活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年01月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

したたかな寄生

満足度★★★★
付箋数:25

カタツムリの天敵は鳥です。

そのため通常のカタツムリは、鳥から身を
隠すため、通常、昼間は身を潜め、
夜にしか行動しません。

しかし、あるカタツムリは昼間に動き出し、
鳥に見つかりやすい木に登ります。

更に、明るく目立つ葉っぱの表面へ
移動します。

それだけでも、鳥に捕食される確率は
上がりますが、自らの触覚を鳥の大好物の
イモムシのように変形させます。

触覚の色も、緑、白、黒の鮮やかな
縞模様に変えます。

触覚を大きく膨らませたり縮めたりして、
まるでイモムシが歩いているように
見せかけるのです。

当然、このカタツムリは簡単に鳥に
見つかり、食べられてしまいます。

なぜ、このカタツムリは、あえて鳥に
捕食されやすい行動を取るのか?

このカタツムリは自らの意志で
そんな行動を取ったのではありません。

カタツムリは、実は操られていたのです。

ロイコクロリディウム。
これがカタツムリを操った寄生者です。

ロイコクロリディウムは吸虫の一種で、
中間宿主と最終宿主を別に持つ寄生者。

ロイコクロリディウムの最終宿主は
鳥で、中間宿主がカタツムリです。

そのため、まずカタツムリの体内に入り、
最終宿主に捕食されるように、
カタツムリの脳を操るのです。

まんまとカタツムリから鳥の体内に
移動したロイコクロリディウムは、
鳥から栄養をもらい性成熟します。

そうして、鳥の腸内でおびただしい数の
卵を生み、鳥の糞として再び地上に
落下します。

このように自然界には、他の生物の
脳と体を乗っ取り、巧みに操る
生物たちがいます。

まさに、瀬名秀明さんの書いた小説
『パラサイト・イヴ』の世界です。

多かれ少なかれ、地球上の生物は、
単体で生き抜くことはできず、
さまざまな生物と影響し合って
生きています。

異種の生物が、相互関係を持ちながら
同所で生きることを「共生」といいます。

生物種同士が助け合う関係も、
害を与える関係も、なんの影響もない
関係も、同じ場所で生きていれば
共生になります。

  「本書は、共生関係の中でも、小さく
  弱そうに見える寄生者たちが自分の
  何倍から何千倍も大きな体を持つ
  宿主の脳も体も乗っ取り、自己の
  都合の良いように巧みに操る、
  恐ろしくも美しい生き様を紹介します。」

著者は、日本バイオセラピー研究所で
免疫細胞療法を中心としたがん治療や
再生医療を研究する成田聡子さん。

本書は、したたかな生物と言うより、
恐るべき支配力を持った寄生者を紹介。

共生を使った生物の生きる戦略には、
ただただ驚きます。

生き物好きにはたまらない一冊です。

この本から何を活かすか?

 ・ゴキブリを奴隷のように仕えさせる
  宝石バチ

 ・泳げないカマキリを入水自殺させる
  ハリガネムシ

 ・化学物質を放出して蟻の脳を支配し、
  時期が来ると殺すキノコ

 ・オスからメスに性別も変えられ
  寄生者の卵を守らされるカニ 

本書では、このような恐ろしい生物の
事例を数多く紹介しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |