活かす読書

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DNAの98%は謎 生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か

満足度★★★★
付箋数:23

1985年から始まった、ヒトのゲノムの
全塩基配列を解析するプロジェクト、
ヒトゲノム計画。

2000年6月26日、クリントン米大統領は
ホワイトハウスで大々的に記者会見を行い、
ヒトゲノムの全配列の解読が終わったことを
全世界に宣言しました。

  「ヒトゲノムプロジェクトは我々人類を
  理解する偉大な一歩、そして人類が
  これまでに作ったものの中で、
  もっとも価値のある地図になった」

実際には、その3年後の2003年に
プロジェクトは完了し、約30億塩基対、
2万2000個の遺伝子を見つけました。

ちなみに、ゲノム(genome)とは遺伝子
(gene)と染色体(chromosome)の
合成語で、生物の持っている遺伝情報全体
のことです。

さて、ヒトゲノム計画で衝撃的だったのは、
約30億塩基対の全ゲノムのうち、
「98%」がタンパク質をコードしていない
「非コードDNA領域」だったことでした。

なぜ、衝撃的だったかというと、ヒトの体は
タンパク質でできているため、ゲノムは
タンパク質を指定する情報「コードDNA」が
メインだと考えられていたからです。

生命の設計図とも言うべきコードDNAは、
ゲノムのわずか2%に過ぎませんでした。

そして、98%を占めた遺伝子情報を持たない
非コードDNAは、当初「不要なもの」と
考えられたのです。

生物学者はこの領域のことをジャンク
(ゴミ)と呼んだりしていました。

  「しかし、これは本当にゴミなのでしょうか?
  生物はこんな無駄を許すのでしょうか?
  実はこのジャンク領域、正式には
   “非コードDNA領域” と呼ばれていますが、
  これこそが生命を誕生させ、
  ヒトをヒトたらしめ、進化の原動力として
  働いた重要な装置であることが分かって
  きました。本書ではこの謎に満ちた
  暗黒領域 “非コードDNA” に光をあて、
  最新の情報をもとにその役割について
  解説します。」

本書の著者は、東京大学分子細胞生物学
研究所教授で日本遺伝学会会長を務める
小林武彦さんです。

非コードDNAは、長い間ゴミとまで
言われれいましたが、研究が進むにつれ、
重要な役割を持つことがわかってきました。

 ・非コードDNAは、遺伝子の発現に関わる
 ・非コードDNAは、遺伝子の複製に関わる
 ・非コードDNAは、染色体の分配に関わる
 ・非コードDNAは、ゲノムの再編成に関わる

サルとヒトでは、遺伝子はほとんど同じです。

それなのに、なぜ見た目はこんなにも
違うのでしょうか?

実は、ヒトとサルとの違いを生み出して
いるのが、非コードDNAだったのです。

また、非コードDNAは老化と寿命に関わり、
進化の原動力にもなっていることも
わかってきました。

本書で、小林さんは非コードDNAの役割と
その発見にまつわるエピソードを紹介します。

本書は少し生物学の知識は必要ですが、
分子生物学が初めての人にもわかるよう、
丁寧に解説されている良書だと思います。

この本から何を活かすか?

DNAをよく見ると、同種でもごくわずかに
個体ごとに塩基配列が異なっています。

この塩基配列の異変のことをスニップ
(SNP)と言います。

このスニップが多様性、ヒトの場合は個性
を生んでいます。

遺伝子検査と言われる、体質などを調べる
民間のサービスも、このスニップを利用
しているようです。

ただし、このスニップによる遺伝子検査は、
組合せの影響などがわかっていないので、
まだそれほど精度は高くないようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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