した。
  そのことを伝えようと、彼は池の水面を
  飛び回った。けれど、ヤゴたちは誰一人として、
  その美しい生き物がかつての仲間の一人
  だとは気づかなかったのだ。」

本書では、この寓話に「自分は死んだら
どうなるのか」という「死生観」を加えて
解説しています。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゾーン 最終章

満足度★★★
付箋数:23

  「最高のトレーダーが間違えても恐れないのは、
  個々のトレードで予測が当たることが成功の
  カギではない、という信念で動いているからだ。
  最高のトレーダーは毎回、自分の予測が当たる
  とは思っていない。当たる予測と外れる予測が
  どういう順番で現れるかはランダムで
  予測できない、と純粋に信じているからだ。」

シカゴのトレーダー養成機関、トレーディング
・ビヘイビアー・ダイナミック社の社長で、
相場心理学のパイオニアとして有名だった
マーク・ダグラスさん。

「有名だった」と過去形なのは、2015年9月12日、
アリゾナのスコッツデールにある自宅で
ダグラスさんは亡くなったからです。

享年67歳。

ダグラスさんは、1980年代に未知の分野だった
トレード心理学を開拓し、日米でロングセラー
になった『ゾーン』と『規律とトレーダー』の
2冊の本を刊行しています。

ちなみに、「ゾーン」とは、トレードに
成功するために不可欠な心理状態のことです。

ダグラスさんの著書は、ウォートン・スクール
をはじめ、多くの米大学院の授業で使われる
投資心理学の古典になっています。

本書は、ダグラスさんが書き残した原稿を
妻のポーラ・ウェッブさんが電子出版した
「The Complete Trader」を邦訳したもの。

ウェッブさんは、単にダグラスさんの配偶者
だっただけでなく、行動ファイナンスの
コーチでもありました。

ダグラスさんの生前は、二人三脚で
トレーダーに相場の啓蒙や心理面での
サポートを行っていたようです。

現在では、ダグラスさんの意思を継いで、
paulatwebb.comを運営しています。

序文では、ウェッブさんとダグラスさんの
出会いの回想から始まり、若干のろけ話が
入りますが、そこは故人を偲んでいるので、
やむを得ないところでしょうか。

遺稿といっても、足りなかった部分は
ウェッブさんが補っているので、
相場心理学の集大成の本としては
上手くまとまっていると思います。

むしろ『ゾーン』よりも具体例が多く、
本書の方がわかりやすいかもしれません。

また、各部の最後には読者への質問が
載っているので、その質問でより一層の
理解を深めることができます。

トレードで成功を収めるためのカギは、
マーケット情報の分析や最新型のシステム
ではありません。

投資家自身の心理の強化こそが最も重要
であるという、ダグラスさんの信念が、
本書でも貫かれています。

  「トレードで成功したいすべての人に
  本書をささげます。ポーラと私はあなたの
  成功を手助けするために、生涯を通して
  得た専門知識とトレード経験を、
  四部から成る本書で公開しています。
  自分を高めるために一歩踏み出せば、
  トレードであなたの素晴らしい目標を
  達成できるでしょう。」

自分で裁量トレードを行わない、
システムトレードが隆盛になった現代に
おいては、投資心理学は不要と考える
方もいるかもしれません。

しかし、システムトレードであっても、
売買を設定する・続ける・止めるを
判断するのは人ですから、人の心理に
左右される余地は十分に残っています。

ダグラスさんが本書で遺してくれた、
長く成功するトレーダーになる心構えは、
今日でも有効だと思います。

この本から何を活かすか?

ダグラスさんは、トレードで着実な成果を
生み出すために必要なスキルを大きく3つに
まとめています。

  第1スキル 客観的な認識
  第2スキル シグナルの確実な執行
  第3スキル 冷静な資産の積み重ね

そして、「冷静な資産の積み重ね」を行う
ためには、トレード日誌をつけることの
重要性を説いています。

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| トレード | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生100年時代の国家戦略

満足度★★★
付箋数:24

自民党の政務調査会「財政再建に関する
特命委員会」の下に置かれ、2016年2月に発足
した「2020年以降の経済財政構想小委員会」。

委員長代行の小泉進次郎議員を中心に、
自民党の20人の若手議員が、2020年以降の
人生100年時代の国家戦略を議論しました。

通称、「小泉小委員会」。

本書は、この小委員会に民間オブザーバー
として参加した藤沢烈さんによる、
500日の激闘をふり返るドキュメンタリー。

この小委員会は、2015年の冬に、高齢者への
バラマキ政策に対して、小泉議員を含む
若手議員が反対したことからスタートしました。

主なメンバーは以下の通りです。

まずは、将来の総理大臣としても呼び声の高い、
小泉進次郎・衆議院議員。

言わずと知れた、小泉純一郎・元首相の次男で、
1981年4月生まれで、2017年時点で36歳。

ジョン・F・ケネディさんを尊敬し、
「意思あるところに道あり」を座右の銘
としています。

世間が持つスマートなイメージとは違った、
愚直で泥臭い一面も持っているようです。

次に、小委員会の事務局長を務めた
村井英樹・衆議院議員。

1980年5月生まれの、2017年時点では37歳。

小委員会では多くの提言を執筆した、
元財務官僚の理論派です。

しかし、その一方で議論が白熱すると、
感情がほとばしる熱血漢でもあるようです。

3人目のキーマンは、小委員会で事務局次長を
務めた小林史明・衆議院議員。

1983年4月生まれの、2017年時点で34歳。

温厚で控えめですが、芯が太くて強く、
議論が白熱すると、まとめ役に徹しました。

メディア戦略の立案ではその手腕を
遺憾なく発揮したようです。

小委員会での3人は、年齢の順番の通り、
村井議員が長男、小泉議員が次男、
小林議員が三男という役回りだったようです。

この小委員会は「レールからの解放」基本方針
として、そこから「厚生労働省分割案」、
「人生100年時代の社会保障へ」、「こども保険」
の3つの提言を党に提出しました。

レールからの解放の「レール」とは、
年齢を軸とした画一的な生き方のことです。

受験に始まり、新卒での就職、
毎日休みなく働き続け、結婚して子どもを持ち、
定年後は余暇を過ごす。

これまでの日本社会では、20年学び、
40年働き、20年休むという人生こそが、
普通で幸せな生き方とされてきました。

全員がこの一本道を歩く前提で社会制度が
作られてきた面があります。

レールから外れても、自由に生きていける
社会の仕組みを作ることを目指しました。

チャレンジしてもやり直しがきく社会で、
若い世代が希望が持てるビジョンを示します。

このレールから外れる議論は、「自由」を
取るか、「安心」を取るかという議論です。

どちらを優先するかは、その人の人生観や
社会観によって意見が別れます。

簡単に結論が出ないからこそ、
議論のテーマとしては興味深いですね。

この小委員会から出てきた3つの提言には、
賛成する人も反対する人もいるはずですが、
若い政治家のドキュメンタリーとしては、
本書は非常に面白いと思います。

藤沢さんが、メンバーとして一緒に走った
からこそ書ける、リアルな激闘の記録です。

  序章 異議あり
  第1章 レールからの解放
  第2章 人生100年時代の社会保障
  第3章 こども保険をつくる
  終章 骨太の方針

この本から何を活かすか?

「こども保険」とは、子どもが必要な保育、
教育などを受けられないリスクを社会全体で
支えるもの。

保育・教育無償化の財源として、
現在の社会保険料に上乗せして資金を
集める仕組みです。

これにも当然、賛否両論ありますが、
前大阪市長・元大阪府知事の橋下徹さんは、
「就学前児童問題は地方の仕事だ」として
反対していましたね。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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金持ち父さんのこうして金持ちはもっと金持ちになる

満足度★★★
付箋数:21

  「1967年、人々は貯金することで金持ちに
  なれた。たとえば100万ドルの貯金があれば
  15%の金利がつき、利子は年間15万ドルだった。
  当時は年に15万ドルあれば十分にいい暮らしが
  できた。今日、状況は大きく変わった。
  いま、100万ドルの貯金があっても、
  金利2%だとして利子は年間2万ドルだ。
  つまり、お金の価値がそれだけ下がったと
  いうことだ。しかも2%は今日では高い金利だ。」

ロバート・キヨサキさんは、今日では、
「貯金する人は負け組」であると指摘します。

では、こうした低金利時代に、勝ち組である
金持ちはどうしているのか?

それは、まったく逆の行動を取っています。

つまり「借金」を活用しているのです。

  「借金はお金だ。金持ちがもっと金持ちになる
  1つの理由は、借金をうまく使っているからだ。
  だが残念なことに、ファイナンシャル教育が
  ない貧困層や中流層は借金によってもっと
  貧しくなってしまう。
  これについてドナルド・トランプがうまいことを
  言っている。 “知っての通り私は借金王だ。
  私は借金が大好きだ。だが借金は非常に扱いが
  難しく、危険なものだ” 」

ちなみに、キヨサキさんとトランプさんは、
過去に2冊の共著を出すほどの友人です。

さて、本書は最初の「金持ち父さん」シリーズが
刊行されてから、20年目となる本です。

いったいシリーズ何冊目の本なのか、
もはやわかりませんが、シリーズは累計で
400万部近く売れているベストセラーです。

位置付けは、『金持ち父さん 貧乏父さん』が
ファイナンシャル教育の初等課程だったのに
対して、本書は上級のファイナンシャル教育。

「小学校」に対する「大学院」という
位置付けになっています。

もしまだ『金持ち父さん 貧乏父さん』を
読んでいないなら、まずはそちらから読む
ことが推奨されています。

本書は、「金持ち父さん」シリーズで紹介
された法則や教えに、すでに親しんだ人向けの
本になっています。

さすがに最初の刊行から20年も経つと、
いろいろ状況が変わっています。

1冊目を書いた時に50歳だったキヨサキさんも
今では70歳になっています。

この間、「金持ち父さんが倒産」といった報道も
ありましたが、これはあくまでキヨサキさんの
会社の1つ、リッチ・グローバル LLCを
倒産処理したもの。

個人資産に影響がないように、破産手続きを
しているので、キヨサキ自身へのダメージは
ほとんどなかったと言われています。

以前は会計士のシャロン・レクターさんが
共著者でしたが、本書では新たな会計士、
トム・ホールライトさんをパートナーに迎え
執筆しています。

日本版で言うと、翻訳者が白根美保子さんから
岩下慶一さんに変わっています。

また、キヨサキさんの気の合う1人の友人だった
トランプさんも米大統領に就任しました。

個人的には、最近はこのシリーズをあまり
読んでいませんでしたが、久しぶりに読むと
初めてキヨサキさんの本を読んだときの
感動を思い出し、非常に懐かしく思いました。

本書はこれまでキヨサキさんの教えを振り返る
ことはできますし、昨今の金融市場の状況を
反映した内容になっています。

ただし、大学院と言うほど、高度な考えを学ぶ
内容にはなっていないように思えました。

  第1部 こうして金持ちはもっと金持ちになる
  第2部 ファイナンシャル教育ではないもの
  第3部 本当のファイナンシャル教育とは何か
  第4部 楽しくない経済学はいらない

この本から何を活かすか?

金持ち父さん 貧乏父さん』は2013年に
改定版が刊行されています。

このときにシャロン・レクターさんの
共著者としての名前も写真もすべて削除
されているようです。

詳細は不明ですが2008年にレクターさんは
キヨサキさんに対する訴訟を起こしているので、
このときに二人は決裂したのでしょう。

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| マネー一般 | 05:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方

満足度★★★
付箋数:23

2018年の平昌冬季オリンピックへの出場を決め、
史上最多のオリンピック7回連続出場を果たす
スキージャンプのレジェンド葛西紀明選手。

葛西選手がレジェンドと呼ばれるのは、
40歳を超えて現役を続けているから
だけではありません。

30代後半から「新たなピーク」をつくり、
41歳になって「過去最高の自分」を実現し、
45歳になってもそれを維持しているからです。

 ・長い間、第一線で活躍できる秘訣は?
 ・40歳を過ぎて、記録を更新し続けるコツは?
 ・辞めないで、モチベーションを保てる理由は?

葛西選手は、このような質問をよく受けます。

特に若い頃と違うと感じ、体力や気力の衰えを
実感する40代以降のビジネスパーソンが
興味を持って聞いてくることが多いようです。

本書は、葛西選手が35年を超える競技生活の中で、
試行錯誤しながらたどり着いたフィジカル面、
メンタル面の維持・強化方法を一般の読者向けに
まとめたものです。

30代半ばを過ぎたビジネスパーソンにとって、
「最強の体」になるとは、ズバリ「疲れない体」
になることです。

では、年齢と共に感じることが多くなる
「疲れ」の原因は、一体何なのでしょうか?

葛西さんは、その最大の原因は「代謝の低下」
にあると指摘します。

代謝が下がることで、体内にたまる疲労物質を
体外へと排出する力が弱まってしまい、
日々の疲れがとれにくくなってしまうのです。

それでは、どのようにすると、低下した代謝を
上げることができるのでしょうか?

実は本格的なトレーニングをしなくても、
わずかな努力で代謝を上げることができる
ようです。

その方法とは、体幹を鍛えて姿勢をよくすること。

私たちが、何かしらの作業をするときの
「ラクな姿勢」が、必ずしも「疲れない姿勢」
ではありません。

背筋が伸びた「正しい姿勢」こそが本来は
疲れにくい「いちばんラクな姿勢」なのです。

背筋の伸びた姿勢を長時間維持するために
必要なのが体幹の力です。

疲れやす人は、体幹が弱くなる→姿勢が歪む
→代謝が悪くなるという悪循環に陥っています。

逆に、疲れにくい人は、体幹を鍛える→
姿勢がよくなる→代謝が上がるという好循環
に入っているのです。

本書では、寝る前の3分でできる葛西式
「体幹トレーニング」が図解入りで
紹介されていました。

また、仕事や日常生活でパソコンやスマホを
使うときに、首と背筋が曲がらないように
するだけでも、かなり疲れにくくなるようです。

本書で葛西さんが紹介しているフィジカルと
メンタルを強化するメソッドは、どれもが
これまで聞いたことのないようなオリジナル
の特別なメソッドではありません。

しかし、やりたくないと思ったときも
無理せず続けるコツが随所に入っています。

それが葛西さんが45歳を過ぎてもなお、
第一線のアスリートとして活躍し続ける
最大の秘訣なのだと思います。

本書は、30代後半以降の日々疲れを感じる方には、
参考にできるノウハウが詰まった本だと思います。

 第1章 これだけで効果絶大!
   「疲れない体をつくる」葛西式5大メソッド
 第2章 40歳を過ぎても
   「太らない体」を手に入れる!
   葛西式「最高の食べ方&飲み方」
 第3章 「老いない体」は下半身がつくる!
   葛西式「下半身強化トレーニング」
   &「ストレッチ」
 第4章 「折れない心」は「3角形の法則」
   で手に入る!
   葛西式「メンタル強化メソッド」
 第5章 心が劇的に強くなる、
   本番で最高の成果が出せる!
   最強の「イメージトレーニング」と
   呼吸法を初公開

この本から何を活かすか?

緊張感を緩め脈拍を下げる「レジェンド・ブレス」

葛西さんは実は、過度に緊張するタイプでした。

しかし、この呼吸法を実践してから、
緊張を一瞬で消すことができるようになった
そうです。

 1. まずは鼻から息を思いっきり吸い込む
 2. 息を吸い込んだまま5~10秒間、息を止める
 3. 「もう限界」と思ったところから、
  さらに息を吸い込み、5秒間息を止める
 4. 口角を上げ、歯の隙間から少しずつ息を吐く
 5. ゆっくりと息を吐き終えると、
  自然とドキドキがおさまっている

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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プロ投資家の「株を買いたくなる会社」の選び方

満足度★★★
付箋数:20

さくら舎さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

株式投資の世界で、実際に勝っている人は、
全体の2割程度と言われています。

これがどの程度信憑性のある数字なのか
わかりませんが、一定の勝てない個人投資家が
いることは間違いありません。

なぜ、勝てない個人投資家がいるのか?

本書の著者、加谷珪一さんは、その理由を
「投資の基礎を身につけていないから」と
指摘しています。

  「中長期的なスタンスの株式投資で
  成功するためには、企業の評価に関して、
  一定の基礎を身につける必要があります。
  これがないまま投資してしまうと、
  プロ投資家の格好の餌食になってしまいます。」

本書は、加谷さんが言うところの
「投資の基礎」を身につけるための本です。

本書は、大きく分けて2部構成。

第1部で「投資先をシンプルに選ぶ」投資の
基礎を学び、第2部ではその方法を使って、
実際に「日本を代表する10社を評価」します。

第1部の投資の基礎で押さえておくのは、
「数字(財務)」、「市場(マーケット)」、
「シナリオ」の3項目です。

「数字(財務)」では、売上高や利益の
5年分の推移を見ます。

利益については、当期利益ではなく営業利益を
チェックした方がいい。

なぜなら、当期利益には資産の売却や減損など、
特殊な要因で大きくブレることがあるからです。

また、ある会社の業績をチェックしたら、
必ず、ライバル会社の業績と比較するように
します。

「市場(マーケット)」では、次の3パターン
のいずれかを判断します。

 1. 業界全体が伸びていて、投資対象となる
  会社の業績がさらに伸びているパターン
 2. 業界としては低迷もしくは縮小している
  ものの、その中で特定の企業の実績だけが
  拡大するパターン
 3. 市場の規模が一定レベルで推移し、
  拡大も縮小もしないパターン

最後の「シナリオ」では、将来、その企業が
どのように事業を展開していくかを描きます。

「数字」と「市場」は、最終的に「シナリオ」
を立案するための基礎情報です。

ここでは可能性のある複数のシナリオを
用意して、投資のタイミングを窺います。

第2部では、実際に次の10社の将来を評価
しています。

トヨタ自動車、三菱重工、東芝、ソフトバンク、
セブン&アイ、LINE、楽天、三菱UFJ、ソニー、
ヤマト

この中で、本書のサブタイトルにもなっている、
「トヨタ」は、EV時代には不利な会社として
評価されていました。

 数字(財務)
  ・現在の財務状況は文句なし
  ・2016年までは順調に成長していた
  ・2017年は業績が踊り場に差し掛かっている

 市場(マーケット)
  ・自動車市場は上位4社への寡占化が進行中
  ・トヨタは全世界2位なのでポジションは良好
  ・一方で自動車産業は最大の変革期を迎える
  ・EVシフトという点でトヨタは遅れている
 シナリオ
  ・EVシフトがあまり進まない場合はトヨタ有利
  ・EVシフトが一気に進むとトヨタの強みは
   弱点に
  ・トヨタへの投資はEVシフトをどう見るかで
   大きく変わってくる

最後は複数のシナリオの中から、
自分でどう判断するかになってきます。

本書は、こらから株式投資を始めたい人に
とっては、中長期投資の1つの型を身につける
ために参考になる本だと思います。

この本から何を活かすか?

著者の加谷さんは、東北大卒業後、日経BP社の
記者としてキャリアをスタートしました。

その後、野村證券グループの投資ファンド
運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。

独立後はコンサルティング会社を経営する傍ら、
個人投資家としても成功し、億単位の個人資産を
運用しているそうです。

本書は、加谷さんの投資ノウハウの核となる
部分を、わかりやすく解説した本です。

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| 投資 | 05:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「いい会社」ってどんな会社ですか?

満足度★★★★
付箋数:25

  「本書は、長野県伊那市の片田舎でかれこれ
  60年近く、小さな寒天メーカーを経営してきた
  私が、新進気鋭のベンチャー経営者二人と
   “いい会社とは、どんな会社か” について、
  自由闊達に語り合い、持論をまとめたものです。」

本書で、二人のベンチャー経営者と対談するのは、
「かんてんぱぱ」ブランドで有名な伊那食品工業
の代表取締役会長兼CEO、塚越寛さんです。

坂本光司さんがシリーズで刊行している
日本でいちばん大切にしたい会社』でも
取り上げられた会社です。

塚越さんは社員を大切にする経営を実践し、
その経営理念には、トヨタの豊田章男社長も
共鳴し、「師匠」と呼んでいるそうです。

塚越さんが提唱しているのは「年輪経営」。

  「木の年輪は、その年の気象条件によって、
  多少変化しますが、毎年必ず増えます。
  年輪のできない年はありません。
  企業も同じで、景気の波などの外部環境に
  左右されず、毎年着実に成長する。
  これが年輪経営の意味です。」

年輪経営での成長とは、単に売上高や利益が
伸びることを言っているのではありません。

それらも含みますが、社員や経営者も
幸せになり、人間的な成長をすることを
大切にしています。

塚越さんの年輪経営については、
光文社から『リストラなしの「年輪経営」
が刊行されていますが、本書でも対談の後に、
要点がまとめて掲載されています。

さて、本書で塚越さんと対談する1人目は、
サイボウズ社長の青野慶久さんです。

青野さんが社長に就任した当時のサイボウズは、
離職率が30%近くまで上昇していました。

しかし、ハードな働き方を見直し、
多様なワークスタイルの構築に着手した結果、
離職率を4%にまで下げることができました。

塚越さんと青野さんは、次の4つのテーマに
ついて対談しています。

 ・職場を快適にすると、どんないいことが
  起こるのか?
 ・売上や利益より大事なものは何か?
 ・会社は絶対、永続しないとダメなのか?
 ・幸せを生む人事制度のツボとは?

塚越さんと対談する2人目は、世界で初めて
ミドリムシの屋外大量培養に成功した
ユーグレナ社長の出雲充さんです。

 「ミドリムシの食品で人と地球を健康にし、
 バイオ燃料で地球環境の改善に貢献する」

ことを経営理念に掲げる社会派起業家です。

塚越さんと出雲さんの対談のテーマは2つ。

 ・経営者としての価値観はどのように
  形成されたのか?
 ・「年輪経営」は万能か?

青野さんとの対談に比べ、出雲さんとの
対談ページが少なくなかったので、
個人的にもう少し読みたかった・・・。

しかし、お二人とも非常に密度の濃い、
いい対談ができたという印象です。

  「果たして、今年80歳の私のこうした考えは、
  46歳の青野社長、37歳の出雲社長の二人に
  どう映るのか、真剣に語り合いました。
  結論を言えば、世代を超えて大いに共鳴し、
  経営には普遍の原理原則があることを再確認
  できました。
  一方で、新しい時代の流れに目を見開かされ、
  気付き、学んだことも多くありました。」

経営者には、こういう考えをもっていて
欲しいと思える対談内容でした。

今後も塚越さんと若い世代の起業家との
対談をシリーズとして読みたいと感じました。

また、塚越さんとは全く考え方の異なる
堀江貴文さんと対談しても面白いのではないか
とも想像しました。

この本から何を活かすか?

  「良い会社」と「いい会社」は別物

伊那食品工業が目指しているのは、
「良い会社」ではなく「いい会社」です。

微妙な違いですが、イメージが異なります。

「良い」は、業績が良い、収益率が高いなど、
経営数値がプラスのイメージ。

一方、「いい」は、取引先や顧客、
地域住民との接し方も含めた情緒的な
意味合いも含みます。

会社を取り巻くすべての人に、日常会話の中で
「伊那食品さんはいい会社だね」
と言ってもらえることが理想のようです。

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| 経営・戦略 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ

満足度★★★
付箋数:22

  「発見者と、発見を見逃してしまった
  人との差は、準備された心の有無である。
  準備された心、とは、 “the prepared mind” 
  の訳語で、もともとはフランスの微生物学者
  ルイ・パスツールの言葉とされる、
   “Chance favors the prepared mind” 
  という格言に基づく。
  備えあれば憂いなし、などと訳されることも
  あるが、私は、チャンスは準備された心に
  のみ降り立つ、とあえて直訳し、
  言葉の本来の意味を味わいたい。」

本書のサブタイトルになっているのが、
「チャンスは準備された心にのみ降り立つ」。

この部分は、スコットランドの医学者、
アレクサンダー・フレミングさんが
抗生物質を発見したエピソードを紹介する
パートに登場します。

本書は生物学者、福岡伸一さんの
「動的平衡」シリーズ第3弾です。

生命を中心のテーマとした科学エッセイで、
動的平衡に的を絞って話をしている訳では
ありません。

同シリーズ、第1弾、第2弾との関連は
それほどありませんので、本書単体で
楽しめるエッセイです。

福岡さんが月刊ソトコトに連載していた
「生命浮遊」の原稿に、加筆・修正を加え、
再構成されています。

福岡さんは、「動的平衡とは・・・」と
いった無粋な説明はしないと言っていますが、
ここではあえて説明をしておきます。

これは生命の持つしなやかなダイナミズム
を捉えるために、福岡さんが到達した概念。

世の中のすべてのものごとは、時間の経過と
共に、乱雑さが増す方向に進みます。

あえて手を加えなければ、あらゆる秩序は
あまねく崩れ、乱雑になっていく方向にしか
進みません。

これをエントロピー増大の法則と呼びます。

大きな力として自然界に働く、この法則に、
抗うための生命の営みが「動的平衡」です。

少し長くなりますが、本書の説明を引用します。

  「生命にとって、エントロピーの増大は、
  老廃物の蓄積、加齢による酸化、
  タンパク質の変性、遺伝子の変異・・・
  といった形で絶え間なく降り注いでくる。
  油断するとすぐにエントロピー増大の法則
  に凌駕され、秩序は崩壊する。
  それは生命の死を意味する。これと闘うため、
  生命は端から頑丈に作ること、すなわち
  丈夫な壁や鎧で自らを守るという選択を
  あきらめた。そうではなく、むしろ自分を
  やわらかく、ゆるゆる・やわやわに作った。
  その上で、自らを常に、壊し分解しつつ、
  作りなおし、更新し、次々とバトンタッチ
  するという方法をとった。この絶え間ない
  分解と更新と交換の流れこそが生きている
  ということの本質であり、これこそが系の
  内部にたまるエントロピーを絶えず外部に
  捨て続ける唯一の方法だった。
  動きつつ、釣り合いをとる。
  これが動的平衡の意味である。」

福岡さんは、この動的平衡は生命だけでなく、
組織論にも応用できると考えています。

福岡さんのエピソード描写力は相変わらず高く、
よく知られた話でも、読者を引き込みながら、
生命の持つ力の偉大さを感じさせてくれます。

  第1章 動的平衡組織論
  第2章 水について考える
  第3章 老化とは何か
  第4章 科学者は、なぜ捏造するのか
  第5章 記憶の設計図
  第6章 遺伝子をつかまえて
  第7章 「がんと生きる」を考える
  第8章 動的平衡芸術論
  第9章 チャンスは準備された心にのみ降り立つ
  第10章 微生物の狩人

この本から何を活かすか?

私が本書で最も気に入ったエピソードは、
1906年にノーベル生理学・医学賞を
受賞した、カミッロ・ゴルジさんと
サンティアゴ・ラモン・イ・カハールさんの
話しです。

この2人に、こちらもノーベル賞を受賞した
小説家カズオ・イシグロさんの「記憶」の
名言を絡めてくるのはさすがだと思いました。

以下、ソトコトの記事へのリンクです。

vol.115 ゴルジとカハール

vol.116 カハール・記憶・イシグロ

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| 科学・生活 | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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現代暗号入門 いかにして秘密は守られるのか

満足度★★★★
付箋数:24

  「もともと暗号は、軍事的な通信を秘匿する
  ために作られた。長い間、我々の生活とは
  無縁なものだったが、今や暗号なしに生活する
  のは難しい。インターネットショッピング、
  携帯電話、Wi-Fi、ICカードはもちろん、
  ビットコインを始めとする暗号通貨も、
  電子署名とハッシュ関数という暗号技術で
  できている。
  これほど暗号に依存しているのにもかかわらず、
  技術の根本を理解し、最新技術に通じている
  者は驚くほど少ない。」

本書は、タイトルの通り暗号技術の入門書。

ここまで私たちの社会に浸透した暗号技術が、
実際にどのように組み込まれているのか、
そして最新の暗号技術について解説します。

暗号が現在の技術まで発展するには、
開発者(ディフェンダー)と攻撃者(アタッカー)
の熾烈な争いがありました。

その様子は、数学の知識を中心に使った、
まさに知のバトルロイヤルです。

本書では、こうした開発と攻撃の歴史を
追いながら、現代の暗号技術を紐解きます。

著者はブルーバックスで何冊か数学関係の
本を執筆している神永正博さんです。

まずは、暗号のシステムを構成する3要素を
押さえておく必要があります。

1つ目は、「共通鍵暗号」。

これは閉める鍵と開ける鍵が同じ(共通の)
暗号です。

家の鍵のように1つの鍵があれば、開けることも
閉めることもできるのと同じです。

1ビットごとに暗号化するストリーム暗号と、
いくつかの暗号をまとめて暗号化する
ブロック暗号の2つに大別されます。

2つ目は、「公開鍵暗号」。

これは非対称鍵暗号とも呼ばれ、
閉める鍵と開ける鍵が異なる暗号です。

閉める鍵は一般に公開されていて公開鍵と
呼ばれ、開ける鍵は秘密鍵と呼ばれています。

私たちが通常使っている鍵のイメージとは
かなり違った、暗号特有の概念です。

本書では、代表的な公開鍵暗号である
RSA暗号と楕円曲線暗号について解説します。

そして3つ目が、「ハッシュ関数」。

ハッシュとは、ハッシュドポテトなどと同じで、
もともと「切り刻んで混ぜる」という意味です。

ハッシュ関数とは、データを混ぜ合わせて、
一定の長さのデータ(ハッシュ値)を作り出す
関数です。

この関数は元のデータが改竄されていないかを
検証する目的や、ウェブサービス上での
パスワード認証などで利用されています。

これらが暗号技術の根底を支える三種の神器で、
この3つを組み合わせることで、現代の多用な
暗号システムが生み出されています。

また、暗号は数学的な理論だけでなく、
それを動かすハードウェアも重要な構成要素
となります。

本書の最終章では、ICチップの消費電力から
暗号読解の手掛かりを得る方法や、
そのような攻撃をどのように防ぐかについて
解説しています。

このパートは、それほど多くのページが
割かれていないものの、なかなか面白く、
本書の特徴の1つにもなっています。

  第1章 共通鍵暗号
  第2章 ハッシュ関数
  第3章 公開鍵暗号 ― RSA暗号
  第4章 公開鍵暗号 ― 楕円曲線暗号
  第5章 サイドチャネルアタック

本書は、暗号の基本原理や最新の技術につて、
ちゃんと理解するには最も適した本だと思います。

ただし、一定の数式も出てきますので、
理解するには高2レベルの数学知識は必要です。

それぐらいの数学の知識がないと、
本書の面白さは十分に楽しめないので、
数式が苦手な方には、ちょっとハードルが
高いかもしれません。

この本から何を活かすか?

楕円曲線暗号は、楕円曲線上の離散対数問題に
基づく、数学的に複雑な技術です。

一般的に暗号の安全性が高くなれば、
それにともなって、鍵の複雑さも増すものです。

RSA暗号が、鍵長が伸びるに従って処理に
多くのリソースを使うようになっていたのに対し、
楕円曲線暗号は大した変化はありませんでした。

今流行のビットコインにもこの楕円曲線暗号の
技術が使われています。

本書では、本文に加え巻末注と脚注でも
その技術的詳細を補足して解説しています。

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| 数学 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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お金2.0 新しい経済のルールと生き方

満足度★★★
付箋数:24

  「既存の資本主義に多くの人が感じていた
  ことは、 “お金にはならないけど価値のある
  ものって存在するよね?” という点だと
  思います。例えば、NPOによる社会貢献活動
  だったり、地方創生のようなプロジェクト
  だったり。」

本書の著者、佐藤航陽さんは、資本主義上の
お金が、現実世界の価値を正しく認識・評価
できなくなっていると指摘します。

その問題点を解消して、新しい経済のルール
の中心になっていくのが「価値」だと言います。

  「今後は、可視化された “資本” ではなく、
  お金などの資本に変換される前の “価値” を
  中心とした世界に変わっていくことが予想
  できます。
  私はこの流れを “資本主義(capitalism)” 
  ではなく “価値主義(valualism)” と
  呼んでいます。」

そのそもの「価値」という言葉には、
3つの意味が含まれています。

1つ目は、有用性としての価値。

これは「役に立つか?」という観点から
考えた価値です。

2つ目は、内面的な価値。

愛情・共感・興奮・好意・信頼など、
実生活に役に立つわけではないけれど、
その個人の内面にとってポジティブな
効果を及ぼす価値です。

3つ目が、社会的な価値。

慈善活動やNPOのように、個人ではなく
社会全体の持続性を高めるような活動に
よってもたらされる価値です。

これまでの経済を回してきた資本主義は、
1つ目の有用性のみを価値と認識して、
他の2つの価値を無視してきました。

それが資本主義の問題点であると同時に
限界でもあったのです。

佐藤さんが、本書で説明する価値主義では、
有用性としての価値だけでなく、人間の
内面的な価値や、全体の持続性を高める
ような社会的な価値も、すべて価値として
取り扱う仕組みです。

では、どうやって目に見えないものを
可視化することができるのでしょうか?

  「内面的な価値も数字のデータとして
  認識できれば、それらは比較することができ、
  かつそのデータをトークン化することで
  内面的な価値を軸とした独自の経済を
  作ることもできます。」

ちなみに、トークンとは、仮想通貨の
根っこで使われるブロックチェーン上で
流通する文字列のことです。

また、価値主義では、これまで見えなかった
ソーシャルキャピタルの価値も可視化した
上で、資本主義とは別のルールで経済を
実現することができるようです。

本書は、まず現在の経済やお金の起源、
そしてそのメカニズムを説明するところから
始まります。

次に、それが最新のテクノロジーによって、
どのよに変化してきているかを解説。

最後に、本書の主題として、資本主義の
欠点を補う「価値主義」という考え方に
ついて説明します。

それが、資本主義の先の「お金2.0」の世界。

本書は、IT企業メタップスの創業者である
佐藤さんが、これまで12年間考えてきたことを
まとめた本です。

金融や経済の専門家とは全く違う視点で、
「新しい経済」で動く世界が語られています。

テクノロジーによって、これからどう変わるのか、
その可能性を知ることができる本だと思います。

  第1章 お金の正体
  第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
  第3章 価値主義とは何か?
  第4章「お金」から解放される生き方
  第5章 加速する人類の進化

この本から何を活かすか?

デジタルネイティブの次はトークンネイティブ。

トークンネイティブとは、生まれた瞬間から
ビットコインやブロックチェーンに当たり前に
触れて、使いこなすとができる世代です。

今の私たちとは、全く違う視点でお金や経済の
ことを捉えることができます。

本書では、今のデジタルネイティブ世代が、
トークンネイティブ世代の作るサービスが
理解できなくなり、「規制が必要だ」という話を
している未来を想像しています。

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| 経済・行動経済学 | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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我々はなぜ我々だけなのか

満足度★★★
付箋数:23

私が習った時代の世界史の教科書には、
アジアにいた古代型人類としては、
ジャワ原人と北京原人が載っていました。

しかし、その後、アジアでは2つの人類が
発見され、世界に衝撃を与えました。

1つ目は、2003年にインドネシアで発見された
「フローレンス原人」。

見つかった化石はホモ属(ヒト属)に分類
される新種で、1万8000年から3万8000年前の
人類とされています。

身長は1メートルあまりで、フローレンス島
という、人類史上どの時期にも、
海を渡らなければ到達できないところで
暮らしてしたことがわかりました。

その小柄な身長から、J・R・R・トールキンさん
の小説『指輪物語』に登場する小人にちなんで、
「ホビット」の愛称で呼ばれています。

2つ目は、2015年に台湾沖の海底から発見され、
アジア第4の原人と報道された「澎湖人」です。

それまで台湾では古い人類の化石が発見されて
いなかったことと、海底から見つかったという
意外性でも大きな話題を呼びました。

化石の年代は古くとも45万年前をさかのぼらず、
おそらく19万年前より新しいとされています。

旧人集団とは別に、原始的な特徴を持った
原人集団がアジア東南部に生き残っていた
ことを示唆する化石となりました。

本書は、人類進化学者の海部陽介さんの研究を
科学ジャーナリストの川端裕人さんが
一般向けにわかりやすくまとめた本です。

そもそも前提としてあるのが、ホモ・サピエンス
の「アフリカ単一起源説」です。

これは、世界中のすべての現代人の共通の
祖先が30万~10万年前のアフリカに
あるとする学説です。

これはDNA分析やそのほかの様々な証拠が
積み重なって、確証の高い学説として
支持されています。

アフリカの旧人から進化して、その後しばらく
してから、アフリカを出て全世界に散らばって、
各地の現代人の集団になったという考えです。

だから現在、アフリカ人、ヨーロッパ人、
アジア人など多くの人種がいるといっても、
DNA上ではかなり均質で、生物学的には
1つの種しかいないとみなされます。

このアフリカ単一起源説が本書のタイトル、
「我々はなぜ我々だけなのか」につながります。

実際に証拠が出ていないので、この問いの
答えが明確に出ているわけではありません。

あくまで、現代の人類学、考古学の知見で、
どれだけのことがわかっていて、そこから
何が言えるのかという推測に過ぎません。

ただし、本書ではアジアの人類史を一通り
振り返った後に、海部さんの大胆な仮説が
紹介さています。

  「ジャワ原人(ホモ・エレクトス)と
  ぼくたち(現生人類)は混血していたかも
  しれない! だ。ネアンデルタールが
  サピエンスと混血し、いくばくかの遺伝子を
  ぼくたちの中に残しているように、
  ジャワ原人の遺伝子もまた、ぼくたちの中に
  あるかもしれないというのだ。
  もちろん証拠が積み重なって定説になった
  という話ではない。追求すべき “問い” が
  設定されて、科学的議論の俎上に載せられた
  段階と考えてほしい。」

多様な人類がいたとすると、一番興味を
持たれるのは、互いに接触はあったのかとか、
戦いがあったのかということでしょう。

海部さんの仮説では、ホモ・サピエンスが
今のインドネシアあたりにやってきた時に、
ジャワ原人と接触していたのでではないかと
考えているのです。

本書は、川端さんの体験した知的興奮が
読者にも伝わってくので、これまで人類学に
あまり興味がなかった方でも、非常に面白く
読むことができる本だと思います。

この本から何を活かすか?

昔から知られているジャワ原人についても、
まだまだ解明すべき謎があるようです。

  ・最古のジャワ原人の渡来時期や多様性
  ・ジャワ原人の系統進化と北京原人との関係
  ・ジャワ原人と現代人との関係
  ・絶滅の理由とその年代
  ・現代人との混血はありえたのか?

部分的に解答を得られた謎もありますが、
まだまだ仮説の域を出ていないものも
多いので、これからの発見が楽しみです。

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| 科学・生活 | 09:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、フレームワークが使えていますか?

「3C」「4P」「SWOT分析」「PPM分析」
などは、多くのビジネス書などで紹介されている
有名なフレームワークです。

しかし、これらのフレームワークを
知っていても、日常のビジネスの中で
実際に使っている人は少ないと思います。

なぜ、有名なフレームワークは使えないのか?

それは、有名なフレームワークのほとんどが
著名な経営者や世界的なコンサルティング会社が
作ったもので、経営戦略やマーケティングに
使うツールとして、開発されたものだからです。

一方、日常のビジネスで緊急事態が発生した時に、
トラブルに慌てて空回りしてしまう人と、
困難な場面でも的確に行動できる人がいます。

緊急事態のような時にこそ、その人が本当に
持っている実力が明らかになります。

パニックに陥ってしまう人と、冷静に対処できる
人では、いったい何が違うのでしょうか?

この差は、その人の性格的なものや、
頭の良さによって生じるものではありません。

複雑なものを複雑なまま考えようとしているか、
複雑なものを簡単なレベルまで分割して、
シンプルに考えることができるかの違いです。

本書で紹介される「2軸思考」は、複雑な問題を
シンプルに整理し、日常のビジネスで誰もが
使えるフレームワークとして考えれたものです。

著者の木部智之さんは、日本IBMで500人規模の
プロジェクトを統括する、エグゼクティブ・
プロジェクト・マネジャーです。

2軸思考は、木部さんの15年間のプロジェクトの
経験から、日々発生する問題を解決するために
生み出されたものです。

2軸思考は、あらゆる問題をタテとヨコの
2軸で整理する考え方で、2軸の引き方で
大きく3つのパターンあります。

2本の線を左上で交差させる「マトリックス」
タイプ、中央で交差させる「4象限」タイプ、
左下で交差させる「グラフ」タイプです。

こららの2軸のフレームワークは、
3つのステップで作ることができます。

 STEP1 考える目的に合わせて軸のタイプを
    決める
     全体を俯瞰したいなら「マトリックス」、
     ポジショニングを知りたいなら「4象限」、
     変化を見たいなら「グラフ」です。

 STEP2 タテ軸とヨコ軸を決める
     軸となりうるのは、どのタイプでも
     商品・売上・部門などの「要素」と、
     時間・工程などの「流れ」です。

 STEP3 枠に情報を埋める
     どのタイプも枠には「定量情報:数字」
     か、「定性情報:数字以外」が入ります。

シンプルで覚えることが少なく、
自由度が高いのが2軸思考の特徴です。

枠のタイプを選び、軸さえ決めてしまえば、
実は8割方、問題は解決できたようなもの。

その時点で問題はシンプルに整理され、
あとは人間の心理として、空いた枠があると
それを埋めたくなるからです。

また、2軸フレームワークを作る時に
注意すべき点は次の5つです。

  1. 手書きで思考する
  2. ノートは方眼タイプをヨコ向きに使う
  3. どんなに複雑でも2軸に「決める」
  4. 迷ったら「とりあえずマトリックス」
  5. 思考の「ベクトル(方向)」を意識する

本書の後半では、2軸で問題解決する
ケーススタディと、2軸で伝える方法や
資料作成する方法が解説されています。

2軸思考がいくらシンプルだと言っても、
使えるようになるためには、
一定の練習が必要となるでしょう。

しかし、比較的短い期間で習得でき、かつ、
汎用性の高いフレームワークだと思います。

世の中には多くのフレームワークがありますが、
いろいろ覚えるよりも、2軸フレームワーク
だけを徹底的に使いこなせるようなった方が
ビジネスでは有用でしょう。

この本から何を活かすか?

本書では、相手に1回で伝わる「伝え方」の
3原則が紹介されていました。

  原則1 「短く」伝える
  原則2 「構造」を意識して伝える
  原則3 「イメージ」を伝える

この3原則に沿って伝えるためのツールが、
2軸フレームワークです。

2軸でメモをとって整理しながら話すと、
コミュニケーションもとり易いようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 05:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者

満足度★★★★
付箋数:26

本書は、世間の「ビットコイン」ブームに、
冷水を浴びせる一冊です。

  「著者の結論を先に言えば、ビットコインは、
  通貨のあり方を根本から変えるといった
   “次世代通貨” にはならないのではないか
  と考えています。これは、仮想通貨がすぐに
  使われなくなるということを言っている
  のではなく、それなりの存在として存続
  したとしても、金融のメインストリーム
  としての存在にはなりえないだろうと
  いうことです。」

では、ビットコインのリスクだけに注目した
批判本なのかというと、それが目的の本では
ありません。

本書の主たる目的は、ビットコインの
技術を支える「ブロックチェーン」について
解説することです。

ブロックチェーンとは、分散型台帳技術のことで、
一部では「インターネット以来の発明」とも
言われています。

もともとは、ビットコインを支える中核技術
として開発されましたが、現在では、
仮想通貨とは切り離して、独立した技術として
利用が進められようとしています。

「ブロック」と呼ばれる取引データの固まりを
一定時間ごとに生成し、時系列的に鎖
(チェーン)のようにつなげていくことで、
データを保管するデータベース技術です。

ブロックチェーンの技術が重要視されるのは、
銀行や証券会社などがこれまで手がけてきた、
金融のメインストリームに革新を起こすことが
見込まれているからです。

実際に国内外の政府や中央銀行によって、
すでにブロックチェーンを使った多くの
実証実験が行われています。

この技術を使うと、高くて遅かった国際送金が
早くて安い国際送金に生まれ変わります。

また、証券決済もブロックチェーンが
利用されることが見込まれる分野です。

現在は中央集権型で証券決済が行われて
いますが、ブロックチェーンを使うと
分散型帳簿によって管理することができます。

分散的に残高を管理する体制に変われば、
決済時間は短縮され、コストも削減される
ことが期待されています。

そして、本書でブロックチェーンに関して、
もう1つ取り上げているテーマは、
世界の中央銀行自体が「デジタル通貨」を
発行しようとしている動きがあることです。

ビットコインなどが「私的なデジタル通貨」
であるのに対し、中央銀行が発行しようと
しているのは、「公的なデジタル通貨」です。

著者の中島真志さんは、これまでの貨幣の
歴史を振り返ってみると、中央銀行が
デジタル通貨を発行するのは「歴史の必然」
であると説明しています。

なぜなら、貨幣は歴史上で、その時々に
利用可能な素材により、当時の最先端技術
を使って作られてきたからです。

貨幣は常に偽造されるリスクに直面して
きたので、ここにきてブロックチェーンの
利用を各国の中央銀行が検討しているのは、
当然の流れなのです。

本書は、ビットコインはもう終わったと
言わんばかりのタイトルですが、
世間の過熱気味なビットコインブームから、
真に金融に革命を起こす技術である
ブロックチェーンへ視野を広げる本です。

技術的な解説も、非常にわかりやすく、
ビットコイン礼賛本とバランスを取る意味でも、
個人的には読んで良かった本です。

 序章 生き残る次世代通貨は何か
 第1章 謎だらけの仮想通貨
 第2章 仮想通貨に未来はあるのか
 第3章 ブロックチェーンこそ次世代のコア技術
 第4章 通貨の電子化は歴史の必然
 第5章 中央銀行がデジタル通貨を発行する日
 第6章 ブロックチェーンによる国際送金革命
 第7章 有望視される証券決済への
    ブロックチェーンの応用

この本から何を活かすか?

ビットコインは、中国の3つの取引所の
取引高が、9割以上のシェアを占めています。

「中国人がマイニングして、中国人が売買し、
中国人が保有するビットコイン」の状態。

これは新しいビットコインがもらえる
マイニングが強力なインセンティブとして働き、
中国の採掘集団による寡占が進んだ結果です。

中島さんは、こうした上位1%の人が
全体の9割のビットコインを保有している
状態も、通貨としては健全な状態ではない
と指摘しています。

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| マネー一般 | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人工知能は資本主義を終焉させるか

満足度★★★
付箋数:23

逮捕されたから読んだわけではなく、
たまたまこのタイミングになってしましました。

本書は、スパコン・人工知能エンジン開発者で
医師でもある斉藤元章さんと、人工知能と
経済の関係を研究するパイオニアで駒沢大学
経済学部准教授の井上智洋さんの対談本です。

本書は、シンギュラリティによって、
世界がどのように変わるかについて、
2人の専門家が語る興味深い内容の本でした。

しかし、2017年12月5日、斉藤さんが詐欺容疑で、
東京地検特捜部に逮捕されたことで、
本書の内容に味噌がついてしまいました。

詐欺の容疑と、本書で斉藤さんが語る内容に
関連性がなくとも、やはり発言に信憑性を
持てなくなるのは否めません。

さて、シンギュラリティとは「特異点」と
訳される言葉で、もともとは数学や物理で
使われていた用語です。

最近では、アメリカの未来学者、
レイモンド・カールワイツさんが2045年頃に
起こると予想した「技術的特異点」の意味で
使われることが多いようです。

これは、汎用人工知能が開発されて、
非生命的な知性が人類の知性を超えるという
予測です。

簡単に言うと、コンピューターの性能が、
人間の脳を超えるということです。

シンギュラリティに到達すると、想像を超える
変化が社会にもたらされので、そのときの
経済への影響を議論するのが本書の趣旨です。

そこで本書では、第1部で「経済的特異点」に
ついて議論し、第2部で「社会的特異点」に
ついて、お2人が語り合います。

井上さんは、2030年頃には第4次産業革命が起き、
それとともに汎用人工知能が登場すると
予測します。

ちなみに汎用人工知能とは、今の人工知能の
ように特化した1つの課題をこなすのではなく、
人間のようにさまざまな知的作業をこなす
ことができる人工知能です。

この汎用人工知能が登場すると、労働力が
いらなくなり、AI・ロボットを含む機械のみが
モノを作るようになると言います。

そうなると一部の研究開発に人間が関わる
ことはありますが、直接的な生産活動には
人間が携わらなくなってしまうようです。

また、社会的特異点がもたらす人類の未来
として語られるのは、エネルギーや衣食住が
タダで手に入る時代です。

人類の歴史上初めて、労働とお金から解放
されたとき、果たして私たちは何をするか?
という問題について話し合われています。

このときに斉藤さんが言っていたのは、
人類は知的探究心によって「全知」を目指す
ということ。

例えば、私たちの脳の機能や人体の仕組みに
ついては、まだまだわからないことが
たくさんあります。

私たちがいる宇宙についても知られていない
ことだらけです。

社会的特異点がもたらす未来では、
こうしたわからないことを解明したいという
探究心を思う存分発揮できる世界になると
語られていました。

当然、知的探究心が高い人ばかりでは
ないので、他には芸術的な活動に邁進したり、
スポーツがもっと盛んになる未来を
予想しています。

さらに、本人さえ望めば、「不労」の先に
「不老」さえも手に入れることができると
斉藤さんは考えています。

もしそうなると、人類は有限の時間からも
解放されることになります。

個人的には、このあたりの考えを自信満々に
語る斉藤さんの言動が、今回の逮捕劇で
怪しいなと感じてしまいました。

この本から何を活かすか?

あまり本書のメインテーマではありませんが、
日本の軍事力が世界最強だった時代が、
歴史上1回だけあったと井上さんは言っています。

さて、いつの時代のことだと思いますか?

それは、安土桃山時代です。

当時、全ヨーロッパにある鉄砲の量以上の
鉄砲が日本にあったと言われています。

戦国武将が懸命に金山や銀山を開発して
経済力も軍事力も相当高まっていました。

朝鮮出兵は豊臣秀吉以外やる気がなく、
また、補給路の関係で失敗しましたが、
日本には明と全面戦争しても勝つぐらいの
軍事力があったと考えられています。

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| IT・ネット | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本経済の心臓 証券市場誕生!

満足度★★★
付箋数:22

オトバンクの上田さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「わが国において有価証券が誕生し、
  その有価証券が初めて公設の取引所で
  売買されたのは今から約290年も前のことに
  なります。ちょうど世界では、清朝がチベット
  を征服し、ヨーロッパではようやく海賊の
  黄金時代が終わろうとしていた時期にあたり、
  米国独立の約50年前にあたります。
  そしてその日本初の公設取引所、世界最初の
  公設の証券先物取引市場でもありました。」

歴史の授業でも習う「堂島米会所」。

江戸時代、第8代将軍の徳川吉宗によって、
享保13年(1730年)に大阪堂島に開設された
米の取引所です。

堂島米会所は、当時の日本最大の米市場で
あるだけでなく、現在の証券取引所が持つ
種々の制度と遜色のない制度を持つ、
世界初の整備された先物取引市場でした。

なぜ、世界に先駆けて先進的なデリバティブ
市場が日本で誕生したのでしょうか?

その背景には、いくつかの理由があります。

まず、主食でもあり石高制のベースにも
なっていた米は、売買で移動させるには
重くてかさばることから、米切手と呼ばれる
証書の形で取引されていました。

そして米は、収穫量が天候で左右されるので、
価格が変動しやすく、米切手を発行する
各藩にとっては、それが大きな財政上の
リスクになっていました。

その価格変動リスクを抑えるために
行われていたのが、「延売買」と呼ばれる
米切手の取引でした。

延売買は、米切手の売買代金を全額払わず、
残額を一定期間後に支払うという契約をする
取引で、指定された交換期日が来るまでの
期間中は、米切手を転売することができました。

これ延売買が原型となり、堂島米会所で取引
されたのが「帳合米商(先物契約)」でした。

帳合米商は、決済するまでのは決済代金の
3分の1程度の保証金を米会所に差し入れれば
よく、現物取引より少ない資金で大きな商いを
することが可能でした。

いわゆる、レバレッジをかけた取引が可能
だったのです。

堂島米会所で決まった米切手の価格が
全国の米取引の価格として用いられるほどの
商品取引における影響力を持っていました。

それと同時に、蔵屋敷の中にある米よりも
ずっと多くの米切手の取引を行うことで、
各藩の財政を手当するという金融機能を
果たしていました。

さて本書は、日本の証券市場の歴史を
綴った本です。

堂島米会所での米取引が日本の証券市場の
夜明けとするならば、本格的な証券市場が
誕生したのが、明治11年に東京の兜町に
設立された東京株式取引所と大阪の北浜に
大阪株式取引所が誕生したときです。

本書では、このときに活躍した4名の人物に
注目します。

1人目は、「日本資本主義の父」と呼ばれる
渋沢栄一さん。

2人目は、洋銀取引から若くして財を成し、
「鉄道王」と呼ばれた今村晴之助さん。

3人目は、巨万の富を築き、「天下の糸平」
と言われた田中平八さん。

4人目は、大阪経済界の重鎮の一人で、
「鉱山王」として知られた五代友厚さんです。

本書では、こうした魅力あふれる人物と共に
日本の証券市場の誕生と発展の歴史が
詳細に語られている、読み応えのある一冊。

豊富なカラー写真も掲載されていて、
当時を知る資料としての価値もある本です。

この本から何を活かすか?

かつて株券売買立会場では、「手サイン」
によって売買されていました。

立会場内では、声がよく聞こえなかったことと、
移動が混雑で大変だったので、証券会社名、
銘柄名、数字の3つをを表すために
手サインが使われていました。

現在はコンピュータで売買されるようになり、
手サインも不要になり、株券売買立会場も
閉鎖されています。

本書を読んで、証券マンがひしめき合って、
手サインで取引していた頃の東京証券取引所の
熱気を懐かしく思い出しました。

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| 投資 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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たった一言で人を動かす 最高の話し方

満足度★★★★
付箋数:24

  「あなたの今までの話し方を “最高の話し方” 
  に変えるエッセンス、それは “間” です。
   “間” が大切、そんなことはわかっている。
  という方が多いことでしょう。
  しかし、実際に “間” をとれているという方は、
  ごくわずかです。
  だからこそ、 “間” を身につければ
  最強の武器になります。」

話すときに「間」をとることを意識している
方も多いはずです。

しかし、話し方において、自分ではできている
つもりでも、一番できていないのが「間」の
とり方です。

世の中のスピーチが上手な人や、心を動かす
話し方ができる人は、「間」のとり方が
うまいと気づいている人でも、
本書を手にすると驚くことでしょう。

なぜなら、本書は丸々一冊、
「間のとり方」についての本だからです。

これまでにも話し方の本は、数多く刊行されて
きましたが、ここまで「間のとり方」だけに
特化した本は、他に見たことがありません。

著者は、NHKキャスターを17年務めた後、
現在はピーチコンサルタントとして政治家や
経営者のスピーチ指導を行っている矢野香さん。

ところで、なぜ、少し「間」をとるだけで、
今までの話し方が、「最高の話し方」に
変わるのでしょうか?

それは、「間」には、聞き手に気づかせたり、
考えさせたるする、能動的な行動を促す力が
あるからです。

「間」をとると、聞き手がリアクションを
示すようになり、それまで一方通行だった
コミュニケーションが双方向に変わるのです。

  「 “間” はとるものではなく、意図的につくる
  ものです。聞き手の反応を見ながら “間” を
  とるのではなく、 “聞き手に反応してもらい
  たい場面” で、積極的に自分から “間” を
  つくるのだ、と考えてください。」

例えば、ビジネスシーンで求められる
「結論から話す」話し方で、「間」をつくる
前と後の違いを見てみましょう。

<間をとる前の話し方>
  「結論から申し上げますと、A社との契約は
  成立したんですが、先方は条件として今までの
  取引先と同額の料金にしてほしいと望んで
  おりまして、それでコストを見直したところ、
  20%なら落とせるんじゃないかということに
  なりまして・・・」

<間をとった後の話し方>
  「結論から申し上げますと、
  ***(3秒の「間」)
  A社との契約は
  *(1秒の「間」)
  成立しました。
  ***(3秒の「間」)
  ただし、A社は
  *(1秒の「間」)
  『今までの取引先と同額の料金にしてほしい』
  *(1秒の「間」)
  と望んでいます。
  そこでコストを見直したところ、
  ***(3秒の「間」)
  20%落とせる部分を見つけました」

結論の前に3秒の「間」を入れると、
「契約成立」というポジティブな内容が
しっかり伝わります。

そのうえで「コストを見直した」という
情報を伝えれば、聞き手は「よくやった」と
好意的にとらえるようになります。

「間」にも長さによる使い分けがあり、
もたらす効果や使う目的も様々です。

たがが「間」と思ってはいけません。

本書を読むと、「間」の奥深さがわかり、
同時に意外と簡単に習得できる話し方の
スキルであることがわかります。

個人的には、話し方を改善するための
費用対効果が高い本だと思います。

この本から何を活かすか?

本書で、「間」をつくるために最適な話し方
として紹介されているのが、「一文一息」
というテクニックです。

一文一息とは、一文=ワンセンテンスを
一息で、息継ぎせずに話すことです。

一文をなるべく短くして一息で話すと、
聞き手にわかりやすく、力強さも伝わります。

一文を話し終わった後に息継ぎをするので、
そこで「間」をとります。

一文一息は、言葉で人を惹きつけるカリスマ
リーダーたちも使っているテクニックです。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アマゾンが描く2022年の世界

満足度★★★★
付箋数:25

アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾスさんは、
かつてアマゾン・プライムについて、
次のように語りました。

  「プライム会員サービスの価値を、
  会員にならないと自分が無責任だと
  思うような存在にしたい」

実際に、プライム会員になると配送料が
無料になるだけでなく、プライム・ビデオや
プライム・ミュージック、プライム・フォト
など様々なサービスが使えるようになります。

ベゾスさんは、アマゾン・プライムに関しては、
超長期思考で考えています。

短期的に投資を回収しようとは全く考えて
おらず、最優先しているのは会員そのものを
増やすこと。

実際、8500万人のプライム会員を抱える
米国では年額1万円以上の会費がかかりますが、
日本ではわずか3900円で提供されています。

これは、「非プライム会員は損している」
状態に他なりません。

いくら会員そのものを増やすことを優先
しているからといって、アマゾンは、
なぜ、そんなことが可能なのでしょうか?

それはアマゾン本体の北米事業とAWS事業
(アマゾン・ウェブ・サービス)での
利益を北米以外の事業への展開に投資して
いるからです。

さらに、プライム会員が増えると、
今まで以上のサービスも期待できますから、
プライム会員にならない手はありません。

さて、米投情報資会社のビスポーク・
インベストメントでは、アマゾンに関する
ある「指数」を発表しています。

その指数とは、「デス・バイ・アマゾン」。

日本語にすると、「アマゾン恐怖銘柄指数」
になります。

これはアマゾンの収益拡大や新規事業参入、
買収などの躍進の影響を受け、事業が悪化
すると見込まれる小売関連の上場54社で
構成された指数です。

日本でも、アマゾンとヤマト運輸との
宅配料金を巡る問題があったのは、
記憶に新しいところです。

最近ではアマゾンの動向がECや小売業界
への影響を超え、多くの産業や国の金融・
経済状況にまで影響を及ぼすように
なってきています。

このような状況は「アマゾン効果」と
呼ばれて注目を集めています。

本書は、脅威を増すアマゾンの大戦略や
未来予想図を読み解く本です。

著者は、大学教授、上場企業の取締役、
経営コンサルタントという3つの顔を持つ
田中道昭さんです。

 序章  なぜ今、アマゾンに注目が集まって
    いるのか―日本・米国・世界で起きて
    いること
 第1章 アマゾンの大戦略を5ファクターメソッド
    で読み解く
 第2章 なぜ、アマゾンは「現実世界」に
    参入するのか
 第3章 アマゾンの収益源はもはや「小売り」
    ではない―ビッグデータ時代の覇者・
    ベゾスの野望
 第4章 ジェフ・ベゾスの宇宙戦略
 第5章 アマゾン、驚異のリーダーシップ&
    マネジメント
 第6章 アジアの王者「アリババの大戦略」と
    比較する
 第7章 ベゾスは真の顧客第一主義者か、それとも
    利己主義者か―アマゾンの攻略法を考える
 おわりに―これから日本、米国、そして世界で
      起きること

本書は非常に充実した内容で、アマゾンの
ビジネスはあらゆる業界とも競合する可能性が
ありますから、是非、読んでおきたい一冊です。

また、個人としてAIスピーカー「Amazon Echo
を買おうかどうか迷っている人にも参考に
なる本だと思います。

この本から何を活かすか?

無人コンビニ「アマゾン・ゴー」という
サービスをご存知でしょうか。

このサービスは、アマゾンの本社がある
シアトルで、アマゾンの社員のみが利用できる
試験運用の段階です。

しかし、買い物客は自動改札機にスマホを
かざして入店すると、あとは欲しい商品を
陳列棚から取って店を出るだけ。

レジに並んで会計するこが不要で、
店を出ると自動決済されるコンビニです。

アマゾン・ゴーが実用化されると、
個人の利便性が高いのは言うまでもなく、
小売業界全体を変えるだけのインパクトが
あることも予想されています。

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 06:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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