活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年01月

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幸せとお金の経済学

満足度★★★★
付箋数:25

フォレスト出版の三上さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

  「他人と比較してものを考える習慣は、
  致命的な習慣である。」

このように言ったのは、19~20世紀の
イギリスの哲学者、論理学者、数学者の
バートランド・ラッセルさんです。

『ラッセル幸福論』の中で言われていました。

同じようなことは、多くの方が言っていて、
私も常々「他人との比較は不幸の始まり」
だと思っています。

とは言っても、競争社会の中で生きている
私たちにとって、他人と比較しないで生きる
ことは、なかなか難しいことです。

本書は、他人との比較で不幸になりがちな、
私たちが学ぶべき、幸せなお金の使い方
について学ぶ本です。

著者は、コーネル大学ジョンソンスクール
経済学教授のロバート・H・フランクさん。

本書の原題は、『Falling Behind : How Rising
Inequality Harms the Middle Class』。

監訳者の金森重樹さんは、このタイトルを、
「遅れをとらないように生きる中間所得層
――どのように不平等が中間所得層を
害してきたのか」と訳しています。

本書の中で、最も重要な概念は「財」を
大きく2つに分類する考えです。

1つ目は、「地位財」です。

これは他人との比較優位によってはじめて
価値が生まれるものです。

例えば、所得、社会的地位、車、家、時計など。

教育費にお金をかけることも地位財への
投資に当たります。

これは生存競争のために必要な財になります。

2つ目は、「非地位財」です。

こちらは他人が持っているか否かに関係なく、
それ自体に価値があり喜びを得ることが
できるもの。

例えば、休暇、愛情、健康、自由、自主性、
社会への帰属意識、良質な環境などです。

レジャーや保険、貯蓄にお金を使うことなどが
非地位財への投資となります。

ちなみに、「結婚」は地位財と非地位財の
両面を持っています。

配偶者の他人への自慢、家庭を持っている
という社会的ステータスという意味では
地位財です。

配偶者や家族への愛や絆という意味では
非地位財となります。

チャールズ・ダーウィンさんによると、
人間は懸命に子孫を残そうとしますから、
生存競争のために、地位財に投資しがちに
なるのは人としての性なのでしょう。

だからこそ、相対的地位をめぐる争いの
子どもへの投資は、自然と白熱するわけです。

しかし、本書で指摘されているのは、
「幸福の持続性」は、同じお金を投資しても、
地位財は低く、非地位財は高いことです。

そもそも幸福とは主観的な概念ですが、
私たちがより幸福と感じるためには、
非地位財にお金を配分することが
カギとなります。

それが不毛な競争的消費に巻き込まれない
ことになり、結果的に資産形成への
確かなステップになるようです。

本書では、地位財と非地位財の概念以外にも
中間所得層がどのようにお金を使うべきか、
社会環境も含めて幅広に言及しています。

フランクさんの言説は非常に説得力があり、
気がつくと説得されている感があります。

監訳者の金森さんは、若干、癖が強いですが、
論理的な言い回しが得意なので、日本語版には、
いい意味でその影響が出ているのだと思います。

本書は、お金に対する感覚が変わる
オススメの一冊です。

この本から何を活かすか?

本書で論じられるのは、以下の4つの命題です。

 命題1:人には相対的な消費が重要だと感じる
    領域がある。

 命題2:相対的な消費への関心は「地位獲得競争」、
    つまり地位剤に的を絞った支出競争に
    つながる。

 命題3:「地位獲得競争」に陥ると、資金が
    非地位財に回らなくなって幸福度が下がる。

 命題4:中間所得層の家庭では、格差拡大によって
    「地位獲得競争」から生じる損失が
    さらに悪化した。

個人的には、この4つの命題を知るだけでも、
私たちの生き方は大きく変わると思いました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 経済・行動経済学 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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